JPH06129998A - 濃度計 - Google Patents

濃度計

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JPH06129998A
JPH06129998A JP28188492A JP28188492A JPH06129998A JP H06129998 A JPH06129998 A JP H06129998A JP 28188492 A JP28188492 A JP 28188492A JP 28188492 A JP28188492 A JP 28188492A JP H06129998 A JPH06129998 A JP H06129998A
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fluid
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phase
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JP28188492A
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English (en)
Inventor
Seiji Yamaguchi
征治 山口
Hitoshi Nagao
均 長尾
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、懸濁物質の付着や流体中の気泡
の影響を受けることなく、また被測定流体中に溶解する
物質でも、長期的に高い信頼性をもって濃度を測定で
き、高濃度流体,大口径の管体でも正確に濃度を測定す
ることにある。 【構成】 検出部管体25にマイクロ波送受信器31,32 を
対向配置し、この送信器から検出部管体内の被測定流体
を通って受信器にて受信されるマイクロ波の位相遅れθ
2 と、検出部管体内の基準流体を通って受信器にて受信
されるマイクロ波の位相遅れθ1 とを用いて位相差測定
手段35で位相差△θ=θ2 −θ1 を求め、この位相差か
ら前記被測定流体の濃度を測定する濃度計において、前
記位相差測定手段の前段に、予め基準流体を用いたとき
のマイクロ波の位相遅れθ1 が0°に近い値または−1
80°〜+180°の測定の場合には−180°に近い
値に調整設定する位相シフト手段36を設けた濃度計であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、懸濁物質の濃度,例え
ば汚泥,パルプその他種々の物質を含む被測定流体の種
々の溶解物質の濃度を測定する濃度計に係わり、特に低
濃度から高濃度までの広い濃度測定範囲にわたって懸濁
物質の濃度を測定可能とする測定技術を設けた濃度計に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被測定流体の濃度を測定する場
合、図7に示すような超音波濃度計が用いられている。
この濃度計は、配管1の管壁に被測定流体と接触するよ
うに超音波送信器2および超音波受信器3が対向配置さ
れ、そのうち超音波送信器2側には超音波発振器4が設
けられ、一方、超音波受信器3側には超音波減衰率測定
回路5が接続されている。
【0003】このような構成の濃度計によれば、超音波
発振器4から超音波送信器2に超音波信号を入力する
と、この超音波送信器2から超音波が放射され、配管1
内の流体中を伝播して超音波受信器3によって受信され
る。このとき、超音波の受信強度は懸濁物質の濃度に応
じて減衰する。そこで、超音波受信器3は、その減衰さ
れた超音波の受信強度に応じた電気信号に変換して超音
波減衰率測定回路5に導入すると、この測定回路5では
予め懸濁物質の濃度と懸濁物質の濃度に応じた超音波の
減衰率との関係を表す検量線が設定されているので、入
力される超音波の受信強度,つまり減衰率に基づいて前
記検量線から濃度を測定することができる。
【0004】しかし、以上のような濃度計は、超音波の
送受信器2,3が配管1内の液体に接触しているので、
その接触面に懸濁物質が付着して測定誤差の要因とな
り、定期的に洗浄する必要がある。特に、下水汚泥等の
場合には懸濁物質が付着しやすい。
【0005】これに対して超音波送受信器2,3を配管
1の外側に取り付けることがあるが、この場合、配管1
における取り付け部分の肉厚を薄くしなければならず、
強度および耐久性等の問題が出てくる。また、配管1の
