JPH06136941A - 埋設穴形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、機械据付アンカーボルトの埋設穴
の為のコンクリート型枠の組み立てにおいて用いられる
新規な埋設穴形成装置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、基礎コンクリートを打設する前に
その打設場にアンカーボルト２０を埋設するための埋設
穴２１を予め箱状に区画形成しておくために用いられる
埋設穴形成装置であって、上記打設場に設置されて上記
埋設穴２１のコンクリート打設に用いられる型枠と略同
一形状に成形された袋状シート１と、その袋状シート内
部から外向きに袋状シート１を押圧して袋状シートを所
期の型枠形状に復元させる折り畳み装置５とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、機械据付アンカーボル
トの埋設穴の為のコンクリート型枠の組み立てにおいて
用いられる新規な埋設穴形成装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、機械据付用のアンカーボルトの
埋設穴は、機械基礎のコンクリート打設前に型枠大工が
木枠によって型枠を組み立てる方法が採られている。

【０００３】或いは、図５に示すように機械台ａを据え
付ける機械基礎ｂに関し、木製型枠の代わりに蛇腹状の
鋼管ｃを用いて上記の埋設穴ｄを作り、その蛇腹状の鋼
管ｃを基礎コンクリートに残留させたままモルタルｅに
よりアンカーボルトｆを埋設する方法も採られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】アンカーボルトｆの埋
設穴ｄの工事は、プラント建設などの時に大量に発生す
る作業であるが、従来の木枠によって型枠を組み立てる
方法は、最近の技能者の払底、特に型枠大工の不足のた
め使えなくなってきている。

【０００５】一方上記の蛇腹状の鋼管ｃを用いる方法
は、比較的簡単な方法ではあるが、単価が高いこと、或
いは鋼管ｃを基礎コンクリートｂに残置することによる
基礎コンクリートｂの錆による劣化の問題などが指摘さ
れる。

【０００６】そこで、本発明は従来の問題を有効に解決
し、取扱いが容易であり、工事単価も安く、且つ施工効
果の高い新規な埋設穴形成装置を提供することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、基礎コンクリートを打設する前にその打設場
にアンカーボルトを埋設するための埋設穴を予め箱状に
区画形成しておくために用いられる埋設穴形成装置であ
って、上記打設場に設置されて上記埋設穴のコンクリー
ト打設に用いられる型枠と略同一形状に成形された袋状
シートと、その袋状シート内部から外向きに袋状シート
を押圧して袋状シートを所期の型枠形状に復元させる折
り畳み装置とを備えたものである。

【０００８】

【作用】以上の構成により、基礎コンクリートに袋状シ
ートが取り付けられその内部に折り畳み装置が設けられ
る。次に、折り畳み装置によって袋状シートがその４面
を同時に押し開かれ、袋状シートが予め箱状に区画形成
されていたように拡張されるので、アンカーボルトの埋
設穴の形枠が基礎コンクリートの所定の位置に設置され
ることになる。また、折り畳み装置は、この袋状シート
の外周にコンクリートが打設された時は袋状シートの型
枠の型崩れを防ぎ、コンクリートが固化した時は折り畳
まれて袋状シートから取り外される。続いて袋状シート
の外面が打設コンクリートの壁面から引き剥がされて、
本装置一式は全てアンカーボルトの埋設穴から回収さ
れ、以後他の場所で繰り返し使用できる。

【０００９】

【実施例】以下に、本発明の実施例１について図１に基
づいて説明する。

【００１０】据え付け機械の仕様に応じて設計されるア
ンカーボルトの埋込穴用コンクリート型枠について、こ
れと同じ底面２と壁面３を有する袋状シート１の内部
に、袋状シート１をその内壁から押して所定の形状のコ
ンクリート型枠の原形に成形するための少なくとも４面
の組み立て式の支え板４が装着される。上記支え板４
は、これをその袋状シート１の内部で進退させる折り畳
み装置５を伴って構成され、折り畳まれた状態で袋状シ
ート１の内部に装着される。折り畳み装置５は、シート
の底面の中心に回転自在に支持されるスピンドル６と、
スピンドル６の回転に合わせて昇降する少なくとも２個
の雌ネジ付き短円筒７と、短円筒７の外周に設けられて
径方向に前後左右４方向に突起する支点８と、支え板４
の内面の上下中心線上に設けられる支点９と、これら支
点８と９に上下回動自在に軸着されるアーム部材１０
と、スピンドル６の頂部端点に固定されるスピンドル６
の人力回転用のハンドル１１とから構成される。

