JPH0612627A - 磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド

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JPH0612627A
JPH0612627A JP16726692A JP16726692A JPH0612627A JP H0612627 A JPH0612627 A JP H0612627A JP 16726692 A JP16726692 A JP 16726692A JP 16726692 A JP16726692 A JP 16726692A JP H0612627 A JPH0612627 A JP H0612627A
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JP
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magnetoresistive
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layers
head
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JP16726692A
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Inventor
Hideo Tanabe
英男 田辺
Masahiro Kitada
正弘 北田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、センス電流の増大、Δρ/ρ
の増大による再生出力の増大が可能な、長寿命の磁気抵
抗効果型ヘッドを提供することである。 【構成】磁気記録媒体からの信号磁束を読み取るための
強磁性体からなる磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効果膜
にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加手段
と、該磁気抵抗効果膜の磁区構造を制御するための磁区
構造制御手段と、該磁気抵抗効果膜へセンス電流を印加
するための手段と、さらに、上部及び下部一対の磁気シ
ールド層とを備えてなる磁気抵抗効果型ヘッドにおい
て、上記磁気抵抗効果膜がNiとFeとの多層膜から成
り、かつ該多層膜の第一層目がNi層であると同時に、
全Ni層と全Fe層の重量比が70:30から90:1
0の間にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録再生装置に用
いられる磁気ヘッドに係り、特に高再生出力の期待でき
る再生専用の磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている磁気抵抗効果型磁
気ヘッドは、アイ イー イー イートランズアクショ
ンズ オブ マグネティクス エム エー ジー7 1
971P.150−154,IEEE Trans.M
ag.,MAG−7(1971)P.150−154に
記載されているように、異常磁気抵抗効果を示す軟磁性
体で磁気抵抗効果膜と呼ばれる磁束センシング用薄膜の
両端に、該薄膜にセンス電流を流すための導体膜が設け
られてなる構造が基本となっている。該磁気抵抗効果膜
には通常NiFe合金膜やNiFeCo合金膜あるいは
NiCo合金膜などが用いられるが、特開平1−064
383にはNiFe膜とCo膜ないしはNiCo膜の多
層膜を該磁気抵抗効果膜に使用することが記載されてお
り、またこれとは別に、特開平2−023679にはN
i膜とFe膜からなる多層膜を、特開平2−02367
8にはNi膜とCo膜の多層膜を該磁気抵抗効果膜とし
て使用することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】今後磁気記録装置の高
密度化が進むのに伴って、磁気ヘッドのギャップ長やト
ラック幅はますます狭くなり、ヘッドの再生出力は低下
する。しかし、実際に磁気記録装置を正常に駆動するた
めには、ある程度以上の再生出力と分解能が必要で、こ
れを確保することが磁気ヘッドの重要課題である。
【0004】再生専用の磁気抵抗効果型ヘッドの再生出
力を増大するにはいくつかの方法がある。この中で、セ
ンス電流を増大する方法は比較的容易で大きな効果が期
待できるが、該ヘッドに使用する磁束センシング用磁気
抵抗効果膜の抵抗値の大小によってヘッドの通電寿命が
左右されるので、長寿命を保証するためには低抵抗で安
定した磁気抵抗効果膜が望まれる。また、上記磁気抵抗
効果膜の磁気抵抗変化率(Δρ/ρ)と磁気抵抗変化量
