JPH0613411B2 - アルミノ珪酸系ガラスの製造方法 - Google Patents

アルミノ珪酸系ガラスの製造方法

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JPH0613411B2 JP13157289A JP13157289A JPH0613411B2 JP H0613411 B2 JPH0613411 B2 JP H0613411B2 JP 13157289 A JP13157289 A JP 13157289A JP 13157289 A JP13157289 A JP 13157289A JP H0613411 B2 JPH0613411 B2 JP H0613411B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レーザー発振用ガラスに用いられる高純度、
高均質性の大型アルミノ珪酸系ガラスを安価に提供する
ことができるアルミノ珪酸系ガラス製造方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕 シリカ系ガラスである石英ガラスは、紫外部から近赤外
までの広い波長域で高い透明性、低い熱膨張係数、高い
耐熱・耐水性、高強度など、いずれの面から見ても機能
性ガラスの母体として優れた性質を有しているため、例
えば光ファイバーに多く使用されているが、その他の用
途にはまだあまり使用されておらず、僅かに希土類元
素、例えばNdをドープしたものはレーザーガラスとし
て有用であることが知られている程度である。このNd
をドープしたものは、Nd3+の1.06μm付近の螢光がレ
ーザ発振するため、レーザーガラスとなるものである。
石英ガラスでなくアルミノ珪酸系ガラスに希土類元素を
ドープしたものもレーザーガラスとなる。
これらのレーザーガラスの母体となるシリカ系ガラスあ
るいはアルミノ珪酸系ガラスは、従来通常、気相法や溶
融法によって製造されている。
最近、より均質な高純度ガラスを得るために金属アルコ
キシドを原料とする製造方法が注目され、金属アルコキ
シドの加水分解、縮重合反応により得られた湿潤ゲルを
乾燥し、これを焼成することにより高純度ガラス、代表
的には高純度シリカ系ガラスを製造する試みが多く行な
われている(例えば、特開昭61-106428 号、特開昭55-1
67143 号、“Better Ceramics Through Chemistry”Vo
l.32,p47〜48)。中でも特開昭61-106428 号のガラス
の製造方法は、金属アルコキシドを溶媒で希釈し、アン
モニアを含む水を添加してゾル溶液を生成させた後、乾
燥した多孔質ゲル体を形成させ、この多孔質ゲル体を高
温処理して透明ガラス化するものである。
このようなゾル及びゲルを経由してガラスなどを得る方
法は、ゾルゲル法と呼ばれ、従来の溶融法に比べ、高品
質(高純度、高均質性)のガラスが得られ、かつ従来、
レーザーガラス母材の製造に用いられている気相法や溶
融法で製造されている高純度ガラスよりも安価でしかも
短時間で製造できる利点を有している。
そして、このゾルゲル法による高純度ガラスの製造法
は、高純度のシリカ系ガラス、その他のガラスの製造法
に用いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、ゾルゲル法によりレーザー発振用希土類元素含
有シリカ系ガラスを製造しようとすると、次のような問
題があった。
(1)湿潤ゲルの乾燥時、溶媒の蒸発と共にクラック、割
れが発生する。
(2)ゲルを加熱し、ガラス化する過程で残存有機成分の
バーンアウト時にクラック、割れが発生し、かつ残存O
H基に起因する発泡現象が発生する。
(3)シリコンアルコキシドと共存する他成分のアルコキ
シド(例えば希土類元素のアルコキシド)の加水分解速
度がシリコンアルコキシドの加水分解速度に比べ異なる
場合には、沈殿を生じたり、不均一な組成となり、クラ
ック、割れの原因となる。
(4)シリコンアルコキシドと希土類元素アルコキシドの
二成分だけから製造した石英ガラスでは、生成したガラ
ス中の希土類元素イオンが会合し、均質性が低下して、
レーザー発振特性が劣化する(螢光寿命低下、濃度消光
