JPH06136142A - フェノ−ル樹脂−炭素繊維複合材料 - Google Patents
フェノ−ル樹脂−炭素繊維複合材料Info
- Publication number
- JPH06136142A JPH06136142A JP30591392A JP30591392A JPH06136142A JP H06136142 A JPH06136142 A JP H06136142A JP 30591392 A JP30591392 A JP 30591392A JP 30591392 A JP30591392 A JP 30591392A JP H06136142 A JPH06136142 A JP H06136142A
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- JP
- Japan
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- phenol resin
- carbon fiber
- fibers
- treatment
- carbon
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- Pending
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 フェノール樹脂母材と炭素繊維との間の結合
力を高め、それによって摺動材としたときの摺動面から
の炭素繊維の抜けを防止させるフェノール樹脂-炭素繊
維複合材料を提供する。 【構成】 炭素繊維を440℃の空気中で6時間加熱してカ
ルボキシル基を導入した後、ジエチレントリアミントル
エン溶液中に浸漬、ロ過、真空乾燥、150℃で加熱す
る。これを、ノボラック型フェノール樹脂とニーダで混
練する。
力を高め、それによって摺動材としたときの摺動面から
の炭素繊維の抜けを防止させるフェノール樹脂-炭素繊
維複合材料を提供する。 【構成】 炭素繊維を440℃の空気中で6時間加熱してカ
ルボキシル基を導入した後、ジエチレントリアミントル
エン溶液中に浸漬、ロ過、真空乾燥、150℃で加熱す
る。これを、ノボラック型フェノール樹脂とニーダで混
練する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール樹脂-炭素
繊維複合材料に関する。更に詳しくは、摺動材成形材料
などとして有効に用いられるフェノール樹脂-炭素繊維
複合材料に関する。
繊維複合材料に関する。更に詳しくは、摺動材成形材料
などとして有効に用いられるフェノール樹脂-炭素繊維
複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、フェノール樹脂-炭素繊維複合材
料は、主に摺動材成形材料などに用いられているが、こ
れを摺動材に成形した場合、炭素繊維表面が不活性なた
めフェノール樹脂と十分に結合せず、炭素繊維が摺動面
から抜け易いという欠点がみられる。この抜け出した炭
素繊維は、摺動面を摩耗させたり、損傷させたりするの
で、摺動材の寿命を短くしている。
料は、主に摺動材成形材料などに用いられているが、こ
れを摺動材に成形した場合、炭素繊維表面が不活性なた
めフェノール樹脂と十分に結合せず、炭素繊維が摺動面
から抜け易いという欠点がみられる。この抜け出した炭
素繊維は、摺動面を摩耗させたり、損傷させたりするの
で、摺動材の寿命を短くしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ノール樹脂母材と炭素繊維との間の結合力を高め、それ
によって摺動材としたときの摺動面からの炭素繊維の抜
けを防止させるフェノール樹脂-炭素繊維複合材料を提
供することにある。
ノール樹脂母材と炭素繊維との間の結合力を高め、それ
によって摺動材としたときの摺動面からの炭素繊維の抜
けを防止させるフェノール樹脂-炭素繊維複合材料を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
フェノール樹脂母材中に、空気酸化処理およびアミン化
合物処理を行った炭素繊維を充填してなるフェノール樹
脂-炭素繊維複合材料によって達成される。
フェノール樹脂母材中に、空気酸化処理およびアミン化
合物処理を行った炭素繊維を充填してなるフェノール樹
脂-炭素繊維複合材料によって達成される。
【0005】炭素繊維としては、ピッチ系、レーヨン系
の炭素繊維も用いられるが、ポリアクリロニトリル系の
炭素繊維が一般に用いられる。フェノール樹脂母材との
複合材料中約10〜45体積%の割合で用いられる炭素繊維
は、母材中への充填に先立って、空気酸化処理およびア
ミン化合物処理が行われる。
の炭素繊維も用いられるが、ポリアクリロニトリル系の
炭素繊維が一般に用いられる。フェノール樹脂母材との
複合材料中約10〜45体積%の割合で用いられる炭素繊維
は、母材中への充填に先立って、空気酸化処理およびア
ミン化合物処理が行われる。
【0006】空気酸化処理は、約400〜500℃の空気中で
約5〜20時間程度行われ、そこにカルボキシル基を生成
