JPH06131928A - 酸化物超電導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導体の製造方法

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JPH06131928A
JPH06131928A JP4301857A JP30185792A JPH06131928A JP H06131928 A JPH06131928 A JP H06131928A JP 4301857 A JP4301857 A JP 4301857A JP 30185792 A JP30185792 A JP 30185792A JP H06131928 A JPH06131928 A JP H06131928A
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JP
Japan
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heat treatment
temperature
wire
superconducting
thallium
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Withdrawn
Application number
JP4301857A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichiro Kase
準一郎 加瀬
Toshiya Matsubara
俊哉 松原
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】銀シース法(パウダー・イン・チューブ法)に
よりタリウム系の超電導線材を製造する。 【構成】タリウムを構成元素として含む酸化物超電導体
を600℃以上の温度で熱処理する前に、500〜60
0℃の範囲の温度で、かつ還元雰囲気中で、1時間以上
の熱処理を行なう。 【効果】銀シース線材の、熱処理による膨らみを防止す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物超電導体の製造
方法に関するものであり、特に銀シース法(パウダー・
イン・チューブ法)による超電導線材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、実用化されている超電導線材とし
ては Nb-Ti, Nb3Sn, (Nb,Ti)3Sn, V3Ga 等が知られてい
る。これらは、いずれも、液体ヘリウムを冷媒として、
4.2K以下に冷却して使用されている。
【0003】近年、液体窒素温度以上で超電導転移を示
す酸化物超電導体が次々と発見され、その応用のために
線材やテープ材などへの加工方法が編み出されてきた。
その一例として銀シース法(パウダー・イン・チューブ
法)がある。この方法による線材は、通常、以下の手順
により製造される。まず、酸化物超電導体の微粉末を銀
チューブ中に充填する。このチューブを、伸線加工やロ
ール圧延により、線材の形状に加工すると同時に、内部
に充填した粉末の緻密化を行なう。最後に熱処理を施し
て、超電導粉末を焼結させ、超電導線材を得る。
【0004】銀シース法を利用して、これまでに、 Y-B
a-Cu-O系、 Bi-Sr-Ca-Cu-O系、 Tl-Ba-Ca-Cu-O系等の酸
化物超電導体で線材の試作が進められている。しかし、
液体窒素温度での利用を想定した場合には、線材加工の
困難さに加えて、粒界における超電導弱結合や、有効な
ピン止め中心が存在しないなどの諸問題が重なって、ま
だ実用化されていないのが現状である。
【0005】構成元素としてタリウムを含むタリウム系
超電導体については、様々の組成や結晶構造をもつ超電
導相が存在することが知られている。例えば、(Tl0.5,P
b0.5)(Sr0.8,Ba0.2)2Ca2Cu3Ox の組成(xは酸素量)を
もつ超電導相について、磁界に対する特性が優れている
ことが報告されている(Appl. Phys. Lett. 59 (24) p.3
186 (1991)) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】タリウム系の超電導体
は、タリウムあるいはタリウム酸化物の揮発性が高く、
また、600℃以下の温度領域において、タリウムの酸
化価数が変化するために、大気に開放された雰囲気中で
熱処理を行なうことは困難であった。
【0007】銀シース法は、超電導酸化物を、銀の鞘
(シース)によって密閉した空間に包むため、タリウム
を含む揮発性の高い超電導相の熱処理には適した方法で
あると考えられる。しかし、銀は非常に柔らかく、銀シ
ースの内部において気体が発生すると膨らんでしまい、
緻密な組織が得られなくなり、通電時の特性が著しく低
下してしまうという欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、タリウムを構
成元素として含む酸化物超電導体を600℃以上の温度
で熱処理する前に、500〜600℃の範囲の温度で、
かつ還元雰囲気中で、1時間以上の熱処理を行なうこと
を特徴とする酸化物超電導体の製造方法を提供するもの
である。
【0009】通常のタリウム系銀シース超電導線材は、
以下のようにして製造される。まず、Tl,Pb,Ba,Sr,Ca,C
u などの超電導相を構成する金属元素を含む酸化物や炭
酸塩などの粉末を所定量混合し、800℃から900℃
の温度で仮焼を行ない、超電導相を得る。得られた焼結
体を粉砕して微細な粉末とし、銀チューブ中に詰め、伸
線加工し、線材の形状とする。この線材をコイルなどの
所望の形状にした後、再び900℃付近での熱処理を施
して超電導線材とする。
【0010】本発明を利用したタリウム系超電導体の銀
シース線材の製造方法では、上記の製造工程中、粉末の
仮焼と最終的な熱処理の間に、500℃から600℃の
還元雰囲気中での熱処理を行なう。この還元雰囲気での
熱処理は、粉末仮焼後の冷却中に、雰囲気を切り換えて
引き続き行なってもよいし、粉砕して微細な粉末とした
