JPH06125018A - 半導体素子用キャップ - Google Patents

半導体素子用キャップ

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JPH06125018A
JPH06125018A JP27601792A JP27601792A JPH06125018A JP H06125018 A JPH06125018 A JP H06125018A JP 27601792 A JP27601792 A JP 27601792A JP 27601792 A JP27601792 A JP 27601792A JP H06125018 A JPH06125018 A JP H06125018A
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JP
Japan
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cap
semiconductor element
polycrystalline diamond
diamond layer
semiconductor
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Withdrawn
Application number
JP27601792A
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English (en)
Inventor
Akira Sasame
彰 笹目
Yoshio Uetsuki
義夫 植月
Akira Otsuka
昭 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、従来に比べてより高い絶縁性およ
び熱放散性を有する半導体素子用キャップを提供するこ
とを目的とする。 【構成】 本発明では上記目的を達成するため、キャッ
プ母材1の少なくとも1表面上に多結晶ダイヤモンド層
(図示せず)を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体素子用キャッ
プに関し、特に、半導体素子を気密封止するための半導
体素子用キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子を気密封止するための
半導体素子用キャップが知られている。この半導体素子
用キャップを装着する目的は、半導体素子搭載部の気
密封止、リーク電流の防止、熱放散性の向上、の3
つがある。この3つの目的は用途によってそれぞれ必要
とされる目的が異なり以下の表1のように分類される。
【0003】
【表1】
【0004】上記表1を参照して、区分(A)〜(D)
に相当する構造を、図6〜図10に示す。すなわち、図
6〜図10は、従来の半導体素子用キャップを示した断
面図である。まず、図6を参照して、表1に示した区分
(A)の半導体素子用キャップは、セラミックまたは金
属からなる基板13上に設置された半導体素子12を覆
うように基板13上に設置されている。すなわちこの区
分(A)では、半導体素子用キャップとして、42アロ
イやコバールなどからなる金属キャップ11を用いてい
る。
【0005】次に、図7を参照して、表1に示した区分
(B)では、半導体素子用キャップとして、アルミナや
ムライトなどからなるセラミックキャップ14を用いて
いる。
【0006】次に、図8を参照して、表1に示した区分
(C)では、半導体素子用キャップとして、セラミック
キャップ14を用いている。そして、セラミックキャッ
プ14と半導体素子12とを半田または樹脂からなる接
合層15によって接合している。さらにセラミックキャ
ップ14上に冷却装置16が設置されている。
【0007】図9および図10を参照して、表1に示し
た区分(D)の半導体素子用キャップには、2つの種類
がある。そのうちの1つは、図9に示すように、一体型
のCu−Wなどからなるセラミックキャップ14を用い
たものである。このセラミックキャップ14と、基板1
3上に設置された半導体素子12とは半田または樹脂か
らなる接合層15によって接合されている。そして、セ
ラミックキャップ14上には冷却装置16が設置されて
いる。区分(D)の他の半導体キャップは、図10に示
すように、Cu−Wなどからなるセラミック板18とセ
ラミック板18の端部に取付けられた金属枠体17とか
らなる。基板13上に設置された半導体素子12とセラ
ミック板18とは半田または樹脂からなる接合層15に