させる。次いで、フェノール樹脂との反応性を有するア
ミン化合物、例えばジエチレントリアミンのトルエン溶
液中に約5〜10分間浸漬させて、カルボキシル基とアミ
ノ基とを結合させる処理が行われる。アミン化合物とし
ては、この他に一般式 H2N(CH2)nNH2 [n:3〜12]で表わ
されるジアミンなども用いられる。この浸漬処理の後、
ロ過、約80〜100℃での真空乾燥を行った後、重量変化
がみられなくなる迄約140〜160℃に加熱し、結合を強化
させることが望ましい。
約5〜20時間程度行われ、そこにカルボキシル基を生成
させる。次いで、フェノール樹脂との反応性を有するア
ミン化合物、例えばジエチレントリアミンのトルエン溶
液中に約5〜10分間浸漬させて、カルボキシル基とアミ
ノ基とを結合させる処理が行われる。アミン化合物とし
ては、この他に一般式 H2N(CH2)nNH2 [n:3〜12]で表わ
されるジアミンなども用いられる。この浸漬処理の後、
ロ過、約80〜100℃での真空乾燥を行った後、重量変化
がみられなくなる迄約140〜160℃に加熱し、結合を強化
させることが望ましい。
【0007】フェノール樹脂としては、一般にノボラッ
ク型フェノール樹脂が、炭素繊維との複合材料中約55〜
90体積%を占めるような割合で用いられ、アセトンなど
で希釈しながらニーダで炭素繊維と混練し、真空乾燥、
約110〜130℃での予備加熱および繊維が切断しない程度
の粉砕により、複合材料が調製される。
ク型フェノール樹脂が、炭素繊維との複合材料中約55〜
90体積%を占めるような割合で用いられ、アセトンなど
で希釈しながらニーダで炭素繊維と混練し、真空乾燥、
約110〜130℃での予備加熱および繊維が切断しない程度
の粉砕により、複合材料が調製される。
【0008】複合材料の成形は、約150〜170℃でプレス
成形した後、約180〜200℃で約10〜20時間程度ポストキ
ュアすることにより行われる。
成形した後、約180〜200℃で約10〜20時間程度ポストキ
ュアすることにより行われる。
【0009】
【発明の効果】空気酸化処理およびアミン化合物処理し
た炭素繊維をフェノール樹脂母材中に充填することによ
り、フェノール樹脂と炭素繊維との結合力が高められ、
このような複合材料から成形された摺動材は、その摺動
面からの炭素繊維の抜けを有効に防止し、その性能およ
び寿命を向上させる。また、複合材料の欠点であったせ
ん断による層間剥離による破壊も防止され、この面から
も構造材としての特性の向上が図られる。
た炭素繊維をフェノール樹脂母材中に充填することによ
り、フェノール樹脂と炭素繊維との結合力が高められ、
このような複合材料から成形された摺動材は、その摺動
面からの炭素繊維の抜けを有効に防止し、その性能およ
び寿命を向上させる。また、複合材料の欠点であったせ
ん断による層間剥離による破壊も防止され、この面から
も構造材としての特性の向上が図られる。
【0010】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0011】実施例 炭素繊維(ポリアクリロニトリル系高強度繊維;平均繊
維長0.24mm)120.0gを100mlアルミナ製ルツボ2個に60.0
gずつ分けて、に入れ、炭素化炉(進成電炉社製)中で、
空気を20L/分の流量で流入させながら、440℃で6時間
加熱し、その後空気を窒素ガス(流量20L/分)に切り換
え、冷却した。NaOHで滴定して、4.8×10-2ミリ当量/g
のカルボキシル基量の生成を確認した。
維長0.24mm)120.0gを100mlアルミナ製ルツボ2個に60.0
gずつ分けて、に入れ、炭素化炉(進成電炉社製)中で、
空気を20L/分の流量で流入させながら、440℃で6時間
加熱し、その後空気を窒素ガス(流量20L/分)に切り換
え、冷却した。NaOHで滴定して、4.8×10-2ミリ当量/g
のカルボキシル基量の生成を確認した。
【0012】この空気酸化処理した炭素繊維100gを、10
重量%ジエチレントリアミントルエン溶液中に10分間浸
漬させた後ロ過し、80℃で2時間真空乾燥させてから、1
50℃で重量変化がみられなくなる迄(約1時間)加熱し
て、カルボキシル基とアミノ基との結合を強化させた。
重量%ジエチレントリアミントルエン溶液中に10分間浸
漬させた後ロ過し、80℃で2時間真空乾燥させてから、1
50℃で重量変化がみられなくなる迄(約1時間)加熱し
て、カルボキシル基とアミノ基との結合を強化させた。
【0013】このようにして得られたジエチレントリア
ミン結合炭素繊維40体積%とノボラック型フェノール樹
脂60体積%とを、アセトンで希釈しながらニーダで混練
した後、室温下で8時間の真空乾燥、120℃のオーブン中
で30分間予備加熱、繊維が切断されない程度の粉砕、15
0℃、840kg/cm2、30分間の条件下でのヒートプレスによ
る成形および180℃のオーブン中での10時間のポストキ
ュアを順次行い、成形品から7.0〜7.5×40×3.2mmの板
状試験片を切り出した。
ミン結合炭素繊維40体積%とノボラック型フェノール樹
脂60体積%とを、アセトンで希釈しながらニーダで混練
した後、室温下で8時間の真空乾燥、120℃のオーブン中
