JPH06135660A - リニアモータエレベーター - Google Patents

リニアモータエレベーター

Info

Publication number
JPH06135660A
JPH06135660A JP4290279A JP29027992A JPH06135660A JP H06135660 A JPH06135660 A JP H06135660A JP 4290279 A JP4290279 A JP 4290279A JP 29027992 A JP29027992 A JP 29027992A JP H06135660 A JPH06135660 A JP H06135660A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
primary winding
secondary stator
magnetic material
linear motor
stator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4290279A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Ishii
敏昭 石井
Kimimoto Mizuno
公元 水野
Shigeki Maekawa
滋樹 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP4290279A priority Critical patent/JPH06135660A/ja
Publication of JPH06135660A publication Critical patent/JPH06135660A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、円筒形リニア誘導モータの一次巻
線11と二次固定子21との間の磁気的ギャップgを小
さくして、運転効率を十分に向上させることを目的とす
るものである。 【構成】 円周方向に沿うリング状の溝22aが長手方
向に間隔をおいて複数設けられている鉄芯22と、溝2
2a内に充填されているアルミニウム製の二次導体23
とにより二次固定子21を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、リニア誘導モータの
推力によりかごを昇降させるリニアモータエレベーター
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図17は例えば特開平3−222665
号公報に示された従来のリニアモータエレベーターを示
す要部斜視図である。図において、返し車1,2に巻き
掛けられたロープ3には、かご4と釣合重り5とがつる
べ状に吊り下げられている。釣合重り5の幅方向両側に
は、リニア誘導モータの一次巻線6が搭載されている。
上記リニア誘導モータの二次導体7は、各一次巻線6に
対向するように昇降路内壁に固定されている。また、釣
合重り5には、その昇降を案内するガイドシュー8が取
り付けられている。
【0003】次に、動作について説明する。釣合重り5
に搭載されたリニア誘導モータの一次巻線6を励磁する
ことにより、一次巻線6と二次導体7との間で相対的な
推力が発生し、釣合重り5が駆動される。この駆動力が
ロープ3を介してかご4に伝えられ、かご4が昇降路内
を昇降する。
【0004】ここで、図18は図17の二次導体7に渦
電流が流れる様子を示す図である。図において、一次巻
線6の進行方向を矢印Aで示しているが、この方向の推
力に寄与する渦電流は、進行方向に対して直角の方向
(破線Bで囲んだ部分がほぼ該当する。)の電流成分で
ある。これに対して、矢印A方向に平行な電流成分(破
線Cで囲んだ部分がほぼ該当する。)は、推力に寄与し
ない。
【0005】次に、図19は例えば特開平2−1585
86号公報に示された従来のリニアモータエレベーター
の他の例を示す要部斜視図であり、円筒形リニア誘導モ
ータを使用したものである。図において、釣合重り5の
幅方向中央には、円筒状の一次巻線11が搭載されてい
る。昇降路には、上下方向に延びる円柱状の二次固定子
12が一次巻線11を貫通して設置されている。これら
の一次巻線11及び二次固定子12により、円筒形リニ
ア誘導モータが構成されている。図17に示したもの
は、両側式のリニア誘導モータであり、図19の円筒形
のものは、原理的には片側式のリニア誘導モータであ
る。
【0006】図20は図19の円筒形リニア誘導モータ