振動の影響をうけやすく、誤差の要因となる。しかも、
超音波は液体中と比較して気体中では減衰率が非常に大
きくなる。このため、流体中に気泡が混入していると、
超音波の減衰が懸濁物質による減衰よりも格段に大きく
なる。その結果、測定不可能となったり、見掛け上の濃
度よりも高濃度な測定結果が出てしまい、測定精度が問
題となる。
【0006】そこで、以上のような不具合を解消するた
めに、所定のサンプリング周期ごとに被測定流体を加圧
消泡室に取り込んだ後、加圧を加えて気泡を溶解させた
後、被測定流体の濃度を測定する消泡式濃度計が用いら
れるようになった。
【0007】しかし、この消泡式濃度計は、所定のサン
プリング周期ごとに被測定流体をサンプリングする方式
であるので連続的に濃度を測定できないこと、被測定流
体をサンプリングしたり、所定の圧力を加える必要か
ら、機械的な可動機構が必要となり、信頼性の面で問題
がある。
【0008】さらに、超音波を用いた濃度計全般につい
て言えることは、懸濁物質による超音波の分散減衰を利
用しているので、懸濁物質が被測定流体中に溶解してし
まう物質の場合には適用できない。
【0009】そこで、近年、懸濁物質の付着による洗浄
の問題がなく、被測定流体中に溶解する物質でも測定可
能であり、かつ、連続的に濃度を測定可能とするため
に、マイクロ波を用いて濃度を測定する濃度計が考えら
れている。
【0010】この濃度計は、図8に示すように流体の流
通する配管1にマイクロ波送信アンテナ11とマイクロ
波受信アンテナ12とが対向配置され、マイクロ波発振
器13から発射されたマイクロ波がパワ−スプリッタ1
4−送信アンテナ11−管内流体−受信アンテナ12を
通って位相差測定回路15に導入される第1の経路と、
同じくマイクロ波がパワ−スプリッタ14を通って位相
差測定回路15に導入される第2の経路とを形成し、こ
れら2つの経路から導入される被測定流体およびマイク
ロ波の位相遅れから位相差を求める構成である。
【0011】つまり、この濃度計は、マイクロ波発振器
13からパワ−スプリッタ14を経由して直接受信する
マイクロ波と配管内の被測定流体を伝播してくるマイク
ロ波との位相遅れθ2 と、管内に基準流体例えば水道水
を充填し、被測定流体の場合と同じ条件で測定したとき
のマイクロ波の位相遅れθ1 とを比較し、その位相差
(θ2 −θ1 )から検量線を用いて濃度を測定するもの
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、以上のような
濃度計は、アンテナに被測定流体に接触させる必要がな
く、また被測定流体の気泡に影響されずに伝播して被測
定流体の濃度を測定できることから、洗浄の必要性がな
く、連続的に濃度を測定できる。
【0013】しかし、この濃度計は、被測定流体の濃度
状態に応じて変化するマイクロ波の位相遅れを検出する
ことにあるので、例えば図9に示すように、マイクロ波
発振器13のマイクロ波(イ)に対し、例えば水道水等
の基準流体の場合には位相遅れθ1 をもったマイクロ波
(ロ)を受信することになり、さらに、被測定流体の場
合にはその濃度状態によってその位相遅れθ2 が大きく
変化するマイクロ波(ハ)を受信することになる。その
結果、次のような問題が生ずる。
【0014】(1) 被測定流体が高濃度の場合には位
相遅れθ2 が360°を越えてしまうことがあるが、こ
のとき図10に示すように位相差測定回路15では、測
定される位相遅れθ2 がみかけ上の位相遅れがθ2
(0≦θ2 ′≦θ1 )の関係、つまり図示(ニ)のよう
にθ2 ′−θ1 ≦0となり、濃度測定が不可能となるこ
と。
【0015】(2) 次に、マイクロ波発振器13から
のマイクロ波(イ)と基準流体を伝播してくるマイクロ
波(ロ)との間に既にθ1 の位相遅れが生じているの
で、被測定流体の実際の濃度測定範囲はθ2 −θ1 とな
り、つまり基準流体の位相遅れθ1 分だけ測定範囲が制
限される問題がある。
【0016】(3) さらに、大口径の濃度測定用配管
1を用いた場合、その口径の大きさに応じてマイクロ波
の伝播経路が長くなるので、前記(1)、(2)と同様
な問題が生じる。
【0017】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、懸濁物質の付着や流体中の気泡の影響を受けずに濃
度測定が可能であり、かつ、流体中に溶解する懸濁物質
でも測定可能とし、さらに高濃度を含む広範囲の濃度測
定の他、大口径の場合でも確実に濃度測定を可能とする
