JPH06124728A - 高分子固体電解質 - Google Patents
高分子固体電解質Info
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- JPH06124728A JPH06124728A JP4271946A JP27194692A JPH06124728A JP H06124728 A JPH06124728 A JP H06124728A JP 4271946 A JP4271946 A JP 4271946A JP 27194692 A JP27194692 A JP 27194692A JP H06124728 A JPH06124728 A JP H06124728A
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- polymer
- solid electrolyte
- hydrogen bond
- high polymer
- polar
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Conductive Materials (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 極性高分子100重量部に対し、水素結合を
有する高分子を5〜100重量部含有させたマトリクス
ポリマーと、アルカリ金属塩とからなるか、または、極
性高分子と水素結合を有する高分子とを、望ましくは、
極性高分子に対する水素結合を有する高分子の厚さの比
が1:0.05〜1となるように、かつ、水素結合を有
する高分子の層を少なくとも2層有するようにストライ
プ構造に積層し、これにアルカリ金属塩をドープしてな
る高分子固体電解質。 【効果】 経時によってもその放電電流が低下せず、信
頼性が高い固体電解質電池が得られる。
有する高分子を5〜100重量部含有させたマトリクス
ポリマーと、アルカリ金属塩とからなるか、または、極
性高分子と水素結合を有する高分子とを、望ましくは、
極性高分子に対する水素結合を有する高分子の厚さの比
が1:0.05〜1となるように、かつ、水素結合を有
する高分子の層を少なくとも2層有するようにストライ
プ構造に積層し、これにアルカリ金属塩をドープしてな
る高分子固体電解質。 【効果】 経時によってもその放電電流が低下せず、信
頼性が高い固体電解質電池が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子固体電解質に関
し、詳しくはイオン伝導度が高く、充放電の繰り返しに
よっても電池の放電電流の低下を招くことがなく信頼性
の高い双イオン型高分子固体電解質に関する。
し、詳しくはイオン伝導度が高く、充放電の繰り返しに
よっても電池の放電電流の低下を招くことがなく信頼性
の高い双イオン型高分子固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質として、高分子固体電解質が
室温においても極めて高いイオン伝導度を示すことが知
られており、室温動作の電池への応用が期待されてい
る。この高分子固体電解質には、双イオン型とシングル
イオン型とがあり、双イオン型高分子固体電解質は、高
分子に金属塩を溶解させたものであり、カチオンとアニ
オンの両方が移動するものである。一方、シングルイオ
ン型高分子固体電解質は、高分子に−COO- M+ や−
SO3 -M+ 等の極性基をもたせたものであり、カチオン
のみが移動するものである。このシングルイオン型高分
子固体電解質はイオン伝導度が低いため、電池には通常
双イオン型高分子固体電解質が用いられている。
室温においても極めて高いイオン伝導度を示すことが知
られており、室温動作の電池への応用が期待されてい
る。この高分子固体電解質には、双イオン型とシングル
イオン型とがあり、双イオン型高分子固体電解質は、高
分子に金属塩を溶解させたものであり、カチオンとアニ
オンの両方が移動するものである。一方、シングルイオ
ン型高分子固体電解質は、高分子に−COO- M+ や−
SO3 -M+ 等の極性基をもたせたものであり、カチオン
のみが移動するものである。このシングルイオン型高分
子固体電解質はイオン伝導度が低いため、電池には通常
双イオン型高分子固体電解質が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、固体電解質
を電池に用いた場合、充放電に関与するのはカチオンの
みであるが、双イオン型高分子固体電解質では充放電時
にアニオンも移動してこのアニオンに偏りが生じる。こ
のため充放電中に電池の充放電電流が低下してくるとい