(Δρ)を増大することも高出力化に有効であり、この
点からΔρ/ρの大きな磁気抵抗効果膜が望まれる。と
ころが、従来から使用されているNiFe合金膜やNi
FeCo合金膜あるいはNiCo合金膜においては、ρ
が同組成のバルクの値に比べてかなり高く、センス電流
を増大する(107A/cm2台)ことはヘッドの通電寿
命の低下を招く結果となるので、電流増加による出力の
増大は非常に厳しい。一方、これらの膜のΔρ/ρの値
は組成を変えたとしても最大で4%程度で、バルクの値
に比べるとかなり(20%程度)低く、Δρ/ρの増加
による出力の増大も非常に厳しい。つまり、このような
従来の磁気抵抗効果膜を使用した磁気抵抗効果型ヘッド
では、再生出力の大幅な増大は望めないという問題があ
る。他方、Ni膜とFe膜からなる多層膜、ないしはN
i膜とCo膜からなる多層膜を上記磁気抵抗効果膜とし
て使用した場合は、膜厚や積層の順番によって該多層膜
のρおよびΔρ/ρの値が大きく異なり、簡単にはρの
低下によるセンス電流の増大、Δρ/ρの増大による出
力の増大につながらない。最適な膜厚、最適な積層の順
番を検討、確立する必要がある。しかし、この点につい
ては従来技術では明らかでなく、従来技術による上記多
層膜を用いても再生出力の増大は難しいという問題があ
る。
【0005】本発明の目的は、上記問題点を解決し、セ
ンス電流の増大、Δρ/ρの増大による再生出力の増大
が可能な、長寿命の磁気抵抗効果型ヘッドを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明では磁気抵抗効果膜として以下のような多
層膜を使用した。第一層目がNi層からなり、全Ni層
と全Fe層の重量比が70:30から90:10の間に
あるNi層とFe層との多層膜、ないしは第一層目がN
i層からなり、全Ni層と全Co層の重量比が50:5
0から85:15の間にあるNi層とCo層との多層
膜、ないしはNiとFeと元素Mから成る多層膜で、M
としてはCo、Cr、Mn、Cu、Auのいずれかの元
素を使用し、同時に第一層目がNi層で全Ni層と全F
e層の重量比が70:30から90:10の間にある多
層膜、ないしはNiとCoと元素Mから成る多層膜で、
MとしてはFe、Cr、Mn、Cu、Auのいずれかの
元素を使用し、同時に第一層目がNi層で全Ni層と全
Co層の重量比が50:50から85:15の間にある
多層膜であり、さらに、該多層膜における各々の層が互
いにエピタキシャル的に成長していることを特徴とした
上記いずれかの多層膜である。そして、該多層膜を構成
する各層の膜厚を精密に制御した。
【0007】
【作用】上記課題を解決するために磁気抵抗効果膜に用
いた上記多層膜では、合金膜よりも抵抗の低いNi単層
膜、Fe単層膜、ないしは元素Mの単層膜から構成され
るので、比抵抗ρがこれらの元素からなる合金膜のρよ
りも大幅に低下することになる。さらに、上記多層膜を
構成する各層は各々エピタキシャル的に成長しており、
このため各層の界面では各層の原子間で交換相互作用が
生じ、s−d相互作用によって異方性磁気抵抗効果が発
現する。と同時に、M層を介した磁性層間においては、
いわゆる巨大磁気抵抗効果の発現原因となるスピン間相
互作用も働くので、該異方性磁気抵抗効果と該巨大磁気
抵抗効果とが合わされた大きな磁気抵抗変化率が得られ
ることになる。磁気抵抗効果型ヘッドの再生出力を増大
するには、すでに述べたように、磁気抵抗効果膜に流す
センス電流を増大するか、該磁気抵抗効果膜の磁気抵抗
変化率を増大することが必要である。この点、上記多層
膜は上述したようにρが非常に低くなり、該多層膜を磁
気抵抗効果膜に使用すればジュール熱の発生を極力抑え
ることが可能である。したがって、センス電流を増大し
てもジュール熱によって加速されるエレクトロマイグレ
ーションを抑えることが可能で、ヘッドの通電寿命の劣
化が大幅に改善されることになる。すなわち、センス電
流の増大によって該磁気抵抗効果型ヘッドの出力の大幅
な増大が実現できる。一方また、上述したように該多層
膜では従来の合金膜よりも大きな磁気抵抗効果が得られ
るので、該磁気抵抗効果の増大分の出力の増大が期待で
き、磁気抵抗効果型ヘッドのさらに大幅な出力の増大が
できる。
【0008】
【実施例】
実施例1 上述した本発明の内容を、以下に実施例により具体的に
説明する。
【0009】図1は、本発明による磁気抵抗効果型ヘッ
ドの平面図(a)ならびにA−A’断面図(b)を示し
たものである。本実施例では、非磁性のセラミクスから
なる基板1上に平坦化用のAl23等からなる絶縁層2
を数μm積層した後、パーマロイ等からなる下部磁気シ
ールド用の軟磁性膜3を1μm厚に積層し、ホトリソグ
ラフィにより所定の形状に加工する。但し、該下部磁気