など)。
上記した諸問題の中、(4)の点についてはNdドープ石
英ガラスの場合、Alなどを少量一緒にドープすると、
その共ドープにより、独立分散したNd3+の高エネルギ
ー状態が緩和されて、レーザー発振特性が改善されるこ
と〔「セラミックス」Vol.21,(1966)No.5,p419〜4
24〕から、また多成分系ガラスではNdドープ濃度を高
くすることができることから、レーザーガラスの母材を
アルミノ珪酸系ガラスとすることが考えられる。
しかしながら、ゾルゲル法によりアルミノ珪酸系ガラス
を製造するとしても、(1)〜(3)の問題が生じないように
しなければならないし、アルミニウム源としてアルミニ
ウムアルコキシドを用いた条件下で(4)のレーザー特性
が劣化することのないようにしなければならない。
本発明は、これらの問題を解決するアルミノ珪酸系ガラ
スの製造方法を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、上記の問題点を解決して、上記の目的を達
成するために研究を行ない、アルミニウムアルコキシド
とシリコンアルコキシドと希土類元素のアルコキシドを
含むアルミノ珪酸系ガラス製造溶組成物を加水分解し、
縮重合を生じせしめてアルミノ珪酸系ガラス前駆体ゲル
とし、これを加熱してアルミノ珪酸系ガラスを得る方法
に於いて、前記組成物を形成するにさいし、希土類元素
のアルカリ金属アルコキシドおよび/またはアルカリ土
類金属アルコキシドの存在下アルコール溶媒中でアルミ
ニウムアルコキシドと混合し、反応せしめて希土類元素
とアルミニウムの複合金属アルコキシドとすることを特
徴とするアルミノ珪酸系ガラスの製造方法によって、そ
の目的を達成した。
また、アルミニウムアルコキシドとシリコンアルコキシ
ドと希土類元素のアルコキシドを含むアミノ珪酸系ガラ
ス製造溶組成物を加水分解し、縮重合を生じせしめてア
ルミノ珪酸系ガラス前駆体ゲルとし、これを加熱してア
ルミノ珪酸系ガラスを得る方法に於いて、前記組成物を
形成するにさいし、希土類元素の無水塩化物をアルコー
ル溶媒中でアルカリ金属および/またはアルカリ土類金
属とアルミニウムとの複合アルコキシドと混合し、反応
せしめて、希土類元素とアルミニウムの複合金属アルコ
キシドとすることを特徴とするアルミノ珪酸系ガラスの
製造方法によって、その目的を達成した。
上記したように反応させて希土類元素とアルミニウムの
複合金属アルコキシドとすることにより、希土類元素が
アルコキシドの形態で安定したものとなり、シリコンア
ルコキシドにその加水分解速度を近づけることができ、
前記組成物の加水分解において希土類元素のアルコキシ
ドの加水分解生成物を単独に析出させることがなく、均
質なゲルが得られる。
希土類元素の塩化物をイソプロピルアルコール中でアル
ミニウムのイソプロポキシドの一種であるKAl(OR
4と反応させると、希土類元素とアルミニウムの
複合金属イソプロポキシドであるLn〔Al(OP
43(ただし、Lnは、La,Pr,Ce,N
d,Sm,Cd,Dy,Ho,Er,Yb,Lu,Yま
たはScであり、Prはイソプロピル基を示す)を生
成することは知られているが(Synthesis in organic a
nd metal-organic chemistry,3(2),p181〜191(197
3))、その複合イソプロポキシドを加水分解するさい
の効果はまったく示されていないし、またこの複合金属
アルコキシドとアルミノ珪酸系ガラスの製造方法に使用
することはまったく知られない。
希土類元素の無水塩化物をアルカリ金属アルコキシドお
よび/またはアルカリ土類金属アルコキシドの存在下、
アルコール溶媒中でアルミニウムアルコキシドと混合
し、反応させるのは、加熱下で行うのが好ましい。加熱
温度は60〜120℃とする。加熱にさいしては還流を行
う。アルコール溶媒としてのイソプロパールを使用する
場合、加熱温度はその沸点である82.3℃となる。
希土類元素の無水塩化物とアルミニウムアルコキシドの
使用割合は、アルミノ珪酸系ガラスにレーザー特性を与
えるに必要とする希土類元素の量、及び所定の組成のア
ルミノ珪酸系ガラスを生成させるのに必要なアルミニウ
ムの量によって決められるが、自由に調節することがで