よって接合されている。
【0008】このように、従来は用途に応じて種々の構
造の半導体素子用キャップが用いられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年の半導体素子の高
出力化および大型化が進行する中で、より高い信頼性が
要求される。具体的には、リーク電流の防止とより高い
熱放散性が要求される。図6を参照して、まず42アロ
イやコバールなどの金属からなる金属キャップ11を用
いる用途では、より高い熱放散性とより高い絶縁性が要
求されつつある。しかし、図6に示した従来の金属キャ
ップ11では、この要求を満足することは困難であっ
た。また、図7に示したアルミナ(Al2 3 )やムラ
イトなどからなるセラミックキャップ14では、本来の
高い絶縁性に加えてより高い熱放散性およびより高い気
密性が要求されている。しかし、図7に示したセラミッ
クキャップ14ではこの要求を満足することは困難であ
った。
【0010】さらに、図8に示した優れた絶縁性および
放熱性を有するAlNやSiC系のセラミックからなる
セラミックキャップ14では、さらに高い熱放散性が要
求されている。図9および図10に示したCu−WやC
u−Moからなるセラミックキャップ14やセラミック
板18についても熱放散性が要求されている。
【0011】また、高出力半導体装置において冷却装置
として水冷装置を用いるものでは、特に水冷に付随した
絶縁低下を防止するためにキャップと水冷装置との間に
AlNやSiCなどからなる高熱伝導性絶縁板を介在さ
せる必要がある。つまり、リーク電流を防止する絶縁対
策が必要となり高価となる。また、空冷タイプの冷却装
置では、冷却効率が悪いため、装置が大型化してしまう
という問題点があった。
【0012】さらに、半導体素子が□20mm以上に大
型化されると、より高い放熱性が要求される。特に半導
体素子と半導体素子用キャップとの接合部には、高い放
熱性が要求される。また、半導体素子と接合される半導
体素子用キャップでは、半導体素子との熱膨張率の整合
性が要求される。ところが、素子の大型化に伴って、A
lNやムライトなどの従来整合性の比較的良好とされて
いるセラミックス材料からなる半導体素子用キャップで
あっても、半導体素子との界面での歪や割れが生じてし
まうという問題点があった。
【0013】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、請求項1および2に記載の発明
の目的は、より高い絶縁性および放熱性を有するととも
に熱膨張率において半導体素子との整合性が得られる高
機能な半導体素子用キャップを提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1における半導体
素子用キャップは、半導体素子を気密封止するための半
導体素子用キャップであって、42アロイ、コバール、
Mo、W、CuW、CuMo、CuMoW、Si
3 4 、SiC、ムライト、AlN、BN、Al
2 3 、単結晶シリコンおよび多結晶シリコンからなる
群より選ばれた少なくとも1つの材料からなるキャップ
母材と、キャップ母材の少なくとも1表面上に被覆され
た多結晶ダイヤモンド層とを備えている。
【0015】請求項2における半導体素子用キャップ
は、42アロイ、コバール、Mo、W、CuW、CuM
o、CuMoW、Si3 4 、SiC、ムライト、Al
N、BN、Al2 3 、単結晶シリコンおよび多結晶シ
リコンからなる群より選ばれた少なくとも1つの材料か
らなるキャップ基板と、そのキャップ基板の少なくとも
1表面上に被覆された多結晶ダイヤモンド層と、キャッ
プ基板に取付けられた金属枠体とを備えている。
【0016】
【作用】請求項1に係る半導体素子用キャップでは、キ
ャップ母材の少なくとも1表面上に多結晶ダイヤモンド
層が被覆されているので、より高い絶縁性および熱放散
性が得られる。また、キャップ母材と半導体素子との接
合部において熱膨張率の整合性が改善される。これによ
り、半導体素子との接合部において割れや歪によるクラ
ックなどの損傷を有効に防止することができ長期間安定
した動作を行なうことができる。
【0017】請求項2に係る半導体素子用キャップで
は、キャップ基板の少なくとも1表面上に多結晶ダイヤ
モンド層が被覆されているので、そのキャップ基板によ
って絶縁性および熱放散性が向上される。また、半導体
素子とキャップ基板との接合部における熱膨張率の整合
性が改善される。これにより、半導体素子とキャップ基
板との整合部において割れや歪によるクラックなどの損
