JPH06115413A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

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JPH06115413A
JPH06115413A JP4293795A JP29379592A JPH06115413A JP H06115413 A JPH06115413 A JP H06115413A JP 4293795 A JP4293795 A JP 4293795A JP 29379592 A JP29379592 A JP 29379592A JP H06115413 A JPH06115413 A JP H06115413A
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JP
Japan
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pad
pressure
brake
valve
turned
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JP4293795A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Kadowaki
美徳 門脇
Fumiaki Kawabata
文昭 川畑
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両制動に先立って、ディスクブレーキのパ
ッドをディスクに接触しない待機位置まで前進させるデ
ィスクブレーキ装置において、パッド摩耗の影響を受け
ることなくパッドを精度よく待機位置まで前進させる。 【構成】 パッド46の移動位置を測定子49,摺動子
54,抵抗体56等によりポテンショメータの原理を利
用して検出するとともに、各回の車両制動においてパッ
ド46の前進端位置を検出し、次回の車両制動に先立っ
て、パッド46の位置を監視しつつアキュムレータの圧
力をホイールシリンダ22に作用させ、パッド46を前
回の前進端位置の直前の待機位置まで前進させる。パッ
ド46の位置を直接に検出しつつパッド46を前進させ
るから、パッド46の摩耗に伴う肉厚減少の影響を受け
ることなく、パッド46が精度よく待機位置に前進させ
られ、これにより、ブレーキの効き遅れも引きずりも防
止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディスクブレーキを備え
た車両用のブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキは一般に、車輪と共に
回転するディスクにパッドが押し付けられることによっ
て車輪の回転を抑制する構成とされる。さらに、パッド
の背後にピストンが配置され、このピストンがゴム状の
ピストンシールを介してハウジングに実質的に液密に嵌
合される構成ともされる。
【0003】この種のディスクブレーキは一般に、ピス
トンシールの弾性を利用してピストンの戻りが達成され
る。ピストンの背後に形成された液圧室の液圧が増圧さ
れれば、ピストンはピストンシールに弾性変形を加えつ
つ前進し、やがてパッドを介してディスクに接触し、こ
れにより車輪の回転が抑制される。一方、この状態から
液圧室が減圧されれば、ピストンは主としてピストンシ
ールの弾性変形の回復により戻され、これによりパッド
がディスクから離間させられるのである。いわゆるフォ
ールバックがそれである。
【0004】しかし、主としてピストンシールの弾性に
よってのみピストンの戻りを達成する場合には、ピスト
ンの戻りが確実に保証されるとは限らない。そのため、
鋼製のスプリングによりピストンの戻りを達成する技術
が既に提案されている。これの一例が実公昭61−16
424号公報に開示されている。しかし、単にスプリン
グを用いただけでは、次のような問題が生ずる。すなわ
ち、ピストンシールはピストンの戻し機能のみならず、
パッドの摩耗に伴う板厚減少につれてピストンとピスト
ンシールとの間にすべりが発生するのを許容し、これに
