JPH06118Y2 - 接続アダプター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は注射器と薬液容器の口部または薬液容器の口部
側とを接続する接続アダプターに関し、より詳しくは、
薬液容器の口部のゴム栓に注射器の針を穿刺して注射器
の中の薬液を薬液容器の中に注入する操作を容易にする
ために、注射器と薬液容器の口部または薬液容器の口部
側とを接続する接続アダプターに関する。

〈従来の技術〉 口部がゴム栓で密封された薬液容器に注射器で薬液を注
入する場合、従来は、直接口部のゴム栓に注射器の針を
穿刺して、注射器内に収容された薬液を注入していた。

然し、特開昭６４−７００６９号公報や特開平１−１３
５３６０号公報等に示されるような薬液注入装置のよう
に、ゴム状弾性体製のバルーンからなる薬液容器に薬液
を注入する場合には、チューブを膨らませながら薬液を
注入する関係で、かなりの圧力に抗して薬液を注入する
必要があり、従って、細い注射器を使用したのでは薬液
注入に時間がかかり、また太い注射器を使用したのでは
指でプランジャを押して薬液を注入する操作が困難な場
合があり、問題であった。

〈考案が解決しようとする課題〉 本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、バルーン
を薬液の注入によって膨らませるタイプの薬液容器など
のように、大きな内圧を有する薬液容器に、容易かつ短
時間で薬液を注入することを可能とする接続アダプター
を提供することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記の課題を解決するために、薬液容器の口部
のゴム栓に注射器の針を穿刺して注射器の中の薬液を薬
液容器の中に注入する操作を容易にするための補助具で
あって、薬液容器の口部または該容器の口部側を挿着す
る第１の開口と、注射針を取り付けた注射器の頭部を挿
着する第２の開口を両端に有する筒体からなり、該筒体
の略中央部分の内壁に、筒体の長手軸方向に延びる複数
の丈の高い突条が形成されるとともに、該突条から第１
の開口および第２の開口に到る部分に、それぞれ薬液容
器の口部または該容器の口部側と係合する第１の係合手
段および注射器の頭部と係合する第２の係合手段が形成
されてなる接続アダプターを採用している。

〈作用〉 上記構成の接続アダプターによれば、使用に際して、ま
ず接続アダプターの第１の開口に薬液容器の口部または
薬液容器の口部側を挿着し、ついで第２の開口に注射針
の付いた注射器の頭部を挿着して薬液容器の口部ゴム栓
に注射針を刺通し、注射器側を下にして注射器のプラン
ジャのフランジ部分を机などに宛行い、接続アダプター
を手で把持しながら押し下げると、注射器の中の薬液は
容易に薬剤容器の中に注入される。

〈実施例〉 次に本考案の実施例について図面に基づいて説明する。

第１図は本考案の１実施例を示す一部破断正面図であ
り、第２図は第１図における平面図、第３図は本考案の
使用状況説明図である。

第１図および第２図に示すように、本考案の接続アダプ
ターは、内壁面の略中央部分に丈の高い突条(1)が形成
された筒体であって、両端の開口(2)，(3)から突条(1)
にかけてそれぞれ第１および第２の係合手段が形成され
てなるものである。

丈の高い突条(1)は、第３図で説明すると、薬液容器(V)
および注射器(S)の進入を制限するとともにこれらを適
当な位置に配置させるものであり、筒体の略中央部分の
内壁の長手軸方向に略対称の位置に複数形成される。突
条(1)の数は限定するものではないが２〜６個であり、
突条(1)の高さは薬液容器(V)および注射器(S)が挿入で
きず且つ薬液容器の口部(P)および注射器のチップ(T)が
挿入できる間隔が保証される限り特に限定されない。突
条(1)の第１の開口(2)および第２の開口(3)側端部は、
それぞれ薬液容器(V)および注射器(S)の形状に合わせて
筒体の側壁に対して直角または稍開口側に傾斜させた形
状に形成される。

