JPH06121632A - 投網方位、位置の計測方法及びその計測器 - Google Patents

投網方位、位置の計測方法及びその計測器

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JPH06121632A
JPH06121632A JP31256092A JP31256092A JPH06121632A JP H06121632 A JPH06121632 A JP H06121632A JP 31256092 A JP31256092 A JP 31256092A JP 31256092 A JP31256092 A JP 31256092A JP H06121632 A JPH06121632 A JP H06121632A
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measuring
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JP31256092A
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Shoji Otsuka
昌治 大塚
Soichi Kawamata
壮一 川俣
Katsutoshi Yoshinaga
勝利 吉永
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HONCHIGOU KK
MARINE GIKEN KK
Original Assignee
HONCHIGOU KK
MARINE GIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 旋網漁業において魚群近傍海域の表層、中
層、底層の潮流方向や潮流速度を、その水深に対応した
測定索で瞬時且簡便に而も正確に捉え、これを電気信号
化した測定値となしうえ所要の演算処理をなして、投網
方位や投網位置を的確に把握する投網方位、位置の計測
方法とその計測器を提供する。 【構成】 旋網の操業海域に、それぞれその先端に所定
重量の錘が取付けられ且それぞれの水深に対応した長さ
の表層測定索、中層測定索及び底層測定索を、舷の所定
位置、高さで且舷と直交する方向に延出するブーム先端
に装備されたセンサーユニット内の全方向可動ムーブメ
ントと一体的に形成された吊持フックに吊持させ、それ
ぞれの測定索の傾斜方向及び傾斜角を測定値とし所要の
演算処理を施して投網方位や位置を計測表示せしめる計
測器、及び測定に際して船を対地速度零の状態若しくは
中層或いは底層測定索を垂直状態に保持して計測する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は旋網漁業において、操業
される海域の表層における潮流方向や潮流速度と、中層
或いは底層に亘って複雑に合成され変動する潮流方向や
潮流速度を瞬時且簡便に而も正確に測定し、この測定値
から的確な投網方位、位置を演算して計測表示せしめる
ことの可能な投網方位、位置の計測方法及びその計測器
に関するものである。
【0002】
【従来技術】旋網漁業は魚探で探知した魚群或いは集魚
灯で集魚させた魚群を、網船の旋網具を投網し包囲して
逃げ道を遮断するとともに次第に包囲を縮小させながら
漁獲する漁法であって、底層魚を対象とした例えば鯛縛
網等では網地全体が水面下に没し且沈子方が略海底面に
まで接する状態で投網且包囲がなされるものであり、ま
た中層魚を対象とする揚操網や巾着網等では、浮子方が
水面で且沈子方が海底面に接する程度に投網且包囲がな
され、更に表層魚を対象とする巾着網やさんま旋網或い
はしいら旋網等では、浮子方が水面で且沈子方が適宜の
水深位程度まで投網され且包囲されながら漁獲が行われ
るものである。
【0003】ところで旋網が投網され包囲される海域で
は、その表層の潮流方向や潮流速度に対し常時中層或い
は底層の潮流方向や潮流速度は表層とは何んらの関連も
なく複雑に変動しており、且これが刻々と変化するとこ
ろでもある。他方旋網網地は漁獲対象魚種によって異る
が、投網包囲に伴う捕獲魚がその網地網目から逃逸せぬ
よう比較的細目に編製されたものが用いられ、而も網地
の全体量も網船規模が80乃至140トン程度の巾着網