シールドには基板も兼ねた磁性セラミクスを用いてもと
くに差し支えない。次に、ギップ長を形成するためのA
23等からなる下部絶縁層4を0.05〜0.6μm
の厚さで積層し、磁区制御用の反強磁性膜5と磁気抵抗
効果膜6およびバイアス磁界印加用のシャント膜7とを
蒸着法あるいはスパッタ法により連続積層した後、ホト
リソグラフィにより所定の形状に加工する。本実施例に
おいては、該磁気抵抗効果膜6はNi層とFe層からな
る多層膜で作製しており、さらに該多層膜は図2に拡大
断面図を示すように、まずNi層を所定の膜厚に積層し
た後Fe層を積層した構造からなる。そして、該多層膜
における全Ni層と全Fe層の重量比は本実施例では8
2:18に設定しており、Ni層とFe層とを合わせた
層数は少なくとも2層以上とし、各層の膜厚は該重量比
を満足するように決定した。図3は、このようにして積
層した上記多層膜のρ,Δρ,Δρ/ρと第1層目をF
e層として次いでNi層、Fe層を順次積層した多層膜
のρ,Δρ,Δρ/ρの層数に対する依存性を比較した
ものである。同図には、同組成比のNiFe合金膜の値
も参考のために示してある。また、ここではトータルの
膜厚は約50nmとした。図からわかるように、まず第
1層目にNi層を積層した後Fe層、Ni層を順次積層
した多層膜のΔρは合金膜の値よりもやや大きくなり、
ρは逆に低下してΔρ/ρは合金膜の値よりも増加す
る。一方、第1層目をFe層とした多層膜は、ρは低く
なるもののΔρも大幅に低下してΔρ/ρも低下する。
このように、同じNiとFeの多層膜でも本実施例のよ
うに、まず第1層目にNi層を積層した後Fe層、Ni
層を順次積層した構成からなる多層膜を使用なければ効
果がない。さらにこれらの多層膜の層構造を電子顕微鏡
等で検討した結果、このような効果が期待できるにはN
i層とFe層とが互いにエピタキシャル的な成長をして
いることが必要でことが明らかになった。、このために
は、蒸着法で作製する場合は蒸着時真空度を10~7To
rr以下に設定すること、スパッタリング法などで作製
する場合は到達真空度を10~7Torr以下に設定した
上、純度5N以上のスパッタリングガスを使用すること
が必要である。なお、該多層膜の全Ni層と全Fe層の
重量比は、70:30から90:10の間にあればとく
に問題はない。一方、シャント膜7としては本実施例の
場合Nb膜を用いた。該磁気抵抗効果膜6として用いた
多層膜と該シャント膜7の膜厚は、各々5〜45nm,
10〜140nmに設定している。この後、磁気抵抗効
果膜6およびシャント膜7とにセンス電流を流すための
電流リード端子8を形成するが、本実施例では該リード
端子8にはAu/Nbの2層膜を用い、リフトオフ法に
よって形成した。膜厚は各々200nm,10nmとし
た。しかし、リフトオフ法でなくても通常のドライエッ
チング法で形成しても、また膜厚がこれより厚くてもと
くにかまわない。但し、ドライエッチング法の場合には
シャント膜7へのダメージを考慮してドライエッチング
による終点判定を精密に制御する必要がある。次いで、
上部ギャップ層を構成するAl23等からなる上部絶縁
層9を0.05〜0.6μmの厚さで積層し、引き続き
パーマロイ等からなる上部磁気シールド用の軟磁性膜1
0を1μm厚に積層してMRヘッド部11の形成を終了
した。実際に磁気装置用として該ヘッドを使用するため
には、この後平坦化用の絶縁膜12を積層して、この上
に上記MRヘッドのトラック幅に対応した記録用の電磁
誘導型の薄膜磁気ヘッドを作製し、複合ヘッドとする。
【0010】以上のようにして作製した磁気抵抗効果型
ヘッドは、該電流リード端子8からシャント膜7および
磁気抵抗効果膜6とにセンス電流を流し、シャント膜7
の作るバイアス磁界を磁気抵抗効果膜6に印加した状態
で、磁気記録媒体からの信号磁界を受ける。磁気抵抗効
果膜6に信号磁束が入ると、磁気抵抗効果膜6の磁化が
磁束入射方向に回転し、これによって磁気抵抗効果膜6
の抵抗が変化する。電流リード端子8においてこの抵抗
変化に対応した電圧変化を検出することで、該磁気記録
媒体に記録された信号を読み取ることができる。
【0011】上述したように、磁気抵抗効果膜6にはN
i,Feからなる多層膜を使用しており、該多層膜のρ
は同組成比の合金膜の値よりも低く、Δρは逆にやや高
い。したがって、従来の合金膜を使用したMRヘッドと
同一密度のセンス電流を本実施例によるMRヘッドに流
した場合、本実施例によるMRヘッドの出力は従来のも
のより高くなり、通電寿命も伸びる。寿命が伸びるの
は、ρが低いので電流による発熱量が低くなりエレクト
ロマイグレーションの進行が緩やかになるためである。
このため本実施例によるMRヘッドには、従来のMRヘ
ッドよりも高密度のセンス電流を流すことが可能であ