う問題があった。
を電池に用いた場合、充放電に関与するのはカチオンの
みであるが、双イオン型高分子固体電解質では充放電時
にアニオンも移動してこのアニオンに偏りが生じる。こ
のため充放電中に電池の充放電電流が低下してくるとい
う問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記の如き問題を解決
し、イオン伝導度が高く、充放電中において電池の充放
電電流の低下を招くことがなく信頼性の高い双イオン型
高分子固体電解質を提供することにある。
し、イオン伝導度が高く、充放電中において電池の充放
電電流の低下を招くことがなく信頼性の高い双イオン型
高分子固体電解質を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、充放電時に
固体電解質中でアニオンに偏りが生じるのを抑止するた
めに種々検討を重ねた結果、水素結合を有する高分子を
極性高分子に含有させてマトリクスポリマーを形成し、
あるいは極性高分子および水素結合を有する高分子を交
互に積層させてストライプ状ポリマーを形成して、該水
素結合を有する高分子にアニオンをトラップさせる構成
とすることにより、上記目的が達成されることを見出
し、本発明を完成するに至った。
固体電解質中でアニオンに偏りが生じるのを抑止するた
めに種々検討を重ねた結果、水素結合を有する高分子を
極性高分子に含有させてマトリクスポリマーを形成し、
あるいは極性高分子および水素結合を有する高分子を交
互に積層させてストライプ状ポリマーを形成して、該水
素結合を有する高分子にアニオンをトラップさせる構成
とすることにより、上記目的が達成されることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の高分子固体電解質は、極性
高分子100重量部に対し、水素結合を有する高分子を
5〜100重量部含有させたマトリクスポリマーと、ア
ルカリ金属塩とからなるか、または、極性高分子と水素
結合を有する高分子とを、望ましくは、極性高分子に対
する水素結合を有する高分子の厚さが1:0.05〜1
となるように、かつ、水素結合を有する高分子の層を少
なくとも2層有するようにストライプ構造に積層し、こ
れにアルカリ金属塩をドープしてなる高分子固体電解質
である。
高分子100重量部に対し、水素結合を有する高分子を
5〜100重量部含有させたマトリクスポリマーと、ア
ルカリ金属塩とからなるか、または、極性高分子と水素
結合を有する高分子とを、望ましくは、極性高分子に対
する水素結合を有する高分子の厚さが1:0.05〜1
となるように、かつ、水素結合を有する高分子の層を少
なくとも2層有するようにストライプ構造に積層し、こ
れにアルカリ金属塩をドープしてなる高分子固体電解質
である。
【0007】以下、本発明をより詳細に説明する。本発
明は、極性高分子と水素結合を有する高分子とを併用し
て、双イオン型の高分子固体電解質を作製することを特
徴とする。上記極性高分子は、アルカリ金属塩を解離さ
せてキャリアイオンを生成させたり、擬溶媒和を形成さ
せたりしてキャリアイオンの移動を円滑化するためのも
のであり、このような性質に優れた極性高分子として
は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、ポリ
エピクロロヒドリン、ポリアリレート、ポリスルホン、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリオキシベンゾイン、ポリフェ
ニレンスルフィドのようなエーテル系ポリマー等が挙げ
られる。
明は、極性高分子と水素結合を有する高分子とを併用し
て、双イオン型の高分子固体電解質を作製することを特
徴とする。上記極性高分子は、アルカリ金属塩を解離さ
せてキャリアイオンを生成させたり、擬溶媒和を形成さ
せたりしてキャリアイオンの移動を円滑化するためのも
のであり、このような性質に優れた極性高分子として
は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、ポリ
エピクロロヒドリン、ポリアリレート、ポリスルホン、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリオキシベンゾイン、ポリフェ
ニレンスルフィドのようなエーテル系ポリマー等が挙げ
られる。
【0008】また、上記水素結合を有する高分子は、こ
れにアニオンをトラップさせることにより、充放電時の
アニオンの偏りを抑止するためのものである。この水素
結合を有する高分子としては、ポリビニルアルコール、