の縦断面図である。図において、二次固定子12は、鉄
製で円柱状の鉄芯13と、この鉄芯13を囲繞するアル
ミニウム製で円筒形の二次導体14とからなっている。
【0007】上記のような円筒形リニア誘導モータで
は、一次巻線11を励磁することにより図20のような
磁束φが発生する。この磁束φにより二次導体14に流
れる二次電流は、推力の方向Aに対して直角の方向の成
分のみであり、推力として寄与しない電流成分は存在し
ない。このため、図17のリニア誘導モータに比べて、
運転効率が向上する。これが円筒形リニア誘導モータの
利点であることは、一般によく知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のリ
ニアモータエレベーターのうち、図17及び図18に示
したものにおいては、推力に寄与しない電流成分が発生
し、この電流成分によって不要な抵抗損失が発生するの
で、運転効率が低下してしまうという問題点があった。
一方、図19及び図20に示した円筒形リニア誘導モー
タを使用したものにおいては、推力に寄与しない電流成
分が存在しないものの、図20に示すように、磁気的ギ
ャップg(エアギャップ+二次導体14の厚さ)が大き
いため、その分だけ励磁電流を大きくする必要があり、
運転効率を十分に向上させることはできていないという
問題点があった。
【0009】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、リニア誘導モ
ータの運転効率を十分に向上させることができるリニア
モータエレベーターを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るリ
ニアモータエレベーターは、円周方向に沿うリング状の
溝が長手方向に間隔をおいて複数設けられている磁性材
製の芯材と、上記溝内に充填されている非磁性材製の二
次導体とを有する二次固定子を用いたものである。
【0011】請求項2の発明に係るリニアモータエレベ
ーターは、円周方向に沿うリング状の溝が長手方向に間
隔をおいて複数設けられている磁性材製の芯材と、上記
溝内に充填されている非磁性材製の二次導体とを有する
二次固定子を用い、また上記溝の断面を、一次巻線と対
向する入口側で細くしたものである。
【0012】請求項3の発明に係るリニアモータエレベ
ーターは、中芯となる磁性材製の円柱部材と、それぞれ
円柱部材に貫通されているとともに交互に積み上げられ
ている磁性材製の複数のリング部材及び非磁性材製でリ
ング状の複数の二次導体とを有する二次固定子を用いた
ものである。
【0013】請求項4の発明に係るリニアモータエレベ
ーターは、中芯となる磁性材製の円柱部材と、それぞれ
円柱部材に貫通されているとともに交互に積み上げられ
ている磁性材製の複数のリング部材及び非磁性材製でリ
ング状の複数の二次導体とを有する二次固定子を用い、
また円柱部材とリング部材及び二次導体とにそれぞれね
じを切り、リング部材及び二次導体を円柱部材に螺着し
たものである。
【0014】請求項5の発明に係るリニアモータエレベ
ーターは、磁性材製の複数のリング部材と非磁性材製で
リング状の複数の二次導体とを交互に積み上げてサブア
センブリ化し、複数の二次固定子サブアセンブリと磁性
材製の円柱部材とにより二次固定子を構成したものであ
る。
【0015】請求項6の発明に係るリニアモータエレベ
ーターは、焼き嵌めにより二次固定子サブアセンブリを
組み立てたものである。
【0016】請求項7の発明に係るリニアモータエレベ
ーターは、円筒ベースに設けられたリング状の溝内に、
溶湯鍛造により二次導体を充填することにより、二次固
定子サブアセンブリを組み立てたものである。
【0017】請求項8の発明に係るリニアモータエレベ
ーターは、二次固定子サブアセンブリの端部にねじ部を
設け、上下に隣接する二次固定子サブアセンブリを相互
に螺着したものである。
【0018】請求項9の発明に係るリニアモータエレベ
ーターは、片側式リニア誘導モータを2台組み合わせて
使用するとともに、二次導体の一次巻線に対向する面
に、幅方向に延びるスリットを長手方向に間隔をおいて
複数設け、二次導体内の中空部及びスリット内に芯材を
充填したものである。
【0019】
【作用】この発明においては、推力に寄与しない電流成
分が二次導体に発生するのを防止するとともに、一次導
体と二次固定子との間の磁気的なギャップを小さくし
て、運転効率を向上させる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.図1は請求項1の発明の一実施例によるリニ