の場合でも網地の長さが略600乃至1200m、網地
の幅(深さ)で略150乃至250mにも及ぶため、投
網された網地にはこれら投網海域の複雑に変動する膨大
な潮流抵抗が付加され且その潮流方向や潮流速度に大き
く影響されながら海中を流動降下することになる。
【0004】これがため度々魚群を完全に包囲する前に
網地が魚群に接近しすぎ魚群が威嚇されて逃散し、また
網地が魚群の移動方向に対応して包囲されずに船首側や
船尾側に片寄って包囲されたり、甚々しい場合には網地
が反対側舷に吹かれて環締めの遅れから包囲魚群を逃逸
させてしまう結果さえ招来される。
【0005】かかる経緯より、現状においては灯船等に
おいて魚群を威嚇せぬよう該魚群近傍に、通称ヨマ若し
くは潮見糸と称呼されるその先端に錘が結着され且表層
の水深位に相当した長さの所謂表ヨマと、中層若しくは
底層の水深位に相当した長さの所謂底ヨマとを両手に持
ちながら舷より適宜に海中に投下し、底ヨマが略垂直状
態に保持されるような方向及び速度で操船させながら、
該2本のヨマの相互の開き具合や方向を目視し且特別の
経験や勘に基づき、投網方位、位置等を判断し且包囲す
る方向や速度等を判断していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然るに現状の如く、舷
から適宜にヨマ若しくは潮見糸を海中に投下し目視判断
する場合においては、船自体が常時ローリングやピッチ
ングに晒されているために底ヨマの垂直状態如何を判断
することさえ極めて至難なうえ仮令相互のヨマの開き角
度や方向を目視判断するに際しても誤差が極めて大き
く、且瞬時の目視判断であるから信頼性も極めて乏し
く、従って熟練者でさえ何度も繰返して目視判断を行う
必要があり多大な時間とともに操業度の低下はもとよ
り、応々にして魚群の移動逃散も発生している。そして
折角投網方位や位置を判断決定しても網成りの不十分さ
とともに包囲も有効になされぬことから、漁獲生産性も
十分に期待できない実情にある。
【0007】本発明はかかる実情に鑑みなされたもので
あって、魚群の近傍海域における表層及び表層と中層の
合成された潮流方向や潮流速度、或いは表層と中層及び
底層の合成された潮流方向や潮流速度をその水深に対応
した測定索により瞬時且簡便に而も正確に捉え、これを
電気信号に変換し測定値となしたうえ所要の演算処理に
より的確な投網方位、位置所謂魚群に対し投網後の網地
が沈降且流動して魚群を適切に包囲しえるような方位や
位置を計測表示する、投網方位、位置の計測方法及びそ
の計測器を提供することにある。
【0008】
【課題を達成するための技術的手段】上述の課題を達成
するために本発明が採用した技術的手段は、旋網の操業
海域における表層の潮流方向や潮流速度及び表層と中層
とで合成され、或いは表層、中層、底層で合成された潮
流方向や潮流速度を測定するため、それぞれその先端に
所定重量の錘が取付けられ且表層の水深に対応した長さ
の表層測定索、及び中層の水深に対応した長さの中層測
定索或いは底層の水深に対応した底層測定索を探知若し
くは集魚した魚群の遊泳水深により適宜に選択し且正確
な測定を期するため、舷の所定位置、所定の高さで且舷
と直交方向に延出されるブームに少なくとも3個装備さ
れたセンサーユニットの全方向可動ムーブメントと一体
的に形成される吊持フックにこれら測定索をそれぞれ吊
持させて海中に投下し、対地速度零の状態でそれぞれの
測定索の傾斜方向や傾斜角度を測定し、或いは中層測定
索若しくは底層測定索が垂直状に投下されるような方向
及び速度で操船し、表層測定索の傾斜方向及び傾斜角を
測定し、センサーユニット内の全方向可動ムーブメント
に付帯した電気信号変換部で電気信号化した測定値とな
したるうえ、該測定値を演算表示部においてそれぞれの
測定索の測定値の傾斜方向に係る測定値からは潮流方向
を、また傾斜角に係る測定値からは潮流速度を予め定め
られてなる換算値をもとに演算せしめ且これを適宜手段
で表示せしめ、また相互の測定索の傾斜方向に係る測定
値よりその二傾斜方向を結ぶ延長線方向を演算算出せし
めて投網方位を適宜手段で表示せしめ、更に相互の測定
索の傾斜角の差所謂開き角度に係る測定値より投網後の
網地の沈降に伴う流動移動速度が予め定められた換算値
