JPH06135413A - 金属板コイルの紙敷き装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗油コイルの油が搬送装置に付着するのを防
止すべく、塗油コイルの下面外周に敷紙をテープで貼着
する装置を提供する。 【構成】 敷紙供給装置２によって敷紙７を所定長さに
切断し、センタリング装置３で位置合せを行った後、敷
紙圧着装置４で切断した敷紙７をコイル６下面外周に圧
着し、テープ止め装置５でその敷紙７をコイル下面外周
にテープ１６で部分的に貼着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、湿潤状態の金属板コイ
ルと乾燥状態の金属板コイルとが混在する工場の搬送路
において、湿潤液による汚染を生じないように湿潤状態
の金属板コイルの着床面に梱包紙等の防護材を装着させ
る装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】製鉄所で製造される冷間圧延鋼板には、
錆の発生を防止する等の目的で防錆油等をその表面に塗
布し、コイル状に巻き取った後、搬送装置で搬送するい
わゆる湿潤状態の金属板コイルである塗油コイルがあ
る。しかし、大多数の金属板コイルは油を塗布すること
のないいわゆる乾燥状態の金属板コイルである無塗油コ
イルであり、通常、この塗油コイルと無塗油コイルは、
同一の搬送装置によって搬送される。そのため、塗油コ
イルを搬送した後、無塗油コイルを搬送すると搬送装置
（特に、コイル受け面）に油が付着し、それが無塗油コ
イルに付着してしまい問題となる。

【０００３】そのため、塗油コイルを搬送するときは、
コイルの搬送装置に接触する部分である下面外周に人手
によって紙をテープで貼り付けて油の付着を防いだり、
無塗油コイルを搬送する前に搬送装置のコイル受け面を
人手によって布などで拭き取るなどして、無塗油コイル
に油が付着するのを防止している。

【０００４】又、人手によらず機械化によって自動的に
塗油コイルの下面外周に敷紙を貼着する方法も創案され
ている（特願平２−４００２３８）。当該方法は、コイ
ル下面外周に貼着するロール状の敷紙の両側端部にあら
かじめ糊を塗布しておくか、又は貼着する直前に糊を塗
布し、必要長さに切断した後、糊が全域にわたって塗布
された側端部（糊塗布部）をコイルの幅方向に沿った状
態で、ロールによってコイルの下面外周に押し付けて貼
着するものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、人手によって
コイル下面外周に敷紙を貼着する手段や搬送装置に付着
した油を拭き取る手段は、危険を伴うと共に作業能率が
良くない。

【０００６】また、特願平２−４００２３８に示す従来
方法においては、次のような問題が生じる。すなわち、 敷紙に予め糊を塗布した場合には、ロール状の敷紙の
端部で開いた部分の糊が乾き貼着力が低下し、又、貼着
する直前に糊を塗布する場合には周辺設備へ糊が付着し
てしまう（特に、吹付け方式の場合）といった弊害が発
生する。 敷紙をロールでコイル下面外周に押し付ける際、糊が
ロールに付着し、又、敷紙を切断する際、糊が切断機に
付着してしまう。 敷紙の糊塗布部がコイル幅の全長にわたって貼着する
ため、コイル外周面の上部分に付着している油が敷紙の
外面に流れ出てしまい、結果的に搬送装置等に油が付着
してしまう。

【０００７】本発明は、上記した従来技術における問題
に鑑み創案されたもので、防護材としての敷紙を自動的
にコイル下面外周に貼着すると共に、上記弊害の発生し
ない装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るための手段として、本発明は、敷紙供給装置２、セン
タリング装置３、敷紙圧着装置４、およびテープ止め装
置５で構成した。