ポリエチレンイミン、ポリウレタン、フェノール系高分
子、ポリアミノ酸、ポリアミド、セルロース等が使用で
きる。なかでも、イオン伝導性に優れたものとして、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレンイミン等が好適に使
用できる。
れにアニオンをトラップさせることにより、充放電時の
アニオンの偏りを抑止するためのものである。この水素
結合を有する高分子としては、ポリビニルアルコール、
ポリエチレンイミン、ポリウレタン、フェノール系高分
子、ポリアミノ酸、ポリアミド、セルロース等が使用で
きる。なかでも、イオン伝導性に優れたものとして、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレンイミン等が好適に使
用できる。
【0009】本発明では、上記極性高分子(以下、Aと
称す)および水素結合を有する高分子(以下、Bと称
す)を用いて、以下の(1)〜(3)のいずれかの方法
により双イオン型高分子固体電解質を作製する。 (1)AとBとをブレンド(機械的混合)してマトリク
スポリマーを形成する方法 (2)AとBとを共重合(化学的重合)させてマトリク
スポリマーを形成する方法 (3)AとBとを交互に積層させて、図1に示すような
ストライプ構造を形成する方法
称す)および水素結合を有する高分子(以下、Bと称
す)を用いて、以下の(1)〜(3)のいずれかの方法
により双イオン型高分子固体電解質を作製する。 (1)AとBとをブレンド(機械的混合)してマトリク
スポリマーを形成する方法 (2)AとBとを共重合(化学的重合)させてマトリク
スポリマーを形成する方法 (3)AとBとを交互に積層させて、図1に示すような
ストライプ構造を形成する方法
【0010】上記AにBをブレンドさせる方法(1)と
しては、AとBとをロールにより混練し、プレス加工し
てフィルム状のマトリクスポリマーとする方法や、Aと
Bとを溶媒に溶解させてキャストすることによりフィル
ム状のマトリクスポリマーを得る方法等がある。これら
の方法においては、適当な架橋剤を用いてAとBとを架
橋体にしてもよい。
しては、AとBとをロールにより混練し、プレス加工し
てフィルム状のマトリクスポリマーとする方法や、Aと
Bとを溶媒に溶解させてキャストすることによりフィル
ム状のマトリクスポリマーを得る方法等がある。これら
の方法においては、適当な架橋剤を用いてAとBとを架
橋体にしてもよい。
【0011】一方、AにBを共重合させる方法(2)と
しては、高分子量のAに低分子量のBをグラフトした
り、逆に低分子量のAに高分子量のBをグラフトする方
法等がある。なお、前記AにBをブレンドさせる方法
(1)において、AとBを均一に混合するために、相溶
化剤としてAとBの共重合体等を必要に応じて添加して
もよい。
しては、高分子量のAに低分子量のBをグラフトした
り、逆に低分子量のAに高分子量のBをグラフトする方
法等がある。なお、前記AにBをブレンドさせる方法
(1)において、AとBを均一に混合するために、相溶
化剤としてAとBの共重合体等を必要に応じて添加して
もよい。
【0012】上記(1)または(2)によりマトリクス
ポリマーを形成する場合、A100重量部に対し、B5
〜100重量部、好ましくは10〜80重量部、特に好
ましくは10〜30重量部を含有させる。Bの含有量が
5重量部未満であると、固体電解質中で均一にアニオン
をトラップすることができないため、好ましくない。一
方、Bの含有量が100重量部を越えると、マトリクス
ポリマーのイオン伝導度が低下するため好ましくない。
ポリマーを形成する場合、A100重量部に対し、B5
〜100重量部、好ましくは10〜80重量部、特に好
ましくは10〜30重量部を含有させる。Bの含有量が
5重量部未満であると、固体電解質中で均一にアニオン
をトラップすることができないため、好ましくない。一
方、Bの含有量が100重量部を越えると、マトリクス
ポリマーのイオン伝導度が低下するため好ましくない。
【0013】また、AとBとをストライプ構造に形成す
る方法(3)としては、例えばAとBとをキャスティン
グにより交互に積層させたり、AとBのそれぞれをフィ
ルム状に成形したものを重ね合わせてプレスする等の方
法が可能である。
る方法(3)としては、例えばAとBとをキャスティン
グにより交互に積層させたり、AとBのそれぞれをフィ
ルム状に成形したものを重ね合わせてプレスする等の方
法が可能である。
【0014】上記ストライプ構造は、極性高分子層1a
に対する水素結合を有する高分子層1bの厚さが1:
0.05〜1、好ましくは1:0.1〜0.8となるよ
うに形成する。層1aに対する層1bの厚さが1:0.
