JP2759777B2 - 半導体素子搭載部のセラミックの接合構造 - Google Patents
半導体素子搭載部のセラミックの接合構造Info
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- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/48—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
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- H01L2224/4809—Loop shape
- H01L2224/48091—Arched
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は半導体装置用セラミ
ック多層基板またはICパッケ−ジの半導体素子の搭載
部の接合構造に関し、特にGaAs、Ge、Si等の半
導体素子を収容する放熱能力の大きい超高速用多層基板
またはICパッケ−ジにおける前記接合構造に関する。 【0002】 【従来の技術】近時家電製品から産業機器に至るまで広
く半導体が使用されており、これら機器に対して小型軽
量(高密度実装)化、高速化、高出力化、高信頼性化の
要請は益々強くなり、用いられる半導体は高集積化、チ
ップサイズの増大、マルチモジュ−ル化或いは高出力化
の方向に進んでいる。 【0003】我々は、先に実開昭61−149336号
に示すように、熱放散性が良く、半導体素子との密着性
に優れ、高密度配線に適した超高周波、超高速用ピング
リッドアレイ(PGA)型ICパッケ−ジ用基板を開発
したが、これはパッケ−ジの半導体素子搭載部分にM
o、W、SiC、AlN等の高熱伝導材料を用い、他の
部分を結晶化ガラスで構成し、ろう付け又はガラス封着
したものであるが、ろう材はAl/Sb共晶ろう又はA
u/Si共晶ろうを使用しており、一層高温ろうでろう
付けされることが望ましい。その理由は高熱伝導体の上
に搭載される半導体素子は通常Au/Siの如く融点が
400℃以上の耐熱ろう材が用いられる為、パッケ−ジ
の他の接合部は当然それ以上の耐熱性を有することが望
まれるからであり、従来アルミナは融点が850℃の高
温ろう材であるAg/Cu共晶ろうを用いて端子部と金
具とを接合し、高い信頼性を得た実績がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明者等は低誘電
率、低温焼成セラミック多層基板またはICパッケ−ジ
の半導体素子を搭載するところに高温ろうで接合する方
法を鋭意研究したが、アルミナと同様な方法でAg/C
u(融点:850℃)を用いて接合すると高温ろうの固
着温度以下での両者の熱膨張差によって、クラックが入
り信頼性に欠けるものしか得られなかった。 【0005】アルミナセラミックを半導体素子を搭載す
るところに用いても、同様にクラックの発生が避けられ
ず、信頼性に欠けるものであった。 【0006】尚、ICパッケ−ジに於いて、内部に半導
体素子を装着するのに接合層を介して接着する部分をS
iC等から成る高熱伝導体で形成し、残部を結晶化ガラ
スで形成したものを焼結して一体化した基板を用いたも
のとして、既に特開昭61−168942号に提示して
いるが、高温ろう材を用いた接合ではないので、一層の
改良が求められる。 【0007】又、アルミナ、低温焼成セラミック多層基
板またはICパッケ−ジに於ける半導体素子を搭載する
部分を高熱伝導材料(例えばAlN、SiC等)を用い
て形成しておいて、従来の高温ろう材によりろう付けす
ると、この両者のいずれかに熱膨張差による応力歪みで
クラックが入って実用的なものは得られなかった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するために、如何にしたら熱膨張差により生ずる
応力を吸収させることができるかについて鋭意検討した
結果、高熱伝導材料と接合されるセラミックとの間に、
両者の熱膨張係数の略中間の熱膨張係数を有する間挿材
