JPH0612132Y2 - コンクリ−ト型枠締付具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、コンクリート型枠を組立てる際に使用する型
枠締付具に係るものであり、特に梁用コンクリート型枠
の組立てに有効なコンクリート型枠締付具に係るもので
ある。

従来の技術 従来、梁用コンクリート型枠を組立てるに際しては、少
なくとも上下二段に数本の型枠間隔保持を挿通すると
共に、これ等の型枠間隔保持の型枠外の端部近傍にバ
タ材を適宜配置して当て金具で受け、締付楔を圧入して
締付けていた。

しかしながら、梁用コンクリート型枠の組立てに際して
は両型枠間中に多数の鉄筋が組込まれているため、両型
枠に穿設した透孔に型枠間隔保持を挿入するのが困難
である。また型枠の透孔穿設も鉄筋組立構造を配慮して
行なわなければならないし、鉄筋自体の組立ても型枠間
隔保持が挿通することを考慮確認しながら行なわなけ
ればならない。このため型枠組立者と鉄筋組立者間の作
業調節を円滑にする工程管理苦労が大きく、また、型枠
の反覆使用寿命が短かくなり、その消耗が大きくて経済
的でないという不具合があった。

そこで、固着具挿通孔を設けた腕部の一端に型枠係止部
を形成し、他端部にバタ材係止部を設けたコンクリート
型枠締付具が実公昭６０−２２１８１号公報として提案
されているが、このものは、腕部とバタ材係止部とが溶
接により固着してあるので作業がめんどうなほかコスト
高になるという不具合があった。

また、背板の一端に堰板に係合するフランジとつめとを
設け、他端下部にたる木受けを設けた梁の腰おさえ金具
が実開昭６０−１０４５３６号として知られているが、
このものはたる木おさえ側の端部にたる木に対する固定
用の孔が形成されておらず、たる木と腰おさえ金具とが
位置ずれを起こしやすいものであった。

さらに、帯状板の外端部にばた材の端部に係合する両側
壁部及び後壁部よりなる縦ばた材係合部を有し、内端に
型枠板に係合する係合部を設け、両側壁部に縦ばた材固
定用ピンを挿通する孔を設けた梁型枠組立用金具が実公
昭５６−４３４７６号として提案されているが、このも
のは、両側壁部及び後壁部を帯状板と別体にしてカシメ
によって取付けたものではなく、ピン挿通用の孔も両側
壁部に単純な孔を穿孔したにすぎず、コンクリートを打
ち込んで型枠に大きな圧力が加わると、ばた材に固定さ
れたピンが孔に対して移動しようとするため、孔の縁が
破損しやすいものである。

また、両側板に連設せる背板の上部に後方へ延長する係
合板を一体に連設し、係合板の先端部を下方に屈曲して
引掛折縁を形成すると共に係合板に孔を穿設し、両側板
の下部の対向する位置にピンを挿架する孔をそれぞれ穿
設した足場板の支持金具が実公昭５２−７０６４号とし
て知られているが、このものは、係合板の釘挿通用の孔
及び両側板のピン挿通用の孔は単純な孔であって、その
損傷を防ぐための手段を何等備えていない。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上述した如き事情を鑑み、頑丈で破損し難く、
バタ材に固定することができ、経済的なコンクリート型
枠締付具を提供することにある。

問題を解決するための手段 上記問題点を解決するための本考案は、腕部の一端に型
枠係止部を形成し、前記腕部の他端下部にバタ材係止部
を設けたコンクリート型枠締付具において、該バタ材係
止部は前記腕部の長手方向に沿った一対の側面部と該側
面部の外縁間に亘って設けられた端面部とを有し、前記
側面部及び端面部の上部を内側に折曲げて折曲片をそれ
ぞれ設け、該折曲片にそれぞれ貫通孔を穿設し、前記腕
部の下面に形成された中空の筒部を前記折曲片の貫通孔
に挿通すると共に、先端をカシメて前記折曲片の裏面に
重合したことを特徴としている。

実施例 以下、図面により本考案の一実施例としてのコンクリー
ト型枠締付具について説明すると、第１〜第７図に示す
ように、型枠締付具１は金属等の平板からなる腕部２、
金属等のコ字形板からなるバタ材係止部３及び爪状の型
枠係止部４，５から構成されている。爪状の型枠係止部
４，５は腕部２の一端にスリットを入れて腕部２に対し
直角に夫々反対方向に折り曲げることにより形成され
る。

また、腕部２の下方に折り曲げた爪状型枠係止部５の先
端内面には下方内側に傾斜する面取部５ａが形成され、
コンクリートからの離脱を容易としている。

バタ材係止部３は腕部２の他端の下方に直立されて設け
られており、腕部２の両側縁にその長手方向に沿って設
けられた一対の側面部３ａ，３ａと、側面部３ａ，３ａ
の外縁間に亘って設けられた端面部１８とを備え、側面
部３ａ，３ａ及び端面部１８の間に形成されたコ字形凹
部を腕部２下方の爪状の型枠係止部５に対向させる。

また、両側面部３ａ，３ａと端面部１８との上部を内側
に折曲げて折曲片２０，２０，２０をそれぞれ形成し、
第４図に示すように、これら折曲片２０に貫通孔１４を
穿設し、腕部２の下面に押出成型によって形成された３
ケ所の中空の筒部２１を貫通孔１４に挿通し、筒部２１
の先端をカシメて折曲片２０，２０，２０の裏面に重合
し、腕部２とバタ材係止部３とを固着する。

そして、バタ材係止部の両側面部３ａ，３ａ下部の外縁
寄りに釘１６等のクサビとなるものを挿入するためのク
サビ挿入孔１７，１７がそれぞれ設けられている。

また、バタ材係止部３の端面部１８には、その幅方向に
沿って、かつクサビ挿入孔１７，１７に臨んでクサビ挿
入孔１７，１７と同じ高さに外方に膨出する溝部１９が
形成されている。