傷を有効に防止することができこの結果長期間にわたり
安定な動作を行なうことができる。
【0018】
【実施例】まず本発明の本質について説明する。図1は
一般的な一体型の半導体素子用キャップを示した概略図
であり、図2は一般的な複合型の半導体素子用キャップ
を示した概略図である。すなわち図1を参照して一体型
の半導体素子用キャップでは半導体素子用キャップ全体
がセラミックなどからなるキャップ母材1によって形成
されている。図2を参照して、複合型の半導体素子用キ
ャップは、セラミックなどからなるキャップ基板2とコ
バールなどからなる金属枠体3とによって構成されてい
る。本発明では図1に示した一体型の半導体素子用キャ
ップまたは図2に示した複合型の半導体素子用キャップ
において、一体型の半導体素子用キャップを構成するキ
ャップ母材1または複合型の半導体素子用キャップを構
成するキャップ基板2の少なくとも1表面上に多結晶ダ
イヤモンド層(図示せず)を被覆する。これにより、従
来と同じ構造で、容易に高い絶縁性と高い熱放散性を得
ることができる。さらに、半導体素子用キャップと半導
体素子とを半田付けによって接合する構造においては、
半導体素子用キャップの接合部表面に多結晶ダイヤモン
ドを被覆することによって半導体素子との熱膨張率の整
合性を向上することができる。これにより、半導体素子
が大型化した場合にも半導体素子と半導体素子用キャッ
プとの界面での歪や割れが生じることがなく半導体素子
と半導体素子用キャップとを半田付けによって接合する
ことができるので、生産が容易になるとともに生産コス
トを低下することができる。
【0019】なお、コバールや42アロイなどの低熱膨
張性金属製キャップを母材とする半導体素子用キャップ
では、以下のような方法によって多結晶ダイヤモンド層
を被覆する。すなわち、コバールなどからなる金属テー
プをプレスによってキャップ形状に成形した後または、
プレス成形以前の金属テープ状態で多結晶ダイヤモンド
層の被覆を行なう。
【0020】また、多結晶ダイヤモンドを被覆すること
によって熱放散性を向上できるため、空冷タイプの冷却
装置において、冷却フィンの表面積をより小さくでき、
この結果、装置を小型化できるなどの効果がある。ま
た、水冷タイプの冷却装置では、多結晶ダイヤモンド層
が絶縁層となるので、従来のような絶縁対策が不要とな
り、コストを低減することができる。
【0021】さらに、被覆した多結晶ダイヤモンド層上
に必要に応じてTi/Pt/Au、Ti/Mo/Auな
どの薄膜メタライズ処理を行なってもよい。
【0022】上記した本発明の本質に基づき以下のよう
な実施例を行なった。 (実施例1)キャビティ(空洞)を有する一体型半導体
素子用キャップの所定の表面上に多結晶ダイヤモンド層
をマイクロ波プラズマCVD法によって10時間かけて
成膜した。この成膜条件は以下のとおりである。
【0023】 原料ガス(流量) :H2 200sccm CH4 5sccm ガス圧力 :80Torr マイクロ波発振出力:600W 上記条件下で多結晶ダイヤモンド層を成膜すると、0.
1mmの厚みを有する多結晶ダイヤモンド層が被覆され
ていた。そして、半導体素子を搭載したセラミック多層
基板と半導体素子用キャップとを半田付けによって気密
封止した。また、半導体素子用キャップとシリコンから
なる半導体素子との間に約10μm程度の厚みを有する
高熱伝導性コンパウンド(銀フィラー、エポキシなど)
を介在させることによって半導体素子用キャップと半導
体素子とを接着した。そして、半導体素子を動作させて
熱抵抗を測定するとともにリーク電流の有無を導通テス
タによって調査した。なお、比較例として多結晶ダイヤ
モンド層が被覆されていないものの熱抵抗値およびリー
ク電流の有無を測定した。図3は、この実施例1に用い
られる半導体素子用キャップの大きさを示した概略図で
ある。そしてこのような大きさの半導体素子をキャップ
によって気密封止される半導体素子の大きさは□6mm
であった。
【0024】上記した熱抵抗値およびリーク電流の有無
の測定結果を以下の表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】上記表2を参照して、多結晶ダイヤモンド
層が被覆された半導体素子用キャップでは、熱抵抗値が
実用可能な0.60℃/W以下であることがわかる。ま
た、多結晶ダイヤモンド層が被覆された半導体素子用キ
ャップではリーク電流がないことがわかる。これに対し
て、多結晶ダイヤモンド層が被覆されていない半導体素
子用キャップでは、熱抵抗値が実用不可能な0.60℃
/W以上であるとともに、材料によってはリーク電流が
