JPH0611871B2

JPH0611871B2 - 有機顔料附着薄片状顔料とその製造法

Info

Publication number: JPH0611871B2
Application number: JP60237779A
Authority: JP
Inventors: 民生野口; 隆二渡辺
Original assignee: Merck Patent GmbH
Current assignee: Merck Patent GmbH
Priority date: 1985-10-25
Filing date: 1985-10-25
Publication date: 1994-02-16
Anticipated expiration: 2009-02-16
Also published as: ZA868123B; JPS62101662A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は薄片状基質に有機顔料を、有機高分子化合物を
用いて附着せしめた有機顔料附着薄片状顔料とその製造
法に関する。

さらに詳しく言えば本発明は雲母、タルク等の薄片状基
質に彩度の良い有機顔料を、有機高分子化合物を用いて
附着せしめた新規な有機顔料附着薄片状顔料に関する。
本発明に係る顔料は、彩度が良くしかも透明性を有する
という優れた特色を有するものである。

一般に、顔料は、その生成時には一次粒子と呼ばれる非
常に細かい粒子であるため表面エネルギーも大きく不安
定な状態にあり凝集する性質がある。そのため顔料を使
用する場合には、発色性を良くする目的で、集合した粗
大粒子を一次粒子に機械的に破壊した後、個々の粒子を
安定な分散状態に保つために顔料の表面を化学的に処理
し、ぬれ及び分散を容易ならしめた後に用いられてい
る。

しかしながら、この様に処理をしたものでも、ビヒクル
中で長時間放置すると再び凝集し、その発色性に影響を
与える場合がある。

一般に、有機系顔料は発色基としてアゾ型及びヒドラゾ
ン型の基(-N=N-、HN=C、-C=N-)をその構造内に有する塩基
性をもった化合物であり、酸性物質と塩を作る性質があ
る。例えば銅フタロシアニンは硫酸と作用して塩を形成
する。この硫酸塩は高濃度の硫酸には溶解するが80〜65
％程度の濃度の場合には、溶解状態でなく硫酸塩がスラ
リー状で存在する。フタロシアニン顔料は、上記のアシ
ッドペーストを多量の水に注入することにより微細な顔
料粒子が得られる。しかしながら、このようにして得ら
れたものを乾燥するとその強い表面活性のため凝集が著
しく、着色料として使用する場合には、再分散させるた
めに、機械的粉砕等を行う必要がある。本発明者は、顔
料の一次粒子を凝集させることなく雲母、タルク等の表
面に被覆した発色性の良い新規顔料を創製すべく鋭意研
究した結果、本発明により、新規な有機顔料附着薄片状
顔料を提供することに成功した。

すなわち、本発明によれば薄片状基質に耐候性、耐熱
性、耐溶剤性にすぐれた均一の粒子の有機顔料を均質に
附着させた顔料とその製法が提供される。

本発明の有機顔料附着薄片状顔料は例えば、次の如き方
法で調製することができる。

(1)有機顔料を強酸性溶媒もしくはルイス酸基を含む溶
媒または極性有機溶媒に溶解又は分散した懸濁液を、有
機高分子化合物を溶解した水またはアルコール系溶液に
加え、微細な顔料を分散させた懸濁液を調製する。

(2)有機高分子化合物を溶解した水またはアルコール溶
液に薄片状基質を加えた懸濁液を調製する。

(3)(1)で得られた懸濁液を(2)で得られた懸濁液に攪拌
しながら加え、固型物を分離した後、乾燥する。

上記(1)において使用する有機顔料は、ボールミルやロ
ール等により機械的に微細にして使用することができ
る。

本発明に係る有機顔料附着薄片状顔料は、特に、化粧料
用に使用されるが、その場合には、鮮やかな色調をも
ち、しかも、皮膚に対する附着性、伸展性が良く、さら
に、有機顔料が直接皮膚に附着しないため、有機顔料の
皮膚に対する感差性を減少することができる。