アモータエレベーターの円筒形リニア誘導モータの二次
固定子を示す斜視図であり、エレベーター全体の構成は
図19と同様である。
【0021】図において、釣合重り5(図19)の昇降
行程に沿って設置され一次巻線11(図19)を貫通す
る二次固定子21は、円周方向に沿うリング状の溝22
aが長手方向に間隔をおいて複数設けられている芯材で
ある鉄芯22と、溝22a内に充填されているアルミニ
ウム製の二次導体23とからなっている。図2は図1の
鉄芯22を示す斜視図である。
【0022】上記のような二次固定子21を用いた円筒
形リニア誘導モータでは、図3に示すように、一次巻線
11を励磁することにより磁束φが発生する。これによ
り、二次導体23には、その周方向に向けて二次電流が
流れる。この二次電流は、推力の方向Aに対して直角の
方向の成分のみからなり、推力に寄与しない電流成分は
存在しない。
【0023】また、図20に示した従来の円筒形リニア
誘導モータでは、鉄芯13の外周部全面を非磁性の二次
導体14で覆ったため、その磁気的ギャップgは、エア
ギャップ+二次導体14の厚さとなったが、この実施例
1では、鉄芯22の溝22aのみに二次導体23を設け
ているので、図3に示すように、磁束の通路上の磁気的
ギャップgはエアギャップのみとなり従来より等価的に
小さくなる。このように、磁気抵抗が小さくなることに
より、一次巻線11に流す励磁電流を下げることがで
き、運転効率を向上させることができる。また、モータ
の小形化を図ることもできる。
【0024】実施例2.次に、図4は請求項3及び請求
項4の発明の一実施例による二次固定子の製造途中の状
態を示す斜視図である。図において、二次固定子31
は、その中芯となる鉄製の円柱部材32に、鉄製のリン
グ部材33とアルミニウム製でリング状の二次導体34
とを、交互に嵌め込み積み上げてなっている。また、円
柱部材32の外径とリング部材33及び二次導体34の
内径とはほぼ等しく製作されており、図のように嵌め合
わせることができるようになっている。
【0025】ここで、上記実施例1のような二次固定子
21では、複雑な形状で長い鉄芯22を加工したり、鉄
芯22の溝22aにアルミニウムを充填したりすること
が技術的に難しいため、製造コストが高くなる。これに
対して、この実施例2の二次固定子31は、円柱状及び
リング状という簡単な形状の部品を組み合わせて構成さ
れているので、製造が簡単になりコストが低減される。
【0026】また、リング部材33及び二次導体34に
円柱部材32を単に貫通させた場合、エレベーターの昇
降行程が長くなると、図4の二次固定子31の下方のリ
ング部材33及び二次導体34に上方からの大きな荷重
が印加されるので、その荷重に耐えるようにしなければ
ならない。特に、アルミニウム製の二次導体34は強度
的に弱いので、この点が問題となる。また、磁気振動に
よる騒音の発生を防止するためにも、リング部材33及
び二次導体34をしっかりと固定する必要がある。
【0027】そこで、図4に示すように、円柱部材32
の外周面、リング部材33の内周面及び二次導体34の
内周面に、円柱部材32がボルト、リング部材33及び
二次導体34がナットになるように、それぞれねじ32
a,33a,34aを切り、これらを互いに螺着させて
もよい。
【0028】実施例3.次に、図5は請求項2及び請求
項3の発明の一実施例による二次固定子の製造途中の状
態を示す斜視図、図6は図5の縦断面図である。図にお
いて、二次固定子41は、その中芯となる鉄製の円柱部
材42に、鉄製のリング部材43とアルミニウム製でリ
ング状の二次導体44とを、交互に嵌め込み積み上げて
なっている。また、二次導体44の外径は、リング部材
43の外径よりも小さくなっている。
【0029】図7(a),(b)はリング部材43の平
面図及び側面図、図8(a),(b)は二次導体44の
平面図及び側面図である。各リング部材43の端部に
は、二次導体44の端部を収容する凹部43aが設けら
れている。この凹部43aの深さは、上下のリング部材
43が互いに接触せずに所定の間隔dをおくように設定
されている。従って、円柱部材42とリング部材43と
からなる鉄製の芯材45のみに着目した場合、その外周
に形成された溝45aの断面は、図2のものと比較し
て、一次巻線と対向する入口側で細くなっている。
【0030】このような二次固定子41を使用した円筒
形リニア誘導モータでは、図3のものと比較して、励磁
電流により発生する磁束に対する磁気抵抗が一層小さく
