JPH06116786A - 成形性、溶接性、耐食性および塗装後鮮映性に優れたアルミニウム合金板 - Google Patents

成形性、溶接性、耐食性および塗装後鮮映性に優れたアルミニウム合金板

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JPH06116786A
JPH06116786A JP26611392A JP26611392A JPH06116786A JP H06116786 A JPH06116786 A JP H06116786A JP 26611392 A JP26611392 A JP 26611392A JP 26611392 A JP26611392 A JP 26611392A JP H06116786 A JPH06116786 A JP H06116786A
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Koji Uesugi
杉 康 治 上
Makoto Imanaka
中 誠 今
Nobuo Totsuka
塚 信 夫 戸
Masaki Mabuchi
渕 昌 樹 馬
Naoki Nishiyama
山 直 樹 西
Toshio Tani
俊 夫 谷
Motohiro Nanbae
元 広 難波江
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Furukawa Aluminum Co Ltd
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Furukawa Aluminum Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
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    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon

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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形性、溶接性、耐食性および塗装後鮮映性を
いずれも著しく改善し、現有の鋼板用製造ラインでも適
用可能なレベルにまで諸特性を向上させたアルミニウム
合金板の提供。 【構成】アルミニウム合金板表面に0.01〜10μm
の陽極酸化皮膜を有し、その表面の最大粗さ(Rma
x)を8μm以上、板表面の最も高い凸部よりRmax
の20%下がった位置までの間に位置する表面面積率が
40〜90%を占めることを特徴とする成形性、溶接
性、耐食性および塗装後鮮映性に優れたアルミニウム合
金板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として自動車用軽量
化部材、特に車体パネルとして使用されるアルミニウム
合金板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車運動性能の向上や炭酸ガス
による地球環境温暖化問題の対応としての自動車燃費の
向上のために車体の軽量化が積極的に推進されている。
すなわち、10%の車体軽量化は5〜10%の燃費を向
上し、かつエンジンパワーの約25PSに相当する運動
性能の向上をもたらす効果がある。アルミニウム合金板
は材料比強度やリサイクル利用等の面で有利な軽量化素
材であることから、近年注目されホイール、バンパー、
ラジエター、エンジンから車体パネルへと使用範囲が拡
大している。
【0003】しかしながら、車体パネルへのアルミニウ
ム合金板の適用には、従来多用されている鋼板に比べ特
性が異なるために多くの問題を抱えている。特にアルミ
ニウム用専用設備やラインを導入することには多大の投
資を伴うことから、現有の鋼板用製造ラインを用いた兼
用同時処理とすることが必要となるが、そのために解決
すべき問題は多い。
【0004】代表的問題とこれらの問題を改善するため
の従来技術は以下のものがある。 (1)プレス成形性 アルミニウム合金板のプレス成形性(以下、成形性と略
称)は鋼板の成形性より極めて悪い。そのためアルミニ
ウム合金板の車体パネルへの適用例としてはフードのよ
うな軽加工の部材に限定され、より複雑でかつ強加工を
伴うドア部材等への適用は困難であった。アルミニウム
合金板のプレス成形性が悪いのは、素材としてのアルミ
ニウム自体の成形性が悪いことに加えて、アルミニウム
が低融点で軟質であることから、プレス金型に多用され
ている鋳鉄などとの親和力が強く、金型に凝着しやすい