05未満であると、アニオンを十分にトラップすること
ができないため好ましくない。一方、1:1を越える
と、層1aの間隔が開きすぎ、イオンの移動に不利にな
るため好ましくない。
に対する水素結合を有する高分子層1bの厚さが1:
0.05〜1、好ましくは1:0.1〜0.8となるよ
うに形成する。層1aに対する層1bの厚さが1:0.
05未満であると、アニオンを十分にトラップすること
ができないため好ましくない。一方、1:1を越える
と、層1aの間隔が開きすぎ、イオンの移動に不利にな
るため好ましくない。
【0015】また、上記ストライプ構造は、水素結合を
有する高分子層1bを少なくとも2層、好ましくは少な
くとも3層有するように形成する。層1bが2層より少
ないと、層1bが固体電解質中に偏って存在することに
なり、その結果この層1bにトラップされるアニオンも
固体電解質中に偏って存在することになるため好ましく
ない。
有する高分子層1bを少なくとも2層、好ましくは少な
くとも3層有するように形成する。層1bが2層より少
ないと、層1bが固体電解質中に偏って存在することに
なり、その結果この層1bにトラップされるアニオンも
固体電解質中に偏って存在することになるため好ましく
ない。
【0016】上記方法により形成されたストライプ状ポ
リマーは、極性高分子層1aおよび水素結合を有する高
分子層1bがどちらもイオン伝導性を有し、また、界面
の接触が良好であるため、ストライプ構造の層に垂直な
方向(図1における矢印の方向)へのイオン伝導性に優
れ、また、ストライプ状のb層においてアニオンがトラ
ップされるため、固体電解質中でアニオンが均一に存在
するようにできるようになる。このストライプ状ポリマ
ーから作製される固体電解質を電池の電解質として使用
する場合は、上記ストライプ構造の層に垂直な方向(図
1における矢印の方向)に対向する2側面に電極が配置
されるように組み立てて、例えば図2に示すような固体
電解質電池を作製する。
リマーは、極性高分子層1aおよび水素結合を有する高
分子層1bがどちらもイオン伝導性を有し、また、界面
の接触が良好であるため、ストライプ構造の層に垂直な
方向(図1における矢印の方向)へのイオン伝導性に優
れ、また、ストライプ状のb層においてアニオンがトラ
ップされるため、固体電解質中でアニオンが均一に存在
するようにできるようになる。このストライプ状ポリマ
ーから作製される固体電解質を電池の電解質として使用
する場合は、上記ストライプ構造の層に垂直な方向(図
1における矢印の方向)に対向する2側面に電極が配置
されるように組み立てて、例えば図2に示すような固体
電解質電池を作製する。
【0017】上記(1)〜(3)の方法により得られた
ポリマーには、アルカリ金属塩を取り込ませる。このア
ルカリ金属塩としては、Liイオン,Naイオン,Kイ
オン等の陽イオンと、Iイオン,CF3 SO3 イオン,
BF4 イオン,ClO4 イオン,AlCl4 イオン,P
F6 イオン,AsF6 イオン等の陰イオンとの組合わせ
よりなる適宜なものが使用できる。なかでも、LiCl
O4 ,LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiB
(C6 H5 )4 ,LiCl,LiBr等のリチウム塩
が、ポリマーに対する含浸性に優れ、電池を高起電力化
し得るものとして好適に使用できる。
ポリマーには、アルカリ金属塩を取り込ませる。このア
ルカリ金属塩としては、Liイオン,Naイオン,Kイ
オン等の陽イオンと、Iイオン,CF3 SO3 イオン,
BF4 イオン,ClO4 イオン,AlCl4 イオン,P
F6 イオン,AsF6 イオン等の陰イオンとの組合わせ
よりなる適宜なものが使用できる。なかでも、LiCl
O4 ,LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiB
(C6 H5 )4 ,LiCl,LiBr等のリチウム塩
が、ポリマーに対する含浸性に優れ、電池を高起電力化
し得るものとして好適に使用できる。
【0018】なお、アルカリ金属塩の含有量は、前記マ
トリクスポリマーまたはストライプ状ポリマー100重
量部に対し、2〜100重量部、好ましくは5〜30重