なっている。従って、運転効率はさらに向上することに
なる。なお、凹部43aは、リング部材43の上下いず
れか一方の端部にのみ設けてもよい。
【0031】実施例4.次に、図9は請求項5及び請求
項6の発明の一実施例による二次固定子の製造途中の状
態を示す斜視図である。上記の各実施例の方法では、昇
降行程が長くなると、現場での作業時間が長くなり費用
がかさむ。そこで、この実施例4の二次固定子51で
は、鉄製のリング部材52とアルミニウム製でリング状
の二次導体53とを、鉄製の円筒ベース54に交互に嵌
め込んで二次固定子サブアセンブリ55とし、この二次
固定子サブアセンブリ55を、鉄製の円柱部材56に複
数嵌め込んで積み上げたものである。図10は図9の二
次固定子サブアセンブリ55の縦断面図である。
【0032】このような二次固定子サブアセンブリ55
を用いた二次固定子51によれば、従来に比べ磁気抵抗
が小さくなり運転効率が向上するだけではなく、設置現
場での組立作業が容易になり、作業時間が短縮されてコ
ストが低減される。
【0033】実施例5.なお、二次固定子サブアセンブ
リ55は、円柱部材56に単に嵌め込むだけでもよい
が、それぞれにねじを切り、ボルト,ナットの関係でね
じ込むようにしてもよい。
【0034】実施例6.また、上記の二次固定子サブア
センブリ55の組立方法として、リング部材52,二次
導体53及び円筒ベース54にそれぞれねじ加工を施
し、リング部材52及び二次導体53を円筒ベース54
にねじ込むようにしてもよい。
【0035】実施例7.上記の他に、二次固定子サブア
センブリ55の組立方法として、リング部材52と二次
導体53とを円筒ベース54に焼き嵌めにより嵌め込ん
で組み立ててもよい。この加工方法は、図1のような長
いものでは設備の外形が大きくなるため実現できない
が、長手寸法の短い二次固定子サブアセンブリ55であ
れば可能となる。
【0036】実施例8.図11は請求項7の発明の一実
施例による二次固定子サブアセンブリを示す斜視図であ
る。この実施例8の二次固定子サブアセンブリ57は、
図12に示すように円周方向に沿うリング状の溝58a
が長手方向に間隔をおいて複数設けられている鉄製の円
筒ベース58と、溝58a内に溶湯鍛造により充填され
ているアルミニウム製の二次導体59とからなってい
る。この溶湯鍛造という加工方法についても、図1のよ
うな長いものでは設備が大きくなるため実現できず、長
手寸法の短い二次固定子サブアセンブリ55であれば可
能となるものである。
【0037】実施例9.図13は請求項8の発明の一実
施例による二次固定子の製造途中の状態を示す斜視図で
ある。この実施例9は、図10又は図11に示したよう
な二次固定子サブアセンブリ55又は57の端部に雄ね
じ部60a及び雌ねじ部60bを設け、上下に隣接する
二次固定子サブアセンブリ55又は57を相互に螺着す
るものである。これにより、二次固定子サブアセンブリ
55又は57相互がしっかりと固定される。
【0038】実施例10.図14は請求項9の発明の一
実施例によるリニアモータエレベーターの片側式リニア
誘導モータを示す側面図、図15は図14のXV−XV
線に沿う矢視断面図、図16は図15のXVI−XVI
線に沿う矢視断面図である。
【0039】この実施例10の片側式リニア誘導モータ
は、昇降行程に沿って設置された平板状の二次固定子7
1と、その二次固定子71を両面から挟むように釣合重
り5に搭載された2台1対の一次巻線72とから構成さ
れている。二次固定子71は、アルミニウム製で中空平
板状の二次導体73と、この二次導体73内に充填され
ている芯材である鉄芯74とから構成されている。二次
導体73の一次巻線72に対向する面、即ち両面には、
幅方向に延びるスリット73aが長手方向に間隔をおい
て複数設けられており、このスリット73aにも鉄芯7
4が充填されている。
【0040】このような片側式リニア誘導モータでは、
一次巻線72を励磁することにより、図15及び図16
に示すような二次電流75が流れる。従って、推力に寄
与しない電流成分が存在せず、従来の両側式リニア誘導
モータに比べて運転効率が向上する。また、スリット7
3aに鉄芯74を充填したことにより、鉄芯74の全体
を二次導体73で覆った場合に比べて、一次巻線72と
の間の磁気的ギャップが小さくなり、磁気抵抗が小さく
なる。従って、励磁電流が小さくて済み、運転効率は一
層向上する。
【0041】ここで、この実施例10のリニア誘導モー
タは、片側式のものを2台組み合わせたものであり、図