型枠係止部４，５の折り曲げ長さは型枠厚みより若干短
い程度が好ましく、またバタ材係止部３の形状はコ字型
に限定されることなく、バタ材の形状に応じて適宜選定
され得る。そして、腕部２の中間部には該型枠締付具１
を横バタ材等に固定する釘等の固着具を挿入する孔６が
穿設されている。

第７図は第１〜第６図に示す梁乃至柱用コンクリート型
枠締付け具１を用いて型枠を組立てた状態を示す図であ
る。

下部型枠７の両側に垂直に配設した側部型枠８の下部に
は従来の型枠間隔保持が挿通されており、側部型枠８
の外面には水平方向の桟木１０が適宜間隔ごとに配設さ
れ、桟木１０の外面には縦方向の円形パイプ１１が適宜
間隔ごとに配置され、側部型枠８の外面下部には型枠締
付金具１２を係止し、この型枠締付金具１２に打設され
た締付楔１３により桟木１０及び円形パイプ１１を直角
に組合せたバタ材を介して上記側部型枠８の下部を締付
けている。

そして、上記側部型枠８の上端部には本考案に係る型枠
締付具１が配設されており、この型枠締付具１の一端に
形成された型枠係止部４を側部型枠８の内面に係止し、
他端のバタ材係止部３を円形パイプ１１に係止させるこ
とにより桟木１０及び円形パイプ１１から成るバタ材を
介して上記側部型枠８の上端部を締付けている。

その際係止が外れないように確実に固定するため、バタ
材係止部３のクサビ挿入孔１７，１７にクギ１６，１６
をクギの先端が溝部１９内に沿うように挿入し、円形パ
イプ１１を型枠係止部５側に押しやり、その後、腕部２
の中間部に設けた固着具挿通孔６に釘を打込むことによ
り型枠締付具１が桟木１０に釘止めされる。

また、この型枠締付具１の上方に折り曲げた型枠係止部
５には上部型枠９の端面が当接される。

尚、必要とあらば、型枠８の上部を本考案に係る型枠締
付具１で組立てるとともに、従来の型枠間隔保持によ
る組立も併用することも可能である。

このようにして型枠組立が行なわれると、型枠内にコン
クリートが打設され、そのコンクリートが硬化した後型
枠締付具１及びバタ材を取外し型枠が剥離される。

この際、型枠係止部５の下端外面に面取部５ａが形成さ
れているため、型枠係止部５の下端が剣先状となってコ
ンクリートに埋設され、型枠係止部５の下端から剥がせ
ば簡単に型枠締付具１をコンクリートから離脱すること
ができ、型枠解体作業も本考案に係る型枠締付具１を使
用すれば容易に行なうことができ、しかも型枠の反覆使
用寿命が伸び経済的になる。

考案の効果 以上詳述したように、本考案のコンクリート型枠締付具
はバタ材係止部の両側面部及び端面部の上部を折曲げて
折曲片をそれぞれ設け、腕部下面に形成された中空の筒
部を折曲片に穿設された貫通孔に挿入し、筒部の先端を
カシメて取付けたので、バタ材係止部の折曲片に穿設し
た貫通孔に腕部に予め形成した筒部を挿入することによ
って腕部に対するバタ材係止部の仮止めにおける位置合
わせが正確にでき、その後は単にカシメを行うのみでカ
シメ作業が容易となり、溶接によって取り付けたものに
比較して製作作業が簡単になり、コスト的にも安価なも
のが提供できるという利点がある。

また、バタ材係止部側の上面にカシメ部を兼用する孔が
穿設されているので、バタ材と型枠締付具とが位置決め
された後、型枠締付具の設置箇所等によって必要であれ
ば上記カシメ部を構成する腕部に形成された筒部を利用
して釘、ビス等を打ち込み、縦バタ材と型枠締付具とを
固定することが可能であり、これによりバタ材と型枠締
付具との位置ずれを強力に防止することができる。

この際、腕部に形成された筒部及びその先端のカシメた
部分がバタ材係止部に穿設された孔を補強し、このた
め、挿通された釘、ビス等に強い剪断力が加わり、コン
クリート型枠締結具に対して移動してもバタ材係止部に
穿設された孔の縁が損傷する心配が無く、コンクリート
型枠締結具の耐久性が大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のコンクリート型枠締付具の実施例を示
す側面図、第２図はその正面図、第３図はその底面図、
第４図は腕部とバタ材係止部の固着状態を示す断面図、
第５図は円形パイプに配設した状態時の正面断面図、第
６図は同側面断面図、第７図は本考案のコンクリート型
枠締付具を用いて型枠を組立てた状態を示す図である。 １……型枠締付具、２……腕部、３……バタ材係止部、
３ａ……側面部、４，５……型枠係止部、１４……貫通
孔、１８……端面部、２０，２０，２０……折曲片、２
１……筒部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】腕部の一端に型枠係止部を形成し、前記腕
   部の他端下部にバタ材係止部を設けたコンクリート型枠
   締付具において、該バタ材係止部は前記腕部の長手方向
   に沿った一対の側面部と該側面部の外縁間に亘って設け
   られた端面部とを有し、前記側面部及び端面部の上部を
   内側に折曲げて折曲片をそれぞれ設け、該折曲片にそれ
   ぞれ貫通孔を穿設し、前記腕部の下面に形成された中空
   の筒部を前記折曲片の貫通孔に挿通すると共に、該筒部
   の先端をカシメて前記折曲片の裏面に重合したことを特
   徴とするコンクリート型枠締付具。