JPH0613106A - ナトリウム−硫黄電池 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池

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JPH0613106A
JPH0613106A JP5062115A JP6211593A JPH0613106A JP H0613106 A JPH0613106 A JP H0613106A JP 5062115 A JP5062115 A JP 5062115A JP 6211593 A JP6211593 A JP 6211593A JP H0613106 A JPH0613106 A JP H0613106A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池の長期使用に伴って発生する金属硫化物
を、陽極用導電材中で十分に捕捉して、固体電解質隔壁
の表面等に金属硫化物が凝集して、電池の内部抵抗の増
加及び電池容量の低下するのを長期間にわたって抑制す
る。また、充電回復率などの電池性能を向上させる。 【構成】 陽極容器1内に固体電解質隔壁5を設けて、
その固体電解質隔壁5により陽極室R1と陰極室R2と
を区画形成する。陽極室R1内には陽極活物質としての
溶融硫黄S等を含浸させた陽極用導電材7を収容し、陰
極室R2内には陰極活物質としての溶融金属ナトリウム
Naを収容する。陽極用導電材7には横方向に延びる複
数の切欠部10を形成し、その切欠部10内には多硫化
ナトリウムが残留する高抵抗層11を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電力貯蔵用等として
利用されるナトリウム−硫黄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ナトリウム−硫黄電池において
は、陽極容器内に固体電解質隔壁としての固体電解質管
が設けられて、その固体電解質管により陽極室と陰極室
とが区画形成されている。この陽極室内には陽極活物質
としての溶融硫黄を含浸させた陽極用導電材が収容され
ると共に、陰極室内には陰極活物質としての金属ナトリ
ウムが収容されている。そして、電池の放電時には、陰
極室内のナトリウムがナトリウムイオンとなって固体電
解質管を透過し、陽極室内の硫黄と反応して多硫化ナト
リウムが生成されると共に、充電時には放電時と逆の反
応が起こって、ナトリウム及び硫黄が生成されるように
なっている。
【0003】この種のナトリウム−硫黄電池では、充電
時における硫黄の生成が、電気伝導体である陽極用導電
材と多硫化ナトリウムとの界面で生じるため、陽極用導
電材が固体電解質管に接触している場合には、硫黄が固
体電解質管の表面に付着して、その表面の抵抗が急増
し、充電の継続が困難になるという問題があった。
【0004】このような問題点を解消するために、この
発明の出願人は、先の特許出願(特願平3−24368
5号)により、固体電解質管と陽極用導電材との接触界
面に、多硫化ナトリウムが残留する高抵抗層を設けると
共に、陽極用導電材の内周面に縦方向へ延びる複数のス
リットを形成して、そのスリット内に多硫化ナトリウム
が残留する高抵抗層を設けたナトリウム−硫黄電池を提
案した。そして、この電池では、放電中に生成される多
硫化ナトリウムが高抵抗層に残留し、充電時に生成され
る硫黄が固体電解質管の表面に凝集するのが防止され
て、内部抵抗及び容量等の電池性能の長期間にわたる安
定性が確保される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のナ
トリウム−硫黄電池においては、電池の長期使用に伴
い、陽極容器の金属成分が多硫化ナトリウム等により陽
極用導電材中に溶け出して金属の硫化物が発生し、その
金属硫化物は充電に伴う液面の低下により、下方に移動
しながら充電時に陽極容器側から固体電解質管側に向か
って移動されるようになる。
【0006】しかしながら、前述した先願の構成におい
ては、陽極用導電材の内周面に縦方向へ延びる複数のス
リットが形成されて、そのスリット内に高抵抗層が設け
られているので、陽極用導電材中において金属硫化物が
スリットの形成されていない部分で、陽極容器側から固
体電解質管側に向かい斜め下方に移動されやすい。この
