JPH0613223A - 内面閉磁路型異方性磁石 - Google Patents

内面閉磁路型異方性磁石

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JPH0613223A
JPH0613223A JP26203392A JP26203392A JPH0613223A JP H0613223 A JPH0613223 A JP H0613223A JP 26203392 A JP26203392 A JP 26203392A JP 26203392 A JP26203392 A JP 26203392A JP H0613223 A JPH0613223 A JP H0613223A
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Satoru Nakatsuka
哲 中塚
Itsuro Tanaka
逸郎 田中
Akira Yasuda
晃 安田
Koichi Nushishiro
晃一 主代
Takahiro Kikuchi
孝宏 菊地
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁石の作用面における表面磁界ピーク値及び
磁力線到達長さを向上させる。 【構成】 平面又は曲面からなる作用面上に、一又は二
以上の磁粉粒子の配向領域を設け、この配向領域におけ
る磁粉粒子の磁化容易軸の配向方向を、該領域の周縁部
から磁石内部を通り、再び該領域の中央部に戻るような
配向とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内面閉磁路型異方性
磁石に関し、特に着磁後における作用面の表面磁界の向
上を図ったものである。この発明は、強い表面磁界や深
い磁力線到達長さが必要とされる用途に普遍的に適用す
ることができ、その用途は特に限定されるものではない
が、信号発生用磁石として、また紙やシート等の固定表
示用磁石又は吸着表示盤、さらには健康器具などに用い
て好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、吸着固定用磁石としては、希土類
系又はフェライト系の焼結磁石や合成樹脂磁石が使用さ
れてきたが、いずれも磁粉の配向方向は、図1(a)に
示すように厚み方向であり、従って磁気特性の善し悪し
は使用する原料の種類及び磁粉の含有率によって決まっ
ていた。この点を改良するものとして、磁粉の配向方向
に工夫を加えることによって磁気特性を向上させた異方
性永久磁石が、特公昭63-59243号公報において提案され
た。この磁石は、図2(a)に示すように、磁化容易軸
の方向を、非作用面(作用面以外の全ての面)から作用
面に向けて集束配向させたもので、この磁石によれば、
単位面積当たりの磁束密度(または単位線分当たりの磁
束密度)を従来よりも大きくすることができる。しかし
ながら、上記した集束配向型磁石は、等方性磁石に較べ
れば表面磁界は大きいものの、特に信号発生用磁石等の
用途への適用を考慮した場合には必ずしも十分とはいい
難かった。
【0003】また信号発生用磁石としても、従来、磁粉
粒子の磁化容易軸の配向が等方的又は厚み方向に配向さ
せたものが使用されてきたが、かかる磁石を多極着磁し
た場合、等方性磁石に比べればまだ厚み方向配向磁石の
方が表面磁界が大きいとはいえ、それでも充分とは言い
難かった。上記の問題の対応策としては、磁石材料を磁
気特性の良好なものに変更することが一般的になされて
きたが、以下に述べるような問題があった。 (1) コストの上昇を伴う。 (2) 材料の固有保磁力が大きいため着磁しにくい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、とくに高価な材料を用いる
ことなく従って固有保磁力の増大を招く不利なしに、大
きな表面磁界ピーク値が得られる異方性磁石を提案する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】まず、この発明の解明経
緯について説明する。さて発明者らは、図1(a)に示
