JPH06134373A - バッキングロールの洗浄方法及び装置 - Google Patents

バッキングロールの洗浄方法及び装置

Info

Publication number
JPH06134373A
JPH06134373A JP29182592A JP29182592A JPH06134373A JP H06134373 A JPH06134373 A JP H06134373A JP 29182592 A JP29182592 A JP 29182592A JP 29182592 A JP29182592 A JP 29182592A JP H06134373 A JPH06134373 A JP H06134373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
backing roll
rod
cleaning
paper
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29182592A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromine Mochizuki
寛峰 望月
Norio Hojo
周男 北條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Oji Paper Co Ltd filed Critical New Oji Paper Co Ltd
Priority to JP29182592A priority Critical patent/JPH06134373A/ja
Publication of JPH06134373A publication Critical patent/JPH06134373A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】バッキングロールの洗浄方法の改善に関し、特
に操業性に優れたバッキングロールの洗浄方法及び洗浄
装置を提供する。 【構成】バッキングロール表面に接圧する洗浄装置の接
圧部先端がロッドであり、さらにこれを回転させながら
洗浄するバッキングロール洗浄方法及び洗浄装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗工機のバッキングロ
ールの洗浄方法及び洗浄装置に関し、特に操業性に優れ
たバッキングロールの洗浄方法及び洗浄装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、塗被紙(印刷用塗被紙、感圧複
写紙、感熱記録紙等)を製造する片面塗工機において
は、原紙の片面に塗被液を塗被後、過剰の塗被液をブレ
ード等のメータリング装置により掻き落とし、規定の塗
被量が塗被、乾燥されて巻取られる。その際、非塗工面
側にバッキングロールを装備した塗工機を用いて原紙に
塗被組成物を塗被するに当たり、塗被液は原紙の紙巾よ
り狭く塗被され、紙巾のうち耳部を一部塗り残すか、或
いは紙巾より広く塗被しその後原紙に塗被された余分の
塗被液と共にバッキングロールに転写された塗被液も共
に掻き落とす方法が一般的に採られている。この場合、
紙巾以上の巾で塗被されたバッキングロール上の塗被液
は完全には掻き落とされず、一部はバッキングロール表
面に残存する。
【0003】これを洗浄するために従来の洗浄方法では
図3に示すようなダム形成用接圧部材20aを用いて洗
浄を行っている。図3は従来のバッキングロール洗浄装
置を片面塗工機に設置した側面図である。即ち、紙巾以
上の部分に付着したバッキングロール2の表面の塗被液
は、バッキングロール表面に接圧して配置されたダム形
成用接圧部材(以後、洗浄装置と称する)の先端のブレ
ード13とバッキングロール表面で形成されるダム部1
4に導入された洗浄液7によって洗浄され、ブレードで
掻き落とされる。洗浄液は洗浄液用の図示を省略した循
環ラインを通りながら塗被液の濃度調整用として利用さ
れたり、塗料廃水等として捨てられている。さらに、原
紙の穴やピンホール等の欠陥に起因して、原紙層を通り
抜けてバッキングロール表面に付着した塗被液やバッキ
ングロールに接している原紙の裏面より、異物や塗料粕
等がバッキングロール表面に転移し、その表面を汚す傾
向があるために、塗被される紙巾全域に対するバッキン
グロール表面には、水或いは温水等の洗浄液で洗浄する
スプレー、シャワー等の洗浄液給液ノズル6を有する洗
浄装置が設置されており、一般にフロークリンドクター
等と呼ばれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のバッ