きる。また、アルカリ金属アルコキシドまたはアルカリ
土類金属アルコキシドの量は、希土類元素の無水塩化物
の当量以上を使用することを要する。アルコール溶媒は
前記の反応により取り込まれてそれに対応する希土類元
素とアルミニウムの複合金属アルコキシドが生成させる
ことにより消費されるので、十分な量を使用する。アル
コール溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、ブタノールなどを用いることができるが、
イソプロパノールが好ましい。アルカリ金属アルコキシ
ドおよび/またはアルカリ土類金属アルコキシドは、こ
の形で加えなくても、前記のアルコール溶媒にアルカリ
金属および/またはアルカリ土類金属を加えることによ
って容易に生成されるので、これらの金属を加えること
により反応系にアルカリ金属アルコキシドおよび/また
はアルカリ土類金属アルコキシドが存在するようにして
もよい。
また、希土類元素の無水塩化物をアルコール溶媒中でア
ルカリ金属および/またはアルカリ土類金属とアルミニ
ウムとの複合アルコキシドと混合し、反応せしめて、希
土類元素とアルミニウムの複合金属アルコキシドとする
さいには、反応は発熱的に行われるが、数時間還流して
反応を完結させる。
反応に使用するアルカリ金属および/またはアルカリ土
類金属とアルミニウムとの複合アルコキシドとしては、
ナトリウムまたはカリウムとアルミニウムとの複合アル
コキシドが好ましい。
そこで使用するカリウムとアルミニウムとの複合アルコ
キシドなどは、例えば、イソプロパノール中でカリウム
金属をアルミニウムイソプロポキシドと反応させること
によって得ることができる。
そして、このように形成した希土類元素とアルミニウム
の複合金属アルコキシドをシリコンアルコキシドと混合
してアルミニウム珪酸ガラス製造用組成物とするが、混
合後に加熱し反応させてアルコキシドの複合物を生成さ
せるようにしてもよい。
本発明に使用する希土類元素の無水塩化物としては、一
般式MClにおいて、Mがネオジム、セリウム、サマ
リウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ホ
ルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ル
チチウムのうち少なくとも1種である。
反応に使用するアルミニウムアルコキシドは、アルミニ
ウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウ
ムイソプロポキシド、アルミニウムoesブトキシドな
どを用いるのが好ましい。
シリコンアルコキシドは、シリコンメトキシド、シリコ
ンエトキシド、シリコンイソプロポキシドを用いるのが
好ましい。そのシリコンアルコキシドとしてはシリコン
アルコキシドを酸触媒下そのモル数の0.5〜2倍モル
の水により予め部分的に加水分解、縮重合を生ぜしめた
2〜50の重合度を有する多量体としたもの、あるいはそ
れを含ませたものを用いることが好ましく、これらを用
いることにより、大型の易焼結性の乾燥ゲルがクラッ
ク、割れの発生なく得られ、大型でクラック、割れがな
い高純度のアルミノ珪酸系ガラスが容易に得られる。
使用するシリコンアルコキシド多量体は、シリコンアル
コキシド全量に対し30モル%以上においてその効果が認
められ、これ以下であると効果が少ない。特に使用する
シリコンアルコキシドの全てが2〜50量体の多量体のみ
で構成される場合、より好ましい効果が得られる。
アルミノ珪酸系ガラス組成物前駆体は、前記複合金属ア
ルコキシドとは別にアルミニウムアルコキシドやリンの
アルコキシドなどを含ませることができる。
これらの希土類元素とアルミニウムの複合金属アルコキ
シドとシリコンアルコキシドを含むアルミノ珪酸系ガラ
ス製造用組成物を加水分解するにさいしては、これらの
アルコキシドを有機溶媒に予め溶かすようにしてもよ
い。
アルミノ珪酸系ガラス組成物の加水分解は常法により行
うが、使用する水の量は、アルコキシドのアルコキシ基
の数に対し0.5〜2倍モル使用するのが好ましい。加
水分解により得られたゾルは縮合させてゲルとする。縮
重合は数時間ないし数日熟成させることにより行うこと