した板厚方向に沿う磁粉配向(以下アキシャル配向とい
う)になる従来の磁石に対して、図2(a)に示した非
作用面から作用面に向けて集束配向させた(以下集束配
向という)磁石の方が磁気特性に優れる理由を解明すべ
く、鋭意検討を重ねた結果、その理由は、磁石を吸着さ
せたとき、非作用面から無駄に放射される磁力線にある
のではないかとの考えを持つに至った。そこで、吸着時
において無駄に放射される磁力線をなくし、磁束の放射
を作用面に限定したところ、磁気特性の改善に関し望外
の成果が得られたのである。この発明は、上記の知見に
立脚するものである。
【0006】すなわちこの発明の要旨構成は次のとおり
である。 1、平面又は曲面からなる作用面上に、一又は二以上の
磁粉粒子の配向領域を有する永久磁石であって、該配向
領域における磁粉粒子の磁化容易軸が、該領域の周縁部
から磁石内部を通り、再び該領域の中央部に集束する配
向になる内面閉磁路型異方性磁石。 2.磁石形状が平板状である上記1記載の内面閉磁路型
異方性磁石。 3.平板状磁石の上面又は下面を作用面とし、該作用面
全面が単一の配向領域になる上記2記載の内面閉磁路型
異方性磁石。 4.平板状磁石の上下面の片面又は両面を作用面とし、
該作用面上に複数の配向領域を有する上記2記載の内面
閉磁路型異方性磁石。 5.磁石形状が円環状である上記1記載の内面閉磁路型
異方性磁石。 6.円環状磁石の上面又は下面を作用面とし、該作用面
上に複数の配向領域を有する上記5記載の内面閉磁路型
異方性磁石。 7.円環状磁石の内周面又は外周面を作用面とし、該作
用面上に複数の配向領域を有する上記5記載の内面閉磁
路型異方性磁石。 8.磁石形状が球状であり、球体表面全面を作用面と
し、外該作用面上に複数の配向領域を有する上記1記載
の内面閉磁路型異方性磁石。
【0007】以下、この発明を具体的に説明する。この
発明に係る磁石は、平面又は曲面からなる作用面を有す
る。それ故、磁石による吸着作用を任意の面で行わせる
ことができ、また精密モーターのローター等への適用も
可能となる。また、磁石の作用面上には、磁粉粒子の配
向領域が形成される。その数は、磁石が単純な吸着用な
どに用いられる場合には1ないし数個で良いが、例えば
測長器などに適用する場合には一定間隔をおいた多数配
列とする必要がある。
【0008】さてこの発明の最大の特徴は、磁粉配向領
域における磁粉粒子の磁化容易軸の配向にある。すなわ
ちこの発明では、磁粉粒子の磁化容易軸は、図3(a)
に平板(円盤)状磁石の場合につき、破線で示したよう
に、磁粉配向領域の周縁部から磁石内部を通り、再び上
記領域の中央部に向かう一連の線に沿って配向し、その
結果、上記領域ではその作用面に直角な断面において、
あたかも磁化容易軸が年輪模様に沿って配列されている
かの如き様相を呈するのである。磁化容易軸が、上記の
ように配列される結果、上記配向領域においては、着磁
後の磁力線分布もまた磁化容易軸に一致して年輪状模様
を呈し、磁力線の外部への無駄な放射は完全になくな
る。
【0009】その結果、この発明磁石の作用面における
表面磁界パターンは、図3(b)のようになり、図1
(b)及び図2(b)に示す従来のアキシャル配向型磁
石及び集束配向型磁石に較べて、よりシャープな山形を
描き、それ故、従来よりも高い表面磁界が得られると共
に、深い磁力線到達長さが得られるのである。
【0010】以上、磁石形状が平板状の例として、図4
(a)に示すような磁粉配向になる円盤状磁石について
主に説明したが、その他図4(b)に示すように、最外
周及び中心部から中間帯域に集束するような配向になる
もの、また磁石形状が矩形状のもの(図4(c))など
も有利に適合する。さらに図5(a),(b)に示すよ
うな円盤状、短冊状形状であって、片側作用面上に複数
の配向領域を一定のピッチ又は幾何学模様に沿って配設
した磁石、またさらには図示は省略したが、両面を作用
面とし、それぞれの面に複数の配向領域を配設した磁石
もこの発明磁石に含まれる。
【0011】この発明は、上記した平板状磁石だけでな
く種々の形状の磁石に適用できる。以下、代表的形状の
磁石について説明する。・円環状磁石 ここに円環状磁石とは、主に円筒状又はリング状磁石を