濃度計を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、検出部容器を含む検出
部管体にマイクロ波送信器およびマイクロ波受信器を対
向配置するとともに、このマイクロ波送信器から前記検
出部管体内の被測定流体を通って前記受信器にて受信さ
れるマイクロ波の位相遅れθ2 と、前記検出部管体内の
基準流体を通って前記受信器にて受信されるマイクロ波
の位相遅れθ1 とを用いて位相差測定手段で位相差△θ
=θ2 −θ1 を求め、この位相差から前記被測定流体の
濃度を測定する濃度計において、
【0019】前記位相差測定手段の前段に、予め前記基
準流体を用いたときのマイクロ波の位相遅れθ1 が0°
を含む0°に近い値または−180°〜+180°の測
定の場合には−180°を含む−180°に近い値に調
整設定する位相シフト手段を設けた濃度計である。
【0020】また、請求項2に対応する発明は、前記位
相差測定手段の後段に、θ2 −θ1≦0の場合には位相
差△θ=θ2 −θ1 +360°なる補正処理を行い、θ
2 −θ1 >0の場合には位相差△θ=θ2 −θ1 をその
まま用いて、位相差△θに基づく濃度を測定可能とする
位相差補正手段を設けた濃度計である。なお、位相差補
正手段におけるθ2 −θ1 ≦0に代えてθ2 −θ1 ≦α
を用い、αを0°に近い任意の値に設定することも可能
である。
【0021】
【作用】従って、請求項1の発明は以上のような手段を
講じたことにより、予め検出部管体に基準流体を充填し
てマイクロ波を送受して位相遅れθ1 を測定するが、こ
のときθ1 ≠0の場合には位相シフト手段によりθ1
0または0近くの値に位相シフトし、この位相シフト後
の位相遅れθ1 を記憶する。しかる後、検出部管体に被
測定流体を充填し同様に位相シフト手段を介してマイク
ロ波を送受して位相遅れθ2 を測定し、これらθ2 ,θ
1 から位相差△θ=θ2 −θ1 を求めるものであるが、
θ1 が0または0近くの値であるので、θ2 はほぼ36
0°に近い測定範囲まで利用でき、高濃度の測定が可能
となる。従って、同様の技術手段を利用すれば、大口径
の場合でも同様に適用できる。なお、−180°〜+1
80°の測定の場合には−180°を含む−180°に
近い値に調整設定することになる。
【0022】次に、請求項2に対応する発明は、位相差
測定手段によって位相差△θ=θ2−θ1 を求めるが、
位相差補正手段では、その位相差△θがθ2 −θ1 ≦0
の関係にあるか否かを判断し、θ2 −θ1 ≦0の関係に
ある場合には位相差△θ=θ2 −θ1 +360°なる補
正処理を実行し、一方、θ2 −θ1 >0の関係にある場
合には位相差△θ=θ2 −θ1 をそのまま用いることに
より、高濃度等によって360°を越えることによる不
具合をなくし、適切な位相差の下に濃度を測定するもの
である。
【0023】なお、ゼロ点はドリフト等によって変動し
ている可能性があるので、θ2 −θ1 ≦0に代えてθ2
−θ1 ≦αとし、このαをゼロに近い所定の値に設定
し、より適正な補正処理を行うこともできる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0025】先ず、請求項1に係わる発明の一実施例に
ついて図1を参照して説明する。この濃度計は、上流側
配管21と下流側配管22との間にそれぞれ仕切り弁2
3,24を介して検出部管体25が連通されている。こ
の検出部管体25には給水バルブ26および排水バルブ
27が設けられ、外部から水道管28を経て送られてく
る例えば水道水のごとき基準流体が検出部管体25に導
入され、また検出部管体25から排水バルブ27および
排水管29を通って外部に排水可能な構成となってい
る。
【0026】この検出部管体25にはマイクロ波送信ア
ンテナ31およびマイクロ波受信アンテナ32が互いに
対向、かつ、密着するように取り付けられ、そのうち検
出部管体25のアンテナ取付け部分は絶縁体,例えばフ
ァイバ・レジン・プラスチック(FRP)、塩化ビニー
ル樹脂その他の絶縁物によって形成されている。なお、
検出部配管全体が絶縁物の場合には各アンテナ31,3
2をそのまま取り付ければよい。
【0027】さらに、マイクロ波を発生するマイクロ波
発振器33が設けられ、この発振器33の出力側にはパ
ワースプリッタ34が接続されている。このパワースプ
リッタ34の一方出力端はマイクロ波送信アンテナ31
に接続され、他方の出力端は位相差測定回路35に接続