をもとに演算されて算出せしめられ、且魚群の移動速度
とにより投網位置が演算され適宜手段でこれを表示させ
る投網包囲、位置の計測方法及びその計測器に存する。
【0009】
【作用】本発明の技術的手段は次のような作用を有す
る。即ち表層、中層或いは底層の測定索が、舷の所定位
置より所定の高さで且舷と直交方向に延出されるブーム
の先端に装備されたセンサーユニット内の全方向可動ム
ーブメントと一体的に形成された吊持フックに吊持さ
れ、それぞれの測定索が受ける潮流方向や潮流速度に対
応した傾斜方向や傾斜角を測定するものであるから、測
定条件が一定化されバラツキの無い平準化された測定が
なされる。そして表層の潮流方向や潮流速度は、表層測
定索の傾斜方向や傾斜角により、また中層における潮流
方向や潮流速度は、表層と中層との潮流方向や潮流速度
が合成され中層測定索の傾斜方向及び傾斜角として捉え
られ、更には底層の潮流方向や潮流速度は表層、中層及
び底層の潮流方向や潮流速度が合成されて底層測定索の
傾斜方向や傾斜角として捉えられ、これが吊持フックを
介して該吊持フックと一体的な全方向可動ムーブメント
がこの傾斜方向や傾斜角に対応して可動し、且該全方向
可動ムーブメントに付帯した電気信号変換部において該
可動割合に応じて電気信号化された測定値が得られる。
【0010】そしてこの測定値が信号回線で連絡される
演算表示部においては、該測定値に対する潮流方向や潮
流速度の換算値とその演算処理方法が記憶されてなるた
め、表層、中層及び底層の潮流方向や潮流速度が即時算
出され且これが数値や図形、記号等の適宜手段を以って
表示され、更にはそれぞれの測定索の傾斜方向に係る相
互の測定値を結ぶ延長線方向算出の演算処理方法が記憶
されてなるから、該延長線方向所謂投網方位も即時に算
出され且これが数値や図形、記号等の適宜手段で表示さ
れ、而も傾斜角に係る測定値の差所謂開き角度に対する
潮流速度差としての換算値とその演算処理方法が記憶さ
れてなるため、魚群の移動速度の入力により即時に投網
位置も算出され且これが数値や図形、記号等により表示
される。
【0011】更にセンサユニットの吊持フックに表層、
中層或いは底層の測定索が吊持されてなるから、海中に
投下されている状態では常時測定が可能であって、魚群
近傍においてアンカー等で船を仮係止し対地速度零の状
態でそれぞれの測定索の傾斜方向及び傾斜角を測定する
か、或いは中層若しくは底層測定索が垂直状態に投下さ
れるよう操船所謂センサーユニットにおいて中層若しく
は底層測定索の傾斜方向及び傾斜角が零を示す測定値の
時の状態で、表層測定索の傾斜方向及び傾斜角を測定す
ることによっても投網方位、位置の計測が可能となる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づき詳細に説
明すれば、図1は本発明の使用態様図であって、ブーム
(1)はその先端に装備される少なくとも3個のセンサ
ーユニット(3)に吊持され海中の所要水深まで投下さ
れる表層、中層及び底層の測定索(4)を十分に保持し
える強度を具備するものであれば素材的には特段の制限
はないが、海上での使用を考慮すると耐水性耐蝕性に優
れるステンレスやガラス強化プラスチック等の合成樹脂
素材からなるパイプ材が好適である。そして肝要なこと
は、正確且安定した測定を期待するうえで該ブーム
(1)の設置位置は舷(2)の中央部位が望ましく且該
ブーム(1)の高さも海面より略2乃至3m程度の位置
に形成されることにあって、これは本発明がセンサーユ
ニット(3)に吊持され且海中に投下される測定索
(4)の傾斜方向や傾斜角を測定することにあるから、
海面より高い位置程安定した測定が見込まれる反面、測
定に際して測定索(3)を吊持させたり測定後の測定索
(4)の取除し等の作業が至難となる理由による。更に
該ブーム(1)は当然舷(2)に直交する方向に延出さ
れて測定がなされるものであるから、測定後には種々の
漁撈作業への支障が無きよう収納可能な構成が望まれる
もので、具体的にはブーム(1)の支柱(1A)が設置
される舷(2)の船床(2A)と90度若しくは180
度の角度に軸回可能に取付けられ、或いはブーム(1)
が適宜に折合されたり解体されたり、若しくは伸縮可能
に形成されることが提案される。
【0013】かかるブーム(1)の先端には、表層の潮
