JPH06132756A - 圧電発振子の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不良品の発生を減少させ、製品の歩留まりを
向上できるようにした圧電発振子の製造方法を提供する
ことを目的としている。 【構成】 圧電発振子の製造方法を、圧電性のセラミッ
クスからなる圧電基板の主面に振動電極を設けて素子を
形成し、上記電極の所要の部分にインクを塗布する圧電
発振子の製造方法において、上記素子をインクを塗布す
る部分にスリットを設けたメタルマスク内に挿入する工
程と、インクジェットによりインクを塗布する工程と、
インクを焼付ける工程と、素子を取出す工程と、メタル
マスクを洗浄する工程と、メタルマスクを乾燥する工程
とから構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、圧電素子の振動電極部
にはんだ流れ止め用のインクを塗布して周波数調整を行
って製造する圧電発振子の製造方法に関し、例えば、振
動部に振動エネルギーを閉じ込める形の圧電素子の、は
んだ流れ止め用のインクの塗布をメタルマスクを用いて
行うようにして不良品の発生を減少させ、製品の歩留ま
りを向上できるようにした圧電発振子の製造方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】圧電発振子を構成する圧電素子として、
エネルギー閉じ込め型の振動モードを生じさせる圧電素
子を例にして説明する。圧電素子用の素子は、図７に示
すように構成されている。すなわち、素子１は、圧電性
のセラミックスからなる圧電基板２の表裏の両主面に電
極が設けられ、一部が互いに対向する振動電極３，３が
形成され、一端がそれぞれの反対側の端部に延ばされ、
対向していない部分で引出し電極４，４が形成されてな
っている。そして、振動電極３の部分でエネルギー閉じ
込め型の振動モードを生じさせるようにされている。こ
の素子１の所要の位置には、上記振動電極３部の振動を
調整すると同時に振動電極３に、はんだが付着しないよ
うに、インク（ＳＲインク）を塗布する。そして、素子
１を切断して圧電素子を作成し、これを、図示していな
いケース又は封止基板により封止し、上記引出し電極４
に導通させて外部電極を設けて圧電発振子を製造する。
従来より、上記ＳＲインクの塗布は、図８に示すよう
に、素子１を並べて型５内に嵌め、ＳＲインク不要部を
覆うマスク６を用いて素子１を覆い、図示していない印
刷機によりＳＲインクを塗布して乾燥し、裏面も同様に
してＳＲインクを塗布して乾燥している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の圧電発振子の製造方法では、並べた素子に型を嵌め
る際、また、型を移動する際に素子に割れや欠けを発生
させた。さらに設備のトラブルで素子の並べる位置がず
れるようなことがあると、このずれが続き、素子の割れ
や欠けも続いて発生した。また、ラップ工程での圧電基
板の仕上げ厚みの精度が向上したり、周波数調整がラッ
プ工程で行われて、ＳＲインクにより周波数調整が不要
になっても、この周波数調整の工程を削減できない。

【０００４】本発明は上記従来技術の実情に鑑みてなさ
れたもので、不良品の発生を減少させ、製品の歩留まり
を向上できるようにした圧電発振子の製造方法を提供す
ることを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る圧電発振子
の製造方法は、圧電性のセラミックスからなる圧電基板
の主面に振動電極を設けて素子を形成し、上記電極の所
要の部分にインクを塗布する圧電発振子の製造方法にお
いて、上記素子をインクを塗布する部分にスリットを設
けたメタルマスク内に挿入する工程と、インクジェット
によりインクを塗布する工程と、インクを焼付ける工程
と、素子を取出す工程と、メタルマスクを洗浄する工程
と、メタルマスクを乾燥する工程とから構成したことを
特徴とする。