キングロールの洗浄装置ではバッキングロールの表面に
付着した塗被液や異物を長時間に亘って十分に洗浄する
ことができない。即ち、操業時間の経過と共に調成、抄
紙機、ワインダー等の工程を経て原紙に付着してくる
粕、紙粉、毛布繊維等の異物、或いは塗被液中の合成樹
脂エマルジョン等の不安定物質の凝集異物等が洗浄装置
のブレードの先端に留まる現象がしばしば見られる。こ
の為に部分的にブレード先端が浮き、その隙間より洗浄
液がバッキングロールの周面方向に廻りだし(俗に、水
廻り現象等と呼ぶ)、洗浄液中に含まれる異物や着色物
によりバッキングロール表面と接している紙面に着色し
た筋をつけたり、さらにはブレード先端に残留した異物
のため、その部分だけがバッキングロールを介して紙の
裏面につく水量が全く無くなり、紙面の乾燥ムラを誘発
したり、ひどい場合には紙切れを起こすなど、種々のト
ラブルが発生している。これらの現象が発生し始める
と、殆どの場合洗浄装置のブレードの取り替えを余儀な
くされており、その分生産性の低下にもつながり難点と
なっている。
【0005】特に、問題となり易いのは、予め原紙上に
塗被された塗被層がバッキングロール表面と接する場合
である。即ち、片面塗工機により両面塗被紙を得る場
合、最初に塗被された塗被面は、その裏面を塗被すると
きには片面塗工機のバッキングロール表面と接すること
になる。そして、特にこのバッキングロールに接する塗
被層の一部が操業時間の経過と共にバッキングロール表
面に転移し、その表面を汚染するようになる。その結果
として、バッキングロール上の塗被液が洗浄装置のブレ
ード先端部に堆積し、作用機能が低下し、紙切れを誘発
したり、部分的に洗浄液の一部が該ブレードの隙間を抜
けてバッキングロールの周囲を水廻りすることとなり、
塗被層面に塗被ムラや筋を誘発するために、その都度バ
ッキングロール表面の研磨が必要となり、品質低下や生
産性を著しく低下させるといった重大問題を抱えてい
る。
【0006】そのために、従来のバッキングロールの洗
浄装置を改良する提案(例えば特開平1−18026
9、平1−180270、平1−184075等)もな
されているが、これらの提案による装置だけでは十分な
効果が期待できないのが現状である。上記の如き現状か
ら、本発明者等は、片面塗工機のバッキングロール表面
の洗浄方法及び洗浄装置に関し、特に従来の如きトラブ
ルが発生せず操業性に優れ、かつ効率的な洗浄方法及び
洗浄装置について、鋭意研究を重ねてきた。その結果、
従来からの問題点である、バッキングロール表面の汚れ
に起因する、操業中の紙切れ、洗浄装置のブレードへの
異物(塗料)付着による塗被層面への洗浄液に基づく付
着ムラや着色筋の発生に対して、極めて安定したバッキ
ングロールの洗浄を可能とし、かつ上記の如きトラブル
が効率良く解消される方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、バッキングロ
ール表面にダム形成用接圧部材の先端を接圧して形成さ
れるダム部に洗浄液を注いでバッキングロールを洗浄す
る方法において、ダム形成用接圧部材の先端がロッドで
あって、回転手段によってロッドを回転させて洗浄する
ことを特徴とするバッキングロールの洗浄方法である。
【0008】本発明のバッキングロールの洗浄装置は、
ロッドと、ロッドの保持手段と、ロッドの回転手段と、
を具備する。
【0009】
【作用】一般に、バッキングロールを装着した片面塗工
機を用いて両面塗被紙を製造する場合、片面を塗被、乾
燥後、二度目に反対側を塗被する場合には、最初の塗被
面はバッキングロール表面と接するため、バッキングロ
ール表面に付着している極く僅かの洗浄液は塗被面に付
着されることになる。この際、バッキングロール表面上
の洗浄液は極力最小量になるように調節されることは勿
論、その小量の洗浄液が紙面に均一に付着するように調
節されることが極めて重要である。
【0010】もし、洗浄液がバッキングロール表面上で
不均一な分布をしていると、バッキングロール表面と接
する塗被層面へ悪影響を及ぼし、例えば、乾燥ムラや印
刷適性におけるトラッピング不良等が発生し、印刷異常
となり、商品価値を低下させることになる。従って、本
発明の方法は両面塗被紙の2回塗り目の片面塗工機に適
用した場合(即ち、裏面に既に塗被層が設けられている
もの)に、特にその効果が著しく発揮される者であり、
ビルブレード、ベルバパコーター、デュオコートコータ
ー等の1回で両面を塗被する、所謂両面塗工機には関係
のないものである。
【0011】一般に、バッキングロールの洗浄液には、
