JPH06117662A - セパレート型空調機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セパレート型スポットクーラーに好適で、壁
面取付型と天井取付型の両方を兼用可能なセパレート型
空調機を提供する。 【構成】 室外ユニット１０及び室内ユニット２０から
なって、室内ユニットの蒸発器２４を送風の流通路に垂
直な平面に対して傾倒させて配置し、ドレン皿２６は、
蒸発器の主面である傾斜前面から結露水を受ける第１受
皿部２６Ａと、第１受皿部に９０゜以内の合わせ角度で
結合されて蒸発器の側面から結露水を受ける第２受皿部
２６Ｂを有し、第１受皿部と第２受皿部の交差部近傍に
設けられたドレン抜き孔２７から結露水を外部排出す
る。ドレン皿２６がこうした形状であるから、壁面取付
型または天井取付型に対応して第１受皿部、第２受皿部
のいずれか一方からドレン抜きが可能で両取付型に兼用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、家庭用及び業務用クー
ラーにあって特に冷風を人に追尾させる構造のスポット
クーラーに好適なセパレート型空調機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、スポットクーラーを構造で分類
した型式に一体型及びセパレート型が知られ、一体型は
圧縮機、凝縮機、及び凝縮機冷却用の送風機等からなる
室外ユニットと、蒸発器及び送風機等からなる室内ユニ
ットとが一体化されたものであり、セパレート型は分離
された室外ユニットと室内ユニットを互いに電気回路や
冷媒配管で接続したものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、セパレート
型のスポットクーラーの場合、室内ユニットは壁面や天
井に取り付けるのを通常としており、取付場所が壁面か
または天井かといったユーザーの希望に対応するため
に、壁面取付型及び天井取付型が用意され、機種の増大
を招く結果となっていた。壁面取付型及び天井取付型に
対応した機種を用意する構造的要因は、主に蒸発器から
の結露水によるドレンを垂直方向から抜いて排出する
か、それとも水平方向から抜いて排出するか因るもので
ある。

【０００４】従って、本発明は、こうした従来からの事
情を解決し、セパレート型スポットクーラーに好適で壁
面取付型と天井取付型を兼用可能なセパレート型空調機
を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明によるセパレート型空調機は、室外ユニット
及び室内ユニットからなって、室内ユニットは室内空気
を吸引して送風する送風機と、送風機の吐出側に配置さ
れかつ室外ユニットに冷媒配管されて冷風を室内に供給
する蒸発器と、蒸発器で発生した結露水を溜めて排出す
るドレン皿とを備えたものにおいて、蒸発器を送風の流
通路に垂直な平面に対して傾倒させて配置し、ドレン皿
は、蒸発器の主面である傾斜した前面から結露水を受け
る第１受皿部と、第１受皿部に９０゜以内の合わせ角度
で結合されて蒸発器の側面から結露水を受ける第２受皿
部とを有し、第１受皿部と第２受皿部の交差部近傍にド
レン抜き孔を設けた構成となっている。

【０００６】

【作用】設置場所は１機種で壁面取付型または天井取付
型のいずれにも自在に対応できる。室内ユニットでは、
送風機から送風された室内空気は傾倒した蒸発器に前面
から導入され、ここを通過した冷風は例えば蛇腹状吐出
ダクト（冷風の吐出方向が任意で人に対して手動式また
は自動式で追尾できる意味からスポットクーラーの名の
由縁がある）から室内に供給される。壁面取付型とした
場合は、蒸発器からの結露水ドレンが傾斜側面を伝って
ドレン皿の第２受皿部に溜められ、ドレン抜き孔から外
部排出される。また、天井取付型とした場合は、蒸発器
からの結露水ドレンが傾斜前面（面積の大きい主面）を
伝って第１受皿部に溜められ、ドレン抜き孔から外部排
出される。第１受皿部と第２受皿部は９０゜以内の合わ
せ角度で結合されているから、結露水のドレンは両受皿
部の交差部近傍に集められ易く、ドレン抜き孔から効果
的に排出される。