よりピストンをパッドの摩耗に自動的に追従させる自動
クリアランス調整機能をも持っているのに対し、単にス
プリングに用いただけでは、ピストンの戻し機能は実現
されるが、自動クリアランス調整機能は実現することが
できず、そのため、パッドの摩耗につれて、パッドがデ
ィスクから必要以上に遠ざかることとなって、ブレーキ
の効き遅れという現象が起こる。
【0005】このブレーキ効き遅れを防止するために本
出願人は先に次のような技術を提案した。これは、本出
願人の特願平4−70228号明細書に記載されている
ファーストフィル技術であって、車両制動に先立って
(例えば、アクセル操作が解除されたときや、ブレーキ
操作が開始されたときに)、ホイールシリンダの液圧室
を自動的に増圧し、この際、その圧力を圧力センサで監
視しつつそれが一定値に到達したときに自動増圧を完了
するものである。すなわち、車両制動に先立って、パッ
ドを、それの非作用位置よりはディスクに近いがそれに
接触はしない待機位置、またはわずかな接触は許容する
待機位置に前進させ、これにより、パッドの摩耗、すな
わち、パッド非作用位置のディスクからの距離の増加と
は無関係に、ブレーキの効き遅れを防止するファースト
フィル技術が開示されているのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】車両制動に先立ってパ
ッドを前進させる場合には、パッドの前進を精度よく制
御することが大切である。例えば、アクセル操作が解除
されたときにパッドを前進させる場合には、その前進が
不適切であるためにパッドがディスクに接触してしまう
と、車両制動が開始されるまで、パッドがディスクに摺
接するいわゆるブレーキの引きずりが起こってしまうか
らであり、また、アクセル操作が解除されたときにパッ
ドを前進させる場合のみならずブレーキ操作が開始され
たときにパッドを前進させる場合でも、その前進が不適
切であるためにパッドがディスクから必要以上に遠ざか
っていると、ブレーキの効き遅れが起こってしまうから
である。
【0007】しかし、前記明細書に開示されたファース
トフィル技術では、パッドが待機位置に到達したことが
ホイールシリンダ圧により間接に検出されるようになっ
ていて、直接には検出することができない。そのため、
このファーストフィル技術を採用する場合には、パッド
の前進を十分には精度よく行うことができないという問
題がある。
【0008】なお、この問題は、前記スプリングを用い
てピストンの戻りを達成する場合のみならず、スプリン
グなしで、主としてピストンシールでピストンの戻りを
達成する場合にも発生する。
【0009】これらの事情に鑑み、本発明は、パッドが
非作用位置から待機位置まで前進させられたことを直接
に検出することにより、パッドの前進が十分に精度よく
行われるようにすることを課題として為されたものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は、車輪と共に回転するディスクにパッドが
押し付けられることによって車輪の回転を抑制するディ
スクブレーキを備えたディスクブレーキ装置において、
(a) 前記パッドが、それの非作用位置から、その非作用
位置より前記ディスクに近い待機位置まで前進させられ
たことを検出するパッド待機位置到達検出手段と、(b)
車両制動に先立って作動し、前記パッドを前記非作用位
置から前記パッド待機位置到達検出手段がパッドが待機
位置まで前進させられたことを検出するまで前進させる
パッド前進手段とを設けたことを特徴とする。
【0011】なお、ここにおける「パッド待機位置到達
検出手段」は例えば、パッド自体の位置を直接に検出す
る方式としたり、パッド自体ではないが、前記ピストン
の如く、パッドと一体的に前進する部材の位置を検出す
ることによってパッドの位置を間接に検出するものとす
ることができる。
【0012】また、ここにおける「車両制動に先立っ
て」とは、例えば、アクセル操作が解除されたときや、
ブレーキ操作が開始されたときからという意味である。
【0013】また、ここにおける「待機位置」には例え