性質を有すること、すなわち摺動性が悪いことに起因し
ている。
【0005】このようなアルミニウム合金板の成形性を
改善するには、素材自体の成形性を上げるための合金成
分の調整、合金の高純度化、焼鈍条件の適正化等の試み
がされているが、金属結晶構造学的な限界から、現在以
上の大幅な改善(鋼板と同等レベルにすること)は困難
であるものと思われる。他方、表面摺動性の観点からの
成形性の改善が試みられている。特開昭55−1497
27号公報にはプラスチックフィルムを添装して改善す
る方法が、特開平2−245274号公報にはパラフィ
ンワックスを塗布することによる改善法が開示されてい
る。
【0006】(2)スポット抵抗溶接性 アルミニウム合金板のスポット抵抗溶接性(以下、溶接
性と略称)は、その電極寿命が鋼板に比べて極端に劣る
為、車体の生産効率を悪くしている。すなわち、アルミ
ニウム板の溶接では電極との溶着現象が起こり易いこと
および同一の電極で適正なナゲットを得ることができる
連続打点数が著しく短い為、溶着が起こる前や適切なナ
ゲットが形成されなくなる前に、電極先端形状をドレッ
シングにより整えたり、あるいは新品電極と交換する頻
度が多くなり、このことが溶接効率ひいては車体の生産
効率を悪くする原因となっている。
【0007】溶接性を改善するための従来技術として
は、例えば特開昭57−4389号公報にはアルミニウ
ム板表面にCr,Ni,Cu,Agめっきを施すことに
よる溶接性の改善法が、特開昭60−187483号公
報にはアルミ板表面の酸化皮膜を陽極酸化法にて制御し
て溶接性を改善する方法が、特開平3−146693号
公報にはアルミ板表面にNiめっきとその上層にZnめ
っきを施すことにより改善する方法が開示されている。
【0008】(3)リン酸亜鉛化成処理性および耐食性 自動車車体には通常リン酸亜鉛化成処理が施されるが、
アルミニウム合金板のリン酸亜鉛化成処理性(以下、化
成性と略称)が悪い。すなわち、アルミニウム合金板は
鋼板用化成液で処理しても、表面酸化皮膜がアルミニウ
ムの溶解を抑制し、化成結晶が粗大で、スケ(化成結晶
の欠落)等のある欠陥皮膜となる。従って、アルミニウ
ム合金板用の化成処理液には弗化物を多量に添加し、弗
酸イオンによるアルミニウム溶出を促進させて化成性を
高めているが、アルミニウムイオンが化成処理液に蓄積
すると化成皮膜が形成されなくなる。また、このアルミ
ニウムイオンの蓄積は鋼板と同時処理する場合には、鋼
板の化成性をも阻害する問題が起こる。化成不良は塗装
密着性を劣化させ、糸錆腐食が容易に生じるようにな
る。
【0009】化成性を改善するための従来技術として
は、特開昭61−157693号公報にはアルミ板表面
にZn、Zn系合金又はFe系合金めっきを施すことに
よる化成性を改善する方法が、特開平2−57692号
公報にはアルミニウム合金板表面のMgO酸化物を硝酸
酸洗で除去し改善する方法が、また特開平3−1065
31号公報には表面粗度調整による改善法が開示されて
いる。
【0010】(4)塗装後鮮映性 自動車車体の塗装仕上がり品質は、ユーザーに直接的に
視覚によって訴えることができるため、自動車の重要な
品質管理項目となっている。すなわち塗装面の光沢性と
写像性が優れていることが重要である。これらの光沢性
と写像性をあわせて一般に鮮映性と称している。通常、
表面粗度を小さくすれば鮮映性は向上するが成形性は劣
化し、逆に表面粗度を大きくすれば成形性は向上するが
鮮映性は劣化する関係がある。したがって、問題は成形
性と塗装後鮮映性を両立させる適正粗度制御技術であ
り、鋼板では、例えば特開昭62−16862号、特開
昭62−224405号公報で開示されているレーザー
ダル加工を施したダルロールの適用による粗度制御法が
実用化され、現在大量に使用されている。
【0011】アルミニウム合金板に対しても特開平2−
41703号公報、特開平4−46607号公報には鋼
板と同様なレーザーダル加工を施したロールの適用によ
る表面粗度制御法による改善法が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
では成形性、溶接性又は化成性のいずれかを改善する技
術であってすべての特性を改善するには必ずしも満足す
べき特性を得るには至っていない問題がある。特に、ア
ルミニウム合金板では鋼板と同様なレーザーダル加工を
施したロールの適用による表面粗度制御を施しても、そ
の改善効果が鋼板のようには充分に発現しないことであ
る。また、特開平2−41703号公報、特開平4−4
6607号公報では溶接性や耐食性等の他の特性改善が
考慮されていない問題がある。本発明は、アルミニウム
