JPH06122961A - 黒色Al2 O3 膜およびその製造方法 - Google Patents

黒色Al2 O3 膜およびその製造方法

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JPH06122961A
JPH06122961A JP29661892A JP29661892A JPH06122961A JP H06122961 A JPH06122961 A JP H06122961A JP 29661892 A JP29661892 A JP 29661892A JP 29661892 A JP29661892 A JP 29661892A JP H06122961 A JPH06122961 A JP H06122961A
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JP
Japan
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film
black
oxygen
coating
black colored
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JP29661892A
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English (en)
Inventor
Toshio Omura
敏夫 大村
Shinichi Okabe
信一 岡部
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性を有し色調変化や剥離を起こさないA
23 黒色被膜及びその製造方法を提供する。 【構成】 波長248nmの光の反射率が5%以下の黒
色Al23 であり、酸素中でアルミニウムを加熱蒸発
させ酸素雰囲気の圧力を3×10-5〜7×10-5Tor
rとし、Al23 膜の成膜速度が2.5〜10μm/
Hr.で行う膜の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時計等の外装部品、建
材部品、自動車部品、眼鏡の縁、アクセサリーあるいは
光学機器用部材などに使用される黒色の硬質膜に関し、
特に耐熱性の要求される黒色のAl23 膜に関する。
また、本発明の方法は反応性蒸着法による黒色のAl2
3 硬質膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、時計等の外装部品、建材部
品、自動車部品、眼鏡の縁、アクセサリー等の表面に有
色の被膜を形成し、装飾および保護膜として使用するこ
とは行われている。これらの用途の中で黒色被膜を必要
とする場合には、黒色の有機高分子系塗料が主に用いら
れてきた。また、有機高分子系塗料では使用可能温度が
低温域に限定されるため、比較的高温で使用可能な無機
質の黒色被膜が種々試みられている。そのような無機質
の硬質被膜としては、例えば黒色を有するTiCやアモ
ルファスカーボン、黒色のアルマイト、黒色Crめっき
等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記例示の
有機高分子系塗料や無機質被膜は何れも400℃以上の
高温の環境下では酸化反応が進行して色調が変化した
り、剥離が起きたりするという問題がある。本発明の目
的は充分な耐熱性を有し、色調変化や剥離を起こすこと
のないAl23 黒色被膜およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の黒色Al23 膜は、波長248nmの光で反
射率が5%以下である点に特徴がある。
【0005】また、本発明での黒色Al23 膜を製造
する方法としては、酸素中でアルミニウムを加熱、蒸発
させてAl23 膜を析出させる反応性蒸着法におい
て、酸素雰囲気の圧力を3×10-5〜7×10-5Tor
rとし、Al23 膜の成膜速度を2.5〜10μm/
Hr.とする点に特徴がある。
【0006】
【作用】Al23 は通常、白色もしくは透明な物質で
あり、通常の焼結体では白色を呈している。これは、A
23 焼結体には多数の気孔が存在しているためであ
り、気孔率を小さくした緻密なAl23 は透光性アル
ミナ(商品名ルカロックス)として知られている。
【0007】気相析出法によりAl23 の薄膜を成膜
する場合でも、そのAl23 膜は膜の緻密性により白
色若しくは透明な被膜が得られる。蒸着法によりAl2
3被膜を作製する場合でも、白色若しくは透明な被膜
が得られ、絶縁膜などに使用されている。Al23
を光学的な用途に使用した例としては、光導波路や透光
性保護膜などがあるが、これらは透明なAl23 膜を
利用したものである。透明な薄膜については、膜の表裏
の界面反射を利用した反射膜として利用される場合もあ
る。このように、Al23 は光に対する散乱および反
射を利用した応用に限られていた。しかし、本発明者ら
は蒸着法によるAl23 膜の製造方法を鋭意検討した
結果、成膜時の酸素圧力および成膜速度を厳密に制御す
ることによって、光の散乱および反射を抑える性能を有
する黒色被膜が得られることを見出し、本発明に至っ
た。
【0008】黒色のAl23 被膜を得る方法は、金属
アルミニウムを蒸発源として酸素ガス雰囲気中にて蒸着
させる反応性蒸着法と分類される方法において、アルミ
ニウムの蒸発速度を上げた場合に得られる。これは、蒸
発したアルミニウムが基材表面に到達し、基材表面で雰
囲気中から供給される酸素と反応してAl23 が形成
される際に、アルミニウムの供給速度が高い場合に酸素
の供給が不足気味になり、その結果、酸素欠陥が生成し
着色中心となり黒色を呈するものと考えられる。この黒
色膜は大気中にて800℃までの加熱試験を行っても色
の変化は認められず比較的安定な被膜である。また、こ
の被膜のX線回折測定では金属アルミニウムの相は認め
られず、アモルファスAl23 膜となっていることが
確認された。