温水或いは単に工業用水等が使用されており、その供給
方法を高圧シャワーにしたり、吹き付け巾を広くしたり
して、バッキングロール表面の洗浄方法に改善を行い、
表面汚れに基づく塗被ムラや筋発生の防止が図られてい
る。しかし、その様な機械的な修正方法では、塗工機の
速度が低速の場合には効果が認められるものの、速度が
500m/分以上であるような最近の高速塗工機におい
ては、原紙や塗被液からもたらされる異物や塗料粕等に
よるバッキングロール表面の汚染現象を防止するための
洗浄効果が殆ど認められないといった難点もある。
【0012】上記のような実状から、塗工機のバッキン
グロール表面の塗料粕付着(汚れ)現象を防止するため
に、前記した如く種々のバッキングロールの改善洗浄装
置が提案されている。一方、特開平3−181371に
は、洗浄液に特定の成分を配合してなる水分散液を洗浄
液として使用することにより、効率良く洗浄できる方法
が開示されている。確かに、このような洗浄液の改良に
よっても、ある程度の効果を得ることはできるものの、
なお、満足すべき結果が得られていない。
【0013】そこで、本発明者等は、片面塗工機のバッ
キングロールの洗浄方法及び洗浄装置のあり方につい
て、種々検討、研究を重ねた。その結果として、円筒状
のロッドを洗浄装置の先端部材として使用し、さらにこ
れを回転させることにより、従来よりも優れた効果が得
られることを発見し、本発明を完成したのである。
【0014】前記ロッドには、従来よりロッドコーター
に塗布量の計量用として採用されているものをそのまま
流用することができる。該ロッドには一般的に、耐摩耗
性を考慮してクロムメッキを施すために、従来のブレー
ドを用いた洗浄装置で課題とされていた安定操業性につ
いても、より一層の効果を得ることができる。即ち、従
来のブレードを用いた洗浄装置の代わりに、ロッドコー
ターの計量装置を用いることによって容易に本発明の方
法を実現できるのである。
【0015】このような効果が得られる理由については
必ずしも定かではないが、以下の如く推察される。即
ち、従来のブレードを用いた洗浄装置の場合には、バッ
キングロールとの密着性が良過ぎて、バッキングロール
(ゴム質)に付着した塗料粕等の洗浄に際し、ブレード
(金属製)と塗料粕との接触が密に行われる。その結果
として、ブレード表面の塗料粕等による損傷を受け易く
なり、その損傷した部分に次第に塗料粕が累積し、その
部分が高くなり、ついには、バッキングロール表面と塗
料粕等が累積した部分に僅かな隙間が生じるようにな
る。その隙間より洗浄液が洩れることとなり、その洩れ
た洗浄液に接する塗被層(裏面部分)部分が汚染され、
筋を発生させる等の不良部が生じ、塗被紙品質上重大欠
陥となる。従って、このような現象が発生し始めると、
その都度洗浄装置のブレードの取り替えを余儀なくさせ
られているのが実状である。
【0016】一方、本発明に係るロッドを用いた洗浄装
置の場合には、ロッドが回転することによって塗料粕等
(無機顔料等からなる)との摩擦によるロッド表面の局
所的な摩滅が少ないことに加えて、運転時にロッド自体
が回転しているために洗浄が極めて効率よく行われ、塗
料粕等の累積も起こり難く、長時間に亘って安定した操
業が可能となるものと推定される。しかも、本発明に係
る洗浄装置の場合、従来のブレードを用いた洗浄装置の
場合と異なり、操業中の紙切れによって接触部分の先端
に紙等がジャミング状態となっても、通常のブレードを
用いた洗浄装置よりも遙かに損傷が少なく、また、摩耗
の度合いも小さいことからロッドの交換も必要なく、そ
れだけ生産性の向上につながるメリットのあることも分
かった。
【0017】また、本発明の洗浄方法及び洗浄装置にお
いては、バッキングロールの直径に対するロッドの直径
も重要な要素となる。即ち、本発明においては、バッキ
ングロールとロッドの互いの円弧が接圧することとな
る。このとき、従来の洗浄装置に用いられたブレード及
び本発明のロッド共、見かけ上、バッキングロールに対
しての接圧点は線接触となるが、実際はバッキングロー
ル表面がゴム等の弾性体で覆われているために、非常に
狭い範囲ではあるが面接触となっている。この面接触と
なっている面積は、前記の接触体(ブレード、ロッド)
の形状からも明らかなように、本発明によるロッドのも
のの方が当然のことながら大きな値となる。このため、
この接圧部分において洗浄液の浸入を遮蔽するためには
従来より大きな押し付け圧力が必要となるが、本発明の
方法及び装置に用いるロッドの直径を実用上耐え得る限
り小さくすることによって、前記の接圧面積も小さくす
ることができ、洗浄液の浸入を防ぐべく必要な押し付け