【００１１】次に実施例１の作用について述べる。

【００１２】機械据付アンカーボルトの埋込穴の位置と
形状は、設計に基づき決定される。

【００１３】この設計に基づくコンクリート型枠の底面
２と壁面３と同じ形状を呈するシート製の袋状シート１
が工事前に製造または製造されたものが準備される。上
記袋状シート１を上記の設計に基づくアンカーボルトの
埋込穴の位置に配置すると共に、その内部に袋状シート
１をその内壁から押してその形状をコンクリート型枠の
設計通りの原形に復元するための少なくとも４面の支え
板４が装着される。上記支え板４は、袋状シート１の内
部でこれを進退させる折り畳み装置５を伴って構成され
る。

【００１４】折り畳み装置５は、スピンドル６と短円筒
７と支点８と支点９とアーム部材１０とハンドル１１と
から構成されるものであって、スピンドル６はシートの
底面の中心に回転自在に支持されると共にそのスピンド
ル６の頂部端点に固定されるハンドル１１により人力回
転される。スピンドル６はその全長に亘りその外周に雄
ネジが刻設されるが、そのスピンドル６の上半分と下半
分でそれぞれそのネジの向きが逆に刻設され、その雄ネ
ジの向きに応じた雌ネジ付き短円筒７が夫々の雄ネジ部
に螺合される。雌ネジ付き短円筒７の外周には径の前後
左右４方向に突起する上部支点８と下部支点９が設けら
れる。一方、支え板４の内面の上下中心線上に上部支点
１２と下部支点１３が設けられ、アーム部材１０がこれ
ら上部支点８と１２および下部支点９と１３に上下回動
自在に軸着される。各支点の相対位置は、上部支点間に
おいては支点８が、また下部支点間においては支点１３
が上位となる。

【００１５】従って、折り畳み装置５のスピンドル６の
ハンドル１１を人力回転するとき、スピンドル６の上半
分と下半分でそれぞれそのネジの向きが逆に刻設されて
いるので、上半分および下半分に夫々螺合される雌ネジ
付き短円筒７は、スピンドル６の回転方向により上下相
い寄り又は上下相い離れる場合を生じ、即ち、アーム部
材１０がスピンドル６の径方向に押出され又は引き込ま
れる動作を介して支え板４を袋状シート１に押し付け或
いは引き離すことになる。

【００１６】支え板４を袋状シート１に押し付ける時
は、上記の折り畳み装置５の雌ネジ付き短円筒７を上下
相い寄る向きにスピンドル６のハンドル１１を人力回転
させ、支え板４が袋状シート１を４方に押し出して、当
初の目的のアンカーボルトの埋込穴の形状を呈するまで
拡張する。

【００１７】この後、袋状シート１の外周には基礎コン
クリートが打設されるので、袋状シート１の外面にはそ
の高さに比例する生コンの滑り圧力がかかるがアンカー
ボルト２０の長さまでのもので特に大きなものではな
い。一応上記の圧力を見込んで袋状シート１を多少強め
に拡張すべく支え板４を押出しておけば十分である。上
記の状態で打設コンクリートの養生期間が経過し、打設
されたコンクリートが固化したときは支え板４を折り畳
み装置５により内壁内に後退させ袋状シート１を打設コ
ンクリートの壁面から剥離させるのものである。

【００１８】完成した埋設穴にはアンカーボルト２０が
設置された後、モルタルが打設されてアンカーボルト２
０を基礎コンクリートに固定し、この工事は終了する。
一方、埋設穴から回収された本装置一式は他の場所で繰
り返し使用されることになる。

【００１９】従って、型枠の設置は本装置一式の組み立
てだけなのでに特に熟練を要せず、またくりかえし使用
できるので単価が下がる。また、袋状シート１の形状を
事前に設計し製造しておくので最適な型枠を常に提供で
き仕様通りのアンカーボルト２０を設置することができ
る。