合金板の成形性、溶接性、耐食性および塗装後鮮映性を
いずれも著しく改善し、現有の鋼板用製造ラインでも適
用可能なレベルにまで諸特性を向上させたアルミニウム
合金板の提供を目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記アルミニウ
ム合金板を自動車車体に適用するに当たっての主要な問
題について鋭意検討し、以下の新規な知見を得たことに
基づいて完成したものである。まず、成形性の改善につ
いては以下の知見に基づいている。すなわち、本質的に
はアルミニウム合金自体の成形性を向上させることが重
要であるが、同一材料であっても表面の摺動性を向上さ
せることにより成形性を向上させうるとの知見を得、か
つこの摺動性向上にはアルミ板表面の硬度を高め、かつ
表面粗度を適正に制御することで成形性と鮮映性を著し
く向上できることを見いだした。また、アルミ板表面の
硬度を高めるには陽極酸化処理が極めて有効であること
を知見した。
【0014】また、スポット溶接性の改善については以
下の知見に基づいている。すなわち、アルミニウム合金
板を同一の銅系電極を用いて連続的にスポット抵抗溶接
を繰り返し実施すると、電極先端の通電径が打点と共に
拡大し、これにともなうアルミ板中の電流密度の低下に
よってナゲット径も減少し、ついには電極寿命がつきる
が、アルミニウム板の場合には鋼板の場合に比べてその
電極先端径の拡大速度が著しく大きいことに特徴があ
る。その原因について鋭意検討した結果、アルミニウム
は電気伝導性が極めて大きいため、溶接時の発熱が電気
伝導性の小さい表面酸化物に支配されている。したがっ
て、溶接時に電極面が、熱間圧延で生成した絶縁性のM
gOを多量に含む不均一酸化皮膜を有するアルミ板に通
電すると、発熱が電極面先端と接触するアルミ板表面に
集中し、容易に電極面のアルミニウムが溶融する。その
ため連続打点溶接の場合には電極先端に溶融アルミニウ
ムが付着し、その酸化物が打点と共に堆積し、これが絶
縁層を形成してついには電極とこの絶縁層の間でスパー
クを起こし、電極先端が虫食い状に欠損する。そのため
電極先端径の拡大が促進され、電極寿命が極端に劣化す
ることを見いだした。しかし、アルミ板表面に組成の均
一な陽極酸化皮膜を施し、かつこの電極面側のアルミ板
表面の陽極酸化皮膜厚を接合面のアルミ板表面の酸化膜
厚より薄くすることで、電極面先端での発熱が抑制で
き、溶接性が著しく改善できることを見いだした。
【0015】また、耐食性の改善については以下の知見
に基づいている。すなわち、耐食性、特に最も問題とな
る糸錆腐食性は主にアルミニウム合金板の化成不良に起
因し、スケ等の化成不良は塗装密着性を悪くし、化成結
晶の欠陥部を通してアルミニウムの電気化学的溶解が促
進され、糸錆腐食が進展する。しかし、アルミニウム合
金板上に耐食性と塗装密着性の良好な陽極酸化皮膜があ
ると、化成皮膜がなくとも糸錆腐食を顕著に抑制できる
ことを見いだした。また、陽極酸化皮膜を有するアルミ
ニウム合金板はリン酸亜鉛化成液にアルミニウムイオン
が溶出しないため、アルミニウムイオンの溶出と蓄積に
よる、同時処理される鋼板の化成不良をも防止できるこ
とを知見した。
【0016】なお、アルミニウム合金板を現有の鋼板用
製造ラインを用いた兼用同時処理とする場合、アルミニ
ウム表面はハンドリング時に表面に傷が付き易いことも
問題で、プレス成形後の車体パネルの傷は人手による研
磨補修作業が必要であり、生産効率の著しい低下の原因
となっているが、鋼板以上の表面硬度を有する陽極酸化
皮膜が付与されたアルミニウム合金板は、ハンドリング
時の耐表面傷付き性が著しく改善されるとの知見も得
た。
【0017】本発明は、以上の知見に基づいて完成した
アルミニウム合金板である。すなわち、アルミニウム板
表面に0.01〜10μmの陽極酸化皮膜を有し、その
表面の最大粗さ(Rmax)を8μm以上、板表面の最
も高い凸部よりRmaxの20%下がった位置までの間
に位置する表面面積率が40〜90%を占める、かつ前
記の陽極酸化皮膜厚が表裏で差を有し、その差が25%
以上であることを特徴とする成形性、溶接性、耐食性お
よび塗装後鮮映性に優れたアルミニウム合金板である。
【0018】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発明に
おいては、まずアルミニウム合金板(アルミニウム板も
広く含む)表面の粗度調整を行う。本発明においては特
にその手法まで限定しないが、例えばレーザーダル加工
を施したロールを用いる方法もその一例として有効であ
る。この方法は、ブライトロールにレーザーでダル加工
を施して、アルミニウム合金板に与えようとする凹凸パ