意味する。図6に、円環状磁石の上面を作用面とし、こ
の作用面上に磁粉粒子の配向領域を規則的に設けた磁石
を着磁したときの磁力線の放射状況を、斜視面で示す。
また図7(a),(b)には、図6のA−A及びB−B
断面における磁粉粒子の磁化容易軸の配向方向を、さら
に図8(a),(b)には、そのときの表面磁界パター
ンをそれぞれ示す。図8より明らかなように、この場合
でも、作用面以外の面からの磁力線の放射はほとんどな
い。また表面磁界パターンがきれいな山形でかつピーク
効果を呈しているので、深い磁力線到達長さが得られる
のはいうまでもなく、とくに信号発生用として用いた場
合に制御精度の向上を図ることができる。さらにこの磁
石では、磁場発生作用域におけるピーク極の極性を同極
にすることができ、このように同極とすることによって
表面磁界ピーク値の一層の向上を図ることができる。
【0012】次に、図9(a),(b)に、外周面及び
内周面を作用面とし、この作用面上に磁粉粒子の配向領
域を規則的に設けた場合の円環状磁石を図解する。ここ
に図6及び図5(a)に示したような円環状磁石及び円
盤状磁石は健康ペンダントとして、また図9(a)に示
したような円環状磁石は信号発生用磁石として、さらに
図9(b)に示したような円環状磁石は健康腕輪として
とりわけ有利である。なお上記の例では、磁石の断面形
状が矩形断面の円環状磁石について説明したが、磁石の
断面形状はこの場合だけに限るものではなく、図10
(a),(b),及び(c)に示すような上面及び下面
がそれぞれ円弧状になる半円形並びに三角形などであっ
ても良い。
【0013】・球状磁石 図11(a)に示すように、球体表面を作用面とし、この
作用面上の経線及び/又は緯線に沿って一定のピッチで
磁粉の配向領域を設けたものである。なおこの球状磁石
においては、図11(b)に示すように、球体表面に突起
を設け、この突起部において磁粉の配向領域を形成する
ことも可能である。かかる球状磁石は、健康用磁石等の
用途に用いてとりわけ好適である。
【0014】以上、代表的形状の磁石について説明した
が、磁石形状はこの場合だけに限るものではなく、図12
(a),(b),(c)及び(d)に示すような直方
体、三角錐台や四角錐台のような多角錐台及び半球であ
っても良いし、また三角柱や楕円柱であっても良く、要
は磁粉粒子の磁化容易軸が、作用面の配向領域において
周縁部から磁石内部を通り作用面の中央域に集束するよ
うに配向していれば良いのである。
【0015】
【作用】この発明は、合成樹脂磁石及び焼結磁石のいず
れにも適用できる。例えば合成樹脂磁石及び焼結磁石に
おける磁粉としては、フェライト系磁粉、アルニコ系磁
粉及びサマリウム−コバルト系磁粉やネオジム−鉄−ボ
ロン系磁石等の希土類系磁粉など、従来公知のものいず
れもが使用でき、その平均粒径についてはフェライト系
では 1.5μm 程度、その他のものでは5〜50μm 程度と
するのが好ましい。
【0016】また合成樹脂についても、従来公知のもの
いずれもが使用でき、その代表例を示すと次のとおりで
ある。ポリアミド−6及びポリアミド−12などのポリア
ミド系合成樹脂。ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリエチレン及びポリプルピレンなどの単独又は共
重合したビニル系合成樹脂。ポリウレタン、シリコー
ン、ポリカーボネート、PBT、PET、ポリエーテル
エーテルケトン、PPS、塩素化ポリエチレン及びハイ
パロンなどの合成樹脂。プロピレン、ネオプレン、スチ
レンブタジエン及びアクリロニトリルブタジエンなどの
ゴム。エポキシ系樹脂。フェノール系合成樹脂。さらに
磁粉とバインダーである合成樹脂との配合比率は、用途
にもよるけれども、一般的には磁粉を体積百分率で40〜
70 vol%程度とするのが望ましい。なおその他にも、従
来から常用される可塑剤や抗酸化剤、表面処理剤などを
目的に応じて適量使用できるのはいうまでもない。
【0017】さてこの発明では、磁石中における磁粉の
配向方向を制御することによって、表面磁界の向上を図
る。図13に、この発明に従う磁粉の配向要領について、
