JPH0611867U - モルタル塗布装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】モルタル吐出口の長手方向で均一な塗布ができ
ること。 【構成】下部にモルタル吐出口１２ａが開設されたモル
タル収納用箱体１２を備え、箱体１２の内部上方に空気
溜め空間Ｓを形成すると共に、空気溜め空間Ｓに空気供
給口１４ａを開設し、箱体１２の適所に開閉自在なモル
タル供給口１２ｂを開設したこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ＡＬＣ（オートクレーブ養生した発泡コンクリート）板等からなる 基板の表面に、タイル貼着等用のモルタルを塗布するモルタル塗布装置の改良に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、モルタル塗布装置には、図６及び図７に示すものがある。図６に示すモ ルタル塗布装置１は、下部にモルタル吐出口２ａが開設されたモルタル収納用ホ ッパー２と、該ホッパー２に取付たバイブレータ３とを備え、基板搬送路Ｒの上 に配設されている。ホッパー２に供給されたモルタルＭは、モルタルＭの自重で モルタル吐出口２ａから搬送中の基板Ｂ上に吐出されて塗布層Ｃとなる。バイブ レータ３は、モルタルＭに流動性を発現させ、モルタル塗布を円滑にする。

【０００３】 図７に示すモルタル塗布装置５は、下部にモルタル吐出口６ａが開設されたモ ルタル収納用箱体６を備え、基板搬送路Ｒの上に配設されている。箱体６は、モ ルタル加圧供給装置７が接続されている。モルタル加圧供給装置７は、モルタル 供給タンク９と、タンク９と箱体６を接続する供給管８と、供給管８の途中に配 設した加圧ポンプ１０を備えている。モルタル加圧供給装置７から箱体６の内部 に供給されたモルタルＭは、モルタルＭに加えられるポンプ圧力でモルタル吐出 口６ａから搬送中の基板Ｂ上に吐出されて塗布層Ｃとなる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

図６に示すモルタル塗布装置１は、ホッパー２内に収納されているモルタルＭ が、バイブレータ３の振動によりホッパー２内で粒径の異なる粒子群に上下分離 することがある。そのため、モルタル塗布装置１は、塗布層Ｃの厚みや組成が不 均一となる欠点がある。

【０００５】 図７に示すモルタル塗布装置５は、箱体６内における供給口８ａからモルタル 吐出口６ａまでの距離がモルタル吐出口６ａの長手方向で異なるため、モルタル 吐出口６ａから吐出するモルタルＭの吐出圧分布がモルタル吐出口６ａの長手方 向で不均一である。そのため、モルタル塗布装置５は、モルタル吐出口６ａの長 手方向でみた塗布分布が不均一となる欠点がある。更に、塗布作業終了後には、 モルタル加圧供給装置７の加圧ポンプ１０の清掃に多くの手間を必要とする。

【０００６】 本考案は、上記問題点を解決するために、モルタル吐出口の長手方向で均一な 塗布ができるモルタル塗布装置の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案が採用した第１の手段は、下部にモルタル吐出口が開設されたモルタル 収納用箱体を備えたモルタル塗布装置において、前記箱体の内部上方に空気溜め 空間を形成すると共に、該空気溜め空間に空気供給口を開設し、前記箱体の適所 に開閉自在なモルタル供給口を開設したことである。

【０００８】 本考案が採用した第２の手段は、下部にモルタル吐出口が開設されたモルタル 収納用箱体を備えたモルタル塗布装置において、前記箱体の内部上方に空気溜め 空間を形成すると共に、該空気溜め空間に空気給排口を開設し、前記箱体の下部 を挿入できる開口部を開設したモルタル供給用タンクを設け、前記箱体を塗布位 置からモルタル受給位置までの間を往復移動自在に備えたことである。

【０００９】 本考案が採用した第３の手段は、前記第１又は２の手段において、前記箱体の 内部に、箱体長手方向に長い膨縮自在な空気袋を配設し、該空気袋の内部で前記 空気溜め空間を形成したことである。

【００１０】

【作用】

第１の手段にあっては、モルタル供給口から箱体の内部にモルタルを充填し後 にモルタル供給口を閉じ、次に空気供給口から空気溜め空間へ加圧空気を供給す ると、箱体に充填されたモルタルの上面が加圧空気で均一に加圧される。均一加 圧されたモルタルは、モルタル吐出口から均一分布状態で吐出する。

