JPH0612587A - 定期送信機能を備えたセキュリティーワイヤレスシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 定期送信機能を備えたワイヤレス送信器を使
用している他のワイヤレスセキュリティーシステムとの
混信を生じた場合にも、送信不能となったワイヤレス送
信器を見落とすという事態を未然に防止する。 【構成】 定期送信機能を備えたセキュリティーワイヤ
レスシステムにおいて、ワイヤレス送信器から電波信号
の形で発信されるセキュリティー信号が、識別コードに
よって、異常を検知したときなどに発信されるアラーム
信号と、上記所定の繰り返し周期で発信される診断信号
とに区別できるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、定期送信機能を備えたワイヤレ
スセキュリティーシステムの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、微弱電波を利用したセキュリティ
ーワイヤレスシステムが開発され使用されるようになっ
て来た。このようなシステムでは、図４に示したよう
に、個々のワイヤレス送信器１００，１００’を防犯セ
ンサーＳａや火災センサーなどの防災センサーＳｂなど
に付加し、これらのセンサーＳａ，Ｓｂが異常を検知し
たときに、対応したワイヤレス送信器１００，１００’
からセキュリティー信号を電波信号の形で発信させ、共
通のワイヤレス受信器２００で受信処理して、警報を発
したり、必要な外部機器を作動する構成となっている。

【０００３】ところで、このようなワイヤレスセキュリ
ティーシステムに使用されるワイヤレス送信器として
は、センサーが異常を検知するなどしたときに、セキュ
リティー信号を１回だけ発信させるもの（単発発信タイ
プ）や、所定回数連続発信させるもの（連続発信タイ
プ）の他に、センサーが異常信号を出力している限り、
所定の周期Ｔでセキュリティー信号を繰返し発信するも
の、更には、センサーの異常検知とは無関係に、ワイヤ
レス送信器から所定の繰り返し周期で診断信号を発信し
て、受信器側で電池切れなどによる送信不能の状態を監
視できるようにした定期送信機能を備えたワイヤレス送
信器も開発されている。

【０００４】このような定期送信機能を備えたワイヤレ
スセキュリティーシステムは、共通のワイヤレス受信器
に対して、複数のワイヤレス送信器を組合わせ、個々の
ワイヤレス送信器からは、付加したセンサーなどが異常
を検知したり、ワイヤレス送信器の発信スイッチを操作
したりしない通常時においても、一定の繰り返し周期で
ワイヤレス受信器にセキュリティー信号を診断信号とし
て発信しており、このようにして発信されて来るセキュ
リティー信号の有無をワイヤレス受信器側で受信判別し
て、システム内における機能しなくなったワイヤレス送
信器を常時監視して、警報を発する構成（スーパーバイ
ズ機能）となっている。

【０００５】ところで、従来のこのようなワイヤレスセ
キュリティーシステムにおいては、個々のワイヤレス送
信器は、異常を検知したとき発信するアラーム信号と、
定期送信のために発信される診断信号の各々は、いずれ
もワイヤレス送信器を識別するためのＩＤコードは付加
されてはいるものの、その同一のＩＤコードにセンサー
の状態信号を付加したセキュリティー信号としてワイヤ
レス受信器側に発信している。このため、ワイヤレス受
信器側では、セキュリティー信号を発信したワイヤレス
送信器は識別できても、異常発生時のアラーム信号なの
か、定期送信のための診断信号として発信して来たのか
が判別できないものであった。

【０００６】このため、従来のシステムでは、次のよう
な問題を生じている。すなわち、同じようなワイヤレス
システムを近接して使用した場合、ワイヤレス送信器に
付加されたＩＤコードがたまたま一致したものである
と、ワイヤレス受信器側では、監視対象外のワイヤレス
送信器からのセキュリティー信号を受信し処理してしま
い、スーパーバイズ機能が減殺される。