り、これによって大幅な出力の増大が期待できる。すな
わち、本実施例によるMRヘッドによれば従来のMRヘ
ッドよりも大幅な出力増大の効果がある。
【0012】実施例2 本実施例によるMRヘッドでは、磁気抵抗効果膜6とし
て、上記実施例1で用いたNi,Fe多層膜に代えてN
i,Coからなる多層膜を使用したものであり、その他
の構成は実施例1のMRヘッド11と全く同様である。
なお、Ni層とCo層の積層の順番は、上記実施例1に
示したNi,Fe多層膜のように、まず第1層目として
Ni層を積層し、次いでCo層を、その後Ni層、Co
層の順に積層してなる。また、全Ni層と全Co層の重
量比は75:25としたが、50:50から85:15
の間にあればとくに問題はない。さらに、本多層膜の場
合もNi層とCo層とが互いにエピタキシャル的な成長
をしていることが必要で、このために蒸着法で作製する
場合は蒸着時真空度を10~7Torr以下に設定し、ス
パッタリング法などで作製する場合は到達真空度を10
~7Torr以下に設定した上、純度5N以上のスパッタ
リングガスを使用する必要がある。
【0013】このようにして作製した本実施例によるM
Rヘッドの動作原理は上記実施例1のMRヘッド11と
全く同様であり、全く同様の効果が期待できる。
【0014】実施例3 本実施例によるMRヘッドでは、磁気抵抗効果膜6とし
て、上記実施例1で用いたNi,Fe多層膜に代えて、
Ni,Fe、元素Mの3種類の層からなる多層膜を使用
したものである。元素Mとしては、Co,Cr,Mn,
Cu,Moのいずれかの元素を用い、その他の構成は全
く実施例1のMRヘッド11と同様である。なお、Ni
層、Fe層、M層の積層の順番は、上記実施例1に示し
たNi,Fe多層膜のように、まず第1層目にNi層を
積層し、その後Fe層、M層、Fe層とし、全体ではN
i/Fe/M/Feの積層構造を一周期とするような積
層周期構造にしたものである。このような積層周期構造
にしたことによって、異方性磁気抵抗効果とともにいわ
ゆる巨大磁気抵抗効果も加わる結果になり、上記実施例
1,2のヘッドより大幅な出力の増大が期待できる。な
お、全Ni層と全Fe層の重量比は70:30から9
0:10の間に設定し、この重量比になるように各々の
膜厚を設定している。一方、M層の膜厚は0.5〜5n
mの間の適当な値に設定した。さらにまた、本多層膜の
場合もNi層とFe層とが互いにエピタキシャル的な成
長をしていることが必要で、望ましくはM層もFe層と
の間でもエピタキシャル的な成長をしているのがよい
が、このために蒸着法で作製する場合は蒸着時真空度を
10~7Torr以下に設定し、スパッタリング法などで
作製する場合は到達真空度を10~7Torr以下に設定
した上、純度5N以上のスパッタリングガスを使用する
必要がある。
【0015】さて、このようにして作製した本実施例に
よるMRヘッドの動作原理は、上記実施例1のMRヘッ
ド11と同様であるが、本実施例によればいわゆる巨大
磁気抵抗効果も加わることになるので、上記実施例1,
2のMRヘッドより大幅に出力を増大できる効果があ
る。但し、本実施例によるMRヘッドでは、異方性磁気
抵抗効果と巨大磁気抵抗効果を加わて有効に出力の増大
を図るために、MR素子は、図4に示すようにセンス電
流の方向と信号磁束の方向とが平行となるようにMR膜
を媒体に対して垂直になるように加工し、導体をその両
端に設けた構造とする必要がある。
【0016】実施例4 本実施例によるMRヘッドでは、磁気抵抗効果膜6とし
て、上記実施例2で用いたNi,Co多層膜に代えて、
Ni,Co、元素Mの3種類の層からなる多層膜を使用
したものである。元素Mとしては、Fe,Cr,Mn,
Cu,Moのいずれかの元素を用い、その他の構成は全
く実施例1のMRヘッド11と同様である。なお、Ni
層、Co層、M層の積層の順番は、上記実施例1に示し
たNi,Fe多層膜のように、まず第1層目にNi層を
積層し、その後Co層、M層、Co層とし、全体ではN
i/Co/M/Coの積層構造を一周期とするような積
層周期構造にしたものである。このような積層周期構造
にしたことによって、異方性磁気抵抗効果とともにいわ
ゆる巨大磁気抵抗効果も加わる結果になり、上記実施例
1,2のヘッドより大幅な出力の増大が期待できる。な
お、全Ni層と全Co層の重量比は50:50から8
5:15の間に設定し、この重量比になるように各々の
膜厚を設定している。一方、M層の膜厚は0.5〜5n
mの間の適当な値に設定した。さらにまた、本多層膜の
場合もNi層とFe層とが互いにエピタキシャル的な成
長をしていることが必要で、望ましくはM層もFe層と
の間でもエピタキシャル的な成長をしているのがよい
が、このために蒸着法で作製する場合は蒸着時真空度を