量部である。アルカリ金属塩の含有量が2未満である
と、固体電解質中のイオンの量が少なくなり、イオン伝
導度が低くなるため好ましくない。一方、アルカリ金属
塩の含有量が100を越えると、ポリマーの相対量が少
なくなり、アルカリ金属塩が十分に解離されなくなるの
で好ましくない。
トリクスポリマーまたはストライプ状ポリマー100重
量部に対し、2〜100重量部、好ましくは5〜30重
量部である。アルカリ金属塩の含有量が2未満である
と、固体電解質中のイオンの量が少なくなり、イオン伝
導度が低くなるため好ましくない。一方、アルカリ金属
塩の含有量が100を越えると、ポリマーの相対量が少
なくなり、アルカリ金属塩が十分に解離されなくなるの
で好ましくない。
【0019】上記アルカリ金属塩は、これを適当な溶媒
に溶解させ、この溶液に前記マトリクスポリマーまたは
ストライプ状ポリマーを浸漬させる。これにより、アル
カリ金属塩をポリマー中に取り込ませる。この、金属塩
を取り込んだポリマーは、金型で打ち抜く等の方法によ
り任意の大きさ、形状に成形されて、固体電解質として
使用される。
に溶解させ、この溶液に前記マトリクスポリマーまたは
ストライプ状ポリマーを浸漬させる。これにより、アル
カリ金属塩をポリマー中に取り込ませる。この、金属塩
を取り込んだポリマーは、金型で打ち抜く等の方法によ
り任意の大きさ、形状に成形されて、固体電解質として
使用される。
【0020】
【作用】上記構成によれば、極性高分子100重量部に
対し、水素結合を有する高分子を5〜100重量部含有
させたマトリクスポリマーと、アルカリ金属塩とからな
る高分子固体電解質を作成するので、アニオンがこの水
素結合を有する高分子にトラップされ、固体電解質全体
に分散するようになる。また、極性高分子と水素結合を
有する高分子とをストライプ構造に積層し、これにアル
カリ金属塩をドープして高分子固体電解質を作成するの
で、アニオンがこの水素結合を有する高分子にトラップ
され、固体電解質全体に分散するようになる。したがっ
て、固体電解質電池の高分子固体電解質は、充放電時の
アニオンの偏りが抑制されるようになり、放電電流の経
時変化が抑止される。
対し、水素結合を有する高分子を5〜100重量部含有
させたマトリクスポリマーと、アルカリ金属塩とからな
る高分子固体電解質を作成するので、アニオンがこの水
素結合を有する高分子にトラップされ、固体電解質全体
に分散するようになる。また、極性高分子と水素結合を
有する高分子とをストライプ構造に積層し、これにアル
カリ金属塩をドープして高分子固体電解質を作成するの
で、アニオンがこの水素結合を有する高分子にトラップ
され、固体電解質全体に分散するようになる。したがっ
て、固体電解質電池の高分子固体電解質は、充放電時の
アニオンの偏りが抑制されるようになり、放電電流の経
時変化が抑止される。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をより具体的に説
明する。なお、本発明がこれらに限定されるものでない
ことは言うまでもない。 実施例1 (固体電解質の作製)ポリエチレンオキシド(分子量4
00万)100重量部とポリビニルアルコール(重合度
1400、ケン化度88%)20重量部とを窒素雰囲気
下で2軸押出機を用いて混練した後、プレス加工を施し
て厚さ100μmのシート状ポリマーを得た。このポリ
マーを、プロピレンカーボネートにLiClO4 1モル
を溶解した溶液に50℃で24時間浸漬し、ポリマー中
にLiClO4 を取り込ませた。この後、このポリマー
を金型で打ち抜いて、直径22.0mmの円板状固体電解
質を作製した。この固体電解質の対向する2側面にリチ
ウム製電極を圧着し、そのイオン伝導度を測定したとこ
ろ、表1に示す結果が得られた。
明する。なお、本発明がこれらに限定されるものでない
ことは言うまでもない。 実施例1 (固体電解質の作製)ポリエチレンオキシド(分子量4
00万)100重量部とポリビニルアルコール(重合度
1400、ケン化度88%)20重量部とを窒素雰囲気
下で2軸押出機を用いて混練した後、プレス加工を施し
て厚さ100μmのシート状ポリマーを得た。このポリ