ため、金属硫化物をスリット内の高抵抗層によって十分
に捕捉することができず、その金属硫化物が固体電解質
管の表面、あるいは固体電解質管と陽極用導電材との間
の高抵抗層に凝集して、時間の経過に伴い、内部抵抗が
増大及び電池容量が低下するという問題があった。
【0007】このナトリウム−硫黄電池の発明は、この
ような従来の技術に存在する問題点に着目してなされた
ものである。その第1の目的は、電池の長期使用に伴
い、陽極容器の金属成分が陽極用導電材中に溶け出して
金属硫化物が発生しても、その金属硫化物を陽極用導電
材中で十分に捕捉でき、金属硫化物が固体電解質隔壁の
表面等に凝集して、電池の内部抵抗の増加及び電池容量
の低下を長期間にわたって抑制することにある。
【0008】第2の目的は、充電回復率などの電池性能
を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明では、陽極容器内に固
体電解質隔壁を設けて、その固体電解質隔壁により陽極
室と陰極室とを区画形成し、陽極室内には陽極活物質と
しての溶融硫黄又は溶融多硫化ナトリウムが含浸された
陽極用導電材を収容し、陰極室内には陰極活物質として
の溶融金属ナトリウムを収容したナトリウム−硫黄電池
において、前記陽極用導電材には横方向に延びる複数の
切欠部を形成し、その切欠部内には多硫化ナトリウムが
残留する高抵抗層を設けたものである。
【0010】また、第2の目的を達成するために、請求
項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明におい
て、切欠部を陽極用導電材に貫通して形成したものであ
る。さらに、第2の目的を達成するために、請求項3に
記載の発明では、請求項1に記載の発明において、切欠
部を陽極用導電材に複数箇所で貫通して形成するととも
に、この切欠部内に存在する全ての高抵抗層中の空間体
積の割合を陽極中の全体積に対して0.01〜0.1と
したものである。
【0011】
【作用】上記のナトリウム−硫黄電池においては、陽極
用導電材に横方向へ延びる複数の切欠部が形成されて、
その切欠部内に高抵抗層が設けられ、電池の放電中に生
成される多硫化ナトリウムが高抵抗層に残留されるよう
になっている。このため、電池の長期使用に伴い、陽極
容器の金属成分が陽極用導電材中に溶け出して金属硫化
物が発生した場合でも、その金属硫化物が陽極容器側か
ら固体電解質隔壁側に向かい斜め下方に移動される際
に、横方向へ延びる切欠部内の高抵抗層で金属硫化物が
十分に捕捉されて、その高抵抗層に残留している多硫化
ナトリウムにより溶解される。従って、金属硫化物が固
体電解質隔壁の表面等に凝集することはなく、長期間に
わたって電池の内部抵抗の増加及び容量の減少を確実に
防止することができる。
【0012】また、切欠部を陽極用導電材に貫通して形
成することにより、陽極部で複数の電池が構成されるこ
ととなり、陽極中の上下方向の多硫化ナトリウムの組成
の違いに起因する内部電池の形成が防止される。そのた
め、充電時に多硫化ナトリウムの分解反応により生成し
たナトリウムイオンが陰極室内へ確実に戻ることができ
る。従って、充電回復率が向上する。
【0013】さらに、切欠部を陽極用導電材に複数箇所
で貫通して形成するとともに、この切欠部内に存在する
全ての高抵抗層中の空間体積の割合を陽極中の全体積に
対して0.01〜0.1の範囲とすることが充電回復率
などの電池性能の点から好ましい。すなわち、この値が
あまり小さいと高抵抗層中の空間に存在する多硫化ナト
リウムが少なくなって電気的な絶縁性が確保されなくな
り、陽極部を分割する効果が少なくなる。一方、この値
があまり大きいと、高抵抗層中の空間に存在する多硫化
ナトリウムの量が増え、この多硫化ナトリウムは充電時
に分解されないことから、陰極室へ戻ることができない
ナトリウムが増加して充電回復率が低下する。
【0014】
【実施例】以下、この発明を具体化したナトリウム−硫
黄電池の第1実施例を、図1〜図3に基づいて詳細に説
明する。
【0015】図1に示すように、陽極容器1は、ステン
レス鋼等よりなる円筒体2と、その円筒体2の下端部に
嵌合固定された底板3とから構成され、その上端開口部
にはアルミナ等よりなる絶縁リング4が熱圧接合により
固定されている。アルミナ等よりなる有底円筒状の固体