されている。従って、マイクロ波発振器33から出力さ
れたマイクロ波信号はパワースプリッタ34で分岐さ
れ、送信アンテナ31および位相差測定回路35に送ら
れる。この送信アンテナ31はパワースプリッタ34か
らのマイクロ波信号を受けて検出部管体25中にマイク
ロ波を発射する。
【0028】このマイクロ波は検出部管体25中の流体
を透過して受信アンテナ32で受信され、位相シフタ3
6に送られる。この位相シフタ36は、例えばケーブ
ル、ディレーライン或いは電波伝播物質等が用いられ、
予め被測定流体を含まない流体,つまり基準流体を用い
たときの位相遅れθ1 がゼロまたはゼロ近くの値になる
ように調整する機能をもっている。そして、位相調整後
のマイクロ波信号は位相差測定回路35に送られる。
【0029】この位相差測定回路35は、被測定流体充
填時のパワースプリッタ34から直接受けるマイクロ波
信号と位相シフタ36から受けるマイクロ波信号との位
相遅れθ2 と、水道水等の基準流体充填時の同一測定条
件で測定した位相遅れθ1 (θ1 =0またはθ1 は零近
傍)とから位相差△θ,つまり △θ=θ2 −θ1 …… (1) を求める。ここで、(1)式における位相遅れθ1 ,θ
2 はそれぞれ次式によって表される。
【0030】
【数1】
【0031】この式において、C0 は真空中での電波の
伝播速度、dは被測定液層の厚さ(距離)、ωはマイク
ロ波の角周波数、εs は被測定液の比誘電率、ε0 は真
空の比誘電率、εW は被測定物質の濃度0%の流体の比
誘電率、σは被測定液の導電率、σW は被測定物質の濃
度0%の流体の導電率である。
【0032】さらに、図1において37は位相差測定回
路35から位相差信号△θを受け、予め位相差と濃度と
の関係を定める検量線に基づいて濃度を求め、この濃度
に対応した電流信号に変換して出力する信号変換回路、
38は表示部である。次に、以上のように構成された濃
度計の動作について説明する。
【0033】先ず、検出部管体25に基準流体例えば水
道水を充填し、この水道水での位相遅れθ1 をを測定す
る。ここで、位相遅れとは位相差測定回路35でのマイ
クロ波送信波に対するマイクロ波受信波の位相遅れを意
味する。
【0034】しかして、この位相遅れθ1 の測定は、懸
濁物質の流れている配管21,22の仕切弁23,24
を平成した後、排水バルブ27を開けて管体25内の汚
泥を排出する。その後、給水バルブ26を開けて水道水
を供給して管体25内を洗浄した後、排水バルブ27を
閉じて検出部管体25内に水道水を満ぱい状態に充填す
る。
【0035】この状態においてマイクロ波発振器33か
らマイクロ波信号を発生すると、このマイクロ波信号は
パワースプリッタ34で2分岐され、その一方は送信ア
ンテナ31から図2(a)に示す管体25内の水道水を
伝播して受信アンテナ32に到達し、さらに位相シフタ
36を通って位相差測定回路35に送られる。パワース
プリッタ34からの他方のマイクロ波信号は直接位相差
測定回路35に送られる。ここで、位相差測定回路35
は位相シフタ36からの出力とパワースプリッタ23か
らのマイクロ波信号との位相遅れθ1 を求めて表示部3
8に表示する。
【0036】しかる後、位相シフタ36を用いて位相遅
れθ1 がゼロ近くになるように位相シフトによる調整を
行い、この調整後の位相遅れθ1 を記憶するとともに、
当該位相調整点を固定点とする。
【0037】次に、排水バルブ27を開けて検出部管体
25内の水道水を排出した後、当該バルブ27を閉じ、
引き続き、仕切弁23,24を開けて懸濁物質を含む被
測定流体を流す。
【0038】この状態でマイクロ波発振器33からマイ
クロ波信号を発生する。このマイクロ波信号は前述と同
様にパワースプリッタ34を介して送信アンテナ31と
位相差測定回路35に送られる。ここで、送信アンテナ
31はマイクロ波を発射し、図2(b)に示すように管
体25内の被測定流体を伝播して受信アンテナ32に到
達し、その被測定流体の濃度に応じた位相遅れをもった
マイクロ波信号を出力し、位相シフタ36に送られる。
【0039】この位相シフタ36は、濃度に応じた位相
遅れをもったマイクロ波信号を受けると、既に基準流体
測定時に固定設定された角度分だけ位相シフトを行って
位相差測定回路35に送る。この位相差測定回路35で
は、位相シフタ36からの位相シフトされた信号とパワ
ースプリッタ34からのマイクロ波信号との位相遅れθ
2 を求めて記憶する。さらに、位相差測定回路35は、
水道水測定時および被測定流体測定時の各位相遅れ