【０００６】

【作用】上記のように構成する本発明に係る圧電発振子
の製造方法は、圧電性のセラミックスからなる圧電基板
の主面に振動電極を設け、これに導通して端部に延びた
引出し電極を設けて多数の圧電素子を構成する素子を形
成し、この素子をＳＲインクを塗布する所要の部分にス
リットを設けたメタルマスク内に挿入し、続いてインク
ジェットによりＳＲインクを塗布した後、ＳＲインクを
焼付けてメタルマスクから素子を取出す。このメタルマ
スクを続いて使用するため洗浄して乾燥し、再使用す
る。一方ＳＲインクを乾燥した素子は、切断して圧電素
子を作製し、この圧電素子をケース又は封止基板により
封止し、上記端部に延びた電極に導通させて外部電極を
設けて圧電発振子とする。上記のように圧電性のセラミ
ックスからなる圧電基板に電極を設けて形成した素子
を、ＳＲインクを塗布する部分にスリットを設けたメタ
ルマスク内に挿入して、インクジェットによりＳＲイン
クを塗布するようにしたので、設備のトラブルによって
素子に与える損害を軽減でき、割れ、欠けによる不良品
の発生を低減できる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本発明の
チップ型圧電部品の製造方法は、図１に示すように、素
子をインクを塗布する部分にスリットを設けたメタルマ
スク内に挿入する工程と、インクジェットによりインク
を塗布する工程と、インクを焼付ける工程と、素子を取
出す工程と、メタルマスクを洗浄する工程と、メタルマ
スクを乾燥する工程とから構成されている。

【０００８】先ず、図２に示すように、圧電素子用の素
子１をインクを塗布する部分にスリット８を設けたメタ
ルマスク７内に挿入する。このスリット８は裏面にも同
様に設けられている。次に、図３に示すように、メタル
マスク７を塗布位置に移動させ、インク噴射装置９によ
りＳＲインクを噴射し、スリット８の部分にＳＲインク
を塗布する。次いで、焼付工程でＳＲインクを焼付け
る。その後、図４に示すように、ＳＲインク１０が焼付
けられた素子１を取出す。使用したメタルマスク７をシ
ンナーで洗浄して乾燥する。素子１を切断して、図５に
示すような素子と同様な電極構成の寸法の異なる短冊状
の圧電素子１１を作製する。そして、圧電素子１０を図
５に示すように、箱状のケース１２に挿入する。このケ
ース１２には段部１３が設けられ、この段部１３からケ
ース１２上端縁に延びて内部電極１４が設けられてい
る。導電接着剤を塗布して圧電素子１１の引出し電極４
と内部電極を導通させ、蓋１５を接着して圧電素子１１
を封止する。さらに、内部電極に導通させて図示してい
ないが外部電極を設けて圧電発振子を製造する。

【０００９】本実施例によれば、素子をメタルマスク内
に挿入してＳＲインクを塗布し、焼付けて圧電発振子を
製造しており、従来のように並べて型を嵌めないので、
割れ、欠けの発生を低減でき、歩留りを向上させること
ができる。

【００１０】なお、上記実施例においては、ケースに圧
電素子を収容するタイプの圧電発振子の例で説明した
が、圧電発振子及び圧電素子の形式、性質等上記実施例
に限られるものでなく、例えば、圧電素子を板状の封止
基板により封止する型のものであってもよい。その他、
本発明は上記実施例に限られるものではなく、要はＳＲ
インクの塗布をメタルマスクに挿入してインクジェット
により行うものであればよい。

【００１１】

【発明の効果】以上のように本発明の圧電発振子の製造
方法によれば、設備のトラブルによって素子に損害を与
えるのを防ぐことができ、割れ、欠けによる不良品の発
生を低減でき、歩留りを向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の圧電発振子の製造方法を説明する工程
図である。

【図２】上記実施例の製造工程を説明する斜視図であ
る。

【図３】上記実施例の他の製造工程を説明する斜視図で
ある。

【図４】上記実施例のさらに他の製造工程を説明する斜
視図である。

【図５】圧電素子を示す斜視図である。

【図６】圧電発振子を説明する一部の構成の分解斜視図
である。

【図７】圧電素子用の素子を示す斜視図である。

【図８】従来の製造方法の一工程を説明する分解斜視図
である。

【符号の説明】

１ 素子 ２ 圧電基板 ３ 振
動電極 ７ メタルマスク ８ スリット １０ Ｓ
Ｒインク １１ 圧電素子 １２ ケース １５
蓋

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧電性のセラミックスからなる圧電基板
   の主面に振動電極を設けて素子を形成し、上記電極の所
   要の部分にインクを塗布する圧電発振子の製造方法にお
   いて、上記素子をインクを塗布する部分にスリットを設
   けたメタルマスク内に挿入する工程と、インクジェット
   によりインクを塗布する工程と、インクを焼付ける工程
   と、素子を取出す工程と、メタルマスクを洗浄する工程
   と、メタルマスクを乾燥する工程とから構成したことを
   特徴とする圧電発振子の製造方法。