円盤状磁石を例にとって図解する。図中番号1は磁場配
向成形金型に設けたキャビティ、2は主極、3は対極、
そして4はヨークである。この例では、主極2及び対極
3として、永久磁石を用いた場合について示したが、必
ずしもこれだけに限るものではなく、電磁石であっても
よい。さてキャビティ1内に、例えば磁粉と合成樹脂と
を所定の割合で配合した合成樹脂磁石を装入したのち、
磁極を所定位置に設置すると、図中に矢印で示した磁力
線5に沿って磁粉粒子の磁化容易軸が配向することにな
る。ここに磁力線の放射は、作用面のみで、その他の面
からの磁束の漏れはほとんどない。
【0018】また図14には、上記した円盤状磁石を一度
に複数個製造する場合に好適な、射出成形用金型をそな
える磁場配向成形機の代表例を模式で示す。この例で
は、永久磁石によって磁気回路を形成する場合について
示したが、永久磁石に代えて電磁石を使用することがで
きるのは前述したとおりである。
【0019】次に、上面を作用面とする円環状磁石の製
造に用いて好適な金型磁気回路について説明する。図15
は、単一極の起磁力発生装置であり、図中番号6は起磁
力本体たる永久磁石、7は非磁性体であり、かかる起磁
力発生部を、円環状キャビティの磁石作用面側に対向さ
せて適当な間隔で配置することにより、所望の磁粉配向
になる磁石が得られるのである。また図16は、複数極の
起磁力発生装置であり、この装置ではキャビティ1の磁
石作用面側全面に対向させて強磁性体ヨーク4′を配設
し、この強磁性体ヨーク4′中に所望個数の永久磁石6
を適当な間隔で埋設配置したものである。
【0020】上記の金型磁気回路の特徴は、金型キャビ
ティの作用面側に、断続して起磁力発生装置を配置し、
この起磁力発生部分を強磁性体で覆ったところにある。
ここに起磁力発生部のキャビチ側磁性は全て同極となる
ように設置することが有利であることは、前述したとお
りである。すなわち上記したような同極配置とすること
により、磁力線は、それぞれ独立した磁粉粒子の配向領
域において、起磁力発生部の製品キャビティ側から出
て、この磁極面を中心としてキャビチ内を湾曲してその
磁石の周りを覆う強磁性体に入り、強磁性体内を通って
起磁力発生部の反対極に戻る形になる。この発明では、
この湾曲した磁力線を配向磁場として利用するのであ
り、かようにして配向させた場合には、作用面以外の面
からの磁力線の放射はほとんどない。なお上記の金型磁
気回路において、起磁力発生本体は、電磁石でも強力な
永久磁石でもかまわないが、永久磁石で構成する方が金
型を簡潔に構成できる点で好ましい。
【0021】成形方法は、従来公知の方法全てが使用で
き、特に限定されることはないが、射出成形、圧縮成形
及びRIM成形等がとりわけ有利に適合する。ここに圧
粉成形により得たものは、その後焼結により焼結磁石と
して完成することができ、またバインダーを予め選んで
おくことにより、焼結せずにそのままプラスチック磁石
として提供することができる。なお従来、信号発生用の
円環状磁石の磁極数は、その製造上の制約から偶数に限
られていたが、この発明では奇数、偶数何れにも設定す
ることができる。
【0022】
【実施例】実施例1 図17(a),(b)及び図18(a),(b)に示した磁
気回路を設定した金型を用いて、それぞれ直径:30mm、
高さ:10mmの寸法になる円盤状磁石又は方形磁石を、以
下の条件で磁場配向射出成形法又は磁場配向圧縮成形法
により成形した。
【表1】 原料 ・磁粉粒子 磁粉A:フェライト磁粉(平均粒径 1.5μm のマグネト
プランバイト系ストロンチウム系フェライト 磁粉B:サマリウム−コバルト磁粉(Sm2Co17 系:平均
粒径10μm ) ・合成樹脂:ポリアミド12 ・可塑剤:TTS(イソプロピルトリイソステアロイル
チタネート)
【0023】
【表2】 配合 ・配合A(プラマグ配合) 磁粉 :64 vol% ポリアミド12:35 vol% TTS :1 vol% ・配合B(焼結配合) 磁粉:50wt% 水 :50wt%
【0024】