マーを、プロピレンカーボネートにLiClO4 1モル
を溶解した溶液に50℃で24時間浸漬し、ポリマー中
にLiClO4 を取り込ませた。この後、このポリマー
を金型で打ち抜いて、直径22.0mmの円板状固体電解
質を作製した。この固体電解質の対向する2側面にリチ
ウム製電極を圧着し、そのイオン伝導度を測定したとこ
ろ、表1に示す結果が得られた。
【0022】(固体電解質電池の作製)電解二酸化マン
ガンを、空気雰囲気中で360℃×5時間の熱処理を行
って脱水電解二酸化マンガンとした。この脱水電解二酸
化マンガン80mg、アセチレンブラック10mgおよびポ
リテトラフルオロエチレン10mgを十分に混合し、孔径
20.0mmのダイスを用いて、圧力5000kg/cm2で
ニッケルメッシュ上に厚さ1.0mmの円板状物を成形し
て、容量12mAh の正極体を作製した。一方、厚さ1.
0mmの金属リチウムシートを、直径20.0mmに打ち抜
き、片面にニッケルメッシュを圧着して円板状負極体を
作製した。
ガンを、空気雰囲気中で360℃×5時間の熱処理を行
って脱水電解二酸化マンガンとした。この脱水電解二酸
化マンガン80mg、アセチレンブラック10mgおよびポ
リテトラフルオロエチレン10mgを十分に混合し、孔径
20.0mmのダイスを用いて、圧力5000kg/cm2で
ニッケルメッシュ上に厚さ1.0mmの円板状物を成形し
て、容量12mAh の正極体を作製した。一方、厚さ1.
0mmの金属リチウムシートを、直径20.0mmに打ち抜
き、片面にニッケルメッシュを圧着して円板状負極体を
作製した。
【0023】前記高分子固体電解質1、正極体2および
負極体3を、図2に示す構成に組立て、正極体2にはス
テンレス製正極缶5を、負極体3にはステンレス製負極
キャップ6をそれぞれ圧着させて取り付けた後、ガスケ
ット7で封止して、試験用固体電解質電池Dを作製し
た。
負極体3を、図2に示す構成に組立て、正極体2にはス
テンレス製正極缶5を、負極体3にはステンレス製負極
キャップ6をそれぞれ圧着させて取り付けた後、ガスケ
ット7で封止して、試験用固体電解質電池Dを作製し
た。
【0024】(充放電試験)上記試験用固体電解質電池
を用いて、上限電圧を充電時3.5V、下限電圧を放電
時1.0Vに設定して充放電を繰り返した。この充放電
中の試験用固体電解質電池の定抵抗放電電流を、充放電
電流測定装置(北斗電工社製)を用いて測定したとこ
ろ、図3に示す結果が得られた。
を用いて、上限電圧を充電時3.5V、下限電圧を放電
時1.0Vに設定して充放電を繰り返した。この充放電
中の試験用固体電解質電池の定抵抗放電電流を、充放電
電流測定装置(北斗電工社製)を用いて測定したとこ
ろ、図3に示す結果が得られた。
【0025】比較例1 上記実施例1において、ポリビニルアルコールをポリマ
ーに含有させない以外は全て同様にして固体電解質を作
製した。この固体電解質のイオン伝導度を実施例1と同
様にして測定したところ、表1に示す結果が得られた。
ーに含有させない以外は全て同様にして固体電解質を作
製した。この固体電解質のイオン伝導度を実施例1と同
様にして測定したところ、表1に示す結果が得られた。
【0026】実施例2〜3および比較例2〜3 上記実施例1において、ポリビニルアルコールの含有量
を表1に示すように変量する以外は全て同様にして固体
電解質を作製した。これらの固体電解質のイオン伝導度
を実施例1と同様にして測定したところ、表1に示す結
果が得られた。
を表1に示すように変量する以外は全て同様にして固体
電解質を作製した。これらの固体電解質のイオン伝導度
を実施例1と同様にして測定したところ、表1に示す結
果が得られた。
【0027】(固体電解質電池の作製および充放電試
験)上記実施例2〜3および比較例1〜3において作製
した固体電解質のそれぞれを用いる以外は全て実施例1
と同様にして試験用固体電解質電池を作製し、さらに充
放電を行った。それぞれの試験用固体電解質電池の放電
電流の変化は、図3に示す通りであった。
験)上記実施例2〜3および比較例1〜3において作製
した固体電解質のそれぞれを用いる以外は全て実施例1
と同様にして試験用固体電解質電池を作製し、さらに充
放電を行った。それぞれの試験用固体電解質電池の放電