ば、パッドの非作用位置よりはディスクに近いがそれに
接触はしない位置や、わずかな接触は許容する位置を選
ぶことができる。
【0014】
【作用】本発明に係るディスクブレーキ装置において
は、パッド待機位置到達検出手段により、パッドが、そ
れの非作用位置から、その非作用位置よりディスクに近
い待機位置まで前進させられたか否かが検出され、パッ
ド前進手段により、パッドが非作用位置からパッド待機
位置到達検出手段がパッドの待機位置到達を検出する時
期まで前進させられる。パッド待機位置到達検出手段を
介してパッドの待機位置への到達が直接に監視されつ
つ、パッドが前進させられるのである。
【0015】
【発明の効果】このように、本発明によれば、パッドが
それの位置が直接に検出されつつ前進させられるため、
パッドの前進が十分に精度よく行われることとなるとい
う効果が得られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0017】まず、本発明の第1実施例を図1〜6に基
づいて説明する。本実施例は、液圧ブースタ付きマスタ
シリンダを液圧源とし、ディスクブレーキのホイールシ
リンダの液圧を機械的に制御する4輪車両用のマニュア
ル式ディスクブレーキ装置である。以下、このディスク
ブレーキ装置の構成を説明するが、4輪のうち1輪につ
いてのブレーキ系統のみを説明し、他のブレーキ系統に
ついては構成が共通するため、説明を省略する。
【0018】図3において符号10はマスタシリンダを
示す。このマスタシリンダ10は液圧ブースタ12を介
してブレーキ操作部材としてのブレーキペダル14に連
携させられている。マスタシリンダ10は液通路15,
16,17,18および19を経て、各輪に設けられた
ディスクブレーキ20のホイールシリンダ22に接続さ
れていて、ブレーキペダル14の操作に基づいてそのホ
イールシリンダ22に液圧を機械的に発生させる。マス
タシリンダ10はまた、リザーバ24にも接続されてい
る。一方、液圧ブースタ12は、アキュムレータ26,
リザーバ24から作動液を汲み上げてアキュムレータ2
6に蓄えさせるポンプ28,リリーフ弁30等から成る
高圧源と、低圧源としての前記リザーバ24とに接続さ
れていて、ブレーキペダル14から入力される踏力を液
圧作動により倍力してマスタシリンダ10に出力する。
【0019】ディスクブレーキ20は、図1に示されて
いるように、キャリパ32を備えている。このキャリパ
32は、一対の端部34とそれらを互いに接続する中間
部36とを有して、車輪と共に回転するディスク37を
跨いでおり、しかも、そのディスク37の軸線方向に移
動可能に、車体に固定のマウンティングブラケット(図
示しない)に支持されている。
【0020】キャリパ32の2個の端部34には一対の
ピストン38が、ディスク37を隔てて互いに対向する
状態で配設されている。それら各ピストン38はキャリ
パ32に形成されたシリンダボアに摺動可能に嵌合さ
れ、かつシール40により気密に嵌合されている。それ
ら各シリンダボア内には各ピストン38の背後に液圧室
42が形成され、それが前記マスタシリンダ10に接続
されている。それら各ピストン38は鋼製のコイル状ス
プリング44により常時非作用位置に向かって付勢され
ている。非作用位置とは図示の位置であって、図示しな
いストッパにより規定されている。
【0021】それら各ピストン38のうちディスク37
に対面する側の端面からそれぞれロッド45が延び出さ
せられ、キャリパ32の内壁部を貫通してディスク37
に臨まされている。それら一対のロッド45の先端部に
は一対のパッド46が固定されている。一対のパッド4
6も一対のピストン38と同様に、ディスク37を挟ん
で互いに対向させられている。パッド46は良く知られ
ているように、裏金に摩擦材が固着されることによって
構成されている。それらパッド46はピストン38が非
作用位置にある状態でディスク37にクリランスを有し
て対向させられているが、ブレーキペダル14の踏込み
等によって液圧室42の液圧が増圧されてピストン38
がスプリング44の弾性力に打ち勝って前進すれば(デ
ィスク37に接近する向きに移動すれば)、それと一体