17に示した両側式との違いは鉄芯74が設けられてい
る点である。また、上記実施例1〜9に示したような円
筒形リニア誘導モータは、原理的には片側式リニア誘導
モータであり、逆にこの実施例10の片側式リニア誘導
モータは、円筒形の一変形とも考えられる。
【0042】なお、円筒形リニア誘導モータの例で示し
たような変形は、実施例10のような片側式リニア誘導
モータにも適用できる。即ち、二次固定子72を組み立
てる際に、例えばリング部材を使用したりサブアセンブ
リ化したりすることが可能である。
【0043】また、上記各実施例では磁性材として鉄
を、非磁性導電材としてアルミニウムを示したが、それ
ぞれこれらに限定されるものではない。さらに、上記各
実施例では一次巻線11,72を釣合重り5に搭載した
が、かご4に搭載してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
リニアモータエレベーターは、円周方向に沿うリング状
の溝が長手方向に間隔をおいて複数設けられている磁性
材製の芯材と、上記溝内に充填されている非磁性材製の
二次導体とを有する二次固定子を用いたので、推力に寄
与しない電流成分が存在せず、また一次巻線と二次固定
子との間の磁気的ギャップを小さくして磁気抵抗を小さ
くすることができ、この結果運転効率を十分に向上させ
ることができるという効果を奏する。
【0045】また、請求項2の発明のリニアモータエレ
ベーターは、円周方向に沿うリング状の溝が長手方向に
間隔をおいて複数設けられている磁性材製の芯材と、上
記溝内に充填されている非磁性材製の二次導体とを有す
る二次固定子を用い、また上記溝の断面を、一次巻線と
対向する入口側で細くしたので、上記請求項1の発明と
同様の効果に加えて、一次巻線と二次固定子との間の磁
気抵抗をさらに小さくすることができ、運転効率をより
一層向上させることができるという効果を奏する。
【0046】さらに、請求項3の発明のリニアモータエ
レベーターは、中芯となる磁性材製の円柱部材と、それ
ぞれ円柱部材に貫通されているとともに交互に積み上げ
られている磁性材製の複数のリング部材及び非磁性材製
でリング状の複数の二次導体とを有する二次固定子を用
いたので、上記請求項1の発明と同様の効果に加えて、
二次固定子を構成する部品の製造を容易にして、製造コ
ストの低減を図ることができるという効果を奏する。
【0047】さらにまた、請求項4の発明のリニアモー
タエレベーターは、中芯となる磁性材製の円柱部材と、
それぞれ円柱部材に貫通されているとともに交互に積み
上げられている磁性材製の複数のリング部材及び非磁性
材製でリング状の複数の二次導体とを有する二次固定子
を用い、また円柱部材とリング部材及び二次導体とにそ
れぞれねじを切り、リング部材及び二次導体を円柱部材
に螺着したので、上記請求項1の発明と同様の効果に加
えて、下方に位置するリング部材及び二次導体に上方か
らの荷重が直接かかるのを防止することができ、強度対
策を軽減することができるとともに、磁気振動による騒
音の発生を防止することができるなどの効果を奏する。
【0048】また、請求項5の発明のリニアモータエレ
ベーターは、磁性材製の複数のリング部材と非磁性材製
でリング状の複数の二次導体とを交互に積み上げてサブ
アセンブリ化し、複数の二次固定子サブアセンブリと磁
性材製の円柱部材とにより二次固定子を構成したので、
上記請求項1の発明と同様の効果に加えて、設置現場で
の二次固定子の組立作業を簡単にすることができ、これ
により組立作業時間を短縮してコストを低減することが
できるなどの効果を奏する。
【0049】さらに、請求項6の発明のリニアモータエ
レベーターは、焼き嵌めにより二次固定子サブアセンブ
リを組み立てたので、上記請求項5の発明と同様の効果
を奏する。
【0050】さらにまた、請求項7の発明のリニアモー
タエレベーターは、円筒ベースに設けられたリング状の
溝内に、溶湯鍛造により二次導体を充填し、二次固定子
サブアセンブリを組み立てたので、上記請求項5の発明
と同様の効果を奏する。
【0051】また、請求項8の発明のリニアモータエレ
ベーターは、二次固定子サブアセンブリの端部にねじ部
を設け、上下に隣接する二次固定子サブアセンブリを相
互に螺着したので、上記請求項5の発明と同様の効果に
加えて、各サブアセンブリがしっかりと固定され、磁気
振動による騒音の発生が防止されるという効果を奏す
る。
【0052】さらに、請求項9の発明に係るリニアモー
タエレベーターは、片側式リニア誘導モータを2台組み
合わせて使用するとともに、二次導体の一次巻線に対向