【表3】 成形条件 ・射出成形条件(コイル内蔵磁場配向射出成形機) 使用ペレット配合 :配合A 射出シリンダー温度:280 ℃ 金型温度 :100 ℃ 射出圧力 :1500 kg/cm2 励磁時間 :20秒 冷却時間 :25秒 射出サイクル :40秒 ・圧縮成形条件 使用原料 :配合B 水抜き方法:チャンバー方式 励磁方法 :竪磁場成形 成形温度 :25℃ 焼成温度 :1250℃
【0025】かくして得られた円盤状磁石及び方形磁石
の着磁後における表面磁界(ピーク値)及び鉄板に吸着
させた時の線磁束数について調べた結果を、表4に示
す。ここに線磁束数とは、図19に図解したとおり、磁束
分布の総面積に相当するもので、次式
【数1】 で表される値である。
【0026】
【表4】
【0027】表4より明らかなように、この発明に従っ
て得られた内面閉磁路型磁石はいずれも、従来法に従い
得られたアキシャル配向型磁石及び集束配向型磁石と比
較して作用面における表面磁界及び鉄板に吸着させたと
きの吸着面における磁束密度が著しく向上している。従
ってこの発明の内面閉磁路異方型磁石は、従来磁石に比
べて、吸着力が格段に優れるという利点をもつ。
【0028】実施例2 前掲図16に示したような磁気回路をそなえる金型を用い
て、図20に示す形状・寸法になる円環状磁石を、以下の
条件で作製した。なお比較のため、図21に示す従来の金
型を用いて同寸法の磁石についても製作した。
【0029】
【表5】 磁気回路装置 ・起磁力発生部 磁粉がフェライト系の場合は希土
類系(Sm−Co)永久磁石を使用。磁粉が希土類系の場合
は電磁石方式を採用。磁極形状は4mmφ×20mmで、製品
作用面の中央に22個等間隔で設置。 ・強磁性体 SKD11を使用。形状は60mmφ×
52mmφ×25mmで、希土類系永久磁石を包む形で設置。 ・その他金型部材 SUS 304 。
【0030】
【表6】 原料 ・磁粉粒子 磁粉A:フェライト磁粉(平均粒径 1.5μm のマグネト
プランバイト系ストロンチウム系フェライト 磁粉B:サマリウム−コバルト磁粉(Sm2Co17 系:平均
粒径20μm ) ・合成樹脂:ポリアミド12 ・可塑剤:TTS(イソプロピルトリイソステアロイル
チタネート)
【0031】
【表7】 配合 ・配合A(プラマグ配合) 磁粉 :66 vol% ポリアミド12:33 vol% TTS :1 vol% ・配合B(焼結配合) 磁粉:40wt% 水 :60wt%
【0032】
【表8】 成形条件 ・A:射出成形条件 射出シリンダー温度:300 ℃ 金型温度 :100 ℃ 射出圧力 :1800 kg/cm2 冷却時間 :15秒 射出サイクル :30秒 ・B:圧縮成形条件 水抜き方法:インジェクション方式 成形温度 :20℃ 焼成温度 :1250℃
【0033】かくして得られた円環状磁石について、そ
のまま又は着磁後における表面磁界(ピーク値)につい
て調べた結果を、表9に示す。なお着磁条件は、1200
V,1500μFで、着磁ヨークとしては前掲図16に示した
ものと同様な磁気回路に設定したヨークを使用した。
【0034】
【表9】
【0035】表9より明らかなように、この発明に従っ
て得られた内面閉磁路型磁石はいずれも、従来法に従い
得られた磁石と比較して、表面磁界ピーク値が格段に向
上している。
【0036】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、磁石の作用
面における表面磁界ピーク値及び磁力線到達長さを格段
に向上させることができ、たとえフェライト系合成樹脂
磁石であっても従来のフェライト系焼結磁石を凌ぐ表面
磁界を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、従来のアキシャル配向型磁石の磁力
線図である。(b)は、該磁石の作用面における表面磁
界パターンを示した図である。
【図2】(a)は、従来の集束配向型磁石の磁力線分布
を示した図である。(b)は、該磁石の作用面における
表面磁界パターンを示した図である。
【図3】(a)は、この発明に従う円盤状の内面閉磁路
型磁石の磁力線分布を示した図である。(b)は、該磁
石の作用面における表面磁界パターンを示した図であ
る。
【図4】この発明に従う平板状磁石における磁粉粒子の
