JPH0612853Y2

JPH0612853Y2 - バルブ容器の吐出部

Info

Publication number: JPH0612853Y2
Application number: JP9851488U
Authority: JP
Inventors: 明洋新川
Original assignee: 日進化学株式会社
Priority date: 1988-07-26
Filing date: 1988-07-26
Publication date: 1994-04-06
Anticipated expiration: 2003-07-26
Also published as: JPH0220957U

Description

【考案の詳細な説明】＜産業上の利用分野＞本考案は、バルブ容器、特にペースト状、乳液状物を収
納して吐出させる容器に適する吐出部の改良に関する。

＜従来の技術＞従来ペースト状、乳液状物は、一般に蓋を有する容器に
収納され、使用時には蓋を取り外して、容器を傾むけた
り、或いは、容器を指で変形させ外圧を加えて、容器の
口からペースト状、乳液状の内容物を取り出していた。

ところが、従来の容器では、内容物の残量が少なくなっ
た場合や、その取り出しが困難になるといった問題や、
取り外した蓋を紛失するといった問題があった。

そのため、容器内の圧力を高める手段を容器内に配し、
内部からの圧力によって内容物を吐出口から吐出させる
容器が開発されつつある。

＜考案が解決しようとする課題＞この種の内部加圧型の容器の吐出口においては、エアゾ
ール容器の吐出口に広く用いられているバルブを用いる
ことが考えられる。このバルブは、気密性に優れ、バル
ブのステムを押圧或いは傾斜させることにより簡単に吐
出できる点で遊離であるが、押圧式バルブ或いはティル
トバルブのいずれにあっても、バルブの弁体と最先端の
吐出口との間の吐出経路長さが大きくなってしまう。そ
のため、内容物の吐出後、吐出口と弁体との間の吐出経
路に内容物が残ってしまう。特に、内容物が、ペースト
状、乳液状の場合、その傾斜が著しく、しかも、次の使
用までに時間が空くと、吐出経路内に残った内容物が固
まり、吐出経路を塞いでしまって、次の吐出が出来ない
という問題がある。

＜課題を解決するための手段＞そこで本考案は、下記のバルブ容器の吐出部を提供する
ことにより、この課題を解決する。

本考案のバルブ容器の吐出部は、容器本体に取り付けら
れたバルブ本体と、バルブ本体に設けられた吐出用ステ
ムと、吐出用ステムに取り付けられたノズルとからな
る。このノズルは、その基端から先端にかけて形成され
た連通孔と、連通孔の基端に形成されたステム嵌合部
と、弁板を連通孔の先端に形成された先端バルブとから
なる。この先端バルブは、連通孔を塞ぐ板状の弁板と、
弁板を連通孔内に回動可能に取り付けるヒンジ部分と、
弁板をその閉成方向に付勢する付勢手段とからなる。

＜作用＞本考案においては、ノズルを傾斜させ、押圧する等する
と、バルブ本体の弁が開き、内容物は、ステムからノズ
ルの連通孔を通り、自らの圧力により、先端バルブの弁
板を付勢手段の付勢力に抗して開き、吐出する。

傾斜、押圧を止めると、バルブ本体の弁が閉じる。これ
により、バルブ本体の弁より先端の内容物の圧力が低下
し、先端バルブの弁板が、付勢手段の付勢力によりヒン
ジ部分から回動して連通孔を閉ざす。これによって、バ
ルブ本体の弁と弁板との間の内容物は外気と遮断され、
長期間放置された場合にも、内容物が固まったりするこ
とがない。

＜実施例＞以下図面に基づき本考案の一実施例を説明する。

実施例の吐出部は、第１図に示すように、容器(1)本体
上部に取り付けられたバルブ本体(2)と、バルブ本体の
吐出用ステム(22)に取り付けられたノズル(4)とからな
る。図中(3)は、容器上部に嵌合されるキャップを示
す。

まず、ノズル(4)は、ノズル本体(41)と、その先端に取
り付けられる先端バルブ(42)とからなり、ノズル本体(4
1)の下端には化粧蓋(43)が取り付けられている。

この化粧蓋(43)は、容器本体(1)の巻締部分(12)に嵌合
されるもので、中央にノズル本体摺動孔(44)を有する。
このノズル本体摺動孔(44)とノズル本体(41)下端とは、
極一部で易破壊性の接続部分(45)で継がっている。この
接続部分(45)は、いわゆるバージンシールであり、未使
用時にはこの部分でつながり、使用開始時にノズル(4)
を下方へ押すことによってこの部分を破り、ノズル(4)
を摺動可能とするものである。

ノズル本体(41)は、プラスチック製で、その基端から先
端にかけて縦連通孔(46)と横連通孔(47)が形成されてい
る。縦連通孔(46)の基端（下端）にはステム嵌合部(48)
が形成され、バルブ本体(2)のステム(22)に嵌合され
る。

横連通孔(47)先端には、第２図及び第３図に示す先端バ
ルブ(42)が取り付けられる。この先端バルブ(42)は、プ
ラスチック製で、内部に連通孔(49)を有するハウジング
(50)と、連通孔(49)先端に設けられた板状の弁板(51)と
が、一体成形されている。