で30分間予備加熱、繊維が切断されない程度の粉砕、15
0℃、840kg/cm2、30分間の条件下でのヒートプレスによ
る成形および180℃のオーブン中での10時間のポストキ
ュアを順次行い、成形品から7.0〜7.5×40×3.2mmの板
状試験片を切り出した。
【0014】この試験片について、島津製作所製オート
グラフを用い、3点曲げ試験を行った。試験は、試験片
の両端部を4mm径のコロ上に塔載した上、先端部が5mmR
の荷重Wを上からかけることにより行われ、そのときの
雰囲気は大気中、温度は25℃、曲げ速度υ=0.8mm/分と
いう条件が採用された。
グラフを用い、3点曲げ試験を行った。試験は、試験片
の両端部を4mm径のコロ上に塔載した上、先端部が5mmR
の荷重Wを上からかけることにより行われ、そのときの
雰囲気は大気中、温度は25℃、曲げ速度υ=0.8mm/分と
いう条件が採用された。
【0015】この試験での破断面を、走査型電子顕微鏡
で観察すると、母材であるフェノール樹脂と炭素繊維と
の強い結合が破断されていることが確認された。
で観察すると、母材であるフェノール樹脂と炭素繊維と
の強い結合が破断されていることが確認された。
【0016】比較例 実施例において、未処理の炭素繊維を用いると、走査型
電子顕微鏡での破断面は、フェノール樹脂と炭素繊維と
の弱い結合の破断を示していた。
電子顕微鏡での破断面は、フェノール樹脂と炭素繊維と
の弱い結合の破断を示していた。
Claims (2)
- 【請求項1】 フェノール樹脂母材中に、空気酸化処理
およびアミン化合物処理を行った炭素繊維を充填してな
るフェノール樹脂-炭素繊維複合材料。 - 【請求項2】 空気酸化処理およびアミン化合物処理を
行った炭素繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30591392A JPH06136142A (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | フェノ−ル樹脂−炭素繊維複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30591392A JPH06136142A (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | フェノ−ル樹脂−炭素繊維複合材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06136142A true JPH06136142A (ja) | 1994-05-17 |
Family
ID=17950812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30591392A Pending JPH06136142A (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | フェノ−ル樹脂−炭素繊維複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06136142A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU753380B2 (en) * | 1996-10-17 | 2002-10-17 | Intersurgical Ag | Process for the manufacture of chemical absorbents, and novel chemical absorbent formulations |
JP2012207099A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂成形材料 |
CN110615965A (zh) * | 2019-10-17 | 2019-12-27 | 陕西科技大学 | 一种碳纤维/二氧化锰纳米片表面接枝三聚氰胺增强树脂基复合材料的制备方法 |
-
1992
- 1992-10-21 JP JP30591392A patent/JPH06136142A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU753380B2 (en) * | 1996-10-17 | 2002-10-17 | Intersurgical Ag | Process for the manufacture of chemical absorbents, and novel chemical absorbent formulations |
JP2012207099A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂成形材料 |
CN110615965A (zh) * | 2019-10-17 | 2019-12-27 | 陕西科技大学 | 一种碳纤维/二氧化锰纳米片表面接枝三聚氰胺增强树脂基复合材料的制备方法 |
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