後に行なってもよい。また、銀チューブに詰めて伸線加
工した後、還元雰囲気の熱処理を行ない、引き続き、雰
囲気を酸化性のものに切り換えて、最終的な熱処理を行
なってもよい。
【0011】伸線加工後、最終的な熱処理の直前に50
0℃から600℃の還元雰囲気処理を行なった場合に
は、銀シース線材の膨らみを抑制する効果が特に顕著に
現れる。
【0012】本発明において還元雰囲気とは、大気中に
比較して酸素分圧の低い雰囲気であり、酸素分圧として
は0.1気圧以下、より好ましくは0.01気圧以下で
あることが望ましい。具体的には、アルゴンや窒素など
の中性ガスの気流中を利用すると良好な結果が得られ
る。
【0013】500〜600℃の範囲の温度、かつ還元
雰囲気中での熱処理は、少なくとも1時間行なうことが
必要である。この熱処理のさらに好ましい時間は、2〜
20時である。この熱処理が20時間を超える場合は、
特に不都合はないが、それ以上本発明の効果が増大せ
ず、いたずらに処理時間が増大するおそれがある。
【0014】この熱処理を、500℃から600℃まで
徐々に温度を上げながら行なう場合は、本発明の効果が
さらに増大するので好ましい。このときの昇温速度とし
ては、5℃/hから50℃/hの範囲が好ましい。
【0015】
【作用】銀シース法は、化学的な反応によって内部で気
体が発生した場合には、線材が内部から膨らみ、特性が
著しく低下してしまうばかりか、線材としての形態も成
さなくなる。タリウム系銀シース線材は、熱処理中、5
50℃付近で気体を発生して膨らんでしまう。本発明の
製造方法である還元雰囲気中での熱処理を途中に加える
ことにより、線材の膨らみを防止し、銀シース法による
タリウム系超電導線材を製造することができるようにな
る。
【0016】
【実施例】
実施例 (Tl0.5,Pb0.5)(Sr0.8,Ba0.2)2Ca2Cu3Ox の組成比の仮焼
粉末を、外径4mmφ、内径3.5mmφの銀チューブ
中に充填し、スウェージングマシンにより伸線加工し、
外径1mmφの丸線を作製した。この丸線をロール圧延
により、幅:約2mm、厚さ:約0.2mmのテープ状
に加工した。このテープを約5cmの長さに切り取り、
図1のような温度パターンで熱処理した。
【0017】すなわち、窒素気流中300℃/hで室温
から500℃まで昇温した後、20℃/hで600℃ま
で昇温し、300℃/hで室温まで冷却した。次に雰囲
気を酸素気流中に切り換え、500℃/hで室温から8
80℃まで昇温した後、24時間保持し、300℃/h
で室温まで冷却した。
【0018】熱処理後、テープは特に膨らんだ様子が認
められなかった。交流帯磁率の測定では、臨界温度が1
18Kの超電導体が得られていることが確認された。こ
うして得られた超電導線材に、電極を取り付け、液体窒
素に浸して、直流四端子法による臨界電流特性を測定し
た。特に磁界を印加しない場合、臨界電流は7Aで、超
電導体の部分の臨界電流密度は8000A/cm2 であ
った。
【0019】比較例 (Tl0.5,Pb0.5)(Sr0.8,Ba0.2)2Ca2Cu3Ox の組成比の仮焼
粉末を、外径4mmφ、内径3.5mmφの銀チューブ
中に充填し、スウェージングマシンにより伸線加工し、
外径1mmφの丸線を作製した。この丸線をロール圧延
により、幅:約2mm、厚さ:約0.2mmのテープ状
に加工した。このテープを約5cmの長さに切り取り、
実施例と同じ温度パターンで、すべてを酸素気流中で熱
処理した。
【0020】すなわち、酸素気流中で、300℃/hで
室温から500℃まで昇温した後、20℃/hで600
℃まで昇温し、300℃/hで室温まで冷却した。次
に、同じ酸素気流中で500℃/hで室温から880℃
まで昇温した後、24時間保持し、300℃/hで室温
まで冷却した。
【0021】最初の600℃までの熱処理後、テープは
既に、内部から膨らんで丸みを帯びた形状になってい
た。次の880℃での熱処理後、交流帯磁率の測定で
は、臨界温度が112Kの超電導体が得られていること
が確認された。こうして得られた超電導線材に、電極を
取り付け、液体窒素に浸して、直流四端子法による臨界
電流特性を測定したところ、特に磁界を印加しない場合
でも、全く超電導電流は流れなかった。酸化物超電導体
が緻密に焼結していないためと思われる。
【0022】
【発明の効果】本発明の製造方法により、銀シース中で
は膨らんでしまうため、製造が困難であったタリウム系
超電導体銀シース線材を製造することが可能となる。酸
化物超電導体は、現在、材料開発が進められ、実用化が
模索状態である。もし、液体窒素温度で作動するの超電
導マグネットや、超電導送電が可能となれば、高価なヘ
リウム冷媒を用いることなく、安価な液体窒素中で、超
電導応用が可能となる。このため、強磁界の発生を基礎
とした応用や、損失のない大電流送電が身近なものとな
り、産業の多くの分野に影響を及ぼすことになる。用途
として、強磁界を発生させる超電導コイル、超電導送電
線、電子部品の超電導配線など、超電導線材を利用する
分野に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で銀シース線材の熱処理に用いた温度パ
ターンを示す図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タリウムを構成元素として含む酸化物超電
    導体を600℃以上の温度で熱処理する前に、500〜
    600℃の範囲の温度で、かつ還元雰囲気中で、1時間
    以上の熱処理を行なうことを特徴とする酸化物超電導体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】タリウムを構成元素として含む酸化物超電
    導体が、銀を含む金属により被覆されている請求項1の
    酸化物超電導体の製造方法。
JP4301857A 1992-10-14 1992-10-14 酸化物超電導体の製造方法 Withdrawn JPH06131928A (ja)

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