10~7Torr以下に設定し、スパッタリング法などで
作製する場合は到達真空度を10~7Torr以下に設定
した上、純度5N以上のスパッタリングガスを使用する
必要がある。
【0017】さて、このようにして作製した本実施例に
よるMRヘッドの動作原理は、上記実施例1のMRヘッ
ド11と同様であるが、本実施例によればいわゆる巨大
磁気抵抗効果も加わることになるので、上記実施例1,
2のMRヘッドより大幅に出力を増大できる効果があ
る。但し、本実施例によるMRヘッドでは、異方性磁気
抵抗効果と巨大磁気抵抗効果を加わて有効に出力の増大
を図るために、MR素子は、上記実施例3の図4に示し
たように、やはりセンス電流の方向と信号磁束の方向と
が平行となるようにMR膜を媒体に対して垂直になるよ
うに加工し、導体をその両端に設けた構造とする必要が
ある。
【0018】
【発明の効果】本発明によるMRヘッドでは、上述した
ように磁気抵抗効果膜6としてNi,FeないしはC
o、さらには元素Mからなる多層膜を使用する。該多層
膜のρは従来のNi−FeないしはNi−Co合金膜か
らなる磁気抵抗効果膜のρよりも低く、Δρは逆にやや
高い。このため、これら従来の磁気抵抗効果膜を使用し
たMRヘッドと比較して、同一密度のセンス電流を流し
た場合には通電寿命が大幅に伸びる、と同時により高い
出力が得られるという効果がある。また、このように通
電寿命が伸びるのは、ρが低いためセンス電流による発
熱量が低くエレクトロマイグレーションの進行が緩やか
になることによっている。したがって本発明によるMR
ヘッドでは、従来のMRヘッドよりも高密度のセンス電
流を流すことが可能であり、電流による出力の大幅な増
大ができる。さらに、Ni,FeないしはCo、および
元素Mからなる多層膜では、通常の異方性磁気抵抗効果
に加えて巨大磁気抵抗効果の分も出力に寄与することに
なるので、これによるさらに大幅な出力の増大が可能で
きる。すなわち、本発明によるMRヘッドでは、大幅な
出力増大効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気抵抗効果型ヘッドの平面図な
らびに断面図である。
【図2】Ni層およびFe層の多層膜からなる磁気抵抗
効果膜の拡大断面図である。
【図3】本発明による多層膜のρ、Δρ、Δρ/ρの層
数に対する依存性を示す図である。
【図4】本発明の一実施例によるMRヘッドにおけるM
R素子の平面図である。
【符号の説明】
1…基板、 2…絶縁層、 3…軟磁性膜、 4…下部絶縁膜、 5…反強磁性膜、 6…磁気抵抗効果膜、 7…シャント膜、 8…電流リード端子、 9…上部絶縁層、 10…軟磁性膜、 11…MRヘッド部、 12…絶縁膜。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体からの信号磁束を読み取るた
    めの強磁性体からなる磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効
    果膜にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加
    手段と、該磁気抵抗効果膜の磁区構造を制御するための
    磁区構造制御手段と、該磁気抵抗効果膜へセンス電流を
    印加するための手段と、さらに、上部および下部一対の
    磁気シールド層とを備えてなる磁気抵抗効果型ヘッドに
    おいて、上記磁気抵抗効果膜がNiとFeとの多層膜か
    ら成り、かつ該多層膜の第一層目がNi層であると同時
    に、全Ni層と全Fe層の重量比が70:30から9
    0:10の間にあることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッドにお
    いて、NiとFeとの多層膜からなる上記磁気抵抗効果
    膜のNi層とFe層が、互いにエピタキシャル的な成長
    をして成ることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】磁気記録媒体からの信号磁束を読み取るた
    めの強磁性体からなる磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効
    果膜にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加
    手段と、該磁気抵抗効果膜の磁区構造を制御するための
    磁区構造制御手段と、該磁気抵抗効果膜へセンス電流を
    印加するための手段と、さらに上部および下部一対の磁
    気シールド層とを備えてなる磁気抵抗効果型ヘッドにお
    いて、該磁気抵抗効果膜がNiとFeと元素Mから成る