電流の変化は、図3に示す通りであった。
【0028】実施例4 ポリエチレンオキシド(分子量400万)とポリビニル
アルコール(重合度1400、ケン化度88%)とをキ
ャスティングにより厚さそれぞれ200μm、50μm
のフィルム状に成形した。このフィルム状物を、ポリエ
チレンオキシド層が両端となるように、交互に9層重ね
合わせてプレスし、厚さ100μmのストライプ状ポリ
マーを得た。ついで、このポリマーを、プロピレンカー
ボネートにLiClO4 1Mを溶解した溶液に50℃で
24時間浸漬し、ポリマー中にLiClO4 を取り込ま
せた。この後、このポリマーを金型で打ち抜いて、直径
22.0mmの円板状固体電解質を作製した。この固体電
解質のストライプ構造の層に垂直な方向に対向する2側
面にリチウム製電極を圧着させて、そのイオン伝導度を
測定したところ、表2に示す結果が得られた。
アルコール(重合度1400、ケン化度88%)とをキ
ャスティングにより厚さそれぞれ200μm、50μm
のフィルム状に成形した。このフィルム状物を、ポリエ
チレンオキシド層が両端となるように、交互に9層重ね
合わせてプレスし、厚さ100μmのストライプ状ポリ
マーを得た。ついで、このポリマーを、プロピレンカー
ボネートにLiClO4 1Mを溶解した溶液に50℃で
24時間浸漬し、ポリマー中にLiClO4 を取り込ま
せた。この後、このポリマーを金型で打ち抜いて、直径
22.0mmの円板状固体電解質を作製した。この固体電
解質のストライプ構造の層に垂直な方向に対向する2側
面にリチウム製電極を圧着させて、そのイオン伝導度を
測定したところ、表2に示す結果が得られた。
【0029】実施例5〜7および比較例4〜6 上記実施例4において、ポリビニルアルコールの層の厚
さおよび数をそれぞれ表2に示すように変量する以外は
全て同様にして、固体電解質を作製した。これらの固体
電解質のイオン伝導度を上記実施例4と同様にして測定
したところ、表2に示す結果が得られた。
さおよび数をそれぞれ表2に示すように変量する以外は
全て同様にして、固体電解質を作製した。これらの固体
電解質のイオン伝導度を上記実施例4と同様にして測定
したところ、表2に示す結果が得られた。
【0030】(固体電解質電池の作製および充放電試
験)上記実施例4〜7および比較例4〜6で作製したそ
れぞれの固体電解質を用いる以外は全て実施例1と同様
にし、図2に示すものと同じ構成になるように試験用固
体電解質電池を作製した(ただし、固体電解質のストラ
イプ構造の層に垂直な方向に対向する2側面に電極が配
置されるようにした)。さらにこれらの試験用固体電解
質電池を用いて、実施例1と同様に充放電を行った。そ
れぞれの試験用固体電解質電池の放電電流の変化は、図
3に示す通りであった。
験)上記実施例4〜7および比較例4〜6で作製したそ
れぞれの固体電解質を用いる以外は全て実施例1と同様
にし、図2に示すものと同じ構成になるように試験用固
体電解質電池を作製した(ただし、固体電解質のストラ
イプ構造の層に垂直な方向に対向する2側面に電極が配
置されるようにした)。さらにこれらの試験用固体電解
質電池を用いて、実施例1と同様に充放電を行った。そ
れぞれの試験用固体電解質電池の放電電流の変化は、図
3に示す通りであった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の高分子固
体電解質は、イオン伝導度が高く、しかもアニオンの偏
りが生じない優れたものである。したがって、本発明の
高分子固体電解質を用いて作製される固体電解質電池
は、経時によってもその放電電流が低下せず、信頼性が
高いものとなる。
体電解質は、イオン伝導度が高く、しかもアニオンの偏
りが生じない優れたものである。したがって、本発明の
高分子固体電解質を用いて作製される固体電解質電池
は、経時によってもその放電電流が低下せず、信頼性が
高いものとなる。
【図1】本発明の一実施例を示す固体電解質のストライ
プ状ポリマーの模式図である。
プ状ポリマーの模式図である。
【図2】本発明の固体電解質を用いた電池の一例を示す
模式図である。
模式図である。
【図3】実施例および比較例の固体電解質電池の放電電