を介在させることにより、応力歪を緩和し、かつ反りを
少なくすることによりクラックを防止することができる
ことを見い出した。 【0009】すなわち、上記課題を解決するための請求
項1の発明は、アルミナ、ムライト、その他低温焼成ヤ
ラミック材料から成る半導体装置用セラミック多層基板
またはICセラミックパッケージ等における半導体素子
搭載部を、熱伝導率が40W/m・K以上のAlN、S
iC、BeO、BNから選ばれる少なくとも1種のセラ
ミック焼結体を用いて構成し、該セラミック焼結体と前
記半導体装置用セラミック多層基板またはICセラミッ
クパッケージの枠体とを接合する接合面間に、両被接合
部材の熱膨張係数の略中間の熱膨張係数を有するCu/
W系材料及びWよりなる群の中から選ばれる材料からな
る間挿材を介在させて、Ag/Cuろう材により接合し
て成ることを特徴とする半導体素子搭載部のセラミック
の接合構造を要旨とする。 【0010】 【0011】 【0012】また、この際、各基材厚みを熱膨張差に起
因する接合部の応力歪による反りを修正することができ
る程度に厚くすることにより、クラック発生の防止を一
層確実にすることができることを見い出した。但しこの
厚みは製品の形状により制限があり、最小限1.0mm
が有効である。 【0013】 【発明の実施の形態】本願の発明について、以下に図面
を参照しつつ説明する。AlNから成る高熱伝導材で形
成した基板(α:熱膨張係数=5×10-6/℃)とアル
ミナ(92〜99.5%)からなるパッケ−ジ枠体(α
=7.6〜8.1×10-6/℃)とを接合するに際し
て、従来は第2図に見るように、基板(1)の下面にメ
タライズ層(2)を設けると共に枠体(5)の上面にも
メタライズ層(4)を設けておいて、その間にAg/C
uろう材(3)を適用してろう付けをしていたが、熱膨
張差による反りやクラックが発生していた。 【0014】そこで、本発明に於いては第1図に見るよ
うに、基板(1)の下面にメタライズ層(2)を設ける
と共に枠体(5)の上面にもメタライズ層(4)を設け
ておいたものの両メタライズ層の間に、AlNとアルミ
ナのそれぞれの熱膨張係数の略中間の熱膨張係数を有す
る材料を間挿材(6)として介在させておいてからAg
/Cuろう材(3)でろう付けしたところ、両者に反り
やクラックの発生は認められなかった。 【0015】次に、反りやクラック等の発生のメカニズ
ムについて検討してみたところ、第3図に示すとおりで
あった。異なる熱膨張係数のα1 とα2 (α1 >α2 )
を有する二種類の材料を接合すると、第3図−(a)の
ように高温状態下で接合されたものが、室温になるまで
温度が下がって縮んだ結果、α1 の材料の引張り強度が
小さい場合には、α1 はα2 との熱膨張差に基づく収縮
応力に耐えられなくなって、第3図−(b)に見るよう
にクラックが発生し、又、両者が熱膨張差に基づく収縮
応力に耐えられる強度を有する場合には、熱膨張係数の
大きいα1側が大きく縮んで、第3図−(c)に見るよ
うに反りを発生することとなる。 【0016】このような反りとか素地のクラックの発生
を防止するためには、引張り強度の大きい材料を用いて
熱膨張差による応力歪みをくい止めることができる程度
に各基材を厚くしておくとか、又は、本発明のように熱
膨張係数がα1 とα2 のほぼ中間の値を有する材料を間
挿材として用いて接合して、両者の熱膨張差を吸収する
ことにより、反りやクラックの発生を防止することが必
要である。但し接合材(ろう材)としてAg等の展性の
ある材料を用いた方がよいことは当然である。ここに各
種材料の熱膨張係数αと熱伝導率Kを表示すれば以下の
とおりである。 【0017】 【表1】 【0018】 【実施例】以下に本発明の範囲の例を実施例として、ま
た本発明の範囲外の例を比較例として例示する。 【0019】比較例1 比較例1を図面を参照しながら説明する。第5図は従来
のパッケ−ジの1例で、半導体素子(11)を搭載する
ところは放熱性が高く電気伝導性のCu/W(12)を
介して蓋状のCu/W(10:90)(13)に接合さ
れ、Cu/W(13)の内側の端部はアルミナパッケ−
ジ(14)にメタライズ層(18)を介してAg/Cu