【０００７】

【実施例】以下、本発明によるセパレート型空調機の実
施例であるスポットクーラーを図面に基づいて説明す
る。

【０００８】図１及び図２に示すように、実施例のセパ
レート型スポットクーラーは、建屋戸外に設置される室
外ユニット１０と屋内に設置される室内ユニット２０か
らなっている。図１は、室内ユニット２０を壁面１（ま
たは柱）に取り付けた場合の壁面取付例を示し、図２は
室内ユニット２０を天井面２に取り付けた場合の天井取
付例を示している。

【０００９】室外ユニット１０の構成は、屋外に設置さ
れる箱形ケーシング１１を有し、このケーシング１１内
部には周知の冷却システムを構成する圧縮機１２、凝縮
機１３、この凝縮機１３を冷却する送風機１４等の各機
器が収納されている。

【００１０】室内ユニット２０の構成は、壁面１または
天井面２に固定されるケーシング２１を有し、このケー
シング２１内部には回転子２２ａの回転駆動により室内
の空気（矢印Ａで示す）を吸引する送風機２２が配置さ
れている。吸引時、空気Ａはフィルタ２３によってろ過
される。また、吸引された室内空気Ａが通過して冷却さ
れる蒸発器（冷却器）２４が配置され、ここを通過した
冷風（矢印Ｃで示す）は蛇腹状の吐出ダクト２５から室
内に供給するようになっている。吐出ダクト２５はスポ
ットクーラーとして人追尾を可能とするため屈曲自在な
機能を生かして任意の方向に首振りできる。本発明で
は、首振り機能が手動式であるか自動化されているかは
要旨としていない。

【００１１】また、同じく室内ユニット２０のケーシン
グ２１内においては、送風機２２の吐出側に連なって容
器成形されたドレン皿２６が配置され、このドレン皿２
６内に蒸発器２４が収まった形となっている。蒸発器２
４とドレン皿２６は次のような構造関係にある。

【００１２】図３及び図４に示すように、蒸発器２４
は、送風機２２によって導入された室内空気Ａの流通路
に垂直な平面に対し傾倒して設けられている。即ち、図
３の壁面１に取り付けた場合は、蒸発器２４の垂直線Ｖ
に対する傾斜角βは、４５°に設定してあり、好ましく
は４５°〜５５°である。また、図４の天井面２に取り
付けた場合、蒸発器２４の水平線Ｌに対する傾斜角βで
あり、同じく４５°に設定してあり、好ましくは４５°
〜５５°である。また、ドレン皿２６は断面Ｌ字状に成
形され、蒸発器２４の主面である傾斜した前面２４Ａ
（または後面）から結露水を受ける第１受皿部２６Ａ
と、蒸発器２４の側面２４Ｂから結露水を受ける第２受
皿部２６Ｂとからなっている。第１受皿部２６Ａと第２
受皿部２６Ｂは９０゜以内の合わせ角度αで結合されて
いて、両受皿部の交差部近傍にはドレン抜き孔２７が設
けられている。

【００１３】なお、室外ユニット１０と室内ユニット２
０は互いに電気的に接続されているとともに、室内ユニ
ット２０側の蒸発器２４は冷媒配管２８によって室外ユ
ニット１０に接続されている。こうした電気回路及び冷
媒配管２８による冷却サイクルは周知であるから詳しい
説明は省く。

【００１４】次に、以上の構成による実施例のセパレー
ト型スポットクーラーの動作及び作用を説明する。

【００１５】設置場所は図１のような室内ユニット２０
の壁面取付型、或いは図２のような天井取付型のいずれ
にも自在に対応できる。室外ユニット１０及び室内ユニ
ット２０の起動オンによって、室内ユニット２０では、
送風機２２の作動により室内空気Ａが吸引導入され、蒸
発器２４に向けて供給される。室内空気Ａは傾倒した蒸
発器２４に前面２４Ａから導入され、ここを通過した冷
風Ｃは蛇腹状の吐出ダクト２５から室内に供給される。
吐出ダクト２５はその機能を生かして任意の方向に自在
に首振りできる。