【００１１】 第２の手段にあっては、モルタル供給用タンクに溜められたモルタル中に箱体 のモルタル吐出口を沈め、その状態で箱体内の空気を空気給排口から排出すると 、モルタルがモルタル吐出口を介して箱体内へ吸引される。箱体は、その内部に 所定量のモルタルが充填されたならば、空気給排口を閉状態にしたままモルタル 受給位置から塗布位置へ移動される。次に、空気供給口から空気溜め空間へ加圧 空気を供給すると、箱体に充填されたモルタルの上面が加圧空気で均一に加圧さ れる。均一に加圧されたモルタルは、モルタル吐出口から均一分布状態で吐出す る。

【００１２】 第３の手段にあっては、空気供給口から加圧空気を供給すると空気袋が膨張し 、箱体に充填されているモルタルを均一に加圧する。空気溜め空間が空気袋で仕 切られているため、箱内のモルタルが空気供給口へ逆流することがない。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案に係るモルタル塗布装置（以下、「本案塗布装置」という）を図 面に示す実施例に基づいて説明する。

【００１４】 （第１実施例） 図１は第１実施例の本案塗布装置１１を示すものである。本案塗布装置１１は 、強制駆動ローラ１８，１８…等からなる基板搬送路Ｒの上方に、モルタル収納 用箱体１２を配設してある。箱体１２は、下部にスリット状のモルタル吐出口１ ２ａが開設されていると共に、上部の適所にモルタル供給口１２ｂが開設され、 モルタル供給口１２ｂに蓋体１３が開閉自在に取付けられている。更に、箱体１ ２は、内部上方に空気溜め空間Ｓを形成してあると共に、上部の適所に空気供給 管１４が接続されて空気溜め空間Ｓに空気供給口１４ａを開設してある。空気供 給管１４は、コンプレッサ等からなる加圧空気供給装置１５が接続され、その途 中に開閉弁１６を取付けてある。

【００１５】 本案塗布装置１１によるモルタル塗布作業は、次に様にして行われる。先ず、 蓋体１３を開けてモルタル供給口１２ｂから箱体１２の内部にモルタルＭを充填 し、その後に蓋体１３を密閉する。なお，モルタル吐出口１２ａは、モルタルＭ の充填中、蓋（図示は省略）等で閉塞状態にしておく。

【００１６】 次に、空気供給管１４の開閉弁１６を開き、空気供給口１４ａから空気溜め空 間Ｓへ加圧空気を供給して、箱体１２に充填されているモルタルＭの上面Ｍａを 長手方向全域に亘って加圧空気で均一に加圧する。均一加圧されたモルタルＭは 、スリット状のモルタル吐出口１２ａの全域から均一吐出圧分布状態で基板Ｂ上 に吐出され、所定厚みの塗布層Ｃとなる。

【００１７】 塗布を中断するときには、空気供給管１４の開閉弁１６を閉じて加圧空気の供 給を中断して、モルタル吐出口１２ｂからのモルタルＭの吐出を停止する。なお 、塗布に伴い箱体１２内のモルタルＭの残量が少なくなったならば、蓋体１３を 開閉して、モルタル供給口１２ｂから箱体１２の内部にモルタルＭを再度充填す る。

【００１８】 （第２実施例） 図２は第２実施例の本案塗布装置２１を示すものである。本案塗布装置２１は 、基板搬送路Ｒの上方に、モルタル収納用箱体２２を配設してある。箱体２２は 、下部にスリット状のモルタル吐出口２２ａが開設されていると共に、側部にモ ルタル供給管２３が接続されている。更に、箱体２２は、内部上方に、箱体長手 方向に長い台形柱状の空気袋２８が配置されている。空気袋２８は、ゴム，樹脂 フイルム等の変形容易な素材で成形された膨張と収縮が自在なものであり、空気 供給管２４を接続してある。

【００１９】 該空気供給管２４は、三方弁２６及び開閉弁２７を介して加圧空気供給装置１ ５に接続され、三方弁２６の切替えで空気袋２８の内部を加圧状態又は大気圧状 態とする。前記モルタル供給管２３は、モルタル供給用タンク２９に接続され、 その中に開閉弁３０を取付けてある。