ろう(15)でろう付けされている。又、同パッケ−ジ
(14)には同じろう材(15)でろう付けにより、4
2アロイからなるリ−ド(16)が取り付けられてい
る。半導体素子(11)を搭載したアルミナパッケ−ジ
(14)に蓋部材(17)をろう材により気密封止して
半導体装置としたものである。このような構造では半導
体素子の搭載部がCu/Wからなるため重く、また絶縁
性に乏しいという問題がある。 【0020】比較例2 そこで、半導体素子の搭載部を前記Cu/Wに代えてA
lN、SiCを用いて従来と同様な方法により接合して
みたところ、軽量で絶縁性は良かったが、アルミナパッ
ケ−ジとAlN、SiCの両方にクラックが発生したの
で、このクラックの発生を防ぐべく鋭意努力した結果生
まれたのが本発明である。 【0021】実施例1 第4図に示すものは本発明の一実施例で、半導体素子
(11)を搭載する部分(22a)は全体にAlNまた
はSiCで構成し、これがアルミナパッケ−ジ(14)
と接合する面にメタライズ層(18)を設けると共にア
ルミナパッケ−ジ(14)側にもメタライズ層(18)
を設けて、Cu/W(10:90)からなる緩衝作用を
有する間挿材(23)を両接合面間に介在させてAg/
Cuろう材(15)によりろう付けしたものである。そ
の他の構成は第5図と同一部分には同一符号で示し説明
を省略してある。このような構造によるときは反りや貫
入、クラック等は発生しなかった。 【0022】尚、図には示してないが、本発明は、特開
昭61−196599号で開示した結晶化ガラスを用い
た多層回路基板や実開昭61−149336号で開示し
たピングリッドアレイ(PGA)型ICパッケ−ジにも
適用できることが可能なことは明らかである。 【0023】実施例2 又、更に高熱伝導部材としてCu(α=17.0×10
-6/℃)を用いると共に、パッケ−ジ部材として特開昭
59−92943号に示すようなSiO2 −Al2 O3
−MgO−ZnO−R2 O(R:アルカリ土類金属)及
び又はP2 O5(低温低膨張セラミック、α=2.5×
10-6/℃)を用い、間挿材としてW程度の熱膨張率
(α=4.5×10-6/℃)を有するものを介在させて
高温ろう材でろう付けすれば、クラックを発生すること
なく接合できる。因みにCuの如きものとセラミックを
接合する場合、従来はアルミナでは接合できても低温焼
成基板とは旨く接合できなかったことと対比すれば本発
明が優れていることが判る。 【0024】 【発明の効果】本発明によれば、半導体素子の搭載部
を、高熱伝導性であるAlN又はSiC等のセラミック
焼結体を用いて構成することが可能となり、該セラミ
ック焼結体と半導体装置用セラミック多層基板等との接
合面間に、両者の略中間の熱膨張係数を有するCu/W
系材料及びWよりなる群の中から選ばれる材料からなる
間挿材を介在させ、Ag/Cuろう材により接合するこ
とにより、気密性のある、クラックのない接合構造を提
供することができる。
ック多層基板またはICパッケ−ジの半導体素子の搭載
部の接合構造に関し、特にGaAs、Ge、Si等の半
導体素子を収容する放熱能力の大きい超高速用多層基板
またはICパッケ−ジにおける前記接合構造に関する。 【0002】 【従来の技術】近時家電製品から産業機器に至るまで広
く半導体が使用されており、これら機器に対して小型軽
量(高密度実装)化、高速化、高出力化、高信頼性化の
要請は益々強くなり、用いられる半導体は高集積化、チ
ップサイズの増大、マルチモジュ−ル化或いは高出力化
の方向に進んでいる。 【0003】我々は、先に実開昭61−149336号
に示すように、熱放散性が良く、半導体素子との密着性
に優れ、高密度配線に適した超高周波、超高速用ピング
リッドアレイ(PGA)型ICパッケ−ジ用基板を開発
したが、これはパッケ−ジの半導体素子搭載部分にM
o、W、SiC、AlN等の高熱伝導材料を用い、他の
部分を結晶化ガラスで構成し、ろう付け又はガラス封着
したものであるが、ろう材はAl/Sb共晶ろう又はA
u/Si共晶ろうを使用しており、一層高温ろうでろう
付けされることが望ましい。その理由は高熱伝導体の上