磁化容易軸の配向状態を示した図である。
【図5】この発明に従い円盤状磁石及び短冊状磁石に複
数の磁粉配向領域を設けた場合の模式図である。
【図6】この発明に従う円環状磁石の着磁後における磁
力線の放射状況を示した斜視図である。
【図7】(a)は、図6のA−A断面における磁粉粒子
の磁化容易軸の配向方向を示した図である。(b)は、
図6のB−B断面における磁粉粒子の磁化容易軸の配向
方向を示した図である。
【図8】(a)は、図6のA−A断面における表面磁界
パターンを示した図である。(b)は、図6のB−B断
面における表面磁界パターンを示した図である。
【図9】(a)は、外周面を作用面とする円環状磁石を
示した図である。(b)は、内周面を作用面とする円環
状磁石を示した図である。
【図10】円環状磁石の好適断面形状を示した図であ
る。
【図11】(a)は、この発明に従う球状磁石の模式図
である。(b)は、突起付きの球状磁石の模式図であ
る。
【図12】この発明に従う磁石の好適形状を示した図で
ある。
【図13】この発明に従う内面閉磁路型の円盤状磁石の
製造に用いて好適な磁気回路を設定した成形金型の模式
図である。
【図14】この発明に従う内面閉磁路型の円盤状磁石の
製造に用いて好適な磁場配向射出成形機の模式図であ
る。
【図15】円環状磁石の製造に用いて好適な単一極の起
磁力発生装置の説明図である。
【図16】円環状磁石の製造に用いて好適な複数極の起
磁力発生装置の説明図である。
【図17】この発明に従う平板状磁石の製造に用いて好
適な磁気回路を設定した成形金型の模式図である。
【図18】(a)は、従来のアキシャル配向型磁石の成
形金型の模式図である。(b)は、従来の集束配向型磁
石の成形金型の模式図である。
【図19】線磁束数の算出要領説明図である。
【図20】実施例2で作製した円環状磁石の寸法を示し
た図である。
【図21】従来の円環状磁石製造用の成形金型の模式図
である。
【符号の説明】
1 キャビティ 2 主極 3 対極 4,4′ ヨーク 5 磁力線 6 起磁力発生装置 7 非磁性体 8 励磁コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 晃 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社東京本社内 (72)発明者 主代 晃一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 菊地 孝宏 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面又は曲面からなる作用面上に、一又
    は二以上の磁粉粒子の配向領域を有する永久磁石であっ
    て、 該配向領域における磁粉粒子の磁化容易軸が、該領域の
    周縁部から磁石内部を通り、再び該領域の中央部に集束
    する配向になる内面閉磁路型異方性磁石。
  2. 【請求項2】 磁石形状が平板状である請求項1記載の
    内面閉磁路型異方性磁石。
  3. 【請求項3】 平板状磁石の上面又は下面を作用面と
    し、該作用面全面が単一の配向領域になる請求項2記載
    の内面閉磁路型異方性磁石。
  4. 【請求項4】 平板状磁石の上下面の片面又は両面を作
    用面とし、該作用面上に複数の配向領域を有する請求項
    2記載の内面閉磁路型異方性磁石。
  5. 【請求項5】 磁石形状が円環状である請求項1記載の
    内面閉磁路型異方性磁石。
  6. 【請求項6】 円環状磁石の上面又は下面を作用面と
    し、該作用面上に複数の配向領域を有する請求項5記載
    の内面閉磁路型異方性磁石。
  7. 【請求項7】 円環状磁石の内周面又は外周面を作用面
    とし、該作用面上に複数の配向領域を有する請求項5記
    載の内面閉磁路型異方性磁石。
  8. 【請求項8】 磁石形状が球状であり、球体表面全面を
    作用面とし、外該作用面上に複数の配向領域を有する請
    求項1記載の内面閉磁路型異方性磁石。
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