的にパッド46が前進し、やがて前記クリアランスが消
滅してディスク37に接触する。一方、この状態で、ブ
レーキペダル14の踏込みの解除等によって液圧室42
の液圧が減圧されれば、ピストン38がスプリング44
の弾性力によって後退し、ディスク37から離間し、や
がて非作用位置に復帰する。
【0022】すなわち、本実施例においては、主として
スプリング44の弾性によってピストン38の戻りが達
成されるのである。
【0023】このディスクブレーキ20にはパッドセン
サ48が設けられている。パッドセンサ48は、概略的
に説明すれば、ポテンショメータの原理を利用してパッ
ド46の移動位置を電圧Vとして電気的に検出するもの
である。
【0024】詳細に説明すれば、パッド46に測定子4
9が固定され、キャリパ32に測定部50が固定されて
いる。測定部50は、図2に示されているように、パッ
ド46の移動方向と平行な方向に摺動可能な摺動子54
と直線状の抵抗体56とを備えており、かつ、摺動子5
4はそれの先端が抵抗体56の表面に摺接しつつ移動す
るものとされている。摺動子54の先端と抵抗体56の
一端とからはそれぞれ、ワイヤが延び出させられてい
て、キャリパ32の外部に接続された電気回路60に接
続されている。
【0025】電気回路60は、図1に示されているよう
に、電気抵抗値が不変の抵抗体62,電圧が不変の直流
電源64,スイッチ66等が互いに直列に接続されて成
る直列回路を有し、かつ、抵抗体62に電圧検出回路6
8が接続されることによって構成されていて、その直列
回路の両端がそれぞれ前記2本のワイヤのそれぞれの端
に接続されている。したがって、スイッチ66がONさ
れている状態では、摺動子54の位置に応じた高さの電
圧Vであって、摺動子54がディスク37に接近するに
つれて増加する電圧Vが電圧検出回路68により検出さ
れることになる。
【0026】摺動子54は常時、スプリング70により
ディスク37から離れる向きに付勢されている。また、
摺動子54には常時、測定子49が係合させられてい
る。その結果、摺動子54の位置は測定子49の位置、
すなわちパッド46の位置に追従させられることとなっ
て、パッド46の位置が電圧検出回路68により検出さ
れることになる。
【0027】図3に示されているように、前記液通路1
7(マスタシリンダ10の側の液通路)とリザーバ24
と液通路18(ホイールシリンダ22の側の液通路)と
の間には減圧弁90が接続されている。この減圧弁90
は、常には、ホイールシリンダ22をリザーバ24から
遮断してマスタシリンダ10に連通させる状態にある
が、ソレノイドが励磁されれば、ホイールシリンダ22
をマスタシリンダ10から遮断してリザーバ24に連通
させる状態に切り換わる電磁方向切換弁である。
【0028】さらに、前記アキュムレータ26と液通路
16および17の接続点(ホイールシリンダ22の側の
液通路)とを互いに接続する液通路92の途中には増圧
弁94が接続されている。この増圧弁94は、常には、
アキュムレータ26と液通路16および17とを互いに
遮断する状態にあるが、ソレノイドが励磁されれば、両
者を互いに連通させる状態に切り換わる電磁開閉弁であ
る。
【0029】さらにまた、前記液通路15(マスタシリ
ンダ10の側の液通路)と液通路16(ホイールシリン
ダ22および増圧弁94の側の液通路)との間にはカッ
ト弁98が接続されている。このカット弁98は、常に
は、ホイールシリンダ22および増圧弁94をマスタシ
リンダ10に連通させる状態にあるが、ソレノイドが励
磁されれば、ホイールシリンダ22および増圧弁94を
マスタシリンダ10からカットする状態に切り換わる電
磁開閉弁である。
【0030】それら減圧弁90,増圧弁94およびカッ
ト弁98の切換状態はコントローラ100により制御さ
れる。このコントローラ100は、CPU,ROM,R
AM,入力部および出力部を含むコンピュータを主体と
して構成されており、その入力部には前記パッドセンサ
48とブレーキスイッチ104およびアクセルスイッチ
106が接続され、その出力部には前記減圧弁90,増
圧弁94およびカット弁98が接続されている。ブレー