に搭載される半導体素子は通常Au/Siの如く融点が
400℃以上の耐熱ろう材が用いられる為、パッケ−ジ
の他の接合部は当然それ以上の耐熱性を有することが望
まれるからであり、従来アルミナは融点が850℃の高
温ろう材であるAg/Cu共晶ろうを用いて端子部と金
具とを接合し、高い信頼性を得た実績がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明者等は低誘電
率、低温焼成セラミック多層基板またはICパッケ−ジ
の半導体素子を搭載するところに高温ろうで接合する方
法を鋭意研究したが、アルミナと同様な方法でAg/C
u(融点:850℃)を用いて接合すると高温ろうの固
着温度以下での両者の熱膨張差によって、クラックが入
り信頼性に欠けるものしか得られなかった。 【0005】アルミナセラミックを半導体素子を搭載す
るところに用いても、同様にクラックの発生が避けられ
ず、信頼性に欠けるものであった。 【0006】尚、ICパッケ−ジに於いて、内部に半導
体素子を装着するのに接合層を介して接着する部分をS
iC等から成る高熱伝導体で形成し、残部を結晶化ガラ
スで形成したものを焼結して一体化した基板を用いたも
のとして、既に特開昭61−168942号に提示して
いるが、高温ろう材を用いた接合ではないので、一層の
改良が求められる。 【0007】又、アルミナ、低温焼成セラミック多層基
板またはICパッケ−ジに於ける半導体素子を搭載する
部分を高熱伝導材料(例えばAlN、SiC等)を用い
て形成しておいて、従来の高温ろう材によりろう付けす
ると、この両者のいずれかに熱膨張差による応力歪みで
クラックが入って実用的なものは得られなかった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するために、如何にしたら熱膨張差により生ずる
応力を吸収させることができるかについて鋭意検討した
結果、高熱伝導材料と接合されるセラミックとの間に、
両者の熱膨張係数の略中間の熱膨張係数を有する間挿材
を介在させることにより、応力歪を緩和し、かつ反りを
少なくすることによりクラックを防止することができる
ことを見い出した。 【0009】すなわち、上記課題を解決するための請求
項1の発明は、アルミナ、ムライト、その他低温焼成ヤ
ラミック材料から成る半導体装置用セラミック多層基板
またはICセラミックパッケージ等における半導体素子
搭載部を、熱伝導率が40W/m・K以上のAlN、S
iC、BeO、BNから選ばれる少なくとも1種のセラ
ミック焼結体を用いて構成し、該セラミック焼結体と前
記半導体装置用セラミック多層基板またはICセラミッ
クパッケージの枠体とを接合する接合面間に、両被接合
部材の熱膨張係数の略中間の熱膨張係数を有するCu/
W系材料及びWよりなる群の中から選ばれる材料からな
る間挿材を介在させて、Ag/Cuろう材により接合し
て成ることを特徴とする半導体素子搭載部のセラミック
の接合構造を要旨とする。 【0010】 【0011】 【0012】また、この際、各基材厚みを熱膨張差に起
因する接合部の応力歪による反りを修正することができ
る程度に厚くすることにより、クラック発生の防止を一
層確実にすることができることを見い出した。但しこの
厚みは製品の形状により制限があり、最小限1.0mm
が有効である。 【0013】 【発明の実施の形態】本願の発明について、以下に図面
を参照しつつ説明する。AlNから成る高熱伝導材で形
成した基板(α:熱膨張係数=5×10-6/℃)とアル
ミナ(92〜99.5%)からなるパッケ−ジ枠体(α
=7.6〜8.1×10-6/℃)とを接合するに際し
て、従来は第2図に見るように、基板(1)の下面にメ
タライズ層(2)を設けると共に枠体(5)の上面にも
メタライズ層(4)を設けておいて、その間にAg/C
uろう材(3)を適用してろう付けをしていたが、熱膨
張差による反りやクラックが発生していた。 【0014】そこで、本発明に於いては第1図に見るよ
うに、基板(1)の下面にメタライズ層(2)を設ける
と共に枠体(5)の上面にもメタライズ層(4)を設け
ておいたものの両メタライズ層の間に、AlNとアルミ