本発明において使用される薄片状基質の例としては、従
来、粉白粉などの原料として使用されている白雲母、絹
雲母などの雲母類をはじめ、タルク、カオリン、および
オキシ塩化ビスマス等があげられる。また雲母に酸化鉄
や酸化チタンを被覆して得られる合成真珠顔料の使用も
可能である。

また、有機顔料としては、キナクリドン系、縮合アゾ
系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、バット系及
びフタロシアニン系顔料が使用されるが、化粧品用とし
て使用するためには、下記の顔料は、好ましいものであ
る。

赤色３号、104号、106号、202号、204号、207号、213
号、223号、226号、401号黄色４号、５号、203号、205号、403号青色 202号、203号、１号、404号緑色３号、201号橙色 201号、203号、205号紫色 401号有機顔料を薄片状基質に附着させるためにバインダーと
して用いる高分子化合物の例としては化粧品原料として
使用し得るポリエチレングリコール類、ポリプロピレン
グリコール類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、ポリアクリル酸塩類、ポリエチレン、セルロー
ス類及びこれらの誘導体等である。

有機顔料を溶解させ、またはスラリーとして分散させる
溶媒の例としては、濃硫酸、あるいはルイス酸例えば塩
化アルミニウム、塩化鉄を溶解したアルコール溶液、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒ
ドロフラン、等の極性有機溶媒などがあげられる。

以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、これ
らは本発明を限定するものではない。

実施例１フタロシアニンブルー2.5ｇを濃硫酸52ｇに溶解させ
る。この溶液を徐々に60wt％硫酸溶液500ｇに加え、フ
タロシアニンの硫酸スラリーを調製する。この懸濁液に
酸化チタン（約50wt％）被覆雲母150ｇを加え、よく混
合した後、この懸濁液をポリエチレングリコール10ｇを
溶解した50〜60℃の温水2.5の溶液に混和し、20分
間、同温度下で攪拌する。室温まで冷却した後、過
し、水洗する。得られた固型物を120〜140℃で乾燥する
と、青色の光沢を有する顔料が得られた。

実施例２無水塩化アルミニウム3.0ｇをエタノール30ｇに溶解し
た溶液にフタロシアニンブルー0.3ｇを分散させた液
に、３ｇのポリエチレングリコールを50ｇのエタノール
に溶解させた溶液に酸化チタン（約50wt％）被覆雲母15
ｇを懸濁した懸濁液を混和し、よく混合した後、ポリエ
チレングリコール５ｇを溶解した温水500m中に再分散
させ、５分間攪拌する。次いで、室温まで冷却し、過
し、水洗する。得られた固型物を120〜140℃で乾燥する
と、青色の光沢を有する顔料が得られた。

実施例１及び実施例２で得られた顔料は、それぞれ、ト
ルエン−水の二相系に加え、混合した後、静置すると、
トルエン相（有機層）に移行した。これにより、有機顔
料が酸化チタン−雲母に附着しているため、疎水性のも
のになっていることが確認された。

また、このようにして得た顔料を電子顕微鏡で観察した
結果、薄片状基質上に微粒子状態の有機顔料が附着して
いることが確認された。

実施例３ヘリンドンピンク0.2ｇをジメチルホルムアミド20ｇを
加え、加熱、溶解した後、エタノール50ｇに雲母10ｇを
懸濁させた液に加え、よく混合し、次いで、ポリエチレ
ングリコール４ｇを温水200ｇ中に溶解した溶液に、こ
の懸濁液を添加し、攪拌する。過し、水洗した後、11
0〜140℃で乾燥すると、赤色の薄片状顔料が得られた。

実施例４分子量約6,000のポリエチレングリコール3.0ｇを水130
ｇに加え、加熱、溶解した後、エタノール14mを加
え、ヘリンドンピンク25ｇを添加し、サンドミルを用い
て顔料を分散させた。この懸濁液に、ポリエチレングリ
コール1.0ｇを水189ｇ及びエタノール1.5ｇに溶解した
溶液を攪拌下に加える。