θ1 ,θ2 を用いて、 △θ=θ2 −θ1
【0040】なる演算によって位相差△θを求めるが、
このとき位相シフタ36により既に水道水測定時の位相
遅れθ1 がほぼゼロ近くの値に設定されているので、得
られる△θは0°C〜360°Cのワイドレンジで位相
差を測定でき、しかもθ2 はθ1 相当の角度分だけ0°
側に位相シフトされているので、比較的高濃度の被測定
流体であっても従来と比較して360°を越える割合を
少なくして濃度を測定できる。
【0041】そして、以上のようにして測定された位相
差△θは信号変換回路37に送られる。この信号変換回
路37は位相差△θを受けると図3に示す位相差△θと
濃度の関係とから被測定流体の濃度を求めることがで
き、この濃度に応じた電流信号を出力する。例えば濃度
0〜10%であれば、4〜20mAに相当する電流信号
を出力する。
【0042】従って、以上のような実施例によれば、基
準流体測定時に送信側からマイクロ波を送信して得られ
るマイクロ波信号の位相遅れと被測定流体測定時に同じ
測定条件で得られるマイクロ波信号の位相遅れとから位
相差△θを求め、この位相差△θから被測定流体の濃度
を求めるようにしたので、被測定流体に含まれる懸濁物
質の付着や被測定流体中の気泡の影響を受けずに濃度を
測定でき、しかも被測定流体中に溶解する懸濁物質であ
っても濃度測定が可能である。そのうえ、機械的な機構
がないので、長期的な高い信頼性を確保できる。
【0043】さらに、基準流体測定時のマイクロ波信号
の位相遅れを位相シフタ36でゼロ近くの値に位相シフ
トすることにより、位相差測定範囲が0〜360°Cを
有効に使用でき、これにより高濃度被測定流体の濃度を
測定でき、かつ、大口径の検出部管体25でも確実に濃
度を測定できる。
【0044】なお、位相差の測定は相対的なものである
ので、例えば図4に示すようにパワースプリッタ34と
位相差測定回路35とを結ぶライン,いわゆるリファレ
ンス回路に位相シフタ36を設け、ここで位相遅れθ1
がゼロまたはゼロ近くの値になるように調整してもよ
い。
【0045】また、位相差の測定は0〜360°測定方
式で説明したが、例えば−180°C〜+180°C測
定方式でも同様であり、この場合には位相シフタ36を
用いてθ1 が−180°C,つまり0°に相当する値に
なるように調整すればよい。
【0046】次に、請求項2に係わる発明の一実施例に
ついて図5および図6を参照して説明する。図1および
図5は位相差測定回路35の前段に位相シフタ36を設
けて、ハード的な処理によって位相差0〜360°Cを
有効に利用するものであるが、図5は位相差測定回路3
5と信号変換回路37との間に位相差補正回路41を設
け、ここで図6に示すようなソフト的な処理を行って正
確に濃度を測定するものである。
【0047】この濃度計は、位相差測定回路35にて位
相差△θ′=(θ2 −θ1 )を求めた後、位相差補正回
路41に送出する。この位相差補正回路41では、位相
差測定回路35からの位相差△θ′=(θ2 −θ1 )を
取り込んだ後(ST1)、この位相差△θ′が △θ′=(θ2 −θ1 )≦0 の関係にあるか否かを判断する(ST2)。
【0048】ここで、△θ′=(θ2 −θ1 )≦0の関
係にあるとき、△θ=△θ′+360°の補正処理を実
施し、一方、△θ′=(θ2 −θ1 )≦0の関係にない
とき、△θ=△θ′であると判断し(ST4)、これら
△θを信号変換回路37に送出する。従って、この信号
変換回路37は、位相差△θを受け取ると、検量線の傾
きをaとし、かつ、検量線の切片をb(図4では切片b
=0)とし、 X=a・△θ+b なる演算式から濃度Xを測定する。
【0049】従って、この濃度計によれば、濃度が高濃
度であったり、或いは管体25が大口径であったとき、
場合によって位相遅れθ2 が360°cを越えてしま
い、位相遅れθ2 がみかけ上,0<θ2 ≦θ1 となる
が、このとき△θ=△θ′+360°なる補正処理によ
り、正確に濃度を測定できる。
【0050】なお、−180°C〜+180°C測定方
式の場合には、位相遅れθ2 が上限の180°Cを越え
てしまうことがあるが、この場合にはθ2 はみかけ上−
180<θ2 ≦θ1 となる。従って、この場合には、得
られた△θ′に180を加算処理を行って△θを求めれ
ばよく、同様に濃度を正確に測定できる。
【0051】なお、請求項2に係わる発明の実施例にお
いては、位相差補正回路41にて図6に示すようなフロ
ーに従って△θ′=θ2 −θ1 ≦0の判断を行うように