ができる。加水分解及び縮重合にさいして触媒を用いれ
ばその時間が短縮される。触媒としてはアンモニア水な
どの塩基が用いられる。
得られたアルミノ珪酸系ガラス前駆体ゲルを乾燥して乾
燥ゲルとするが、そのさいにはクラック、割れが生じな
いようにゆるやかに乾燥するのが好ましい。例えば、60
〜80℃の温度が段階的に乾燥した後、最終的に150℃に
加熱して乾燥する。乾燥したゲルを900〜1400℃で焼成
してアルミノ珪酸系ガラスを得ることができる。
本発明により、大型でクラック、割れのないアルミノ珪
酸系ガラスが得られ、これは希土類元素を含有している
ため、レーザー発振用ガラスなどに用いることができ
る。
〔作用〕
本発明では、希土類元素の無水塩化物をアルカリ金属ア
ルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属アルコキシ
ドの存在下、アルコール溶媒中でアルミニウムアルコキ
シドと混合し、反応せしめて、希土類元素とアルミニウ
ムの複合金属アルコキシドとし、これとシリコンアルコ
キシドとを含むアルミノ珪酸系ガラス製造用混合物を用
いることにより、希土類元素のアルコキシドが安定化さ
れ、その加水分解速度が調整され、加水分解で希土類元
素のアルコキシドが先に反応してその加水分解生成物が
単独で析出するようなことがない。希土類元素の無水塩
化物をアルコール溶媒中でアルカリ金属および/または
アルカリ土類金属とアルミニウムとの複合アルコキシド
と混合し、反応させた場合も同様である。また、前記複
合金属アルコキシドは有機溶媒に対する溶解度が大きく
なっている。
そして、このようにして得られた複合金属アルコキシド
を含ませたアルミノ珪酸系ガラス製造用組成物を加水分
解、縮重合させることにより、均質で、孔径の揃った比
較的大きな気孔を有する強固な湿潤ゲルが得られる。
また、そのゲルが気孔径の大きいことに起因して、乾燥
過程でゲルの気孔からの残存、液分の蒸発による毛細管
応力が軽減され、気孔の孔径が揃っていることに起因し
て、応力の分布が一様となり、クラック、割れの発生が
抑制される。
以下の説明は推測であって、実験的に確認したものでは
ないが、ゲルを焼成して得たアルミノ珪酸系ガラスで
は、その中に希土類元素とアルミニウムの原子の位置関
係は、ゲル中の希土類元素とアルミニウムの複合金属ア
ルコキシドに由来する構造がそのまま維持され、希土類
元素の周りにはアルミニウムが優先的に存在する状態に
なっているのではないかとみられる。そして、それによ
り最終的なアルミノ珪酸系ガラス中の希土類元素イオン
の会合も抑制されて、レーザーガラスとしての螢光特性
が向上するものと考えられる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。ただし、
本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではな
い。
実施例1 無水塩化ネオジム4.3gとアルミニウムイソプロポキ
ド10.5gと金属カリウム1.7gをイソプロパノール12
0gに溶解し、約2時間加熱還流する。その後、この溶
液を濾過して副生成した塩化カリウムの白色沈殿を除い
てネオジムとアルミニウムの複合金属アルコキシドのイ
ソプロパノール溶液とする。
次に、シリコンエトキシド117.8gとイソプロパノ
ール68gを混合し、これに1N塩酸10.2gを添加して室
温で約2時間撹拌してシリコンエトキシドを部分的に加
水分解し、アルミニウムsecブトキシ60gとさらに混合
撹拌する。そして、この溶液を前述のネオジムとアルミ
ニウムの複合金属アルコキシドのイソプロパノール溶液
に室温で滴下し、24時間加熱還流を行った後、46.8gの
1Nアンモニア水溶液を添加してゲル化させる。このゲ
ルを60℃で7日間熟成し、60〜80℃の温度で段階的に乾
燥した後150℃に加熱してクラックのない乾燥ゲルを得
た。この乾燥ゲルのBET法による細孔半径のピークは
100Åと比較的大きな値を示した。また、細孔半径のピ
ークは非常に鋭く、孔径が揃っている。
このゲルを1140℃で2時間空気中にて焼成することによ
りNd−Al−SiO系ガラスを得た。
実施例2 無水塩化ネオジム2.1gとアルミニウムイソプロポキ