流方向や潮流速度を測定する表層測定索(4A)、表層
と中層との合成された潮流方向や潮流速度を測定する中
層測定索(4B)、及び表層と中層並びに底層との合成
された潮流方向や潮流速度を測定する底層測定索(4
C)等からなる測定索(4)を、それぞれ吊持させるた
め少なくとも3個のセンサーユニット(3)が装備され
ている。このセンサーユニット(3)の内部には図2に
示す如く測定索(4)が表層、中層或いは底層の潮流方
向や潮流速度に対応して傾斜する方向及び角度を機械的
変化量として捉えるための全方向可動ムーブメント(3
A)が取付けられてなるものであるが、測定索(4)に
特設の潮流方向や潮流速度の付加が無い場合には、当然
に測定索(4)には傾斜方向や傾斜角が発生せずにセン
サーユニット(3)の略垂直下に投下された状態となる
から、かかる状態における傾斜方向や傾斜角の機械的変
化量が零となるように全方向可動ムーブメント(3A)
は構成されている。即ち該全方向可動ムーブメント(3
A)の具体的構成としては種々なるものが提案される
が、簡単で且安価なものとしてジンバルの原理を採用し
たものが好適であって、このジンバルの原理を採用した
全方向可動ムーブメント(3A)は測定索(4)を吊持
させる吊持フック(3C)がX−X方向に可動自在な横
回転ドラム(30A)の中央位置に一体的に取付けられ
ており、且該横回転ドラム(30A)がジンバル(31
A)所謂可動枠体と可動自在に軸着(32A)されてい
る。
【0014】更に該ジンバル(31A)の一側には、該
ジンバル(31A)をY−Y方向に可動自在なように回
転軸(33A)が一体的に延出形成されており、而も該
回転軸(33A)にはその上部に形成されY−Y方向に
可動自在な縦回転ドラム(34A)の回転軸(35A)
との間に渡架されており、ジンバル(31A)のY−Y
方向への可動割合が縦回転ドラム(34A)の可動割合
と同等に可動するよう構成されている。従って全方向可
動ムーブメント(3A)においては、測定索(4)の傾
斜方向や傾斜角がX−X方向には横回転ドラム(30
A)がその割合分可動し、またY−Y方向への場合には
縦回転ドラム(34A)がその割合分可動し且X方向Y
方向以外の方向も当然にX−X方向及びY−Y方向との
可動割合の関係から機械的変化量で把握できる。
【0015】そして全方向可動ムーブメント(3A)に
より把握された機械的変化量は、これを電気信号化した
測定値として得るため該全方向可動ムーブメント(3
A)に電気信号変換部(3B)が付帯されている。この
電気信号変換部(3B)における機械的変化量を電気的
信号に変換する手段としては光学的方法や磁気的方法等
多岐に亘るが、簡単な方法として光学式ロータリーエン
コーダーの原理を使用することが挙げられ、この光学式
ロータリーエンコーダー(30B)は図3に示すように
回転板(31B)の外周縁(32B)に沿って等間隔に
透光スリット(33B)を形成し且該透光スリット(3
3B)を挾んで一方側に光源(34B)として例えば発
光ダイオードを配し、他方側には受光部(35B)とし
て例えばフォトダイオードやフォトトランジェスタ等を
配して、受光部(35B)において受光数量に対応した
電気信号を発生させるもので、これを全方向可動ムーブ
メント(3A)の横回転ドラム(30A)及び縦回転ド
ラム(34A)の回転軸に適宜手段で取付けておけば双
方の機械的変化量が、電気的信号として捉えられる。
【0016】センサーユニット(3)は全方向可動ムー
ブメント(3A)及びこれに付帯する電気信号変換部
(3B)が風雨や海水等に晒されて故障や損傷せぬよう
に、その形状が略吊鐘状若しくは円筒状で且底部が開口
したケーシング(3D)で包被されており、該ケーシン
グ(3D)も当然に風雨や海水に晒されてなるから耐水
性や耐蝕性を具備し且吊持フック(3C)に吊持される
それぞれの測定索(4)に付加される潮流抵抗に対抗で
きる強靭性も要求されるため、通常ではステンレス素材
が用いられる。更に該ケーシング(3D)の上端には、
ブーム(1)と螺着或いは挾着等の適宜手段で強固に固
定装備されるような連結具(3E)が設けてなり、而も
電気信号変換部(3B)で電気信号に変換された測定値
を外部に設けた演算表示部(5)に連絡する通信回線に
接続するための出力端子(3F)が適宜位置に設けられ