ターンを形成する技術である。これにより転写率が所望
の範囲となり、本発明の後述の陽極酸化処理後のアルミ
板の表面粗度が適正範囲内に制御できれば成形性、溶接
性、耐食性および鮮映性が優れたアルミニウム合金板が
得られる。ただし、レーザーダル加工法以外の方法でも
本発明の範囲内に粗度が制御できれば同様に効果は得ら
れる。
【0019】すなわち本発明においては、0.01〜1
0μmの厚さを有するように陽極酸化処理した後のアル
ミニウム合金板表面の最大粗さ(Rmax)を8μm以
上、板表面の最も高い凸部よりRmaxの20%下がっ
た位置までの間に位置する表面面積率が40〜90%の
範囲とする。これを説明するため、本発明板表面の2次
元粗度プロファイルの模式図を図1に示すと、L1 、L
2 、L3 、L4 は所定の長さL内に含まれる平坦部であ
り、Rmaxは最大粗さである。
【0020】Rmaxは8μm以上にする。Rmaxが
8μm未満では、プレス時の摺動面が焼き付きを起こす
危険性があるためである。さらに、本発明は、表面の最
も高い凸部よりRmaxの20%下がった位置までの間
に位置する表面面積率が40〜90%を占めるものであ
る。この表面面積率が40%未満では、成形性および鮮
映性が悪く、また90%を超えると成形性が劣化するの
で好ましくない。
【0021】本発明では表面粗度の調整に加えて、前記
のようにその表面に0.01〜10μmの陽極酸化皮膜
が存在することが必須条件である。陽極酸化皮膜がない
と前記表面粗度調整の効果が発現しない。この原因はア
ルミニウム板は鋼板より軟質であり、表面硬度が極めて
低いために、プレス加工時の極圧状態になる前に表面の
凹凸が平滑化し、極圧状態でその効果が発現できないた
めである。そのための陽極酸化皮膜厚さは0.01μm
以上施す必要がある。
【0022】次に本発明での陽極酸化処理について述べ
る。本発明での陽極酸化処理は前記表面粗度調整後に行
う必要がある。陽極酸化処理後に表面粗度調整を行えば
ダルロール圧延加工により陽極酸化皮膜を破壊し溶接
性、塗装密着性に悪影響を与えるため好ましくない。
【0023】陽極酸化処理法はビッカース硬度(Hv)
が100以上のものが形成できれば硫酸浴、リン酸浴、
クロム酸浴、ほう酸浴、弱アルカリ浴等での定電位法、
定電流法、交流法等いずれの方法でもよく特に制限され
ないが、塗装密着性の観点から20Å以上の空孔を有す
る皮膜、例えばリン酸または硫酸浴での定電位法で形成
される皮膜が好ましい。
【0024】陽極酸化膜厚は0.01〜10μmが必要
である。0.01μm未満では成形性および耐食性が向
上しない。成形性および耐食性の観点からは両面が同じ
厚さの皮膜を施してもよいが、溶接性の観点からは溶接
時のアルミニウム板の電極接触面側の皮膜厚を、接合面
側皮膜厚の75%以下の厚さにすると溶接性が顕著に向
上する。換言すると表裏の陽極酸化膜厚差を25%以上
にすることが好ましい。また、陽極酸化膜厚は10μm
を超えると電気抵抗が大きくなりすぎ、溶接性が劣化す
るので好ましくない。
【0025】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。 (実施例)自動車用材料として使用されている代表的な
アルミニウム合金である厚さ1mmのJIS A518
2合金板を用い、調質前処理を施してアルミニウム合金
板表面を平滑化した後、レーザーダル加工を施したダル
ロールを用いて種々ダル加工アルミニウム合金板を得
た。これらのアルミニウム合金板を市販のアルカリ系洗
浄剤によるエッチング、水洗、硝酸によるスマット除
去、水洗を行った後、14%硫酸溶液中で定電位の陽極
酸化処理を行った。陽極酸化の膜厚は処理時間で制御し
た。その後、以下の測定と試験を行い、その特性を調査
した。作製試料およびその測定と試験結果を表1に示
す。
【0026】1)表面粗度の測定 最大粗さ(Rmax) 各試料の3次元粗度曲線を測定し、この生データを画像
処理装置ルーゼックス5000に入力した後、解析する
ことによりRmaxを測定した。これはJISB060
1に規定された2次元Rmaxに準拠して、3次元に拡
張して測定したものである。 表面面積率 各試料の3次元粗度生データと画像処理装置を用いて解
析し、板表面の最も高い凸部よりRmaxの20%下が
った位置までの間に位置する表面面積率を求めた。
【0027】2)塗装後鮮映性試験 試料に市販の自動車用カチオン電着塗装を20μm、中
塗りを35μm、上塗りを35μm施し、DOI値を測
定した。DOI値はハンター社製DORIGONメータ
ーで測定した。すなわち試料法線の30°の方向から光
を照射した時の正反射光量をRs、正反射より±0.3