する面に、幅方向に延びるスリットを長手方向に間隔を
おいて複数設け、二次導体内の中空部とスリット内に芯
材を充填したので、上記請求項1の発明と同様の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例によるリニアモータ
エレベーターの円筒形リニア誘導モータの二次固定子を
示す斜視図である。
【図2】図1の鉄芯を示す斜視図である。
【図3】図1の二次固定子を用いた円筒形リニア誘導モ
ータの縦断面図である。
【図4】請求項3及び請求項4の発明の一実施例による
二次固定子の製造途中の状態を示す斜視図である。
【図5】請求項2及び請求項3の発明の一実施例による
二次固定子の製造途中の状態を示す斜視図である。
【図6】図5の縦断面図である。
【図7】図5のリング部材を示す図である。
【図8】図5の二次導体を示す図である。
【図9】請求項5及び請求項6の発明の一実施例による
二次固定子の製造途中の状態を示す斜視図である。
【図10】図9の二次固定子サブアセンブリの縦断面図
である。
【図11】請求項7の発明の一実施例による二次固定子
サブアセンブリを示す斜視図である。
【図12】図11の円筒ベースを示す斜視図である。
【図13】請求項8の発明の一実施例による二次固定子
の製造途中の状態を示す斜視図である。
【図14】請求項9の発明の一実施例によるリニアモー
タエレベーターの片側式リニア誘導モータを示す側面図
である。
【図15】図14のXV−XV線に沿う矢視断面図であ
る。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿う矢視断面図
である。
【図17】従来のリニアモータエレベーターの一例を示
す要部斜視図である。
【図18】図17の二次導体に渦電流が流れる様子を示
す図である。
【図19】従来のリニアモータエレベーターの他の例を
示す要部斜視図である。
【図20】図19の円筒形リニア誘導モータの縦断面図
である。
【符号の説明】
4 かご 11 一次巻線 21 二次固定子 22 鉄芯(芯材) 22a 溝 23 二次導体 31 二次固定子 32 円柱部材 32a ねじ 33 リング部材 33a ねじ 34 二次導体 34a ねじ 41 二次固定子 42 円柱部材 43 リング部材 44 二次導体 45 芯材 45a 溝 51 二次固定子 52 リング部材 53 二次導体 54 円筒ベース 55 二次固定子サブアセンブリ 56 円柱部材 57 二次固定子サブアセンブリ 58 円筒ベース 58a 溝 59 二次導体 60a 雄ねじ部 60b 雌ねじ部 71 二次固定子 72 一次巻線 73 二次導電 73a スリット 74 鉄芯(芯材)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線と、昇降行程に沿って設置され
    上記一次巻線を貫通する二次固定子とを備えた円筒形リ
    ニア誘導モータの推力によりかごを昇降させるリニアモ
    ータエレベーターにおいて、上記二次固定子は、円周方
    向に沿うリング状の溝が長手方向に間隔をおいて複数設
    けられている磁性材製の芯材と、上記溝内に充填されて
    いる非磁性材製の二次導体とを有していることを特徴と
    するリニアモータエレベーター。
  2. 【請求項2】 一次巻線と、昇降行程に沿って設置され
    上記一次巻線を貫通する二次固定子とを備えた円筒形リ
    ニア誘導モータの推力によりかごを昇降させるリニアモ
    ータエレベーターにおいて、上記二次固定子は、円周方
    向に沿うリング状の溝が長手方向に間隔をおいて複数設
    けられている磁性材製の芯材と、上記溝内に充填されて
    いる非磁性材製の二次導体とを有しており、また上記溝
    の断面は、上記一次巻線と対向する入口側で細くなって
    いることを特徴とするリニアモータエレベーター。
  3. 【請求項3】 一次巻線と、昇降行程に沿って設置され
    上記一次巻線を貫通する二次固定子とを備えた円筒形リ
    ニア誘導モータの推力によりかごを昇降させるリニアモ
    ータエレベーターにおいて、上記二次固定子は、その中
    芯となる磁性材製の円柱部材と、それぞれ上記円柱部材
    に貫通されているとともに交互に積み上げられている磁
    性材製の複数のリング部材及び非磁性材製でリング状の
    複数の二次導体とを有していることを特徴とするリニア
    モータエレベーター。
  4. 【請求項4】 一次巻線と、昇降行程に沿って設置され