ナのそれぞれの熱膨張係数の略中間の熱膨張係数を有す
る材料を間挿材(6)として介在させておいてからAg
/Cuろう材(3)でろう付けしたところ、両者に反り
やクラックの発生は認められなかった。 【0015】次に、反りやクラック等の発生のメカニズ
ムについて検討してみたところ、第3図に示すとおりで
あった。異なる熱膨張係数のα1 とα2 (α1 >α2 )
を有する二種類の材料を接合すると、第3図−(a)の
ように高温状態下で接合されたものが、室温になるまで
温度が下がって縮んだ結果、α1 の材料の引張り強度が
小さい場合には、α1 はα2 との熱膨張差に基づく収縮
応力に耐えられなくなって、第3図−(b)に見るよう
にクラックが発生し、又、両者が熱膨張差に基づく収縮
応力に耐えられる強度を有する場合には、熱膨張係数の
大きいα1側が大きく縮んで、第3図−(c)に見るよ
うに反りを発生することとなる。 【0016】このような反りとか素地のクラックの発生
を防止するためには、引張り強度の大きい材料を用いて
熱膨張差による応力歪みをくい止めることができる程度
に各基材を厚くしておくとか、又は、本発明のように熱
膨張係数がα1 とα2 のほぼ中間の値を有する材料を間
挿材として用いて接合して、両者の熱膨張差を吸収する
ことにより、反りやクラックの発生を防止することが必
要である。但し接合材(ろう材)としてAg等の展性の
ある材料を用いた方がよいことは当然である。ここに各
種材料の熱膨張係数αと熱伝導率Kを表示すれば以下の
とおりである。 【0017】 【表1】 【0018】 【実施例】以下に本発明の範囲の例を実施例として、ま
た本発明の範囲外の例を比較例として例示する。 【0019】比較例1 比較例1を図面を参照しながら説明する。第5図は従来
のパッケ−ジの1例で、半導体素子(11)を搭載する
ところは放熱性が高く電気伝導性のCu/W(12)を
介して蓋状のCu/W(10:90)(13)に接合さ
れ、Cu/W(13)の内側の端部はアルミナパッケ−
ジ(14)にメタライズ層(18)を介してAg/Cu
ろう(15)でろう付けされている。又、同パッケ−ジ
(14)には同じろう材(15)でろう付けにより、4
2アロイからなるリ−ド(16)が取り付けられてい
る。半導体素子(11)を搭載したアルミナパッケ−ジ
(14)に蓋部材(17)をろう材により気密封止して
半導体装置としたものである。このような構造では半導
体素子の搭載部がCu/Wからなるため重く、また絶縁
性に乏しいという問題がある。 【0020】比較例2 そこで、半導体素子の搭載部を前記Cu/Wに代えてA
lN、SiCを用いて従来と同様な方法により接合して
みたところ、軽量で絶縁性は良かったが、アルミナパッ
ケ−ジとAlN、SiCの両方にクラックが発生したの
で、このクラックの発生を防ぐべく鋭意努力した結果生
まれたのが本発明である。 【0021】実施例1 第4図に示すものは本発明の一実施例で、半導体素子
(11)を搭載する部分(22a)は全体にAlNまた
はSiCで構成し、これがアルミナパッケ−ジ(14)
と接合する面にメタライズ層(18)を設けると共にア
ルミナパッケ−ジ(14)側にもメタライズ層(18)
を設けて、Cu/W(10:90)からなる緩衝作用を
有する間挿材(23)を両接合面間に介在させてAg/
Cuろう材(15)によりろう付けしたものである。そ
の他の構成は第5図と同一部分には同一符号で示し説明
を省略してある。このような構造によるときは反りや貫
入、クラック等は発生しなかった。 【0022】尚、図には示してないが、本発明は、特開
昭61−196599号で開示した結晶化ガラスを用い
た多層回路基板や実開昭61−149336号で開示し
たピングリッドアレイ(PGA)型ICパッケ−ジにも
適用できることが可能なことは明らかである。 【0023】実施例2 又、更に高熱伝導部材としてCu(α=17.0×10
-6/℃)を用いると共に、パッケ−ジ部材として特開昭
59−92943号に示すようなSiO2 −Al2 O3
−MgO−ZnO−R2 O(R:アルカリ土類金属)及
び又はP2 O5(低温低膨張セラミック、α=2.5×
10-6/℃)を用い、間挿材としてW程度の熱膨張率