°ずれた角度に反射してくる光量をR0. 3 としたとき、
DOI値は(Rs−R0.3 )/Rs×100で与えられ
る。鮮映性の評価はDOI値が85以上を良好(○)と
し、85未満を不良(×)とした。
【0028】3)プレス成形性試験 試料表面に0.5g/m2 の洗浄油を塗布した後、径7
0mmφに打ち抜いた各サンプルを径33mmφの高速
円筒絞り加工(加工速度500mm/sec)した。成
形性の評価は加工後円筒試片側面にかじりおよび/また
は割れが発生したものを不良(×)、これらの欠陥が発
生しなかったものを良好(○)とした。
【0029】4)スポット抵抗溶接性試験 試料の溶接性は下記の溶接機、電極および溶接条件にて
試験した。評価は溶着するまでの打点数又はナゲット径
が4√t(t:板厚)を下回るまでの打点数のいずれか
の少ない打点数でその効果を判定した。 (溶接機)インバーター式直流溶接機 (電極) ・形状:円錐台頭(CF)型 ・先端径:
5.0mmφ ・材質:Cu−Cr (溶接条件) ・加圧:150kgf ・初期加圧時
間:20/50秒 ・通電時間:6/50秒 ・保持時間:5/50秒 ・溶接電流:15kA なお、評価はその打点数が1000点未満を不良
(×)、1000点以上を良好(○)とした。
【0030】5)耐食性試験 2)と同様にカチオン電着塗装、中塗り、上塗り塗装を
施した試片(70×150mm)に、ASTM D28
03に規定されている糸錆腐食試験法に準拠して、素地
に達するクロスカット傷を施し、6週間試験した。評価
はクロスカット傷部からの糸錆発生長さが2mm未満を
良好(○)、糸錆発生長さが2mm以上を不良(×)と
した。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム合金板の
成形性、溶接性および耐食性をいずれも著しく改善し、
現有の鋼板用製造ラインでも適用可能なレベルにまで諸
特性を向上させることができ、アルミニウム合金板の適
用範囲を飛躍的に拡大できると共に、自動車車体の生産
性が著しく向上し、かつ塗装後鮮映性を向上させること
ができるため自動車の付加価値も高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明アルミニウム合金板の表面状態を説明
するための線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今 中 誠 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 戸 塚 信 夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 馬 渕 昌 樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 西 山 直 樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 谷 俊 夫 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 難波江 元 広 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金板表面に0.01〜10
    μmの陽極酸化皮膜を有し、その表面の最大粗さ(Rm
    ax)を8μm以上、板表面の最も高い凸部よりRma
    xの20%下がった位置までの間に位置する表面面積率
    が40〜90%を占めることを特徴とする成形性、溶接
    性、耐食性および塗装後鮮映性に優れたアルミニウム合
    金板。
  2. 【請求項2】前記の陽極酸化皮膜厚が表裏で差を有し、
    その差が25%以上である請求項1に記載のアルミニウ
    ム合金板。
JP26611392A 1992-10-05 1992-10-05 成形性、溶接性、耐食性および塗装後鮮映性に優れたアルミニウム合金板 Withdrawn JPH06116786A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018134683A (ja) * 2012-12-27 2018-08-30 三菱アルミニウム株式会社 内面螺旋溝付捻り加工管と熱交換器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018134683A (ja) * 2012-12-27 2018-08-30 三菱アルミニウム株式会社 内面螺旋溝付捻り加工管と熱交換器

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