【０００９】敷紙供給装置２は、ロール状の敷紙７を、
一定長さ引き出すピンチロール部８と、引き出される敷
紙７の巻き癖を取り除くレベラロール部９と、引き出さ
れた敷紙７を切断するシャー１０で構成した。センタリ
ング装置３は、引き出された敷紙７が載置されるベルト
コンベア１１と、その敷紙７を真空吸着して次の工程に
搬送する吸着搬送部１２とから構成すると共に位置合せ
機能を具備させた。敷紙圧着装置４は、センタリング装
置３から搬送されてきた敷紙７をその幅方向に沿って下
方から支持すべく設けられ、中心部を軸として回動自在
な円弧状のアーム部１３の両端部間にベルト１４を懸架
し昇降動自在な圧着機構１５を、複数並列設したもので
ある。そして、テープ止め装置５は、敷紙７の両端部と
コイル６とを部分的にテープ１６で貼着するものであ
る。

【００１０】尚、敷紙圧着装置４を、コイル６の下方に
侵入自在とすることができる。又、テープ止め装置５
を、敷紙圧着装置４に組付けると良い。

【００１１】

【作用】本発明装置の作用を、図を参照しながら説明す
る。まず、ロール状の敷紙７がピンチロール部８によっ
て一定長さ引き出され、シャー１０によって切断され
る。この際、引き出された敷紙７は、レベラロール部９
を通過し、ここで巻き癖が取り除かれる。

【００１２】次に、一定長さに切断された敷紙７はベル
トコンベア１１上に載置され、ここでベルトコンベア１
１を左右に移動させることによって位置合せが行われた
後、吸着搬送部１２で真空吸着され次の工程に搬送され
る。

【００１３】吸着搬送部１２によって搬送された敷紙７
は、圧着機構１５のベルト１４上に載置される。圧着機
構１５は、敷紙７の幅方向に沿って複数並列設されてい
るので、複数のベルト１４は敷紙７を幅方向に沿って複
数箇所下方から支持した状態となる。この状態から全て
のアーム部１３をその中心を軸として回動させると共
に、圧着機構１５を上昇させてベルト１４上の敷紙７を
コイル６の下面外周に圧着する。この時、コイル６は揚
重装置１によって吊り上げられた状態にある。

【００１４】この状態で、テープ止め装置５によって敷
紙７の両端部とコイル６とを部分的にテープ１６で貼り
付け、敷紙７をコイル６の下面外周に貼着する。その
後、テープ止め装置５および圧着機構１５をコイル６か
ら退避させ、吊り下げた状態にあるコイル６を搬送装置
３０上に載置し、一連の工程を完了する。

【００１５】本発明においては、敷紙７とコイル６とを
テープ１６によって部分的に貼着することとしたので、
敷紙７とコイル６との間にはコイル６の油が侵入可能な
隙間を得ることができ、よってコイル６上側から流れ落
ちた油は、この隙間に流れ込み、敷紙７の外面に油が付
着してその油が搬送装置３０に付着してしまうといった
従来の弊害が解決される（図６参照）。

【００１６】尚、敷紙圧着装置４を、コイル６の下方に
侵入自在とすることによって、コイル６を吊り上げた状
態で敷紙圧着装置４上に移動するよりも安全性に優れる
ので好ましい。又、テープ止め装置５を、敷紙圧着装置
４に組付けることによって、テープ１６の貼り付けが確
実に達成されると共に、コイル６への接近および離脱が
敷紙圧着装置４と共に達成されるので機構上および経済
上有益である。

【００１７】

【実施例】図１から図５に、本発明装置の一実施例を示
す。敷紙供給装置２は、ロール状の敷紙７が保持される
巻き軸１７と、三つのロールから構成され敷紙７の巻き
癖を矯正するレベラロール部９と、二つのロールから成
るピンチロール部８および敷紙７を切断するシャー１０
とによって構成されている。ピンチロール部８の二つの
ロールを、敷紙７を挟持した状態で回転して敷紙７を引
き出し、三つのロールで成るレベラロール部９で上下両
面に交互に引張力を加えることによって巻き癖を矯正す
るものである。