したが、ゼロ点の変動等を考慮し、△θ′=θ2 −θ1
≦αとし、このαをゼロに近い任意の値に設定できるよ
うにしてもよい。
【0052】なお、上記実施例では、懸濁物質が流れて
いる状態で測定したが、静止状態で濃度を測定してもよ
く、また基準流体として水道水を用いたが、ある既知濃
度の物質を含むものを用いてもよい。さらに、検出部管
体25は、上流側配管21と下流側配管22とで挟むよ
うに配置したが、例えば被測定流体の流通配管に流体取
り込み用容器を設け、或いはバイパス管を設けたとき、
これら容器やバイパス管に上記技術を適用するものであ
り、これも本発明に含むものである。その他、本発明は
その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、懸
濁物質の付着や被測定流体中の気泡の影響を受けること
なく、また被測定流体中に溶解する懸濁物質でもあって
も、正確、かつ、長期間にわたって高い信頼性を有して
濃度を測定でき、しかも位相遅れθ2 が360°C(−
180°C〜+180°Cの測定方式では+180°
C)を越える、いわゆる高濃度の被測定流体または大口
径の検出部管体でも正確に濃度を測定できる濃度計を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係わる発明の一実施例を示す構成
図。
【図2】 基準流体および被測定流体を用いたときのマ
イクロ波伝播を説明する図。
【図3】 濃度を測定するときの検量線を示す図。
【図4】 請求項1に係わる発明の他の実施例を示す構
成図。
【図5】 請求項2に係わる発明の一実施例を示す構成
図。
【図6】 請求項2に係わる発明の動作を説明するフロ
ーチャート。
【図7】 超音波を用いた従来の濃度計を示す構成図。
【図8】 マイクロ波を用いたときの濃度計の基本構成
図。
【図9】 基準流体や被測定流体の位相遅れを説明する
図。
【図10】 基準流体や被測定流体の位相遅れを模式的
に表した図。
【符号の説明】
25…検出部管体、31…マイクロ波送信アンテナ、3
2…マイクロ波受信アンテナ、33…マイクロ波発振
器、34…パワースプリッタ、35…位相差測定回路、
36…位相シフタ、37…信号変換回路、38…表示
部、41…位相差補正回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出部容器を含む検出部管体にマイクロ
    波送信器およびマイクロ波受信器を対向配置するととも
    に、このマイクロ波送信器から前記検出部管体内の被測
    定流体を通って前記受信器にて受信されるマイクロ波の
    位相遅れθ2と、前記検出部管体内の基準流体を通って
    前記受信器にて受信されるマイクロ波の位相遅れθ1
    を用いて位相差測定手段で位相差△θ=θ2 −θ1 を求
    め、この位相差から前記被測定流体の濃度を測定する濃
    度計において、 前記位相差測定手段の前段に、予め前記基準流体を用い
    たときのマイクロ波の位相遅れθ1 が0°を含む0°に
    近い値または−180°〜+180°の測定の場合には
    −180°を含む−180°に近い値に調整設定する位
    相シフト手段を設けたことを特徴とする濃度計。
  2. 【請求項2】 検出部容器を含む検出部管体にマイクロ
    波送信器およびマイクロ波受信器を対向配置するととも
    に、このマイクロ波送信器から前記検出部管体内の被測
    定流体を通って前記受信器にて受信されるマイクロ波の
    位相遅れθ2と、前記検出部管体内の基準流体を通って
    前記受信器にて受信されるマイクロ波の位相遅れθ1
    を用いて位相差測定手段で位相差を求め、この位相差か
    ら前記被測定流体の濃度を測定する濃度計において、 前記位相差測定手段の後段に、θ2 −θ1 ≦0の場合に
    は位相差△θ=θ2 −θ1 +360°なる補正処理を行
    い、θ2 −θ1 >0の場合には位相差△θ=θ2 −θ1
    をそのまま用いて、位相差△θに基づく濃度を測定可能
    とする位相差補正手段を設けたことを特徴とする濃度
    計。
  3. 【請求項3】 位相差補正手段におけるθ2 −θ1 ≦0
    に代えてθ2 −θ1≦αを用い、αを0°に近い任意の
    値に設定することを特徴とする請求項2記載の濃度計。
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