【００２０】次に、本発明の実施例２について図２及び
図３に基づいて説明する。

【００２１】アンカーボルト２０の埋込穴２１を設置し
ようとする基礎コンクリート２３の所定の位置の鉄筋２
４に袋状シート２５が配置され、その内部に支え板２６
が装着される。本実施例の支え板２６は、埋込穴の断面
形状が入り口から底部に向けて末広がりとすべくその入
り口側から底部側に向ける中間に勾配部分を設けたもの
である。また、本実施例においては、袋状シートを固定
する支持プラグ２７が袋状シート２５の上方外側の基礎
コンクリート２３の鉄筋２４に固定され、同じく袋状シ
ート２５の上方外周に設けられる支持片２８を把持する
ようになっている。また、支え板２６を前進後退させる
上記の実施例１に示した折り畳み装置のスピンドルと同
様のものであって本実施例において用いるスピンドル２
９（図示省略）の底部を回転自在に支持するセンタープ
ラグ３０が袋状シート２５の底部の中心の外側の基礎コ
ンクリートの鉄筋２４に固定される。また、本実施例の
折り畳み装置は上記の実施例１に示したのと同様に、そ
の全長に亘りその外周に雄ネジが刻設されたスピンドル
２９（図示省略）に３個の雌ネジ付き短円筒３１（図示
省略）が螺合される。またこれらの雌ネジ付き短円筒３
１（図示省略）と支え板２６は、上記の実施例１に示し
たのと同様に、これらの所定の位置のに設けられる支点
（図示省略）を介してアーム部材（図示省略）を上下回
動自在に軸着する。

【００２２】次に実施例２の作用について述べる。

【００２３】図示するように、本実施例は、アンカーボ
ルト２０の埋込穴２１の断面形状を牛乳ビン状、即ち埋
込穴の底部に向けて末広がり状に形成することにより、
この埋込穴２１のアンカーボルト２０にかかる引張力に
対する埋め込みモルタル２２の基礎コンクリート２３に
対する摩擦抵抗力を補強するものである。

【００２４】このため、支え板２６には、入り口側から
底部側に向ける部材の中間に勾配が設けられたものであ
る。また、支え板２６の形状が実施例１と相違するの
で、これをうけて支え板２６を進退させるアーム部材を
支え板２６の上部３２と中部３３と下部３４の３カ所で
作用させ、アーム部材の支え板２６に対する押し出し力
にムラが生じないようにしたものである。また、袋状シ
ート２５を固定する支持プラグ２７と、スピンドル２９
（図示省略）の底部を回転自在に支持するセンタープラ
グ３０を基礎コンクリートの鉄筋２４に設けて、アンカ
ーボルト２０の埋込穴の正確な位置決めを計ったもので
ある。

【００２５】尚、これらの支持プラグ２７とセンタープ
ラグ３０は基礎コンクリートが打設された時その中に埋
没されるので、袋状シート２５を基礎コンクリートから
回収するとき消耗品として基礎コンクリートの中に残さ
れることになる。尚、実施例にあっては、袋状シート１
の平面図形状は方形として説明したが形状には特に制限
がある訳でなく多方形でも円形でも構わない。

【００２６】また、袋状シート１の材質は、成形でき且
つ伸縮性のあるものであれば、帆布でもゴムでも合成樹
脂品でも構わないことは勿論である。

【００２７】また、支え板の形状は、実施例に示すよう
に当該アンカーボルト２０の埋込穴２１の断面形状に係
わる設計仕様に応じて決定されるもので平面板形状、球
面形状、折りかけ状、その他自由に選定できることは勿
論である。

【００２８】また、折り畳み装置５は、実施例に示した
ような手段が望ましいが本発明は特にこの実施例の手段
に限られるものでなく支え板を袋状シート１の内面４方
に向けて均一に前進後退させ、かつその前進後退の位置
を自由に維持できる手段であれば構わない訳であり、例
えば油圧シリンダを利用しても構わないしサーボモータ
とかエアシリンダを利用しても構わない。また、図４に
示すような袋状シート４１と支え板４０と楔作用を応用
した折り畳み装置４２を利用しても構わない。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば次の如き優れた効果を発揮する。

【００３０】（１）特に熟練者を要せず、またくりかえ
し使用できるので工事単価が下げることができる。

【００３１】（２）袋状シートの形状を事前に設計し製
造しておくので最適な埋設穴を提供でき仕様通りのアン
カーボルトを設置することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１を示す部分破断斜視図であ
る。

【図２】本発明の実施例２の実施後の状態を示す側断面
図である。

【図３】本発明の実施例２の実施前の状態を示す側断面
図である。

【図４】本発明の他の実施例を示す側断面図である。

【図５】従来の技術を示す側断面図である。

【符号の説明】

１ 袋状シート ２ 袋状シートの底面 ３ 袋状シートの内壁側 ４ 支え板 ５ 折り畳み装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基礎コンクリートを打設する前にその打
   設場にアンカーボルトを埋設するための埋設穴を予め箱
   状に区画形成しておくために用いられる埋設穴形成装置
   であって、上記打設場に設置されて上記埋設穴のコンク
   リート打設に用いられる型枠と略同一形状に成形された
   袋状シートと、その袋状シート内部から外向きに袋状シ
   ートを押圧して袋状シートを所期の型枠形状に復元させ
   る折り畳み装置とを備えたことを特徴とする埋設穴形成
   装置。