電解質隔壁としての固体電解質管5は上端縁において絶
縁リング4の内周面に接合固定され、この固体電解質管
5によって陽極容器1内に陽極室R1と陰極室R2とが
区画形成されている。陰極蓋6は絶縁リング4の上端面
に接合固定されている。
【0016】円筒状の陽極用導電材7は前記陽極室R1
内に収容され、この陽極用導電材7には陽極活物質とし
ての硫黄Sが含浸されている。又、陰極室R2内には陰
極活物質としてのナトリウムNaが収容されている。そ
して、電池の放電時には、陰極室R2内のナトリウムN
aがナトリウムイオンNa+ となって固体電解質管5を
透過し、陽極室R1内の硫黄Sと反応して多硫化ナトリ
ウムNa2 Sxが生成される。又、充電時には放電時と
逆の反応が起こって、ナトリウムNa及び硫黄Sが生成
される。
【0017】図2に示すように、前記陽極用導電材7
は、3つの円弧状グラファイトマット8を円筒状に接合
することによって形成されている。又、この円弧状グラ
ファイトマット8は、グラファイト繊維よりなる平板状
グラファイトマット9を成形型等により円弧状に湾曲さ
せると共に、そのグラファイトマット9に溶融硫黄Sを
含浸させ、この状態で硬化させることによって形成され
ている。
【0018】図1及び図2に示すように、複数の切欠部
10は前記平板状グラファイトマット9の表面に予め複
数のスリットを形成しておくことにより、陽極用導電材
7の外周面に所定間隔おきで設けられ、陽極用導電材7
の円周方向に沿って横方向へ延びている。又、この切欠
部10の深さL1は、陽極用導電材7の壁厚の1/2以
上となるように設定され、切欠部10の形成間隔L2
は、内部抵抗を増加させない範囲内で、電池の充放電時
における多硫化ナトリウムの液面の昇降変化幅よりも小
さくなるように設定されている。
【0019】高抵抗層11は前記各切欠部10内に、α
−アルミナ、β−アルミナあるいはジルコニア等の耐硫
黄性及び耐硫化ナトリウム性を有するセラミック粒子を
散布することによって形成されている。セラミック粒子
としては、粒径が10〜500μmのものを使用するの
が望ましく、このセラミック粒子を粒径が変形すること
なく、20〜1000μmの厚さで散布するのが望まし
い。
【0020】次に、前記のように構成されたナトリウム
−硫黄電池について作用を説明する。さて、この実施例
のナトリウム−硫黄電池においては、陽極用導電材7の
外周面に横方向へ延びる複数の切欠部10が形成され
て、その切欠部10内に高抵抗層11が設けられてい
る。このため、電池の放電中に、陰極室R2内のナトリ
ウムNaがナトリウムイオンNa+ となって固体電解質
管5を透過して、陽極室R1内の硫黄Sとの反応により
多硫化ナトリウムNa2 Sxが生成されるとき、その多
硫化ナトリウムが切欠部10内の高抵抗層11に残留さ
れる。
【0021】従って、電池の長期使用に伴い、陽極容器
1の金属成分が多硫化ナトリウム等によって陽極用導電
材7中に溶け出して金属硫化物が発生した場合でも、そ
の金属硫化物が陽極容器1側から固体電解質管5側に向
かい斜め下方に移動される際に、横方向へ延びる切欠部
10内の高抵抗層11において金属硫化物が十分に捕捉
されて、その高抵抗層11に残留している多硫化ナトリ
ウムにより溶解される。このため、金属硫化物が固体電
解質管5の表面等に凝集することはなく、電池の充電回
復率が低下するおそれを確実に防止することができる。
【0022】なお、この実施例の電池と従来構成の電池
とについて、電池容量の比較試験を行ったところ、図3
に示すような長期特性の改善を得ることができた。この
図から明らかなように、この実施例の電池によれば、従
来構成の電池に比較して、長期間にわたって電池容量が
低下せずに維持できる。その他に内部抵抗の増加も防止
できる。
【0023】
【別の実施例】次に、この発明の別の実施例を図4〜図
7に基づいて説明する。 (第2実施例)まず、図4に示す第2実施例において
は、複数のスリット状の切欠部10が陽極用導電材7の
内周面に所定間隔おきで形成され、その切欠部10内に
セラミック粒子よりなる高抵抗層11が設けられてい
る。 (第3実施例)図5に示す第3実施例においては、複数
のスリット状の切欠部10が陽極用導電材7の外周面及
び内周面に所定間隔おきで交互に形成され、その切欠部
10内にセラミック粒子よりなる高抵抗層11が設けら
