JPH06128796A - 化成処理性に優れた複合めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

化成処理性に優れた複合めっき鋼板の製造方法

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JPH06128796A
JPH06128796A JP3892391A JP3892391A JPH06128796A JP H06128796 A JPH06128796 A JP H06128796A JP 3892391 A JP3892391 A JP 3892391A JP 3892391 A JP3892391 A JP 3892391A JP H06128796 A JPH06128796 A JP H06128796A
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steel sheet
zinc phosphate
plated steel
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JP3892391A
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Teruaki Isaki
輝明 伊崎
Masami Osawa
正己 大澤
Makoto Yoshida
吉田  誠
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難溶性クロム酸塩腐食阻止微粒子を含有した
Zn系めっき層の複合めっき鋼板の化成処理性を改善す
る。 【構成】 難溶性クロム酸塩腐食阻止微粒子を含有した
Znめっき層を施した複合めっき鋼板を、Coを含有す
る溶液中に浸漬または該溶液を塗布する方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腐食阻止微粒子の難溶
性クロム酸塩微粒子を含有した高耐食性複合めっき鋼板
に優れた化成処理性能を付与する処理製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】近年、 北米,欧州をはじめとする冬期寒
冷地においては道路凍結防止を目的に、岩塩や塩化カル
シウムなどを散布するため、自動車の使用される環境は
増々厳しいものになってきている。このような環境にお
いて、「一定期間赤錆発生がない、孔あきがない」を満
足する高耐食性自動車用防錆鋼板の開発が急がれてい
る。この開発には、米国、カナダのような電力コストの
安価な国での厚目付電気亜鉛めっき鋼板の開発と、日本
のように電力コストが高く、溶接性やめっき加工密着性
等に対するユーザーの要求が厳しい国での薄目付高耐食
性電気めっき鋼板の開発とがあるが、日本では前者の厚
目付めっき鋼板と同等以上の耐食性を持つ薄目付めっき
鋼板の開発が活発に行われている。最近では、これまで
のZn−Fe,Zn−Ni等の亜鉛合金めっき鋼板に代
わって、さらに高耐食性を有するめっき鋼板として、め
っき層中に腐食阻止性質を持った微粒子を分散共析させ
た複合めっき鋼板が開発されるようになってきた。複合
めっき鋼板は、分散共析させる微粒子によってめっき層
に種々の性質を与えることが可能で、新しい機能を持つ
めっき鋼板として注目されている。本発明者らも特開昭
63−11695号,特開昭63−11696号公報な
どで発表するように、めっき層中に、難溶性クロム酸塩
の腐食阻止微粒子を分散共析させることによって、これ
までの合金めっき鋼板に比較して、防食性能が格段に優
れた複合めっき鋼板の開発に成功した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常、自動
車製造過程においては、めっき鋼板に対する塗料密着性
を向上させるため、リン酸亜鉛溶液による化成処理が行
われる。しかし、めっき層にクロムを含有する場合、そ
の含有比率にもよるが、リン酸亜鉛の皮膜が均一に生成
されないことがわかっている。本発明者らは、この問題
点解決のため、前記の特開昭63−11696号公報で
説明するように、難溶性クロム酸塩微粒子含有めっき層
(下層めっき)の上に、クロムを含まないZn系合金め
っき層(上層めっき)を施こしている。この方法は、下
層めっきの組成によって、上層めっきの組成及び電流効
率が変化するため、目的に応じて製造する下層めっきに
合わせて、上層めっきの条件を設定しなければならず、
製造条件がやゝ複雑になっている。また、上層めっき
は、電気めっき法で行われるため、新たな電気めっき設