【０００７】また、ワイヤレス送信器には、異常発生時
にのみセキュリティー信号を単発したり、複数回だけ連
続送信するものがあるが、このようなワイヤレス送信器
をシステム内に含んでいる場合には、ワイヤレス送信器
が異常を検知した時に外乱ノイズなどが発生してしまう
と、ワイヤレス受信器ではセキュリティー信号は受信で
きず、そのため次の診断信号を受信するまで、異常に対
する処置が遅れてしまう。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
改善するためになされたものであり、その目的とすると
ころは、ワイヤレスシステムが近接して存在している場
合にも、混信による誤動作や、定期送信監視の見落とし
の少ない定期送信機能を備えたワイヤレスセキュリティ
ーシステムを提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に提案される本発明は、異常を検知するなどしたとき
に、セキュリティー信号を電波信号の形で発信する複数
のワイヤレス送信器と、これらのワイヤレス送信器から
発信されたセキュリティー信号を受信するワイヤレス受
信器とを組み合わせて構成され、上記複数のワイヤレス
送信器からは、異常を検知するなどしないときにも所定
の繰り返し周期で、診断信号が発信されるようにした定
期送信機能を備えたセキュリティーワイヤレスシステム
において、上記ワイヤレス送信器から電波信号の形で発
信されるセキュリティー信号が、識別コードによって、
異常を検知したときなどに発信されるアラーム信号と、
上記所定の繰り返し周期で発信される診断信号とに区別
できるようにしたことを特徴としている。

【００１０】

【作用】本発明システムによれば、ワイヤレ受信器側で
は、受信したセキュリティー信号からアラーム信号と定
期送信のための診断信号との識別ができるので、監視対
象にしているワイヤレス送信器から発信された定期送信
のための診断信号が、所定の繰り返し周期内で重複して
検知されたときには、他のワイヤレスシステムのワイヤ
レス送信器からのセキュリティー信号が混信しているこ
とを早期に判別できるので、システムの誤動作を生じに
くくし、信頼性を向上できる。

【００１１】

【実施例】以下に添付図を参照して、本発明の実施例を
説明する。図１は、本発明システムおいて使用されるワ
イヤレス送信器の基本構成をブロック図をもって示すも
のである。図において、１は電波信号を発信するための
アンテナ１ａを有したフロントエンド部、２はフロント
エンド部１を予め設定された繰り返し周期で駆動するス
ーパーバイズタイマ回路、３はセンサーからの異常信号
や発信スイッチＳＷからの発信指令信号など受けたと
き、後述する信号コード発生回路４にアラーム信号を送
出させる信号処理部、５はワイヤレス送信器Ａに割り当
てられるＩＤコードを設定するためＩＤコード設定器で
ある。

【００１２】ここに、信号コード発生回路４では、ＩＤ
コード設定器５によって設定されたＩＤコードに、信号
処理部３から送出されるセンサー信号や、スーパーバイ
ズタイマ回路２から送出される診断信号をデータとして
付加して構成されたセキュリティーデータが生成される
ようになっている。このような構成の本発明ワイヤレス
発信器によれば、付加接続したセンサー（不図示）が異
常信号を出力するなどすると、信号処理部３が作動され
てスーパーバイズタイマ回路２を直ちに起動し、フロン
トエンド部１を作動するが、このとき、信号コード発生
回路４は、信号処理部３より送出されたアラーム信号を
データとして取り込んで、ＩＤコードに付加させたセキ
ュリティーデータを生成するので、フロントエンド部１
のアンテナ１ａからは、アラーム信号をデータとして取
り込んだセキュリティー信号が発信される。

【００１３】一方、スーパーバイズタイマ回路２は、定
期送信を行うため、予め設定された周期で、フロントエ
ンド部１を作動しており、このとき信号コード発生回路
４には診断信号が送出されるので、信号コード発生回路
４は、診断信号をデータとして取り込んだセキュリティ
ーデータを生成する。この結果、フロントエンド部１の
アンテナ１ａからは、診断信号をデータとして取り込ん
だセキュリティー信号が発信される図２は、信号コード
発生回路４によって生成されるセキュリティーデータの
フォーマットを示している。

【００１４】１９ビットのＩＤコードに、データが付加
されて１フレームが構成されており、データ内の２つの
ビットＲＯ，Ｒ１の組合せを変えることによって、異常
発生時のアラーム信号と定期送信のための診断信号が識
別できるようになっている。図３は、本発明システムに
おける基本動作を、従来システムとの比較において示し
た図である。

【００１５】図３のａ）は監視中のシステム内における
ワイヤレス送信器の発信動作、図３のｂ）は監視対象外
とされたシステム内におけるワイヤレス送信器の発信動
作を示しており、Ａはセンサーの異常時などに発信され
るアラーム信号を含んだセキュリティー信号、Ｓは定期
送信のために発信される診断信号を含んだセキュリティ
ー信号を示し、Ｔｏは定期送信の繰り返し発信周期を示
している。いずれのワイヤレス送信器から発信されるＩ
Ｄコードは同一であるものと想定している。