【００１８】センタリング装置３は、ベルトコンベア１
１と吸着搬送部１２とで構成されている。ベルトコンベ
ア１１は敷紙７を上載すると共に、当該装置が備える位
置合せ機能により、必要に応じて左右方向に移動して次
の工程のための位置合せを行う。吸着搬送部１２は、ベ
ルトコンベア１１上の敷紙７を吸着する真空吸着ヘッド
１８と、その真空吸着ヘッド１８を昇降動させる昇降シ
リンダ１９とを有している。吸着搬送部１２は、レール
２０によって次工程へ移動自在とされている。

【００１９】次工程である敷紙圧着装置４は、本実施例
においては四つの圧着機構１５によって構成されてい
る。各圧着機構１５は、二つの円弧状アーム片２１の端
部同士を回動自在に連結したアーム部１３、アーム部１
３に懸架されたベルト１４、ベルト１４の両端部を連結
するスプリング２２、アーム部１３の両端部を持ち上げ
る第二昇降部２４、アーム部１３の中心部を昇降動させ
る第一昇降部２３等から構成される。

【００２０】アーム部１３を構成するアーム片２１は、
それぞれが円弧形状をしており、端部が第二昇降部２４
によって上昇移動された際に一つの円弧を形成するもの
である。こうした構成とすることによって、大小様々な
種類のコイル６に対応することが可能である（図１およ
び図４には、大小二種類のコイル６を示す）。

【００２１】ベルト１４は、その中間部分がスプリング
２２で連結されているが、このスプリング２２の引張作
用によって常に緊張状態に保たれると共に、第二昇降部
２４が下降した際にアーム部１３が原形に復帰できる。
尚、アーム部１３の両端部に回転ロール２５を設けたこ
とによって、スプリング２２の引張力を少ない抵抗力で
ベルト１４に作用させることができる。

【００２２】本実施例における敷紙圧着装置４は、吊り
上げられたコイル６の下方に侵入自在に設定されてい
る。すなわち、敷紙７を圧着機構１５のベルト１４上に
載置した状態でコイル６の下方に侵入して敷紙７をコイ
ル６下面外周に貼着した後、後退して元の位置に復帰す
るものである。

【００２３】本実施例におけるテープ止め装置５は、一
体的に組付けられた、ロール状のテープ１６を回転自在
に装着した支持軸２８、糊付きテープ１６を敷紙７およ
びコイル６に押し付ける押付けロール２６、テープ１６
を切断するカッタ２７と、それら押付けロール２６やカ
ッタ２７を前後方向に移動する伸縮シリンダ２９等によ
って構成されている。

【００２４】また、このテープ止め装置５は、敷紙７を
四片のテープ１６でコイル６に貼り付けるべく（図６参
照）、敷紙圧着装置４の圧着機構１５間に計四組固定さ
れ、敷紙７が圧着機構１５のベルト１４上に載置された
際にカッタ２７および押付けロール２６に保持されてい
るテープ１６の端部が敷紙７の端部に当接して貼着する
位置関係になるべく設定されている。

【００２５】従って、敷紙圧着装置４の上昇と共に上昇
し、敷紙７の端部がコイル６に圧着した状態において
は、押付けロール２６も敷紙７を介してコイル６に圧着
した状態となる（図５参照）。この状態からシリンダの
ロッドを収縮させると押付けロール２６は敷紙７をコイ
ル６に押し付けた状態を維持しながら後退し、テープ１
６をコイル６に貼り付けた後、カッタ２７によってテー
プ１６を切断する。

【００２６】この際に、カッタ２７をのこ歯状に設定す
ることによってロール状テープ１６の先端部を離脱させ
ることなく保持することができる。テープ１６貼着後、
テープ止め装置５は、敷紙圧着装置４と共に下降移動す
ると共にシリンダのロッドが伸長され次に搬送されてく
る敷紙７に対応すべく原形に復帰する。