シド5.3gと金属カリウム0.84gをイソプロパノール
90gに溶解し、約2時間窒素雰囲気下加熱還流する。そ
の後、副生成した塩化カリウムの白色沈殿及び未反応の
無水塩化ネオジムを濾過により除去し、得られる濾液が
ネオジムとアルミニウムの複合金属アルコキシドのイソ
プロパノール溶液である。
次に、シリコンイソプロポキド90.8gとイソプロパノー
ル56gに溶解させ、0.1Nの塩酸6.2gを添加して
撹拌し、部分的に加水分解反応を行い、シリコンイソプ
ロポキシドの多量体を得る。そして、この2〜50の重合
度を有するシリコンイソプロポキシド多量体を前記のネ
オジムとアルミニウムの複合金属アルコキシドのイソプ
ロパノール溶液に滴下し、室温で1日撹拌し、80℃で1
日加熱還流した後、0.1Nのアンモニア水溶液20gを
添加して40℃にてゲル化させた。
この湿潤ゲルをエタノール中に浸し、CO・エタノー
ルの超臨界状態で乾燥してクラックのない乾燥ゲルを得
た。この乾燥ゲルのBET法による細孔半径のピークは
350Åと大きな値を示した。また、細孔半径のピークは
非常に鋭く孔径が揃っている。このゲルを1200℃で2時
間空気中で焼成することによりNd−Al
−SiO系ガラスを得た。
〔発明の効果〕
本発明は、他のアルミノ珪酸系ガラスの製造法に比べ、
以下の利点を有する。
(1)希土類元素アルコキシドを安定化するため、希土類
元素アルコキシドとアルミニウムアルコキシドとシリコ
ンアルコキシドの同時加水分解が可能となり、均質なア
ルミノ珪酸系ガラス前駆体ゲルとなるため、希土類元素
種の高分散したアルミノ珪酸系ガラスが得られる。
(2)ゲルの乾燥時、又は乾燥ゲルの焼成時にクラック、
割れが入ることがないので、大型のアルミノ珪酸系ガラ
ス製品が得られる。
(3)希土類元素とアルミニウムの複合金属アルコキシド
の構造がゲル、ガラスと保持されるため、ガラス中の希
土類元素イオンは会合することなくアルミニウムイオン
に囲まれて、シリカ母体中に高分散し、その結果螢光寿
命が長くなる、濃度消光がおこらないなど、螢光特性が
著しく向上する。
(4)2000℃という高温を要する溶融法に比し、900〜1400
℃という低温で製造することができるので、省エネルギ
ーが達成され、それでいて高純度、高品質というアルミ
ノ珪酸系ガラス製品が得られる。
(5)レーザーガラス母材を製造するにさいして従来用い
られてきた溶融法又は気相法に比べて原料コストが安
く、収率良く製造することができる。また、工程も簡便
で、同等の品質の製品を安価に得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムアルコキシドとシリコンアル
    コキシドと希土類元素のアルコキシドを含むアルミノ珪
    酸系ガラス製造用組成物を加水分解し、縮重合を生じせ
    しめてアルミノ珪酸系ガラス前駆体ゲルとし、これを加
    熱してアルミノ珪酸系ガラスを得る方法に於いて、前記
    組成物を形成するにさいし、希土類元素の無水塩化物を
    アルカリ金属アルコキシドおよび/またはアルカリ土類
    金属アルコシキドの存在下、アルコール溶媒中でアルミ
    ニウムアルコキシドと混合し、反応せしめて希土類元素
    とアルミニウムの複合金属アルコキシドとすることを特
    徴とするアルミノ珪酸系ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】アルミニウムアルコキシドとシリコンアル
    コキシドと希土類元素のアルコキシドを含むアルミノ珪
    酸系ガラス製造用組成物を加水分解し、縮重合を生じせ
    しめてアルミノ珪酸系ガラス前駆体ゲルとし、これを加
    熱してアルミノ珪酸系ガラスを得る方法に於いて、前記
    組成物を形成するにさいし、希土類元素の無水塩化物を
    アルコール溶媒中でアルカリ金属および/またはアルカ
    リ土類金属とアルミニウムとの複合アルコキシドと混合
    し、反応せしめて、希土類元素とアルミニウムの複合金
    属アルコキシドとすることを特徴とするアルミノ珪酸系
    ガラスの製造方法。
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