ている。
【0017】そして全方向可動ムーブメント(3A)の
横回転ドラム(30A)の中央位置に一体的に取付けら
れた吊持フック(3C)に吊持され海中投下により潮流
方向や潮流速度を測定するための測定索(4)は、旋網
が操業される海域では一般に略その水深が20m以浅の
表層、略その水深が30乃至70程度の中層及びその水
深が70m以深の底層に亘って潮流方向や潮流速度が複
雑に変動していると言われており、投網された旋網地は
これら潮流方向や潮流速度の影響を受けながら沈降し流
動移動する。従って測定索(4)はこれら水深の潮流方
向や潮流速度を忠実に反映させるうえでそれぞれの水深
に対応した長さが望まれる反面、該潮流方向や潮流速度
はそれぞれの測定索(4)の傾斜方向や傾斜角により測
定されるものであるから、結局測定索(4)の流水抵抗
と水中重量所謂錘による沈降力如何で基本的に異ってく
る。
【0018】これがため測定索(4)は図4に示す如く
十分に強靭で且流水抵抗の小さな素材が望ましく、一般
にはポリアミド系若しくはポリエステル系合成繊維で且
その分径も1mmφ以下のモノフィラメントが好適であ
る。そして表層の測定にはその長さが略20mで且その
先端に略50乃至60gの錘(40A)が取付けられた
表層測定索(40)が、また中層の測定にはその長さが
略50乃至70mで且その先端に略350乃至400g
の錘(41A)が取付けられた中層測定索(41)が、
更に底層を測定するにはその長さが略100乃至120
mで且その先端に略700乃至800gの錘(42A)
が取付けられた底層測定索(42)を用いることが好都
合である。このようにそれぞれの水深の測定には、それ
ぞれの水深に対応した表層測定索(40)、中層測定索
(41)、底層測定索(42)が用いられるが、基本的
には魚群の遊泳水深に合せて投網包囲がなされるから、
表層魚の如き遊泳水深が浅い魚群では実質的に表層測定
索(40)と中層測定索(41)との選択で測定が可能
となる。
【0019】出力端子(3F)からの電気信号による測
定値は、演算表示部(5)において投網方位や位置が即
座に判断しえるような数値、グラフ或いは図形で表示さ
れるよう演算処理がなされるところで、且該演算表示部
(5)は比較的精密な電子回路を用いること及び演算処
理されたデーターは即時操船にも関係すること等より、
通常は操舵室等に設置されている。演算表示部(5)に
おける演算処理は通常図5に示す如き電子処理回路が用
いられるものであって、入力される測定値は先ずカウン
ター(5A)に入力され計数値として捉えたうえ演算処
理を行うマイクロプロセッサー(5B)に送られ、且こ
の入力された計数値の脱漏等が無いように予備的に記憶
させる記憶メモリー(5C)に記憶される。そしてマイ
クロプロセッサー(5B)では入力された計数値から、
予め入力記憶されてなる傾斜方向と潮流方向との換算値
並びに傾斜角と潮流速度との換算値に基づき演算処理を
し、それぞれの水深における実質的な潮流方向及び潮流
速度として算出したうえこれを表示メモリー(5D)に
記憶させ且この演算処理された潮流方向及び潮流速度を
再びマイクロプロセッサー(5B)にて数値、グラフ或
いは図形表示データーとして処理したうえ表示ディスプ
レイ(5E)に計測表示されるよう構成されている。
【0020】更にマイクロプロセッサー(5B)におい
ては、表層測定索(4A)及び中層測定索(4B)或い
は底層測定索(4C)相互の入力された測定値のそれぞ
れ傾斜方向に係る測定値において、表層測定索(4A)
の傾斜方向と中層測定索(4B)或いは底層測定索(4
C)の傾斜方向とを結ぶ延長線方向を演算処理して算出
せしめるプログラムが予め入力記憶されてなるから、該
プログラムに従って延長線方向所謂投網方位が算出され
且表示メモリー(5D)に記憶され、また相互の入力さ
れた測定値のそれぞれ傾斜角の差(開き角度)を潮流速
度に換算する換算値も予め入力記憶されてなるから、投
網後の旋網地の沈降流動速度が算出され表示メモリー
(5D)に記憶される。そしてこれらの算出値を再びマ
イクロプロセッサー(5B)により数値、グラフ或いは
図形表示データーとして処理したうえ表示ディスプレイ
(5E)に計測表示させるもので且魚群の移動速度から
投網位置の演算処理とその計測表示もなされる。