れている。 (第4実施例)図6に示す第4実施例においては、陽極
用導電材7が複数の円筒状グラファイトマット12に分
割形成され、各円筒状グラファイトマット12間に陽極
用導電材7の外周面から内周面に貫通する間隙状の切欠
部10が設けられている。そして、この切欠部10にセ
ラミック粒子を介在させて、高抵抗層11が形成されて
いる。
【0024】従って、これらの第2〜第4実施例におい
ても、前述した第1実施例の場合と同様に、切欠部10
内の高抵抗層11にて金属硫化物を十分に捕捉すること
ができ、金属硫化物が固体電解質管5の表面等に凝集す
るのを防止することができて、長期間にわたって電池の
内部抵抗の増加及び容量の減少を防止することができ
る。 (第5実施例)図7に示す第5実施例においては、複数
のスリット状の切欠部10が陽極用導電材7の外周面に
形成され、その切欠部10内にセラミック粒子よりなる
高抵抗層11が設けられている。そして、切欠部10の
形成間隔が、陽極用導電材7の上端部から下端部へ向か
うに従って次第に狭くなるように設定され、高抵抗層1
1の形成密度が、陽極用導電材7の上端部から下端部へ
向かうに従って次第に高くなるように構成されている。
【0025】従って、金属硫化物が陽極活物質としての
硫黄よりも重いこと、及び充電時における多硫化ナトリ
ウムの液面の下降に伴い、金属硫化物が陽極用導電材7
の下部側へ流下しやすいことにより、金属硫化物が陽極
用導電材7中で下端部側ほど多く溜まる傾向があって
も、陽極用導電材7の下端部ほど形成密度が高くなるよ
うに設けられた高抵抗層11により、金属硫化物を陽極
用導電材7の上下方向の全長に亘って均一に捕捉するこ
とができて、長期間にわたっての内部抵抗及び容量とい
った電池特性の安定性を一層向上させることができる。 (第6実施例)この実施例においては、図8に示すよう
に、切欠部10は前記第4実施例の図6と同様に貫通形
成されている。そして、この切欠部10には高抵抗層1
1が設けられ、この切欠部10によりマット12が上下
に複数に分割されている(図8では4分割)。本実施例
では、実施例1〜5のようにセラミック粒子よりなる高
抵抗層の他に、セラミックシートをドーナツ型に打ち抜
いた形状のものを使用してもよい。このように陽極部を
分割することにより、複数の電池を構成したと同様の効
果が得られる。すなわち、分割しない場合には陽極部で
内部電池が形成されて、充電反応で生成したナトリウム
イオンが再び多硫化ナトリウムに戻るといった反応が電
池の上下方向で生じるという事態が回避される。従っ
て、充電時に生成したナトリウムイオンは固体電解質管
5を透過して陰極室R2へ確実に戻るため、充電回復率
が向上する。なお、1分割あたりの高さは50〜200
mmの範囲であることが望ましい。
【0026】また、切欠部10内に存在する全ての高抵
抗層11中の空間体積の割合を陽極中の全空間体積に対
して0.01〜0.1とするのが好適である。この値が
小さくなり過ぎると高抵抗層11中の空間に存在する多
硫化ナトリウムの量が少なくなって電気的な絶縁性が低
下し、陽極を分割する効果がなくなる。逆に、この値が
大きくなり過ぎると高抵抗層11中の空間に存在する多
硫化ナトリウムの量が多くなり過ぎて、充電時にこの多
硫化ナトリウムの分解が起きず、陰極室R2へ戻るナト
リウムイオンの量が少なくなって充電回復率が低下す
る。
【0027】なお、高抵抗層11中の空間体積は、高抵
抗層11の見掛けの体積から高抵抗層材料自体の体積を
差し引いたものである。また、高抵抗層材料自体の体積
は高抵抗層材料の重量をその密度で割ったものである。
【0028】次に、陽極用導電材7に対して貫通形成さ
れた切欠部10の数、すなわちマット12を水平に分割
する数を変えるとともに、陽極中の全体積に対する高抵
抗層11中の空間体積(ΔV)を変えて、充電回復率の
比を求めた。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示したように、実施例1〜3では水
平分割数を2〜4に設定し、しかもΔVを0.01〜
0.10の範囲内に設定したことから、従来の水平分割
をせず、高抵抗層を有しない場合に比べて、充電回復率
が優れている。また、実施例3と比較例1との比較よ
り、高抵抗層11の合計ΔVが0.10を越えると、充
電回復率が低下する。
【0031】従って、高抵抗層11中の合計ΔVは0.