【００２７】コイル６下面外周に敷紙７が貼着される
と、揚重装置１が作動してコイル６が下降してコイル搬
送装置３０の受け面３１上に載置され、この状態で次の
工程へ搬送される。

【００２８】

【発明の効果】このように本発明装置は、敷紙を機械化
によって自動的にコイル下面外周に貼着することができ
るので、従来の人手による場合と比較して、作業の安全
性および能率が向上する。

【００２９】又、本発明装置は、敷紙をテープでコイル
に貼着することとしたので、従来の機械による方法のよ
うに糊が乾き貼着力が低下することや、糊が周辺設備に
付着すること、および糊が圧着機構等に付着するといっ
た問題が解決される。

【００３０】さらに、本発明装置は、敷紙とコイルとを
テープによって部分的に貼着することとしたので、敷紙
とコイルとの間には油が侵入できる間隙が生じ、コイル
上部から流れ落ちた油はこの間隙に侵入して、従来のよ
うに敷紙外面および搬送装置に油が付着してしまうとい
った問題が解決される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の一実施例を示す正面図。

【図２】図１に示した実施例の平面図。

【図３】図１に示した実施例の側面図。

【図４】図１に示した実施例における圧着機構を示す拡
大正面図。

【図５】図１に示した実施例におけるテープ止め装置を
示す拡大正面図。

【図６】図１に示した実施例によって敷紙が貼着された
鋼板コイルを示す斜視図。

【符号の説明】

１ ； 揚重装置 ２ ； 敷紙供給
装置 ３ ； センタリング装置 ４ ； 敷紙圧着
装置 ５ ； テープ止め装置 ６ ； コイル ７ ； 敷紙 ８ ； ピンチロ
ール部 ９ ； レベラロール部 １０； シャー １１； ベルトコンベア １２； 吸着搬送
部 １３； アーム部 １４； ベルト １５； 圧着機構 １６； テープ １７； 巻き軸 １８； 真空吸着
ヘッド １９； 昇降シリンダ ２０； レール ２１； アーム片 ２２； スプリン
グ ２３； 第一昇降部 ２４； 第二昇降
部 ２５； 回転ロール ２６； 押付けロ
ール ２７； カッタ ２８； 支持軸 ２９； 伸縮シリンダ ３０； 搬送装置 ３１； 受け面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 揚重装置(1) で吊り上げたダウンエンド
   状態のコイル(6) の下面外周に敷紙(7) を貼着する装置
   であって、ロール状の敷紙(7) を、一定長さ引き出すピ
   ンチロール部(8) と、引き出される前記敷紙(7) の巻き
   癖を取り除くレベラロール部(9) と、引き出された前記
   敷紙(7) を切断するシャー(10)とから構成される敷紙供
   給装置(2) と、引き出された前記敷紙(7) が載置される
   ベルトコンベア(11)と、該ベルトコンベア(11)上の前記
   敷紙(7) を真空吸着して搬送する吸着搬送部(12)とから
   構成され、位置合せ機能を有するセンタリング装置(3)
   と、該センタリング装置(3) から搬送されてきた前記敷
   紙(7) をその幅方向に沿って下方から支持すべく設けら
   れ、中心部を軸として回動自在な円弧状のアーム部(13)
   の両端部間にベルト(14)を懸架し昇降動自在な圧着機構
   (15)を、複数並列設した敷紙圧着装置(4) と、前記敷紙
   (7) の両端部と前記コイル(6) とを部分的にテープ(16)
   で貼着するテープ止め装置(5) と、から成る金属板コイ
   ルの紙敷き装置。
2. 【請求項２】 敷紙圧着装置(4) を、コイル(6) の下方
   に侵入自在として成る請求項１に記載の金属板コイルの
   紙敷き装置。
3. 【請求項３】 テープ止め装置(5) を、敷紙圧着装置
   (4) に組付けて成る請求項１または２に記載の金属板コ
   イルの紙敷き装置。