キスイッチ104は、ブレーキペダル14が踏み込まれ
ていない状態でOFF、踏み込まれている状態でONす
るスイッチである。一方、アクセルスイッチ106は加
速操作部材としてのアクセルペダル108が踏み込まれ
ていない状態でOFF、踏み込まれている状態でONす
るスイッチである。
【0031】前記ROMには図4にフローチャートで表
されている制動開始時電圧検出ルーチンおよび図5にフ
ローチャートで表されているファーストフィル制御ルー
チンを始め、種々のプログラムが記憶されていて、CP
Uがそれらプログラムを実行することにより、減圧弁9
0,増圧弁94およびカット弁98の切換状態が制御さ
れてファーストフィルが実現される。以下、それら制動
開始時電圧検出ルーチンおよびファーストフィル制御ル
ーチンについて説明する。
【0032】図4の制動開始時電圧検出ルーチンは、概
略的に説明すれば、各回の制動においてパッド46がデ
ィスク37に接触したときに電圧検出回路68により検
出された電圧をVBRK として検出するためのものであ
る。電圧検出回路68による検出される電圧Vを逐次監
視し、それのピーク値(極大値)を電圧VBRK として検
出するためのものなのである。
【0033】具体的に説明すれば、本ルーチンは一定時
間ごとに実行され、各回の実行時にはまず、ステップS
1(以下、単にS1という。他のステップについても同
じとする)において、ブレーキスイッチ104によりブ
レーキペダル14の踏込みが検出されたか否か(すなわ
ち、ブレーキONであるか否か)が判定される。今回は
踏み込まれていないと仮定すれば、判定がNOとなり、
フラグ(このフラグはコンピュータの電源投入に伴って
OFFされる。また、これの機能については後に説明す
る)がOFFされ、電気回路60に対して、スイッチ6
6をOFFする信号が出される。以上で本ルーチンの一
回の実行が終了する。
【0034】これに対して、今回はブレーキスイッチ1
04によりブレーキペダル14の踏込みが検出されたと
仮定すれば、S1の判定がYESとなり、S4におい
て、前記フラグがONされているか否かが判定される。
今回はそうではないと仮定すれば、判定がNOとなり、
S5において、電気回路60に対してスイッチ66をO
Nする信号が出される。これにより、電気回路60は電
圧Vを検出する状態に切り換わる。その後、S6におい
て、その電気回路60から電圧Vが読み込まれ、それが
今回の電圧V(i) とされる。続いて、S7において、そ
の今回の電圧V(i) が前回の電圧V(i-1) (これはRA
Mに記憶されている。また、今回が制動初回である場合
には、前回の電圧V(i-1) は0とされる)以下であるか
否かが判定される。今回はブレーキペダル14の踏力増
加中であって今回の電圧V(i) が前回の電圧V(i-1)
り増加していると仮定すれば、判定がNOとなり、直ち
に本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0035】その後、S1,4,5,6および7の実行
が何回も繰り返されるうちに、ブレーキペダル14の踏
力が定常状態に移行したと仮定すると、今回の電圧V
(i) が前回の電圧V(i-1) 以下となり、S7の判定がY
ESとなり、S8において、そのときの電圧V(i) が制
動開始時電圧VBRK としてRAMに記憶される。続い
て、S9において前記フラグがONされ、以上で本ルー
チンの一回の実行が終了する。
【0036】依然としてブレーキペダル14が踏み込ま
れている場合には、S1の判定がYESとなり、S4に
おいて前記フラグがONであるか否かが判定される。今
回はそうであるから、判定がYESとなり、S5〜9が
スキップされるとともに、S3に移行する。その結果、
ブレーキペダル14の踏力減少によって制動開始時電圧
BRK が予定外に更新されてしまう事態から回避される
こととなる。すなわち、前記フラグは電圧Vのピーク値
を確実に検出するために設けられているのである。
【0037】次に図5のファーストフィル制御ルーチン
について説明する。まず、概略的に説明すれば、このル
ーチンは、ブレーキペダル14の踏込みに先立ってパッ