【0021】そして実際上では魚群の水深位によって表
層測定索(4A)と中層測定索(4B)若しくは底層測
定索(4C)のいずれかを選択して測定し投網方位や位
置を決定するものであるから、その選択の指示や測定に
際してローリングやピッチングにより常時変動する表示
された数値、グラフ、図形の中から正常な測定における
表示数値、表示グラフ或いは表示図形を確認するための
表示停止や解除、及び表示に際しての表示色相の選択等
をパネルスイッチ(5F)で簡便に操作できるよう選択
メモリー(5G)にマイクロプロセッサー(5B)で書
込みがなされるよう配慮されている。そして該演算表示
部(5)の電子処理回路を有効に操作させる各種のプロ
グラムもROM(5M)内に内蔵されている。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明投網方位、位
置の計測方法及びその計測器おいては、舷の所定位置及
び所定の高さで且舷と直交する方向に延出されるブーム
の先端に装備されたセンサーユニットより、その先端に
所定重量の錘が取付けられ且表層、中層及び底層の水深
に対応した長さの測定索がそれぞれ吊持されながら海中
に投下され、これら測定索の潮流方向や潮流速度に対応
した傾斜方向及び傾斜角を全方向可動ムーブメントで機
械的変化量に代え、且電気信号変換部でこれを電気信号
化した測定値として捉えるものであるから、常に一定の
測定条件のもとで測定がなされることとなり安定した測
定値とともに、それぞれの水深の実勢に近い正確な測定
値が得られる。そして該測定値を魚群近傍において船を
アンカー等で仮係止させ測定する計測方法では表層測定
索の傾斜方向及び傾斜角と、中層若しくは底層測定索の
傾斜方向及び傾斜角がそのまま測定値として使用でき、
また中層若しくは底層測定索が垂直状態に保持されるよ
う操船し測定する計測方法では、表層測定索の傾斜方向
と中層若しくは底層測定索の垂直方向とから方位計測の
ための測定値が、また表層測定索の傾斜角と中層若しく
は底層測定索の垂直(傾斜角零)とに僅かな操船速度の
補正を加えることでも測定値が得られる等、海況状況や
漁撈上の都合如何でいずれの計測方法も利用でき、而も
かかる測定値は演算表示部において予め入力記憶されて
なる潮流方向と傾斜方向並びに潮流速度と傾斜角との換
算値に基づき演算処理がなされて即時にそれぞれの水深
における実勢に近い潮流方向や潮流速度として算出さ
れ、且これが数値やグラフ或いは図形により計測表示さ
れるから客観的且明確な判断がなされる。
【0023】更に該演算表示部においては、表層測定索
と中層若しくは底層測定索との測定値における相互の傾
斜方向を結ぶ延長線方向の算出処理プログラムが予め入
力記憶されてなるから即時に投網方位が算出され、且こ
れが数値、グラフ、図形等により計測表示されるため的
確な投網方位が把握でき、而も相互の傾斜角(開き角
度)から投網後の旋網地の沈降移動速度の算出処理プロ
グラムも入力記憶されてなるから、即時にこれが算出さ
れ且数値、グラフ、図形等により計測表示され且魚群の
遊泳移動方向や速度との関係より正確な投網位置が判断
でき、従って魚群に対し極めて効果的投網包囲がなされ
魚獲性も著るしく向上する。また本発明では測定後ブー
ムを適宜に収納しえることから、限られた船床でも多く
の漁撈作業が行える等極めて多くの特徴を有する投網包
囲、位置の計測方法及びその計測器といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使用態様図である。
【図2】センサーユニットの断面説明図
【図3】光学式ロータリーエンコーダーの説明図
【図4】測定索の説明図
【図5】演算表示部における電子処理回路の説明図
【符号の説明】