01〜0.10の範囲が好適である。この範囲を外れる
と充電回復率が低下する。また、比較例1と比較例2と
の比較より、水平分割数が増えると、充電回復率は向上
する。
【0032】なお、この発明は前記実施例の構成に限定
されるものではなく、この発明の趣旨から逸脱しない範
囲で、次のように変更して具体化することも可能であ
る。 (1)図4に示す第2実施例の構成、図5に示す第3実
施例の構成、あるいは図6に示す第4実施例の構成にお
いて、切欠部10の形成間隔を、図7に示す第5実施例
と同様に、陽極用導電材7の上端部から下端部へ向かう
に従って次第に狭くなるように形成すること。 (2)前記各実施例における切欠部10を傾斜状、特に
金属硫化物を捕捉しやすいように、内周側ほど高く形成
すること。 (3)固体電解質管5と陽極用導電材7との接触界面に
も、多硫化ナトリウムが残留する高抵抗層を設けるこ
と。 (4)陽極活物質として溶融多硫化ナトリウムを陽極用
導電材7に予め含浸させること。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、電池の長期使用に伴い、陽極容器の金属
成分が陽極用導電材中に溶け出して金属硫化物が生じて
も、その金属硫化物を陽極用導電材中で十分に捕捉する
ことができ、金属硫化物が固体電解質隔壁の表面等に凝
集して、長期間にわたって電池の内部抵抗の増加及び容
量の減少を確実に防止することができるという優れた効
果を奏する。
【0034】また、請求項2及び請求項3に記載の発明
によれば、充電回復率などの電池性能を向上させること
ができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化したナトリウム−硫黄電池の
第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】そのナトリウム−硫黄電池における陽極用導電
材を展開して示す斜視図である。
【図3】同じくナトリウム−硫黄電池の充放電特性を示
すグラフである。
【図4】この発明の第2実施例を示す陽極用導電材の縦
断面図である。
【図5】この発明の第3実施例を示す陽極用導電材の縦
断面図である。
【図6】この発明の第4実施例を示す陽極用導電材の縦
断面図である。
【図7】この発明の第5実施例を示す陽極用導電材の縦
断面図である。
【図8】この発明の第6実施例を示す陽極用導電材の縦
断面図である。
【符号の説明】
1…陽極容器、5…固体電解質隔壁としての固体電解質
管、7…陽極用導電材、10…切欠部、11…高抵抗
層、R1…陽極室、R2…陰極室、S…硫黄、Na…ナ
トリウム。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極容器内に固体電解質隔壁を設けて、
    その固体電解質隔壁により陽極室と陰極室とを区画形成
    し、陽極室内には陽極活物質としての溶融硫黄又は溶融
    多硫化ナトリウムが含浸された陽極用導電材を収容し、
    陰極室内には陰極活物質としての溶融金属ナトリウムを
    収容したナトリウム−硫黄電池において、 前記陽極用導電材には横方向に延びる複数の切欠部を形
    成し、その切欠部内には多硫化ナトリウムが残留する高
    抵抗層を設けたことを特徴とするナトリウム−硫黄電
    池。
  2. 【請求項2】 前記切欠部を陽極用導電材に貫通して形
    成したことを特徴とする請求項1に記載のナトリウム−
    硫黄電池。
  3. 【請求項3】 前記切欠部を陽極用導電材に複数箇所で
    貫通して形成するとともに、この切欠部内に存在する全
    ての高抵抗層中の空間体積の割合を陽極中の全体積に対
    して0.01〜0.1としたことを特徴とする請求項1
    に記載のナトリウム−硫黄電池。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014092493A2 (ko) * 2012-12-13 2014-06-19 에스케이이노베이션 주식회사 소듐 이차전지

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014092493A2 (ko) * 2012-12-13 2014-06-19 에스케이이노베이션 주식회사 소듐 이차전지
WO2014092493A3 (ko) * 2012-12-13 2014-10-23 에스케이이노베이션 주식회사 소듐 이차전지

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