圧力も小さくすることができる。従って、ここで、本実
施例で用いたロッドの直径は、経験上決定したものであ
って、理論上はこれにこだわる必要はないことを付け加
えておく。
【0018】また、本発明の方式を用いて、バッキング
ロールの洗浄を行う際、バッキングロールの巾方向に対
して、部分的な水廻りを解消すべく、ロッドの押し付け
圧力を部分的に調節したいときには、従来よりブレード
コーター、ロッドコーター等の塗工機において、塗被量
のプロファイルを調節する方法として用いられている手
段を導入することによって、容易に可能であることは言
うまでもない。
【0019】本発明において、片面にバッキングロール
を装着した塗工機としては、ブレードコーター、ロッド
コーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カー
テンコーター等のバッキングロールを有するオンマシン
或いはオフマシンの片面塗工機が挙げられる。また、片
面塗工機の塗被に使用される原紙としては、例えば非塗
工紙、片面塗被紙、両面塗被紙等が何れも適用され、特
に限定されるものではなく、さらに1層以上の多層塗被
された塗被紙の場合にも勿論適用される。
【0020】因みに、塗被紙の種類としては、例えば微
塗工紙、中質アート紙、アート紙、コート紙、スーパー
アート紙、マット紙、ダル紙等の印刷用塗被紙及び感熱
記録紙、感圧複写紙、インキジェット記録用紙等、一般
の塗被紙や情報産業用紙のみならず、合成紙、フィル
ム、金属蒸着紙、各種遮蔽紙、芳香紙等の特殊紙等の塗
被或いはそれらの下塗り、中間層、上塗り、オーバーコ
ート等の塗被を施した塗被紙が例示される。勿論、本発
明の方法と従来から知られている前述の如き機械的洗浄
方法を併用することはより効果的であり、何ら制限する
ものではない。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論その範囲に限定されるものではない。
なお、例中の「部」及び「%」は特に断らない限り、そ
れぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0022】実施例1 晒NKP60部、晒LKP40部のパルプ配合に、ロジ
ンサイズ剤1.5部、カチオン澱粉0.5部、タルク1
0部、バンド3部を添加して調製した原料を長網抄紙機
で速度650m/分で抄紙し、サイズプレスで酸化澱粉
を乾燥後の固形量が両面で2.6g/m2となるように
サイズプレスコーティングを行い、乾燥して米坪が45
g/m2の原紙を得た。
【0023】別に、顔料としてカオリン(商品名−UW
−90/平均粒子径約0.5μm;EMC社製)70
部、微粒化重質炭酸カルシウム(商品名−カービタル9
0/平均粒子径約0.7μm;富士カオリン社製)20
部(各固形分)、サチンホワイト分散液(商品名−サチ
ンホワイト/白石工業社製)10部(固形分)とを配合
し、ポリアクリル酸ナトリウム0.2部を加えてコーレ
ス分散機にて分散し、固形分濃度66%の顔料スラリー
を調製した。このスラリーに接着剤として燐酸変成澱粉
2部(固形分)、及び変成スチレン−ブタジエン共重合
体ラテックス15部(固形分)を加え、更に水を加えて
固形分濃度60%の塗被液を調製した。かくして得た塗
被液を前記の原紙上に、直径920mmのバッキングロ
ール、および直径10mm、バッキングロールに対する
有効長さ1000mmの鋼製ロッドからなるバッキング
ロールの洗浄装置を配した、片面塗工機を装備する塗工
装置を使用した。このときの片面塗工機の側面図を図1
に示す。
【0024】図1において、右方から塗被紙1がバッキ
ングロール2とアプリケーターロール3の間を通って塗
被用ブレード5を経て次の乾燥工程に送られる。塗被液
4はアプリケーターロール3にバッキングロールに保持
された塗被紙表面に過剰に塗被され、その後塗被用ブレ
ード5によって計量、平滑化される。しかし、通常、バ
ッキングロールとアプリケーターロールの巾は等しく、
且つ塗被紙の巾より広いため、アプリケータロールはバ
ッキングロール表面上にも塗被液を塗被してしまうこと
になる。
【0025】バッキングロール表面上のほとんどの塗被
液は塗被用ブレード5によって掻き落とされるが、塗被
紙端部の紙厚に相当する部分は、塗被用ブレードがバッ
キングロールに十分接触せずに空隙を形成してしまう。
従って、この部分を通過した塗被液や、アプリケーター
ロールによって塗被された際に塗被紙のピンホールを通
過した塗被液がバッキングロール回転方向後方のダム形
成用接圧部材である洗浄装置20によって洗浄されるこ
