JPH0612551Y2 - リングｅｃｔ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は、放射線検出の分野で利用される。

本考案は、放射性同位元素（ＲＩ）を投与された被検体
の周りに、検出器を多数放射状に配置して、被検体から
放出されるガンマ線を検出して、一定のデータ処理を経
て、その断層像を得る、リング形エミツシヨンＣＴに関
する。詳しくは、多数の検出器を放射状に配置して取付
ける検出器取付け具に関する。

(ロ)従来技術 一度に被検体からの情報をより多く得るために、通常、
検出器を複数列配置している場合が多く、より高い分解
能を得るために検出器１個当りの表面積を可能な限り、
小さく作り、数多く配列している。そのために、一列
（層）に１００個以上の検出器を装備することになり、
例えば、３列ともなると、３００〜５００個という多数
に達する。この多数の検出器を取付けるには、多大の時
間を費やし、また分解能を上げるためコリメータとの隙
間を可能な限り、小さく設定するために、同一円周上に
規則正しい配列が要求される。

(ハ)目的 本考案の目的は、短時間で効率よく、複数列により検出
器取付作業が進められ、しかも高い取付け精度が得られ
る、リングＥＣＴ装置を提供することである。これによ
り、分解能の高い画像が得られる。

(ニ)構成 前記した目的は、内面上に均等分割された多数の放射状
溝と位置規制用の１つの円周状当り突面部とが一体に成
形され、このような内面を互いに対向して連結されるよ
うにした２つのドーナツ状取付け基板と、一方側面部に
複数の切欠き部を設けこの切欠き部に個々の検出器ユニ
ットを嵌め込み固定させ１列上に複数の検出器ユニット
を保持できる多数のホルダと、前記両基板の対向する放
射状溝内に前記各ホルダをその下端が前記基板上の円周
状当り突面部に当接するまで嵌合した状態で各ホルダを
前記基板に固定する固定手段とを具備し、前記基板の円
周状当り突面部により多数の検出器ユニットが円周上に
規則正しく配列させることにより、達成される。

(ホ)実施例 本考案の好適な実施例は、図面に基いて説明される。

第１図は、リング形エミツシヨンＣＴ装置の全体配置図
である。１はガントリ部、２は被検体、３はベツド、４
はレール、５はコリメータカート、６と６′はコリメー
タである。

ガリント部１は、検出器を内部に備え、その検出器にロ
ーテーシヨン（回転）、ウオブリング（揺動）、テイル
テイング（傾斜）などの動きを与える駆動源を有する。
このガントリ部１内に被検体２を保持し、被検体２に上
下及び前後の動きを与え、必要なスライス位置まで送り
込むためのベツド３により位置設定をする。ガントリ部
１を基準にベツド３とは対面に配置され、ガントリ部１
と連結されたレール４に設けられた２本の溝に案内さ
れ、直線運動するコリメータカート５には、高感度用、
高分解能用等の用途に応じ、交換可能なコリメータ６、
６′が保持されており、必要に応じて、ガントリ部１と
連結して、コリメータ６、６′の交換を行なう。

第２図は、本考案による取付け基板７の内面をみた平面
図である。拡大部Ｃに示すように、多数の放射状溝１１
が刻設されており、また１つの円周状当り突面部11ａが
突設されている。この取付け基板７を２枚用意して、各
内面を対向させ、対向溝11、11′にあらかじめ複数の検
出器ユニツトを１列に保持した各ホルダ15が嵌合して、
ねじ12により取付けられるのであるが、その態様が第３
図以下に示されている。

第３図は、第１図において被検者２がガントリ部１内に
位置づけられたとき、Ａ部を紙面に向つてみた図面であ
る。そこで、８は基板７、７′の外側円周方向に複数個
配置される連結棒、10と10′は鉛板で、異方向から飛び
込んでくるガンマ線の検出器への進入を防ぐ。

第４図は、第３図のＢの矢視方向からみた平面図であ
る。ここで、ホルダ15は腹部に３つの切欠き部を設け
て、そこに検出ユニツト９を嵌着している。検出器ユニ
ツト９は、１列に並んでそれらの前面に抜け落ち防止用
の押え板16が当られ、固定されている。

なお、第５図は第３図の部分組立て斜視図である。

第６図では、検出器ユニツト９は、その後端面に、当た
り面としてフランジ部14を備えているのが好ましく、こ
の状態が示されており、検出器ユニツト９を配列させる
ための前記切欠き部を設けたホルダ15に添持されると共
に、フランジ面14で位置決めされている。

本考案の構成は、あらまし上記のようであるので、多数
のホルダ15について、あらかじめ各ホルダ15に複数の検
出器ユニツト９を一列に保持させた上で、両基板７、
７′の対向溝11、11′に各ホルダ15を嵌合して、その端
部が突面部11ａの段付き部と当接することにより位置決
めされ、ボルト12により各ホルダ15は次々と取付けられ
ていく。なお、ボルトの代わりに、圧縮ばねを用いたピ
ンが出入する構造物などを用いてもよい。

(ヘ)効果 本考案は、複数列を構成する複数個の検出器ユニツトを
１列上に各ホルダに取付ける作業が、プレフアブ式に任
意の場所で行なえるので、現場では短時間に効率よく、
高い配列精度で検出器を組立てできるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体配置説明図、第２図は本考案による取付け
基板の内面図、第３図は第１図のＡ部を紙面に向つてみ
た詳細図、第４図は第３図のＢ矢視方向平面図、第５図
は第３図の部分組立て斜視図、第６図は他の実施例部分
図である。 ７と７′は取付け基板、８は連結棒、９は検出器ユニツ
ト、10は鉛板、11と11′は放射状溝、11ａは円周状当り
突面部、15はホルダである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 島田 義明 京都府京都市中京区西ノ京桑原町１番地 株式会社島津製作所三条工場内 (72)考案者 牛尾 一幸 京都府京都市中京区西ノ京桑原町１番地 株式会社島津製作所三条工場内 (56)参考文献 実開 昭58−7291（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内面上に均等分割された多数の放射状溝と
   位置規制用の１つの円周状当り突面部とが一体に成形さ
   れ、このような内面を互いに対向して連結されるように
   した２つのドーナツ状取付け基板と、一方側面部に複数
   の切欠き部を設けこの切欠き部に個々の検出器ユニット
   を嵌め込み固定させ１列上に複数の検出器ユニットを保
   持できる多数のホルダと、前記両基板の対向する放射状
   溝内に前記各ホルダをその下端が前記基板上の円周状当
   り突面部に当接するまで嵌合した状態で各ホルダを前記
   基板に固定する固定手段とを具備し、前記基板の円周状
   当り突面部により多数の検出器ユニットが円周上に規則
   正しく配列されることを特徴とする、リング状ＥＣＴ装
   置。