別に、１〜15μｍの雲母500ｇをポリエチレングリコー
ル5.5ｇを水2,500ｇ及びエタノール80ｇの溶液に溶解し
た溶液に加え、懸濁液を調製し、この液に上記有機顔料
懸濁液を６〜７m／minの速度で加え、次いで過し、
水洗を行なわずに、固型物を110〜140℃で乾燥すると、
赤色の薄片状顔料が得られた。

実施例５実施例４におけるヘリンドンピンクのかわりにハンザイ
エローを用いて同様の操作により、黄色の薄片状顔料を
得た。

実施例６実施例４におけるヘリンドンピンクのかわりにフタロシ
アニンブルーを用いて同様の操作により、青色の薄片状
顔料を得た。

実施例７実施例４における雲母のかわりに、酸化鉄を約17wt％附
着させた雲母を用いて同様の操作により、赤色の薄片状
顔料を得た。

実施例８実施例５における雲母のかわりに黄酸化鉄を約11wt％附
着させた雲母を用いて同様の操作により、黄色の薄片状
顔料を得た。

実施例９実施例４におけるヘリンドンピンクのかわりに赤色202
号を用いて同様の操作により、赤色の薄片状顔料を得
た。

実施例10 分子量約20,000のポリエチレングリコール３ｇを水60ｇ
に溶解した後ハンザイエロー５ｇを加え、サンドミルを
用いて分散させる。

別にポリエチレングリコール３ｇを水300mに溶解した
溶液に、１〜15μｍの雲母100ｇを懸濁させ、45〜50℃
に加熱し、これに、攪拌下、上記の有機顔料懸濁液を添
加し、次いで、過し、得られた固型物を110〜140℃で
乾燥すると、黄色の薄片状顔料が得られた。

実施例11 実施例10で用いた雲母のかわりに20μｍ以下のタルクを
用いて同様の操作を行なった。黄色の薄片状顔料が得ら
れた。

実施例12 ポリビニルアルコール（^＃500）0.30ｇ及び分子量6,000
のポリエチレングリコール3.0ｇを水150ｇに加え、加
熱、溶解した後、ヘリンドンピンク10ｇを加え、サンド
ミルを用いて分散させる。別に、１〜15μｍの雲母200
ｇをポリエチレングリコール2.5ｇを水1,300ｇに溶解し
た溶液に加えて懸濁液を調製し、これに、上記の有機顔
料分散液を攪拌下に、添加する。

生成した固型物を過し、105〜140℃で乾燥すると、赤
色の薄片状顔料が得られた。

実施例13 実施例12におけるポリビニルアルコールのかわりにポリ
ビニルピロリドンを用い、同様の操作を行ったところ、
赤色の薄片状顔料が得られた。

各実施例において得られた顔料は、電子顕微鏡で観察す
ると、薄片状基質上に微粒子状態の有機顔料が附着して
いることが確認される。

このようにして調製した有機顔料附着薄片状顔料は、ほ
ほ紅やアイシャドゥーなどの化粧用料に使用するとき、
皮膚上での伸展性、付着性において特に優れている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭52−93440（ＪＰ，Ａ) 特開昭51−17910（ＪＰ，Ａ) 特開昭56−16559（ＪＰ，Ａ) 特開昭48−56833（ＪＰ，Ａ) 特開昭57−114505（ＪＰ，Ａ) 特開昭50−13542（ＪＰ，Ａ) 特開昭52−148632（ＪＰ，Ａ) 特開昭53−5088（ＪＰ，Ａ) 特開昭47−33121（ＪＰ，Ａ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】機械的に微細粒子に粉砕した有機顔料を、
薄片状基質粒子表面に対して、有機高分子化合物をバイ
ンダーとして用いて均一に附着せしめてなる有機顔料附
着薄片状顔料。
【請求項２】薄片状着色顔料の製造方法であって、機械
的に微細粒子に粉砕した有機顔料の懸濁液または溶液中
に薄片状基質を懸濁させ、その懸濁液を有機高分子化合
物の水および／またはアルコールの溶液と混合し、生成
した液状物より溶媒を除去することによりバインダーと
しての有機高分子化合物を用いて有機顔料粒子を薄片状
基質粒子表面に附着させることを特徴とする有機顔料附
着薄片状顔料の製造方法。