【0009】このような黒色のAl23 膜の形成は公
知の反応性蒸着法によるのが簡便である。反応性蒸着法
は、金属を加熱蒸発させる手段および反応性ガスを供給
する手段よりなる。金属を蒸発させる手段は、抵抗加
熱、電子銃加熱など何れであってもよく、金属蒸発源と
してはアルミニウムを用いる。本発明での黒色のAl2
3 膜を得る場合には、Al23 としての成膜速度が
2.5〜10μm/Hr.となるように蒸発源の加熱電
力を調整する必要がある。成膜速度が2.5μm/H
r.より小さいと、Alの供給量より酸素の供給量が優
り、黒色膜とはならずに透明膜が形成される。また、成
膜速度が10μm/Hr.を越えると生成するAl2
3 膜の緻密性が悪くなり、脆い膜となる。このような脆
い膜では、高温の環境下では膜中の欠陥を通して酸素が
侵入して、被膜や下地の母材の酸化が起こるので好まし
くない。
【0010】反応性ガスとしては酸素ガスが用いられる
が、本発明での黒色のAl23 膜を得る場合には、成
膜中の酸素圧力として、3×10-5〜7×10-5Tor
rが望ましい。酸素の圧力が3×10-5Torr未満で
は、酸化反応が抑制され、Al23 被膜中に金属アル
ミニウムの相が混ざった被膜となる。また、酸素圧力が
7×10-5Torrより大きいと透明膜が形成され好ま
しくない。
【0011】成膜時の基板の温度としては、100℃か
ら400℃の範囲が好ましい。400℃より高温では、
透明膜もしくは白色膜となり、100℃より低温では基
板との密着力が不足し、剥離を起こし易くなる。上記方
法により得られたAl23 膜は、外観は黒色を呈し、
248nmの光にて測定した反射率は5%以下となり、
反射防止膜として使用可能であることを確認した。
【0012】
【実施例】
(実施例)20×20×2mmのSUS310製のテス
トピースの表面に、電子銃加熱方式による蒸着装置にて
Al23 被膜を形成させた。被膜の形成は、Alを蒸
発源とし、電子銃の設定電圧9kV、電流値100〜1
50mAとして、Al23 としての成膜速度が、3μ
m/Hr.となるように調整した。成膜時の反応性ガス
としては酸素を用い、6×10-5Torrの圧力となる
ように酸素の導入量を調整してAl23 膜の形成を
1.5時間行なった。ここで得られた被膜の膜厚は4.
4μmであり、外観は黒色であった。また、この被膜の
X線回折では、Al23 特有の回折ピークは認められ
ず、アモルファスAl23 と帰属した。また、金属ア
ルミニウムの回折ピークは認められなかった。この試料
の、エキシマレーザ光(波長248nm)での0次の散
乱光の反射率を測定したところ、2%となった。この、
試料を大気開放の電気炉にて600℃、24時間加熱し
た。熱処理後の反射率を再度測定したところ、使用前と
同じ2%となり、熱による変質の殆ど無いことが示され
た。
【0013】(比較例1)実施例において、電子銃の設
定電圧を9kV、電流値90〜130mAとして、Al
23 としての成膜速度が2μm/Hr.となるように
調整する以外は実施例と同様にAl23 の成膜を行っ
た。ここで得られた被膜の膜厚は3.0μmであり、外
観は透明であった。また、この被膜のX線回折では、A
23 特有の回折ピークは認められず、アモルファス
Al23 と帰属した。また、金属アルミニウムの回折
ピークは認められなかった。
【0014】(比較例2)実施例において、成膜時の酸
素圧力を1×10-4Torrとする以外は実施例と同様
にAl23 の成膜を行った。ここで得られた被膜の膜
厚は4.5μmであり、外観は透明であった。また、こ
の被膜のX線回折では、Al23 特有の回折ピークは
認められず、アモルファスAl23 と帰属した。ま
た、金属アルミニウムの回折ピークは認められなかっ
た。
【0015】(比較例3)実施例と同じテストピースに
黒色Crめっきを施して、248nmでの0次の散乱光
の反射率を測定したところ0.1%となった。この、試
料を実施例と同様に600℃、24時間加熱処理を行な
った。熱処理後のテストピースの表面被膜は変色し、一
部剥離が発生していた。
【0016】
【発明の効果】本発明による黒色Al23 膜は高温で
も被膜の変質が進行せず、長時間にわたって色調を保つ
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長248nmの光での反射率が5%以
    下であることを特徴とする黒色Al23 膜。
  2. 【請求項2】 酸素雰囲気中でアルミニウムを加熱、蒸
    発させてAl23膜を析出させる反応性蒸着法におい
    て、酸素の圧力を3×10-5〜7×10-5Torrと
    し、Al23 の成膜速度を2.5〜10μm/Hr.
    とすることを特徴とする黒色Al23 膜の製造方法。
JP29661892A 1992-10-09 1992-10-09 黒色Al2 O3 膜およびその製造方法 Pending JPH06122961A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5501518B1 (ja) * 2013-10-03 2014-05-21 尾池工業株式会社 装飾用蒸着フィルムの製造方法
WO2015050011A1 (ja) * 2013-10-03 2015-04-09 尾池工業株式会社 装飾用蒸着フィルムおよびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5501518B1 (ja) * 2013-10-03 2014-05-21 尾池工業株式会社 装飾用蒸着フィルムの製造方法
WO2015050011A1 (ja) * 2013-10-03 2015-04-09 尾池工業株式会社 装飾用蒸着フィルムおよびその製造方法
WO2015050012A1 (ja) * 2013-10-03 2015-04-09 尾池工業株式会社 装飾用蒸着フィルムおよびその製造方法

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