【００１６】このような状況下において、ワイヤレス送
信器から発信されたセキュリティー信号をワイヤレス受
信器で受信する場合、従来のシステムでは図３のｃ）に
示したように、アラーム信号Ａと診断信号Ｓが区別でき
ないため、監視対象外のワイヤレス送信器から発信され
たセキュリティー信号Ｓ’を監視中のシステム内のワイ
ヤレス送信器からの発信された診断信号として判断して
しまうことがあり（このとき、センサーは異常を示して
いない）、このため、電池切れなどによって監視中のシ
ステム内に送信不能となったワイヤレス送信器が生じて
いても発見できず、システムの信頼性を損ねる結果とな
ってしまうが、本発明システムによれば、図３のｄ）に
示したように、ワイヤレス送信器から発信されるセキュ
リティー信号は、アラーム信号Ａと診断信号Ｓが識別で
きるので、ワイヤレス送信器からの定期送信の周期がズ
レたり、正しい周期Ｔｏの間に、セキュリティー信号
Ｓ’が割り込んで来たような場合には、近接するシステ
ムのワイヤレス送信器から発信された診断信号として判
別できるので、送信不能となったワイヤレス送信器を見
落とすという事態が未然に防止できる。

【００１７】

【発明の効果】本発明のセキュリティーワイヤレスシス
テムによれば、異常発生時などにアラーム信号として発
信されるセキュリティー信号と、定期送信のために診断
信号として発信されるセキュリティー信号とが、受信器
側ではＩＤコードに付加されたデータを判別することに
よって識別できるので、近接するワイヤレスシステム内
のワイヤレス送信器が同じＩＤコードを有したセキュリ
ティー信号を発信しても、監視対象となるワイヤレス送
信器からの定期送信をチェックしていれば、システム内
とシステム外からのワイヤレス送信器から発信された診
断信号との区別ができるので、システム内のワイヤレス
送信器が送信不能の事態になっても、これを見落とすと
いう誤判断が未然に防止できる。

【００１８】また、同一のＩＤコードをセキュリティー
信号に含んだワイヤレス送信器がシステム内に存在して
いても、監視対象となるワイヤレス送信器の定期送信の
周期をチェックしておれば、何台のワイヤレス送信器が
存在しているのかも、おおそ知ることが出来る。更に、
システム内の同一ＩＤコードをセキュリティー信号に含
んだワイヤレス送信器の発信によってシステムが誤動作
しても、短時間にその原因究明も容易に行える。などの
利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のワイヤレスセキュリティーシステムに
おいて使用されるワイヤレス送信器の内部構成を示した
ブロック図。

【図２】本発明において使用されるセキュリティー信号
のフォーマット説明図。

【図３】本発明システムと、従来システムにおけるセキ
ュリティー信号の発信状況を示した説明図。

【図４】セキュリティーワイヤレスシステムの基本概念
説明図。

【符号の説明】

Ａ・・・本発明のワイヤレス送信器 １・・・フロントエンド部 ２・・・スーパーバイズタイマ回路 ３・・・信号処理部 ４・・・信号コード発生回路 ５・・・ＩＤコード設定器 Ｓ・・・診断信号を含んだセキュリティー信号 Ａ・・・アラーム信号を含んだセキュリティー信号 Ｔｏ・・・定期送信周期

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 英明 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】異常を検知するなどしたときに、セキュリ
   ティー信号を電波信号の形で発信する複数のワイヤレス
   送信器と、これらのワイヤレス送信器から発信されたセ
   キュリティー信号を受信するワイヤレス受信器とを組み
   合わせて構成され、 上記複数のワイヤレス送信器からは、異常を検知するな
   どしないときにも所定の繰り返し周期で、診断信号が発
   信されるようにした定期送信機能を備えたセキュリティ
   ーワイヤレスシステムにおいて、 上記ワイヤレス送信器から電波信号の形で発信されるセ
   キュリティー信号が、識別コードによって、異常を検知
   したときなどに発信されるアラーム信号と、上記所定の
   繰り返し周期で発信される診断信号とに区別できるよう
   にしたことを特徴とする定期送信機能を備えたセキュリ
   ティーワイヤレスシステム。