とになる。
【0026】本実施例に用いた洗浄装置20はロッド8
と、それを保持する手段であるロッド保持装置9、ロッ
ド保持装置を取り付けるフレーム10、及びロッドの回
転手段であるモーター12(図2)を備えたものであ
る。本発明の洗浄装置20の斜視図を図2に示すととも
に、図2に従って詳述する。図2において、ロッド8を
ロッド保持装置9にて支持し、該保持装置を真直に加工
した剛性の高いフレーム10に固定する。このとき、ロ
ッド保持装置9には従来よりロッドコーターで使用して
いたウレタン製のものを用いた。該フレームは、エアー
シリンダー11を介して、空気圧によって、バッキング
ロールに対して平行に、且つ、任意の押し付け圧力に設
定できるように設置しており、前記ロッド8の一方の端
には該ロッドの回転手段であるモーター12を接続し、
該モーターは前記フレーム10に加工された図示を省略
したモーター取り付け用架台に固定した。ロッド8はモ
ーター12によってA、B、の任意の方向に回転させる
ことができるが、ここで、以後、B方向の回転を正転、
A方向の回転を逆転と称することにする。
【0027】このように構成された洗浄装置によって、
前記塗被時に残留したバッキングロール上の塗被液は、
まず、洗浄水7によって形成されたダム部で湿潤され、
且つ、ダム部内部でバッキングロールの回転によって生
じた洗浄水の乱流によって、その塗被液のほとんどは洗
浄される。そして、ロッド8がバッキングロールに接圧
する部分においては、ロッドが洗浄水に対してせん断力
を与えるために、その力によって前記塗被液及び洗浄水
はほぼ完全に除去される。このとき、塗被液中に塗料粕
等の固形物があれば、ロッドとバッキングロールの接圧
部に挟み込まれることになるが、ロッドは常にモーター
によって回転しているために固形物は一箇所には留まら
ず、ロッドが正転のときには即座に排出される。また、
反対に逆転のときには固形物は洗浄水中に留まるもの
の、洗浄水とともに、洗浄水を再利用すべく設けられた
洗浄水の循環ラインに排出され、該ライン中のフィルタ
ー等の固形物除去手段によって簡単に取り除くことがで
きる。
【0028】なお、本実施例においては、前記ロッドと
バッキングロールとの接圧圧力はロッドをバッキングロ
ール押し付け過ぎて傷をつけないことと、従来方式のブ
レードを用いた洗浄装置からの経験値をもとに、線圧4
00g/cmに調節した。また、バッキングロールの巾
が比較的狭いことから、バッキングロールに対するロッ
ドの巾方向の部分的な押し付け圧力を調節する装置を用
いず、ロッド保持装置を真直に加工した剛性の高いフレ
ームに固定することにより均一な押し付け圧力を得た。
【0029】以下に塗被条件を示す。即ち、前記の巻取
原紙の表面に、上記仕様になる片面塗工機を用いて、塗
工速度500m/分で、乾燥重量が12g/m2となる
ように片面塗被を行い、120℃の熱風ドライヤーで乾
燥する。続いて同片面塗工機で塗被紙の裏面側を乾燥重
量が12g/m2 となるように塗被して両面印刷用塗被
紙として仕上げた。このときのバッキングロールの洗浄
液は工業用水を用いた。
【0030】次いで、得られた塗被紙をスーパーキャレ
ンダを用いて加圧処理を行い、72g/m2の印刷用塗
被紙として仕上げた。そして、このときの連続運転時間
(操業状態)、得られた製品の外観、光沢及び平滑度を
まとめて表1に示した。
【0031】実施例2 実施例1において、洗浄装置のバッキングロールとの接
圧圧力を線圧450g/cmに変更した以外は、実施例
1と同様にして両面印刷用塗被紙を得た。
【0032】実施例3 実施例1において、洗浄装置のロッドの回転をバッキン
グロールに対して逆転で回転数を毎分5回転(一定)と
した以外は、実施例1と同様にして両面印刷用塗被紙を
得た。
【0033】実施例4 実施例2において、洗浄装置のロッドの回転をバッキン
グロールに対して逆転で回転数を毎分5回転(一定)と
した以外は、実施例2と同様にして両面印刷用塗被紙を
得た。
【0034】比較例1 洗浄装置として通常のSK鋼からなるブレードを使用
し、且つ線圧を400g/cmとして操業した以外は、
実施例1と同様にして両面印刷用塗被紙を得た。
【0035】比較例2 比較例1においてブレードの線圧を450g/cmとし
て操業した以外は、実施例1と同様にして両面印刷用塗
被紙を得た。
【0036】なお、連続運転時間とは、操業的に安定し
て運転できた最長運転時間であり、最長限界時間を16
8時間(一週間)として実施し、それ以上の連続運転時
間の得られたものは168時間以上として表示した。ま
た、得られた白紙品質の評価については下記の方法によ