    多層膜であって、MがCo,Cr,Mn,Cu,Moの
    いずれかの元素から成り、かつ該多層膜の第一層目がN
    i層であると同時に、全Ni層と全Fe層の重量比が7
    0:30から90:10の間にあることを特徴とする磁
    気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】請求項3記載の磁気抵抗効果型ヘッドにお
    いて、NiとFeと元素Mの多層膜から成る磁気抵抗効
    果膜が、Ni/Fe/M/Feの積層構造を一周期とす
    る積層周期構造から成ることを特徴とする磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  5. 【請求項5】請求項3又は請求項4記載の磁気抵抗効果
    型ヘッドにおいて、NiとFeと元素Mの多層膜からな
    る上記磁気抵抗効果膜のNi層とFe層とM層が、互い
    にエピタキシャル的な成長をしていることを特徴とする
    磁気抵抗効果型ヘッド。
  6. 【請求項6】磁気記録媒体からの信号磁束を読み取るた
    めの強磁性体からなる磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効
    果膜にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加
    手段と、該磁気抵抗効果膜の磁区構造を制御するための
    磁区構造制御手段と、該磁気抵抗効果膜へセンス電流を
    印加するための手段と、さらに、上部および下部一対の
    磁気シールド層とを備えてなる磁気抵抗効果型ヘッドに
    おいて、該磁気抵抗効果膜がNiとCoとの多層膜から
    成り、かつ該多層膜の第一層目がNi層であると同時
    に、全Ni層と全Co層の重量比が50:50から8
    5:15の間にあることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】請求項6記載の磁気抵抗効果型ヘッドにお
    いて、NiとCoとの多層膜からなる上記磁気抵抗効果
    膜のNi層とCo層が、互いにエピタキシャル的な成長
    をして成ることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  8. 【請求項8】磁気記録媒体からの信号磁束を読み取るた
    めの強磁性体からなる磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効
    果膜にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加
    手段と、該磁気抵抗効果膜の磁区構造を制御するための
    磁区構造制御手段と、該磁気抵抗効果膜へセンス電流を
    印加するための手段と、さらに上部および下部一対の磁
    気シールド層とを備えてなる磁気抵抗効果型ヘッドにお
    いて、該磁気抵抗効果膜がNiとCoと元素Mから成る
    多層膜であって、MがFe,Cr,Mn,Cu,Moの
    いずれかの元素から成り、かつ該多層膜の第一層目がN
    i層であると同時に、全Ni層と全Co層の重量比が5
    0:50から85:15の間にあることを特徴とする磁
    気抵抗効果型ヘッド。
  9. 【請求項9】請求項8記載の磁気抵抗効果型ヘッドにお
    いて、NiとCoと元素Mの多層膜から成る該磁気抵抗
    効果膜が、Ni/Co/M/Coの積層構造を一周期と
    する積層周期構造から成ることを特徴とする磁気抵抗効
    果型ヘッド。
  10. 【請求項10】請求項8又は請求項9記載の磁気抵抗効
    果型ヘッドにおいて、NiとCoと元素Mの多層膜から
    なる上記磁気抵抗効果膜のNi層とCo層とM層が、互
    いにエピタキシャル的な成長をしてなることを特徴とす
    る磁気抵抗効果型ヘッド。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100394450C (zh) * 2002-10-26 2008-06-11 深圳市华夏磁电子技术开发有限公司 自旋阀巨磁电阻及含有该巨磁电阻的验钞机磁头传感器

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CN100394450C (zh) * 2002-10-26 2008-06-11 深圳市华夏磁电子技术开发有限公司 自旋阀巨磁电阻及含有该巨磁电阻的验钞机磁头传感器

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