検出された。
【0027】(実施例2)実施例1と同じ成膜条件下
で、AlN−BN複合材からなる一体型の半導体素子用
キャップの半導体素子接着面側に0.1mmの膜厚を有
する多結晶ダイヤモンド層を成膜した。そして、半導体
素子を搭載したセラミック多層基板と半導体素子用キャ
ップとを半田付けによって気密封止した。比較例とし
て、多結晶ダイヤモンド層を被覆しないAlN−BN複
合材からなる一体型の半導体素子用キャップを形成し
た。そして、半導体素子の連続動作時間を測定した。図
4は、この実施例2における半導体素子用キャップの大
きさを示した概略図である。この場合の半導体素子の大
きさは□10mmであった。
【0028】上記のように連続動作時間を測定した結
果、多結晶ダイヤモンド層を被覆した半導体素子用キャ
ップでは、15000時間以上でさらに稼働を続けてい
るのに対して、多結晶ダイヤモンド層が被覆されていな
い半導体素子用キャップでは、4892時間で動作が停
止してしまった。
【0029】(実施例3)実施例1と同じ成膜条件下
で、Mo、W、CuW、CuMo、CuMoW、Al
N、SiCからなる一体型の半導体素子用キャップの所
定の表面上に多結晶ダイヤモンド層を0.2mmの膜厚
で成膜した。この実施例3で形成した半導体素子用キャ
ップの大きさは実施例2の図4に示した大きさと同じで
あり、半導体素子の大きさも実施例2と同じ□10mm
である。このような構造を形成した後実施例2と同様に
半導体素子の連続動作時間を測定した。なお、この実施
例3で用いたMo、W、CuW、CuMo、CuMo
W、AlN、SiCの熱伝導率はそれぞれ138W/m
K、163、210、185、206、180、200
であった。
【0030】上記のように測定した半導体素子の連続動
作時間を以下の表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】上記表3を参照して、多結晶ダイヤモンド
層が被覆された半導体素子用キャップでは、連続耐用時
間の規格値である10000時間以上をすべてがクリア
していることがわかる。これに対して、多結晶ダイヤモ
ンド層が被覆されていない半導体素子用キャップでは、
MoおよびWからなる半導体素子用キャップにおいて連
続耐用時間の規格値(10000時間)以下であること
がわかる。また、多結晶ダイヤモンド層が被覆された半
導体素子用キャップではリーク電流が検出されなかった
のに対して、多結晶ダイヤモンド層が被覆されていない
半導体素子用キャップではほとんどの材料でリーク電流
が検出された。
【0033】(実施例4)図5は、実施例4で作製した
半導体素子用キャップの形成方法を説明するための斜視
図である。図5を参照して、この実施例4の半導体素子
用キャップは、金属またはセラミックスからなるキャッ
プ基板4をコバールなどからなる金属枠5にAu−Si
からなる介在層によって接合する。具体的には、金属ま
たはセラミックスからなるキャップ基板4の両面にマイ
クロ波プラズマCVD法によって多結晶ダイヤモンド層
を被覆した。この被覆は以下のような条件で行なった。
【0034】 原料ガス(流量) :H2 400sccm C2 6 50sccm Ar 50sccm ガス圧力 :135Torr マイクロ波発振出力:800W 上記条件下で多結晶ダイヤモンド層を70時間合成する
ことによって、0.2mmの膜厚を有する多結晶ダイヤ
モンド層をキャップ基板4の両面に形成した。なお、こ
の実施例4のキャップ基板4の大きさは□10mm×1
mm(厚み)であった。このようなキャップ基板4の両
面に多結晶ダイヤモンド層を被覆した後、その多結晶ダ
イヤモンド層上にスパッタリング法を用いて0.2μm
の厚みを有するTi、0.5μmの厚みを有するPtお
よび3μmの厚みを有するAuを順次形成することによ
って3層化メタライズ処理を行なった。そして、Auメ
ッキ処理を施したコバールからなる金属枠5とキャップ
基板4とをAu−Siからなる介在層によって接合し
た。この後、□6mmの大きさを有するシリコンからな
る高出力半導体素子を多層セラミックス基板に搭載し
た。そして、その半導体素子とキャップ基板4との間に
30μmの厚みを有する銀フィラー・エポキシ樹脂を介
在させるとともに多層セラミックス基板のコバールリン
グ(Auメッキ処理を施したもの)と金属枠体5とをシ
ーム溶接機によって気密封止させた。
【0035】なお、比較例として、図5に示した構造に
おいてキャップ基板4に多結晶ダイヤモンド層を被覆し
ないで3層化メタライズ処理を施した半導体素子用キャ
ップを作製した。