    上記一次巻線を貫通する二次固定子とを備えた円筒形リ
    ニア誘導モータの推力によりかごを昇降させるリニアモ
    ータエレベーターにおいて、上記二次固定子は、その中
    芯となる磁性材製の円柱部材と、それぞれ上記円柱部材
    に貫通されているとともに交互に積み上げられている磁
    性材製の複数のリング部材及び非磁性材製でリング状の
    複数の二次導体とを有しており、また上記円柱部材と上
    記リング部材及び上記二次導体とには、それぞれねじが
    切られており、上記リング部材及び上記二次導体が上記
    円柱部材に螺着されていることを特徴とするリニアモー
    タエレベーター。
  5. 【請求項5】 一次巻線と、昇降行程に沿って設置され
    上記一次巻線を貫通する二次固定子とを備えた円筒形リ
    ニア誘導モータの推力によりかごを昇降させるリニアモ
    ータエレベーターにおいて、上記二次固定子は、その中
    芯となる磁性材製の円柱部材と、それぞれ上記円柱部材
    に貫通されている複数の二次固定子サブアセンブリとを
    有しており、上記二次固定子サブアセンブリは、交互に
    積み上げられた磁性材製の複数のリング部材と非磁性材
    製でリング状の複数の二次導体とを有していることを特
    徴とするリニアモータエレベーター。
  6. 【請求項6】 一次巻線と、昇降行程に沿って設置され
    上記一次巻線を貫通する二次固定子とを備えた円筒形リ
    ニア誘導モータの推力によりかごを昇降させるリニアモ
    ータエレベーターにおいて、上記二次固定子は、その中
    芯となる磁性材製の円柱部材と、それぞれ上記円柱部材
    に貫通されている複数の二次固定子サブアセンブリとを
    有しており、上記二次固定子サブアセンブリは、磁性材
    製の複数のリング部材と非磁性材製でリング状の複数の
    二次導体とを磁性材製の円筒ベースに焼嵌めにより交互
    に積み上げてなっていることを特徴とするリニアモータ
    エレベーター。
  7. 【請求項7】 一次巻線と、昇降行程に沿って設置され
    上記一次巻線を貫通する二次固定子とを備えた円筒形リ
    ニア誘導モータの推力によりかごを昇降させるリニアモ
    ータエレベーターにおいて、上記二次固定子は、その中
    芯となる磁性材製の円柱部材と、それぞれ上記円柱部材
    に貫通されている複数の二次固定子サブアセンブリとを
    有しており、上記二次固定子サブアセンブリは、円周方
    向に沿うリング状の溝が長手方向に間隔をおいて複数設
    けられている磁性材製の円筒ベースと、上記溝内に溶湯
    鍛造により充填されている非磁性材製の二次導体とを有
    していることを特徴とするリニアモータエレベーター。
  8. 【請求項8】 一次巻線と、昇降行程に沿って設置され
    上記一次巻線を貫通する二次固定子とを備えた円筒形リ
    ニア誘導モータの推力によりかごを昇降させるリニアモ
    ータエレベーターにおいて、上記二次固定子は、その中
    芯となる磁性材製の円柱部材と、それぞれ上記円柱部材
    に貫通されている複数の二次固定子サブアセンブリとを
    有しており、上記二次固定子サブアセンブリは、交互に
    積み上げられた磁性材製の複数のリング部材と非磁性材
    製でリング状の複数の二次導体とを有しているととも
    に、端部に設けられたねじ部により相互に螺着されてい
    ることを特徴とするリニアモータエレベーター。
  9. 【請求項9】 一次巻線と、昇降行程に沿って設置され
    上記一次巻線に対向する平板状の二次固定子とを備えた
    リニア誘導モータの推力によりかごを昇降させるリニア
    モータエレベーターにおいて、上記一次巻線は、2台1
    対で上記二次固定子を両面から挟むように配置され、上
    記二次固定子は、上記一次巻線に対向する面に幅方向に
    延びるスリットが長手方向に間隔をおいて複数設けられ
    ている非磁性材製で中空の二次導体と、この二次導体の
    内部及び上記スリット内に充填されている磁性材製の芯
    材とを有していることを特徴とするリニアモータエレベ
    ーター。