1 ブーム 1A ブームの支柱 2 舷 2A 船床 3 センサーユニット 3A 全方向可動ムーブメント 3B 電気信号変換部 3C 吊持フック 3D ケーシング 3E 連絡具 3F 出力端子 30A 横回転ドラム 31A ジンバル 32A 軸着 33A 回転軸 34A 縦回転ドラム 35A 縦回転ドラム回転軸 30B ロータリーエンコーダー 31B 回転板 32B 外周縁 33B 透光スリット 34B 光源 35B 受光部 4 測定索 4A 表層測定索 40A 表層測定索の錘 4B 中層測定索 40B 中層測定索の錘 4C 底層測定索 40C 底層測定索の錘 5 演算表示部 5A カウンター 5B マイクロプロセッサー 5C 記憶メモリー 5D 表示メモリー 5E 表示ディスプレイ 5F パネルスイッチ 5G 選択メモリー 5M ROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉永 勝利 長崎県長崎市古町22番地 株式会社マリン 技研内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舷の所定位置及び高さで且舷と直交する
    方向に延出されるブームに装備されるセンサーユニット
    内の全方向可動ムーブメントと一体的に形成された吊持
    フックに、その先端にそれぞれ所定重量の錘が取付けら
    れ且表層の水深に対応した長さの表層測定索、及び中層
    の水深に対応した長さの中層測定索、或いは底層の水深
    に対応した長さの底層測定索を吊持させて海中に投下
    し、対地速度零の状態においてそれぞれの測定索相互が
    形成する傾斜方向や傾斜角を全方向可動ムーブメントに
    付帯する電気信号変換部で電気信号化された測定値とな
    し、この測定値を演算表示部において適宜に演算処理
    し、以って表層、中層或いは底層水深の潮流方向及び潮
    流速度を適宜に表示し且投網方位、位置を計測表示させ
    ることを特徴とする投網方位、位置の計測方法。
  2. 【請求項2】 中層測定索若しくは底層測定索が垂直に
    投下保持されるよう操船し、表層測定索との傾斜方向、
    傾斜角を全方向可動ムーブメントに付帯する電気信号変
    換部で電気信号に変換し測定値となしたうえ演算処理す
    る、「請求項1」記載の投網方位、位置の計測方法。
  3. 【請求項3】 舷の所定位置、所定の高さで且舷と直交
    する方向に適宜手段で延出され而も収納自在なブーム
    と、該ブームに少なくとも3個装備され且それぞれその
    内部には、測定索の傾斜方向及び傾斜角に対応して全方
    向に可動可能な全方向可動ムーブメントが取付けられて
    なり且その中央下方には該全方向可動ムーブメントと一
    体的に吊持フックが形成され、而も該全方向可動ムーブ
    メントの可動割合に応じ光学的若しくは磁気的手段で電
    気信号に変換し測定値となす電気信号変換部が付帯さ
    れ、且これらが開口した底部を有するケーシングによっ
    て包被されてなるセンサーユニットと、その一側端が吊
    持フックに吊持され且他端にそれぞれ所定重量の錘が取
    付けられ且表層の水深に対応した長さの表層測定索、及
    び中層の水深に対応した長さの中層測定索或いは底層の
    水深に対応した長さの底層測定索からなる測定索と、セ
    ンサーユニットにおいて電気信号化された測定値を適宜
    の演算処理と表示手段により、表層水深、中層水深或い
    は底層水深の潮流方向及び潮流速度を表示し、且投網方
    位、位置を計測表示する演算表示部とから構成される投
    網方位、位置の計測器。
JP31256092A 1992-10-12 1992-10-12 投網方位、位置の計測方法及びその計測器 Pending JPH06121632A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007225493A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 National Maritime Research Institute 舶用対水速度計測装置
JP2020173196A (ja) * 2019-04-12 2020-10-22 株式会社ブルーオーシャン研究所 水質監視装置

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JP4677637B2 (ja) * 2006-02-24 2011-04-27 独立行政法人海上技術安全研究所 舶用対水速度計測装置
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