【0036】上記のように形成した半導体素子用キャッ
プの熱抵抗値およびリーク電流の有無を測定した。この
結果を以下の表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】上記表4を参照して、多結晶ダイヤモンド
層を被覆した半導体素子用キャップは、実用可能限度の
熱抵抗値である0.4℃/W以下の熱抵抗値を有するこ
とがわかる。そして多結晶ダイヤモンド層を被覆した半
導体素子用キャップではリーク電流がないことがわか
る。これに対して、多結晶ダイヤモンド層を被覆してい
ない半導体素子用キャップでは、熱抵抗値が実用不可能
な0.4℃/W以上であることがわかった。さらに、多
結晶ダイヤモンド層を被覆していない半導体素子用キャ
ップでは、大部分の材料においてリーク電流が発生する
ことがわかった。
【0039】(実施例5)多結晶シリコンからなる一体
型の半導体素子用キャップを構成するキャップ母材と、
複合型の半導体素子用キャップを構成するキャップ基板
との所定の面に実施例4と同じ条件下で多結晶ダイヤモ
ンド層を析出させた。さらに、その多結晶ダイヤモンド
層を被覆した一体型半導体素子用キャップのキャビテ
ィ、表面および裏面と、複合型の半導体素子用キャップ
のキャップ基板の両面に、スパッタリング法を用いて
0.2μmの厚みを有するTi、0.5μmの厚みを有
するPtおよび3μmの厚みを有するAuによる薄膜メ
タライズ処理を施した。この後、複合型の半導体素子用
キャップを構成するキャップ基板には、Auメッキ処理
を施したコバールからなる金属枠体をAu−Siによっ
て接合した。これにより複合型半導体素子用キャップを
形成した。
【0040】多層セラミックス基板にシリコンからなる
半導体素子を搭載した後、上記した一体型半導体素子用
キャップまたは複合型半導体素子用キャップによって気
密封止を行なった。なお、この気密封止は多層セラミッ
クス基板のコバールリングと半導体素子用キャップとを
Au−Sn接合することによって行なった。また、半導
体素子と半導体素子用キャップとの間もAu−Sn接合
を行なった。
【0041】搭載する半導体素子の大きさを変えて、ヒ
ートサイクル(−65℃(30min)〜R・Ti(1
0min)〜+125℃(30min))を500サイ
クル行なった後、半導体素子を動作させた。比較例とし
て、シリコンの代わりにAlNまたはCuWからなる一
体型半導体素子用キャップおよび複合型半導体素子用キ
ャップを形成した。さらに比較例として、多結晶ダイヤ
モンド層を被覆しないシリコンからなる一体型の半導体
素子用キャップを形成した。そしてそれぞれの熱抵抗値
を測定した。その結果を以下の表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】上記表5を参照して、まず熱抵抗値の規格
値は、半導体素子の大きさによって異なる。すなわち、
□15mmの大きさでは0.6℃/W以下、□20mm
の大きさでは0.7℃/W以下、□25mmの大きさで
は0.7℃/W以下、□30mmの大きさでは0.7℃
/W以下である。この規格値を参照して、多結晶ダイヤ
モンド層を被覆していない一体型のシリコンからなる半
導体素子用キャップでは、すべての素子の大きさにおい
て規格値よりも高い値を示している。したがってこの半
導体素子用キャップは実用不可能である。これに対し
て、多結晶ダイヤモンドが被覆されたシリコンからなる
一体型半導体素子用キャップおよび複合型半導体素子用
キャップではすべて熱抵抗値の規格値以下であり、実用
可能であることがわかる。また、AlNおよびCuWか
らなる一体型および複合型の半導体素子用キャップであ
って、多結晶ダイヤモンドを被覆したものでは熱抵抗値
の規格値以下の熱抵抗値を示すことがわかった。なお、
AlNまたはCuWからなる一体型および複合型の半導
体素子用キャップであって動作しなかったものは、半導
体素子と半導体素子用キャップとの間の熱膨張率の差に
よってヒートサイクル試験において疲労破壊を起こした
ものと考えられる。この点から、半導体素子用キャップ
は半導体素子と同じ材料によって形成した方が熱膨張率
の整合性の点で好ましいことがわかる。
【0044】
【発明の効果】請求項1に係る半導体素子用キャップに
よれば、42アロイ、コバール、Mo、W、CuW、C
uMo、CuMoW、Si3 4 、SiC、ムライト、
AlN、BN、Al2 3 、単結晶シリコンおよび多結
晶シリコンからなる群より選ばれた少なくとも1つの材
料によってキャップ母材を形成し、そのキャップ母材の
少なくとも1表面上に多結晶ダイヤモンド層を被覆する