【００１６】図１の壁面取付型の場合、室内空気Ａの通
過によって、蒸発器２４で発生した結露水がドレンとし
て傾斜した側面２４Ｂを伝ってドレン皿２６の第２受皿
部２６Ｂに溜められ、ドレン抜き孔２７から外部排出さ
れる。また、図２の天井取付型の場合は、蒸発器２４で
発生した結露水がドレンとして傾斜した前面２４Ａを伝
って第１受皿部２６Ａに溜められ、ドレン抜き孔２７か
ら外部排出される。第１受皿部２６Ａと第２受皿部２６
Ｂは９０゜以内の合わせ角度αで結合されているから、
結露水は両受皿部の交差部近傍に集められ易く、ドレン
抜き孔２７から効率的に排出される。

【００１７】なお、結露水をドレン皿２６に有効に溜め
る工夫として、蒸発器２４の内部構造であるチューブの
表面に親水処理を施しておくことが可能である。例え
ば、チューブに多数のピンホールを設け、表面に水滴を
生じさせないようにして、滴下を防止することにより、
結露水をドレン皿２６まで導くことが可能になる。

【００１８】一方、本発明では、図５及び図６で示され
た第２実施例も可能である。即ち、先の第１実施例にお
いては、垂直な壁面１に対して蒸発器２４を傾斜させた
構造であるが、第２実施例の蒸発器３４の場合、壁面１
に平行で垂直線に対して好適な傾斜角度を設けている。
天井取付型の場合は第１実施例と同じ要領で対応でき
る。他の部材については第１実施例に同じであり対応部
材に同一符号を付す。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明による空調
機はセパレート型スポットクーラーとして好適であり、
従来からこの種の装置にあって壁面取付型と天井取付型
に対応した機種増大の要因になっていた蒸発器からの結
露水ドレンの排水構造を改良することにより、１つの機
体でもって壁面取付型と天井取付型を兼用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による空調機の第１実施例としてセパレ
ート型スポットクーラーを壁面取付型とした場合の側面
断面図

【図２】第１実施例のセパレート型スポットクーラーを
天井取付型とした場合の側面断面図

【図３】第１実施例において壁面取付型の場合の要部で
ある蒸発器とドレン皿との取り合いの側面断面図

【図４】第１実施例において天井取付型の場合の要部で
ある蒸発器とドレン皿との取り合いの側面断面図

【図５】第２実施例のセパレート型スポットクーラーを
壁面取付型とした場合の側面断面図

【図６】図５を左方からみた第２実施例のセパレート型
スポットクーラーの側面断面図

【符号の説明】

１０…室外ユニット、２０…室内ユニット、２２…送風
機、２４…蒸発器、２４Ａ…傾斜前面、２４Ｂ…傾斜側
面、２５…蛇腹状吐出ダクト、２６…ドレン皿、２６Ａ
…第１受皿部、２６Ｂ…第２受皿部、２７…ドレン抜き
孔、２８…冷媒配管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室外ユニット及び室内ユニットからなっ
   て、室内ユニットは室内空気を吸引して送風する送風機
   と、送風機の吐出側に配置されかつ室外ユニットに冷媒
   配管されて冷風を室内に供給する蒸発器と、蒸発器で発
   生した結露水を溜めて排出するドレン皿とを備えたセパ
   レート型空調機において、 蒸発器を送風の流通路に垂直な平面に対して傾倒させて
   配置し、 ドレン皿は、蒸発器の主面である傾斜した前面から結露
   水を受ける第１受皿部と、第１受皿部に９０゜以内の合
   わせ角度で結合されて蒸発器の側面から結露水を受ける
   第２受皿部とを有し、第１受皿部と第２受皿部の交差部
   近傍にドレン抜き孔が設けられたことを特徴とするセパ
   レート型空調機。