連通孔(49)は、段部(52)を境に先端側の大径部と基端側
の小径部とからなり、この段部(52)に弁板(51)が配され
ている。この弁板(51)は、連通孔(49)の小径部と略同形
の円板形をなし、その上部のヒンジ部分(53)で連通孔内
壁につながれている。このヒンジ部分(53)は、プラスチ
ックの弾性変形により図示矢印方向に弁板(51)を回動可
能となすものであり、弁板(51)は、常時図示の状態で連
通孔(49)を閉ざし、内容物の吐出圧力により矢印方向に
回動して内容物の吐出を行う。

次に、バルブ本体(2)は、従来の押圧式、或いはティル
ト式バルブを用いればよく、実施例では押圧式バルブと
した。これを第４図に基づき説明する。

このバルブ本体(2)は、容器の巻締蓋(11)に取り付けら
れたハウジング(21)と、ハウジング内に挿着されたステ
ム(22)とを有する。

このハウジング(21)は、内部にステム(22)を挿通する筒
状をなし、上端寄りに、筒内外を連通する弁孔(23)が形
成され、内部下端寄りにはスプリング受け(24)が形成さ
れている。そして、このハウジング(21)は、その上端
が、巻締蓋(11)の中央開口内に、閉鎖ラバー(25)と共に
固定されている。

ステム(22)は、上端に閉鎖ラバー嵌合部(26)が形成さ
れ、その下方に弁体(27)が形成され、両者(26)(27)の中
間に横孔(28)が形成されている。この横孔(28)は、ステ
ム(22)内の上端から中程までに形成された縦孔(29)に導
通している。

このステム(22)の弁体(27)と、ハウジング(21)のススプ
リング受け(24)との間には、圧縮コイルスプリング(30)
が装着され、常時ステム(22)を上方に付勢している。こ
の状態において、ハウジングの弁孔(23)はステムの弁体
(27)により閉ざされ、ステムが下方に押圧されたとき
に、弁体(27)が弁孔(23)の位置より下り、ハウジングの
弁孔(23)からステムの横孔(28)及び縦孔(29)が連通して
弁が開く。

容器本体(1)内には、毛髪用トリートメント液等のペー
スト状、乳液状の内容物と共に、加圧袋(5)が収納され
る。この加圧袋(5)内にはクエン酸と重曹が収納され、
両者の反応によって発生する炭酸ガスの圧力により加圧
袋(5)を膨張させ、この膨張により容器本体(1)内の圧力
を高め、内容物を吐出させるものである。

次に、この吐出方法を説明する。まず、ノズルの上部を
押圧すると、バルブ本体(2)の弁が開き、内容物は、ス
テム(22)からノズル(4)の各連通孔(45)(46)及び先端バ
ルブの連通孔(49)を通り、自らの圧力により、ヒンジ部
分(53)の弾性力に抗して弁板(51)を開き、吐出する。

押圧を止めると、圧縮コイルスプリング(30)の付勢によ
り、バルブ本体(2)の弁が閉ざされる。これにより、バ
ルブ本体(2)の弁体(27)より先端の内容物の圧力が低下
し、弁板(51)がヒンジ部分(53)の弾性力により連通孔(4
9)を閉ざす。これによって、バルブ本体の弁体(27)と先
端バルブの弁板(51)との間の内容物は外気と遮断され、
長期間放置された場合にも、内容物が固まったりするこ
とがない。

以上の実施例の他、本考案は種々変更して実施可能であ
り、例えば、先端バルブは、ノズル本体と一体に形成し
てもよく、又、先端バルブの吐出方向は自由であり、実
施例の横方向の他、上方向に変更してもよい。弁板の付
勢手段は、ヒンジ部分の素材の弾性の他、スプリング等
他の弾性体を用いてもよい。内容物はペースト状、乳液
状の他、より流動性の高い液状であってもよく、又、吐
出のための加圧手段は他の各種加圧手段に変更し得る。

＜考案の効果＞以上本考案は、内容物の吐出を止めると、弁板が付勢手
段の付勢力によりヒンジ部分から回動して連通孔を閉ざ
すため、バルブ本体の弁体と先端バルブの弁板との間の
内容物は外気と遮断される。その結果、長期間放置され
た場合にも、バルブの弁と先端の吐出口との間の吐出経
路長さにかかわらず、内容物が固まったりすることがな
いため、バルブ容器、特に、ペースト状、乳液状の内容
物用に最適なバルブ容器の吐出部を提供し得たものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の容器上部の一部切断の側面図、第２
図は先端バルブの断面図、第３図は先端バルブの正面
図、第４図はバルブ本体の半断面図である。 (1)…容器本体、(2)…バルブ本体、(4)…ノズル、(21)
…ハウジング、(22)…ステム、(23)…弁孔、(27)…弁
体、(30)…コイルスプリング、(41)…ノズル本体、(42)
…先端バルブ、(46)…縦連通孔、(47)…横連通孔、(48)
…ステム嵌合部、(49)…連通孔、(51)…弁板、(53)…ヒ
ンジ部分。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】容器物吐出用の孔が形成されたステムを備
えたバルブ本体と、このステムの先端に取り付けられた
ノズルとからなり、このノズルがその基端から先端にか
けて形成された連通孔と、連通孔の基端に形成されたス
テム嵌合部と、連通孔の先端に形成された先端バルブと
からなり、この先端バルブが、連通孔を塞ぐ板状の弁板
と、弁板を連通孔内に回動可能に取り付けるヒンジ部分
と、弁板をその閉成方向に付勢する付勢手段とからなる
ことを特徴とするバルブ容器の吐出部。