る。 [製品の外観]目視判定による [白紙光沢]光沢度計(75゜反射角)での測定値 [平滑度]スムースター平滑度計を使用した。値が小さ
い程、平滑が良い
【0037】
【表1】
【0038】[評価]実施例1と実施例2では品質的な
差は殆ど認められず、良好な結果が得られたが、実施例
1と実施例3では接圧圧力を同じとしながらも、品質上
の若干の差異が認められた。これは、実施例1ではバッ
キングロールの回転方向とロッドの回転方向が一致して
いるため、バッキングロールの表面上に付着した塗料粕
等は、これ等各々の回転によって容易に接圧部分から排
出されるが、実施例3ではロッドがバッキングロールに
対して逆転するために実施例1、2程はスムーズに塗料
粕等が排出されなかったものと見られる。実施例4に至
っては押し付け圧力がさらに大きかったために、前記影
響がさらに大きかったものと推測される。
【0039】なお、ここで、ロッドの回転数は、洗浄液
の水廻りを助長させないことを考慮して、バッキングロ
ールに対して正転で毎分5回転(一定)として操業した
が、本発明による洗浄の方法がこれに限定されるもので
はなく、前記ロッドの回転数及びバッキングロールへの
接圧圧力はバッキングロール表面の洗浄効果と、洗浄液
の水廻りを比較しながら任意に決定し得ることを付け加
えておく。
【0040】また、比較例1、2では、運転開始当初は
良好な品質のものが得られたが、時間の経過と共に水廻
り等の現象が認められるようになり、表1に示した運転
時間の経過後、ブレードの交換を余儀なくされた。
【0041】このように、実施例1、2、また、若干評
価が劣った実施例3、4からも分かるように、従来のブ
レードを用いた洗浄装置に対して4倍以上の効果が得ら
れることが確認されたとともに、本実施例における運転
中、時間の経過によるバッキングロールの洗浄効果や水
廻り、品質の変化が殆ど認められず、従来のブレードを
用いた洗浄装置に比べて優れた操業安定性が得られるこ
とが分かった。
【0042】また、本実施例では、実施例及び比較例に
用いる原紙、テスト所要時間、塗被液、及び経費の関係
から連続運転時間の限界を168時間としたため、実施
例1〜4においては安定した連続運転状態のまま運転を
中断することとなった。しかし、本実施例に用いたロッ
ドの表面は、顕微鏡等の拡大手段を用いればその表面の
傷、摩耗状態が確認できるものの、目視的にはほとんど
その状態を確認できなかったことから、本発明のバッキ
ングロールの洗浄方法及び洗浄装置を用いれば、さらに
本実施例以上の安定した連続運転が実現できることは容
易に推察することができる。
【0043】
【発明の効果】このように、本発明によるバッキングロ
ールの洗浄方法及び洗浄装置は、長時間に亘り安定した
操業が可能であり、また、従来1〜2日で交換していた
ブレードを用いた洗浄装置に対し、本発明におけるもの
は少なくとも4倍以上も寿命が長いことが分かった。ま
た、断紙等による損傷も殆ど認められないため、結果と
して、得られる塗被紙の品質安定及び生産性向上に大き
く貢献できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるバッキングロールの洗浄装置を
片面塗工機に設置した側面図である。
【図2】本発明の洗浄装置の概略の構成を示した斜視図
である。
【図3】従来のバッキングロールの洗浄装置を片面塗工
機に設置した側面図である。
【符号の説明】
1 塗被紙用原紙 2 バッキングロール 3 アプリケーターロール 4 塗被液 5 塗被用ブレード 6 洗浄液給液ノズル 7 洗浄液 8 ロッド 9 ロッド保持装置 10 フレーム 11 エアーシリンダー 12 モーター 13 ブレード 14 ダム部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッキングロール表面にダム形成用接圧部
    材の先端を接圧して形成されるダム部に洗浄液を注いで
    バッキングロールを洗浄する方法において、ダム形成用
    接圧部材の先端がロッドであって、回転手段によってロ
    ッドを回転させて洗浄することを特徴とするバッキング
    ロールの洗浄方法。
  2. 【請求項2】ロッドと、ロッドの保持手段と、ロッドの
    回転手段と、を具備するバッキングロールの洗浄装置。