(α=4.5×10-6/℃)を有するものを介在させて
高温ろう材でろう付けすれば、クラックを発生すること
なく接合できる。因みにCuの如きものとセラミックを
接合する場合、従来はアルミナでは接合できても低温焼
成基板とは旨く接合できなかったことと対比すれば本発
明が優れていることが判る。 【0024】 【発明の効果】本発明によれば、半導体素子の搭載部
を、高熱伝導性であるAlN又はSiC等のセラミック
焼結体を用いて構成することが可能となり、該セラミ
ック焼結体と半導体装置用セラミック多層基板等との接
合面間に、両者の略中間の熱膨張係数を有するCu/W
系材料及びWよりなる群の中から選ばれる材料からなる
間挿材を介在させ、Ag/Cuろう材により接合するこ
とにより、気密性のある、クラックのない接合構造を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の要部の接合構造を示す断面図。
【図2】 従来の接合構造の断面図。
【図3】 α1>α2の接合部分の変化状態を示す断面
図。 【図4】 本発明の一例を示す断面図。 【図5】 従来例を示す断面図。 【符号の説明】 1:AlN 2:メタライズ層 3:ろう材(Ag/Cu) 4:メタライズ層 5:アルミナ 6、23:間挿材 11:半導体素子 12:Cu/W 13:蓋状のCu/W 14:アルミナパッケ−ジ 15:ろう付けされたろう材 16:リ−ド 17:蓋部材 18:メタライズ層 22a:半導体素子の搭載部となるAlN又はSiC等
からなるセラミック部分
図。 【図4】 本発明の一例を示す断面図。 【図5】 従来例を示す断面図。 【符号の説明】 1:AlN 2:メタライズ層 3:ろう材(Ag/Cu) 4:メタライズ層 5:アルミナ 6、23:間挿材 11:半導体素子 12:Cu/W 13:蓋状のCu/W 14:アルミナパッケ−ジ 15:ろう付けされたろう材 16:リ−ド 17:蓋部材 18:メタライズ層 22a:半導体素子の搭載部となるAlN又はSiC等
からなるセラミック部分
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.アルミナ、ムライト、その他低温焼成ヤラミック材
料から成る半導体装置用セラミック多層基板またはIC
セラミックパッケージ等における半導体素子搭載部を、
熱伝導率が40W/m・K以上のAlN、SiC、Be
O、BNから選ばれる少なくとも1種のセラミック焼結
体を用いて構成し、該セラミック焼結体と前記半導体装
置用セラミック多層基板またはICセラミックパッケー
ジの枠体とを接合する接合面間に、両被接合部材の熱膨
張係数の略中間の熱膨張係数を有するCu/W系材料及
びWよりなる群の中から選ばれる材料からなる間挿材を
介在させて、Ag/Cuろう材により接合して成ること
を特徴とする半導体素子搭載部のセラミックの接合構
造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7276502A JP2759777B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 半導体素子搭載部のセラミックの接合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7276502A JP2759777B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 半導体素子搭載部のセラミックの接合構造 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13189286A Division JPS62290158A (ja) | 1986-06-09 | 1986-06-09 | 半導体素子塔載部のセラミツクの接合構造 |
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Patent Citations (1)
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