JP4290279A 1992-10-28 1992-10-28 リニアモータエレベーター Pending JPH06135660A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4290279A JPH06135660A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 リニアモータエレベーター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4290279A JPH06135660A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 リニアモータエレベーター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06135660A true JPH06135660A (ja) 1994-05-17

Family

ID=17754091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4290279A Pending JPH06135660A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 リニアモータエレベーター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06135660A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009149446A (ja) * 2002-01-31 2009-07-09 Inventio Ag 特に乗客搬送用のエレベータ
US10138091B2 (en) 2016-06-13 2018-11-27 Otis Elevator Company Variable linear motor gap

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009149446A (ja) * 2002-01-31 2009-07-09 Inventio Ag 特に乗客搬送用のエレベータ
US10138091B2 (en) 2016-06-13 2018-11-27 Otis Elevator Company Variable linear motor gap

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7595571B2 (en) High performance linear motor and magnet assembly therefor
KR100208483B1 (ko) 원통형 리니어모터
CN1084538C (zh) 感应电动机的转子
US20090108713A1 (en) Outer Rotor Type Hybrid Stepping Motor
JP4214383B2 (ja) 固定子ピースおよびモータの固定子
US6218754B1 (en) Electric motor of a submersible pump
JPH06135660A (ja) リニアモータエレベーター
JPH05207726A (ja) リニアモータ
KR100548856B1 (ko) 직선 구동 장치
CN115603478A (zh) 互补式双边直线电机
US3513342A (en) Rotor for alternating-current machines
WO2019202790A1 (ja) 回転電機、および、エレベーター巻上げシステム
JPH1017245A (ja) エレベータ用巻上機
JPH1198725A (ja) モータおよびエレベータ
US20020135258A1 (en) Laminated rotor for eddy-current brake and device including such a rotor
CN111183566A (zh) 旋转电机和电梯用曳引机系统
JPH0585683A (ja) エレベータ用リニアモータ
KR102121128B1 (ko) 외전형 모터의 스테이터 코어
KR100364705B1 (ko) 동기유도 전동기의 회전자
CN215733710U (zh) 一体式电机定子冲片
JPH0881158A (ja) エレベータ用円筒形リニヤモータ
WO2015040666A1 (ja) 回転電機、及びエレベータ用巻上機
KR940011705B1 (ko) 엘리베이터용 리니어유도전동기
KR20000033113A (ko) 모터용 코일 보빈 구조
JPH11220847A (ja) 永久磁石モータおよびそれを用いたエレベータ装置