【００２０】 本案塗布装置２１によるモルタル塗布作業は、次に様にして行われる。先ず、 三方弁２６を切替えて空気袋２８の内部を大気圧状態にし、モルタル供給管２３ の開閉弁３０を開いて箱体２２の内部へモルタルＭを供給する。空気袋２８は、 モルタルＭの供給に伴い、内部の空気が三方弁２６を介して外部へ排出され、偏 平状に縮む。なお、モルタル供給中は、モルタル吐出口２２ａを蓋体（図示は省 略）等で閉じておく。箱体２２は、モルタルＭの充填に伴い空気袋２８が縮むた め、箱体２２が満杯になるまでモルタモＭを供給することができる。

【００２１】 次に、三方弁２６を切替えると共に開閉弁２７を開いて空気袋２８の内部に加 圧空気を供給して、空気袋２８を膨張させる。空気袋２８は、箱体２２に充填さ れているモルタルＭを長手方向全域に亘って均一に加圧する。均一加圧されたモ ルタルＭは、モルタル吐出口２２ａから基板Ｂ上に均一分布状態で吐出され、所 定厚みの塗布層Ｃとなる。

【００２２】 塗布を中断するときには、空気供給管２４の開閉弁２７を閉じて加圧空気の供 給を中断して、モルタル吐出口２２ａからのモルタルＭの吐出を停止する。なお 、塗布に伴い箱体２２内のモルタルＭの残量が少なくなったならば、前記同様に して箱体２２の内部へモルタルＭを供給する。

【００２３】 （第３実施例） 図３は第３実施例の本案塗布装置３１の要部を示すものである。本実施例が前 記第２実施例と異なる所は、空気袋３８の断面形状である。空気袋３８は、断面 コ字状に形成され、凹部３８ａでモルタルＭを加圧するようにしてある。空気袋 ３８以外の構成は、前記第２実施例と同一である。また、本案塗布装置３１によ るモルタル塗布作業は、前記第２実施例と実質的に同一である。

【００２４】 （第４実施例） 図４は第４実施例の本案塗布装置４１を示すものである。本案塗布装置４１は 、基板搬送路Ｒの上方に、モルタル収納用箱体４２を配設してある。箱体４２は 、下部にスリット状のモルタル吐出口４２ａが開設されている共に、上部の適所 に空気給排管４４が接続されている。更に、箱体４２は、内部上方に空気溜め空 間Ｓが形成され、空気溜め空間Ｓに空気給排口４４ａを開設してある。空気給排 管４４は、開閉弁４７及び三方弁４５を介して加圧空気供給装置１５及び減圧装 置４６が接続され、三方弁４５の切替えで空気溜め空間Ｓを加圧状態又は減圧状 態とする。

【００２５】 前記基板搬送路Ｒの上方又は外側には、モルタル供給用タンク４９を配設して ある。該タンク４９は、箱体４２の下部を挿入できる上方開口部４９ａを開設し てある。前記箱体４２は、昇降・横送り装置（図示は省略）に吊り下げられ、塗 布位置Ｄからモルタル受給位置Ｅまでの間を往復移動する。

【００２６】 なお、箱体４２の空気溜め空間Ｓは、図示は省略したが、図２に示す空気袋２ ８又は図３に示す空気袋３８で形成することも可能である。

【００２７】 本案塗布装置４１によるモルタル塗布作業は、次に様にして行われる。先ず、 箱体４２をモルタル受給位置Ｅに移動させ、モルタル供給用タンク４９に溜めら れたモルタルＭの中に箱体４２のモルタル吐出口４２ａを沈める。開閉弁４７を 開いた状態で三方弁４５を切替えて減圧装置４６と箱体４２を連通すると、箱体 ４２は、空気溜め空間Ｓ内の空気が排出されて、モルタル吐出口４２ａを介して 内部にモルタルＭが吸引される。箱体４２は、その内部に所定量のモルタルＭが 充填されたならば、開閉弁４７を閉じた状態でモルタル受給位置Ｅから塗布位置 Ｄへ移動させる。

【００２８】 次に、箱体４２が塗布位置Ｄで停止している状態で、三方弁４５を切替えて加 圧空気供給装置１５と箱体４２を連通すると、空気溜め空間Ｓへ加圧空気が供給 されて、箱体４２に充填されているモルタルＭの上面Ｍａを長手方向全域に亘っ て加圧空気で均一に加圧する。均一加圧されたモルタルＭは、スリット状のモル タル吐出口４２ａの全域から均一吐出圧分布状態で基板Ｂ上に吐出され、所定厚 みの塗布層Ｃとなる。