ド46を待機位置まで前進させるために、アクセルペダ
ル108の踏込みが解除されるのに伴ってアキュムレー
タ26によりホイールシリンダ22を増圧し、前記パッ
ドセンサ48を介してパッド46の位置を監視しつつ、
それが待機位置に到達したときに増圧を止めて圧力を保
持するためのものである。そのため、このルーチンにつ
いては次の3つのケースが想定されている。すなわち、
図6に示されているように、ブレーキペダル14もアク
セルペダル108も踏み込まれていない(図において
「×」で表す)ケースと、ブレーキペダル14のみが
踏み込まれている(図において「○」で表す)ケース
と、アクセルペダル108のみが踏み込まれているケー
スとが想定されているのである。
【0038】そして、ケースにおいては、アキュムレ
ータ26によってホイールシリンダ22を増圧するため
に、減圧弁90はOFFされ(図において「×」で表
す)、カット弁98はONされ(図において「○」で表
す)、増圧弁94はパッド46が待機位置に到達するま
ではON、待機位置に到達した後はOFFされる。な
お、パッド46を前進させるためにカット弁98をON
するのは、アキュムレータ26またはホイールシリンダ
22から作動液がマスタシリンダ10に流出して、ホイ
ールシリンダ22が増圧できない事態を防止するためで
ある。
【0039】また、ケースにおいては、マスタシリン
ダ10によってホイールシリンダ22に機械的に圧力が
発生させられる状態を実現するために、減圧弁90はO
FFされ、カット弁98もOFFされ、増圧弁94もO
FFされる。
【0040】また、ケースにおいては、ホイールシリ
ンダ22に圧力が全く発生しないようにして車両加速中
にブレーキ部品に余分な負荷がかからないようにするた
めに、減圧弁90はONされ、カット弁98はOFFさ
れ、増圧弁94はOFFされる。
【0041】このルーチンを図5に基づいて具体的に説
明すれば、まず、S101において、ブレーキスイッチ
104を介してブレーキペダル14が踏み込まれたか否
かが判定される。今回は踏み込まれたと仮定すれば、判
定がYESとなり、S102〜104において、減圧弁
90,カット弁98および増圧弁94のいずれに対して
もそれをOFFする信号が出される。
【0042】この状態からブレーキペダル14の踏込み
が解除されれば、S101の判定がNOとなり、S10
5において、アクセルスイッチ106を介してアクセル
ペダル108が踏み込まれたか否かが判定される。今回
は未だ踏み込まれていないと仮定すれば、判定がNOと
なり、S106において、減圧弁90がOFFされ、S
107において、カット弁98がONされる。その後、
S108において、RAMから最新の制動開始時電圧V
BRK が読み込まれ、続いて、S109において、その制
動開始時電圧VBRK から一定値ΔVを差し引くことによ
って基準電圧VREF が演算される。パッド46がディス
ク37に近いがそれに接触はしない位置が待機位置に設
定されているため、その待機位置でのディスク37との
クリアランスを見込んで基準電圧VREF が決定されるの
である。
【0043】その後、S110において、パッドセンサ
48から現在の電圧VNOW が読み込まれ、続いて、S1
11において、その電圧VNOW が前記基準電圧REF より
低いか否か、すなわち、パッド46が待機位置に到達し
ていないか否かが判定される。今回は未だ到達していな
いと仮定すれば、判定がYESとなり、S112におい
て、増圧弁94がONされ、その結果、アキュムレータ
26の圧力が増圧弁94および減圧弁90を順に経てホ
イールシリンダ22に伝達され、ホイールシリンダ22
の圧力が上昇し、パッド46がスプリング44の弾性力
に抗して前進させられる。
【0044】その後、S101および105〜112の
実行が繰り返されるうちにパッド46が待機位置に到達
すれば、現在の電圧VNOW が基準電圧REF 以上となるた
め、S111の判定がNOとなり、S113において、
増圧弁94がOFFされる。すなわち、ホイールシリン
ダ22の圧力が増圧弁94とカット弁98とによって保
持されるのであり、その結果、パッド46も待機位置に