備の設備投資が要求される。そこで、本発明者らは、電
気めっき法以外の方法で容易に実施可能な化成処理向上
対策について鋭意検討してきた結果、適当濃度のコバル
トを含んだ溶液中に難溶性クロム酸塩微粒子を含有した
複合めっき鋼板を浸漬処理することによって、これまで
のZn系合金めっきに対するリン酸亜鉛処理性と同等以
上の化成処理性を確保可能であることを見い出した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの知見か
ら得られたものである。すなわち、本発明の要旨は、難
溶性クロム酸塩腐食阻止微粒子を含有したZn系めっき
層を施した複合めっき鋼板を、コバルトを含有する溶液
中で処理することによって、化成処理性に優れた複合め
っき鋼板の製造方法である。
【0005】
【作用】ところで、従来からZn系めっき鋼板に行われ
ているリン酸亜鉛塩系溶液の化成処理工程は、脱脂→水
洗→表面調整→リン酸亜鉛処理→水洗→乾燥が主な手順
である。表面調整は、コロイダルチタン、リン酸ナトリ
ウム等を含む溶液で亜鉛めっき鋼板を処理し、該めっき
表面にTiO2を吸着させたもので、次工程のリン酸亜
鉛結晶を緻密かつ均一に析出させる核形成反応を目的と
した予備工程である。化成皮膜形成は、電気化学的反応
及び第三リン酸亜鉛として陰極に晶出する析出反応より
起こる。 Zn→Zn2+ + 2e- (アノード反応) ・・・・・(1) 2H+ + 2e- → H2 (カソード反応) ・・・・・(2) Zn2+ + 2(H2PO4)- → Zn(H2PO4)2 ・・・・・(3) 3Zn(H2PO4)2 → 3Zn3(PO4)2 + 4H3PO4 ・・・・・ (4) (1),(2)の酸化還元反応により界面PHが上昇
し、 溶解度を越えるZn(H2PO4)2が第三リン酸亜
鉛の結晶(Zn3(PO)4・4H2O)として亜鉛表面に
析出する。リン酸亜鉛処理液には、 Zn2+, PO43-
の他にNi2+,NO3-,F-が含まれている。Ni2+ は
Ni金属として亜鉛表面に析出し、またNi3(PO4)2
或はZn3(PO4)2との混晶を形成する。一旦亜鉛表面
に析出したNiは陰極として、(1)式のアノード反応
を促進させる。
【0006】一方、本発明者らの開発したクロム酸塩微
粒子複合めっき鋼板は、図1に示すような断面構造を有
している。例えばZn系めっき層2のめっき表層には、
クロム酸塩微粒子1が露出している部分がある。クロム
酸塩微粒子1は、リン酸亜鉛溶液中では溶解しないた
め、リン酸亜鉛皮膜形成の初期反応である酸化還元反応
((1),(2))が起こらない。そのため、クロム酸
塩微粒子上にはリン酸亜鉛皮膜が形成されない。しか
し、一方で、めっき金属が露出した部分では通常のリン
酸亜鉛皮膜形成反応が起こるため局部的に皮膜形成が促
進され、粗大なリン酸亜鉛結晶3が形成される(図
2)。故にクロム酸塩微粒子複合めっき鋼板を従来から
のリン酸亜鉛処理液で処理した場合、粗大かつスケ4
(結晶が形成されていない部分)の多い皮膜が形成さ
れ、その結果、その後に処理される電着塗装の密着性や
塗装後の耐食性が劣化することになる。そこで、予めク
ロム酸塩微粒子上にリン酸亜鉛結晶が形成されるための
反応核を形成させておけば、緻密で微細なリン酸亜鉛皮
膜結晶5の形成が期待される。(図3)
【0007】本発明者らは、クロム酸塩微粒子上に吸着
・析出することのできる物質を検討した結果、コバルト
含有溶液で前処理することが有効であることを見い出し
た。コバルトを含む溶液は、硫酸コバルトを主体とした
酸性溶液と硝酸コバルト,水酸化ナトリウムを主体とし
たアルカリ性溶液である。いずれのタイプの溶液でもリ
ン酸亜鉛皮膜結晶は緻密かつ微細なものが得られること
を確認している。酸性溶液中処理によって生成するコバ
ルトは主に金属コバルトであり、一方アルカリ性溶液で
はNO3-を含有しているためコバルトの酸化物が主体
で、いずれのタイプでも電着塗装後の塗膜密着性や塗装
後耐食性は良好である。ただ未塗装(コバルト→リン酸
亜鉛処理までは済み)材の耐食性評価において、酸性溶
液中でコバルト処理した材料がやゝ赤錆発生が促進され
る傾向があった。アルカリ性溶液中で処理した時のコバ
ルト付着量と、その後のリン酸亜鉛皮膜結晶の性状との
関係を図4に示す。また、コバルト処理有り,無し材に
対してリン酸亜鉛処理を施した時に生成したリン酸亜鉛
皮膜結晶の電子顕微鏡写真の模式図を図5に示す。図5
(a)〜(e)に示すように、リン酸亜鉛処理する前に
コバルト処理を実施することによって、得られるリン酸
亜鉛皮膜結晶が微細かつ緻密になることがわかる。また