【００２９】 塗布を中断するときには、空気供給管４４の開閉弁４７を閉じて加圧空気の供 給を中断して、モルタル吐出口４２ｂからのモルタルＭの吐出を停止する。なお 、塗布に伴い箱体４２内のモルタルＭの残量が少なくなったならば、箱体４２を モルタル受給位置Ｅへ移動させ、前記同様にして箱体４２の内部へモルタルＭを 受給する。

【００３０】 （第５実施例） 図５は第５実施例の本案塗布装置５１の要部を示すものである。本実施例が前 記第１乃至４実施例と異なる所は、箱体５２のモルタル吐出口５２ｂを大口５２ ｂ−１と小口５２ｂ−２を組み合わせて、塗布層Ｃが凹凸の筋状となるようにし た点である。モルタル吐出口５２ｂの形状以外の構成は、前記第１，２，３又は ４実施例と同一である。

【００３１】 （その他の実施例） 前記箱体１２（２２，３２，４２）は、図示は省略したが、その底部を交換可 能な底板で形成し、底板にモルタル吐出口１２ａ（２２ａ，３２ａ，４２ａ）を 形成することもある。塗布作業が終了したときにきは、底板を取り外して洗浄し 、または濡れスポンジ等で包んでおく。

【００３２】

【考案の効果】

以上詳述の如く、本案塗布装置は、次の如き実用的効果を有する。 箱体に充填されたモルタルの上面が加圧空気で均一に加圧され、モルタルがモ ルタル吐出口から均一分布状態で吐出する。その結果、本案装置は、塗布幅方向 全域に亘って、均一な厚み又は均一な凹凸筋状にモルタルを塗布することができ る。

【００３３】 箱体内に空気袋が配設されている場合には、空気溜め空間が空気袋で仕切られ 、モルタルを空気供給口へ逆流させることがない。その結果、本案塗布装置は、 操作及び保守が簡単である。

【００３４】 モルタルを加圧するポンプを必須としない。その結果、本案塗布装置は、保守 点検が従来に比べて簡単にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案塗布装置の第１実施例を示すものであり、
（Ａ）は全体を示す一部切欠いた斜視図、（Ｂ）は箱体
を拡大した横断図である。

【図２】本案塗布装置の第２実施例を示すものであり、
（Ａ）は全体を示す一部切欠いた斜視図、（Ｂ）は箱体
を拡大した横断面図である。

【図３】本案塗布装置の第３実施例を示すものであり、
箱体を拡大した横断面図である。

【図４】本案塗布装置の第４実施例を示すものであり、
全体を示す側面図である。

【図５】本案塗布装置の第５実施例の要部を示す一部切
欠いた斜視図である。

【図６】従来の別態様のモルタル塗布装置の側面を示す
断面図である。

【図７】従来のモルタル塗布装置の全体を示す一部切欠
いた斜視図である。

【符号の説明】

１２（２２，３２，４２）…箱体 １２ａ（２２ａ，３２ａ，４２ａ）…モルタル吐出口 １２ｂ…モルタル供給口 １４（２４）…空気供給管 １４ａ（２４ａ）…空気供給口 １５…加圧空気供給装置 ２３…モルタル供給管 ２８（３８）…空気袋 ４４…空気給排管 ４９…モルタル供給用タンク Ｓ…空気溜め空間

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部にモルタル吐出口が開設されたモル
   タル収納用箱体を備えたモルタル塗布装置において、前
   記箱体の内部上方に空気溜め空間を形成すると共に、該
   空気溜め空間に空気供給口を開設し、前記箱体の適所に
   開閉自在なモルタル供給口を開設したことを特徴とする
   モルタル塗布装置。
2. 【請求項２】 下部にモルタル吐出口が開設されたモル
   タル収納用箱体を備えたモルタル塗布装置において、前
   記箱体の内部上方に空気溜め空間を形成すると共に、該
   空気溜め空間に空気給排口を開設し、前記箱体の下部を
   挿入できる開口部を開設したモルタル供給用タンクを設
   け、前記箱体を塗布位置からモルタル受給位置までの間
   を往復移動自在に備えたことを特徴とするモルタル塗布
   装置。
3. 【請求項３】 前記箱体の内部に、箱体長手方向に長い
   膨縮自在な空気袋を配設し、該空気袋の内部で前記空気
   溜め空間を形成した請求項１又は２に記載のモルタル塗
   布装置。