第１の開口(2)は薬液容器(V)または薬液容器の口部(P)
を挿入するための挿入口であり、筒体の第１の開口(2)
側内壁にはこの開口端に近接して形成された環状突起
(4)と、この開口端から丈の高い突条(1)にかけて長手軸
に沿って形成されたスリット(5)からなる第１の係合手
段が設けられている。第１の係合手段は要は薬液容器
(V)または薬液容器の口部(P)と係合してこれを支持する
ものであれば上記の例に限定されるものではなく、たと
えば後述の第２の係合手段と同様の丈の低い突条であっ
てもよい。

第２の開口(3)は注射器(S)を挿入するための挿入口であ
り、その開口端から丈の高い突条(1)にかけて長手軸に
沿って形成された丈の低い突条(6)からなる第２の係合
手段が設けられている。この第２の係合手段も上記の例
に限定されるものではなく、要は注射器(S)または注射
器のチップ(T)と係合してこれを支持するものであれば
よく、たとえば前述の第１の係合手段と同様の、環状突
起とスリットからなるものでもよい。

次に本考案の接続アダプターの使用方法について説明す
る。

第３図に示すように、まず薬液容器(V)と注射器(C)とを
それぞれ接続アダプター(C)の第１の開口(2)および第２
の開口(3)から挿着して、注射器(S)の注射針(N)を薬液
容器(V)の口部(P)のゴム栓(R)に刺通する。次に注射器
(S)を下にして注射器(S)のプランジャ（図示していな
い）のフランジを机などに宛行い、接続アダプターを手
で把持しながらこれを押し下げると、予め注射器(S)の
中に収容されていた薬液を極めて容易に薬液容器(V)に
注入することができる。

〈考案の効果〉 以上説明してきたことから明らかなように、本考案の接
続アダプターを使用すれば、内圧が大きいため薬液の注
入に大きな力を必要とする薬液容器の場合にも、極めて
容易に然も短時間で薬液を注入することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す一部破断正面図であ
り、第２図は第１図における平面図、第３図は本考案の
使用状況説明図である。 〈主な符号の説明〉 １：丈の高い突条 ２：第１の開口 ３：第２の開口 ４：環状突起 ５：スリット ６：丈の低い突条 Ｃ：接続アダプター Ｓ：注射器 Ｖ：薬液容器

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】薬液容器の口部のゴム栓に注射器の針を穿
   刺して注射器の中の薬液を薬液容器の中に注入する操作
   を容易にするための補助具であって、 薬液容器の口部または該容器の口部側を挿着する第１の
   開口と、注射針を取り付けた注射器の頭部を挿着する第
   ２の開口を両端に有する筒体からなり、該筒体の略中央
   部分の内壁に、筒体の長手軸方向に延びる複数の丈の高
   い突条が形成されるとともに、該突条から第１の開口お
   よび第２の開口に到る部分に、それぞれ薬液容器の口部
   または該容器の口部側と係合する第１の係合手段および
   注射器の頭部と係合する第２の係合手段が形成されてな
   る接続アダプター。
2. 【請求項２】第１の係合手段が、第１の開口に近接して
   筒体の内壁に形成された環状突起と、長手軸方向に略等
   間隔に形成された複数のスリットからなる請求項第１項
   記載の接続アダプター。
3. 【請求項３】第１の係合手段が、筒体の内壁の長手軸方
   向に略等間隔に形成された複数の丈の低い突条である請
   求項１記載の接続アダプター。
4. 【請求項４】第２の係合手段が、第２の開口に近接して
   筒体の内壁に形成された環状突起と、長手軸方向に略等
   間隔に形成された複数のスリットからなる請求項１〜３
   のいずれかに記載の接続アダプター。
5. 【請求項５】第２の係合手段が、筒体の内壁の長手軸方
   向に略等間隔に形成された複数の丈の低い突条である請
   求項１〜３のいずれかに記載の接続アダプター。