流の時間に対する変化を示すグラフである。
流の時間に対する変化を示すグラフである。
1a 極性高分子層 1b 水素結合を有する高分子層 S ストライプ状ポリマー
Claims (3)
- 【請求項1】 極性高分子100重量部に対し、水素結
合を有する高分子を5〜100重量部含有させたマトリ
クスポリマーと、アルカリ金属塩とからなる高分子固体
電解質。 - 【請求項2】 極性高分子と水素結合を有する高分子と
をストライプ構造に積層し、これにアルカリ金属塩をド
ープしてなる高分子固体電解質。 - 【請求項3】 ストライプ構造が、極性高分子に対する
水素結合を有する高分子の厚さの比が1:0.05〜1
となるように形成され、かつ、水素結合を有する高分子
の層を少なくとも2層有するように形成されてなるもの
である請求項2記載の高分子固体電解質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4271946A JPH06124728A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 高分子固体電解質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4271946A JPH06124728A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 高分子固体電解質 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06124728A true JPH06124728A (ja) | 1994-05-06 |
Family
ID=17507031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4271946A Pending JPH06124728A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 高分子固体電解質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06124728A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5482403A (en) * | 1993-06-25 | 1996-01-09 | Hail Mary Rubber Company, Inc. | Sewer construction and pipe encasement therefor |
EP0971382A1 (en) * | 1997-11-28 | 2000-01-12 | Showa Denko K K | Solid electrolytic capacitor and process for the production thereof |
-
1992
- 1992-10-09 JP JP4271946A patent/JPH06124728A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5482403A (en) * | 1993-06-25 | 1996-01-09 | Hail Mary Rubber Company, Inc. | Sewer construction and pipe encasement therefor |
EP0971382A1 (en) * | 1997-11-28 | 2000-01-12 | Showa Denko K K | Solid electrolytic capacitor and process for the production thereof |
EP0971382A4 (en) * | 1997-11-28 | 2007-05-02 | Showa Denko Kk | SOLID ELECTROLYTIC CAPACITOR AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME |
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