ことによって、従来に比べてより高い絶縁性および熱放
散性を有する半導体素子用キャップを提供することがで
きる。さらに、搭載される半導体素子と同一の材料によ
ってキャップ母材を形成することによって半導体素子と
キャップ母材との熱膨張率の整合性を向上させることが
できる。
【0045】請求項2に係る半導体素子用キャップによ
れば、42アロイ、コバール、Mo、W、CuW、Cu
Mo、CuMoW、Si3 4 、SiC、ムライト、A
lN、BN、Al2 3 、単結晶シリコンおよび多結晶
シリコンからなる群より選ばれた少なくとも1つの材料
によってキャップ基板を形成し、そのキャップ基板の少
なくとも1表面上に多結晶ダイヤモンド層を被覆し、そ
の多結晶ダイヤモンド層が被覆されたキャップ基板に金
属枠体を取付けることによって、従来に比べてより高い
絶縁性および熱放散性を有する半導体素子用キャップを
提供することができる。また、半導体素子と同一の材料
によってキャップ基板を形成することによって半導体素
子とキャップ基板との間の熱膨張率の整合性を向上させ
ることができ、この結果半導体素子とキャップ基板との
間の割れや歪によるクラックなどの損傷が生じなくな
り、長期間安定した動作を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な一体型半導体素子用キャップを示した
概略図である。
【図2】一般的な複合型半導体素子用キャップを示した
概略図である。
【図3】実施例1で形成した半導体素子用キャップの大
きさを説明するための概略図である。
【図4】実施例2で作製した半導体素子用キャップの大
きさを説明するための概略図である。
【図5】実施例4の半導体素子用キャップの形成方法を
説明するための斜視図である。
【図6】表1に示した区分(A)の従来の半導体素子用
キャップを説明するための概略図である。
【図7】表1に示した区分(B)の従来の半導体素子用
キャップを説明するための概略図である。
【図8】表1に示した区分(C)の従来の半導体素子用
キャップを説明するための概略図である。
【図9】表1に示した区分(D)の従来の一の半導体素
子用キャップを説明するための概略図である。
【図10】表1に示した区分(D)の従来の他の半導体
素子用キャップを説明するための概略図である。
【符号の説明】
1:キャップ母材 2:キャップ基板 3:金属枠体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子を気密封止するための半導体
    素子用キャップであって、 42アロイ、コバール、Mo、W、CuW、CuMo、
    CuMoW、Si3 4 、SiC、ムライト、AlN、
    BN、Al2 3 、単結晶シリコンおよび多結晶シリコ
    ンからなる群より選ばれた少なくとも1つの材料からな
    るキャップ母材と、 前記キャップ母材の少なくとも1表面上に被覆された多
    結晶ダイヤモンド層とを備えた、半導体素子用キャッ
    プ。
  2. 【請求項2】 半導体素子を気密封止するための半導体
    素子用キャップであって、 42アロイ、コバール、Mo、W、CuW、CuMo、
    CuMoW、Si3 4 、SiC、ムライト、AlN、
    BN、Al2 3 、単結晶シリコンおよび多結晶シリコ
    ンからなる群より選ばれた少なくとも1つの材料からな
    るキャップ基板と、 前記キャップ基板の少なくとも1表面上に被覆された多
    結晶ダイヤモンド層と、 前記キャップ基板に取付けられた金属枠体とを備えた、
    半導体素子用キャップ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6165816A (en) * 1996-06-13 2000-12-26 Nikko Company Fabrication of electronic components having a hollow package structure with a ceramic lid
JP2007234636A (ja) * 2006-02-27 2007-09-13 Kyocera Corp 蓋体およびそれを用いた電子装置
EP3213101B1 (en) * 2014-10-31 2022-05-18 General Electric Company Non-magnetic package and method of manufacture

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