図6には、リン酸亜鉛皮膜処理後に電着塗装を施した材
料を使って、塗面に鉄素地まで達する傷をカッターで入
れた後、複合腐食試験条件下にて、その耐塗膜ふくれ性
を評価した結果を示す。コバルト処理効果により微細か
つ緻密なリン酸亜鉛皮膜が生成することによって、塗装
後の耐食性も向上していることがわかる。ところで、本
発明でいうZn系めっき層とは、ZnおよびZnとN
i,Fe,Co,Mn,Cr等の1種以上とから成る合
金めっき層である。また、クロム酸塩微粒子とは、一般
にMCrO4で表されM=Pb,Sr,Zn,Ba,C
a,Ni等の化合物微粒子である。
【0008】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。
コバルト処理液は、硝酸コバルト,水酸化ナトリウムを
主成分とするアルカリ性溶液である。処理法は、浸漬あ
るいはスプレー法いずれでも良く、コバルトの付着量
は、浸漬やスプレー時間、溶液中コバルト濃度および溶
液温度によってコントロールした。種々の条件下でコバ
ルト処理を実施後、続けて浸漬タイプのリン酸亜鉛処理
(日本パーカライジング(株)殿製PB−3020)を
行った後、リン酸亜鉛皮膜結晶を電子顕微鏡にて観察し
た。さらに電着塗装(日本ペイント(株)殿製U−60
0 20μ厚)材も作製し、複合腐食試験下での塗膜ふ
くれを評価した。 *複合腐食試験条件;塩水噴霧(35℃×6Hr)→乾
燥(70℃,60%RH×4Hr)→湿潤(49℃,R
H>95%×4Hr)→冷凍(−20℃×4Hr)の順
に行い、これを1サイクルとする試験法 各々の評価基準は以下の通りである。 (1)リン酸亜鉛皮膜結晶観察結果 評価;◎ リン酸亜鉛皮膜結晶が微細かつ緻密 ○ 微細結晶が主体で、僅かに粗大結晶があるがスケな
し △ 結晶が粗大化傾向にあるがスケなし × 結晶が粗大かつスケあり (2)塗装後耐食性(複合腐食試験50サイクル後に測
定) 評価;◎ 片側最大塗膜ふくれ幅<1mm ○ 1≦ 〃 <2mm △ 2≦ 〃 <4mm × 4< 〃 表1に評価結果を示す。
【0009】
【表1】
【0010】
【発明の効果】これから明らかなように、本発明法によ
り、クロム含有複合めっき鋼板の化成処理性は改善さ
れ、かつ塗装後耐食性も向上することがわかる。
【0011】
【図面の簡単な説明】
【図1】クロム酸塩微粒子含有複合めっき鋼板の断面模
式図、
【図2】直接リン酸亜鉛による化成処理を実施した時の
リン酸亜鉛皮膜結晶生成の模式図、
【図3】コバルト処理後にリン酸亜鉛による化成処理を
実施した時のリン酸亜鉛皮膜結晶生成の模式図、
【図4】コバルト付着量とリン酸亜鉛皮膜結晶評点の関
係、
【図5】コバルト付着量毎のリン酸亜鉛皮膜結晶の電子
顕微鏡写真の模式図、
【図6】コバルト付着量と電着塗装材の耐塗膜ふくれ耐
食性の関係を示した図である。
【符号の説明】
1 クロム酸塩微粒子 2 めっき層 3 粗大かつスケを有するリン酸亜鉛皮膜結晶 4 スケ部 5 微細かつ緻密なリン酸亜鉛皮膜結晶
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】クロム酸塩微粒子含有複合めっき鋼板の断面模
式図、
【図2】直接リン酸亜鉛による化成処理を実施した時の
リン酸亜鉛皮膜結晶生成の模式図、
【図3】コバルト処理後にリン酸亜鉛による化成処理を
実施した時のリン酸亜鉛皮膜結晶生成の模式図、
【図4】コバルト付着量とリン酸亜鉛皮膜結晶評点の関
係、
【図5A】コバルト付着量毎のリン酸亜鉛皮膜結晶の電
子顕微鏡写真の模式図
【図5B】コバルト付着量毎のリン酸亜鉛皮膜結晶の電
子顕微鏡写真の模式図
【図6】コバルト付着量と電着塗装材の耐塗装ふくれ耐
食性の関係を示した図である。
【符号の説明】 1 クロム酸塩微粒子 2 めっき層 3 粗大かつスケを有するリン酸亜鉛皮膜結晶 4 スケ部 5 微細かつ緻密なリン酸亜鉛皮膜結晶

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の片面又は両面に、難溶性クロム酸
    塩腐食阻止微粒子を含有したZn系めっき層を施した複
    合めっき鋼板を、コバルトを含有する溶液で処理するこ
    とを特徴とする化成処理性に優れた複合めっき鋼板の製
    造方法。
JP3892391A 1991-02-12 1991-02-12 化成処理性に優れた複合めっき鋼板の製造方法 Withdrawn JPH06128796A (ja)

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Effective date: 19980514