JP29182592A 1992-10-29 1992-10-29 バッキングロールの洗浄方法及び装置 Pending JPH06134373A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29182592A JPH06134373A (ja) 1992-10-29 1992-10-29 バッキングロールの洗浄方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29182592A JPH06134373A (ja) 1992-10-29 1992-10-29 バッキングロールの洗浄方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06134373A true JPH06134373A (ja) 1994-05-17

Family

ID=17773907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29182592A Pending JPH06134373A (ja) 1992-10-29 1992-10-29 バッキングロールの洗浄方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06134373A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007160301A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Tokyo Electron Ltd 回転ロールの洗浄機構及び回転ロールの洗浄方法
JP2009273991A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Toray Eng Co Ltd 予備塗布装置、塗布装置及び予備塗布装置の洗浄方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007160301A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Tokyo Electron Ltd 回転ロールの洗浄機構及び回転ロールの洗浄方法
JP2009273991A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Toray Eng Co Ltd 予備塗布装置、塗布装置及び予備塗布装置の洗浄方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0453427B1 (en) Method for limitation of the width of coating in coating of paper or board and a device intended for carrying out the method
US8286577B2 (en) Device and method for coating
JP3188795B2 (ja) 印刷用ペーパーウェブの両面コーティング方法
JPH02298383A (ja) マイクロカプセル塗料を紙に被覆する方法
US5647909A (en) Apparatus for applying coating to paper web including successive doctoring steps
JPH06134373A (ja) バッキングロールの洗浄方法及び装置
JP2007014850A (ja) 塗工装置および塗工装置によって製造された塗工紙
JPH0663496A (ja) バッキングロールの洗浄方法
US5782976A (en) Continuous coater blade
KR20010075378A (ko) 초지기에 사용되는 원통상 드라이어의 오염방지방법
JP3785974B2 (ja) 塗工紙の断紙防止方法
JPH0559697A (ja) 塗抹装置
JPH08108119A (ja) 塗布方法及び塗布装置
JP3428006B2 (ja) 塗布方法
JPH07189196A (ja) 塗被紙の製造方法
JP2001080230A (ja) ドクター、グラビア印刷機およびこれらを用いた印刷方法
JP4608797B2 (ja) 塗工紙の筋状欠陥発生防止方法
JP3013527B2 (ja) 多層塗工紙の製造方法
JPS60225669A (ja) 塗布方法
JP3256142B2 (ja) 塗被紙の製造方法
JP2667033B2 (ja) ローラーカーテン塗装方法
JP2902321B2 (ja) 塗工装置
JP2006247604A (ja) 塗工装置のリードインペーパーロール
JPH08168713A (ja) コーターブレード
JPH03181371A (ja) 片面塗工機バッキングロールの洗浄方法