保持されるのである。
【0045】このように、アクセルペダル108が踏み
込まれていない状態でブレーキペダル14の踏込みが解
除されるか、または、アクセルペダル108の踏込みが
解除されるのに伴って、将来の車両制動に備えてパッド
46が待機位置に前進させられるが、この際、パッド4
6はそれの摩耗の進行とは無関係に、ディスク37に接
触しない直前の位置で待機させられることが保証される
ため、ブレーキの引きずりも効き遅れも十分に抑制され
る。
【0046】ブレーキペダル14もアクセルペダル10
8も踏み込まれていない状態で再びブレーキペダル14
が踏み込まれたと仮定すると、S101の判定がYES
となり、S102〜104において、減圧弁90,カッ
ト弁98および増圧弁94がいずれもOFFされ、これ
により、前記の場合と同様にしてホイールシリンダ22
の圧力がマスタシリンダ10によって制御される状態と
なる。
【0047】カット弁98がOFFされてマスタシリン
ダ10とホイールシリンダ22とが互いに連通した直後
には、マスタシリンダ10の圧力の方がホイールシリン
ダ22の圧力より低いことがあり、この場合には、待機
位置に保持されているパッド46がホイールシリンダ2
2の減圧により後退させられてしまうことになる。しか
し、ホイールシリンダ22の減圧は一時的なものであっ
て、その減圧の終了後はホイールシリンダ22が素早く
増圧されるのが普通であるため、車両制動に先立ってパ
ッド46を全く前進させない場合に比較してブレーキの
効き遅れが抑制される。
【0048】なお、ブレーキの効き遅れを一層抑制すべ
くパッド46が待機位置から後退させられてしまうのを
完全に抑制する必要がある場合には、例えば、マスタシ
リンダ10とホイールシリンダ22とにそれぞれ圧力セ
ンサを設け、制動当初であってマスタシリンダ10の圧
力がホイールシリンダ22の圧力を超えるまでの間は、
カット弁98をONし続けるようにして本発明を実施す
ることが可能である。
【0049】ブレーキペダル14もアクセルペダル10
8も踏み込まれていない状態でアクセルペダル108が
踏み込まれた場合には、S101の判定はNO、S10
5の判定はYESとなり、S114以下のステップが実
行される。S114においては、減圧弁90がONさ
れ、これによりホイールシリンダ22の圧力が素早くか
つ完全に0とされる。続いて、S115において、カッ
ト弁98がOFFされ、S116において、増圧弁94
もOFFされる。
【0050】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、パッドセンサ48と、コントローラ100
のうち図4のルーチンおよび図5のS108〜111を
実行する部分とが互いに共同して、本発明における「パ
ッド待機位置到達検出手段」の一態様を構成し、アキュ
ムレータ26,増圧弁94,カット弁98,アクセルス
イッチ106等と、コントローラ100のうち図5のS
105〜107,112〜116を実行する部分とが互
いに共同して、本発明における「パッド前進手段」の一
態様を構成しているのである。
【0051】次に本発明の第2実施例を説明する。な
お、本実施例は先の実施例とパッド待機位置到達検出方
式が異なり、それに伴ってファーストフィル制御ルーチ
ンが異なっているが、その他の点では先の実施例と共通
する。そのため、異なる点についてのみ詳細に説明し、
共通する点については説明を省略する。
【0052】本実施例におけるパッド待機位置到達検出
方式は、概略的に説明すれば、車両制動中にパッド46
が実際にディスク37に接触した位置、すなわちパッド
46の前進端位置を機械的に記憶させておき、それ以
後、パッド46が最新の前進端位置の直前位置に到達し
たときに待機位置に到達したと判定するとともに、パッ
ド46の摩耗が進行してパッド46がディスク37に対
して相対的に前進すれば、それに伴って前記前進端位置
を更新するものである。
【0053】具体的には、図7および8に示されている
ように、パッドセンサ150が、パッド46と一体的に
移動する測定子152と、キャリパ32に固定の測定部
154と、外部に接続された電気回路156とを備えた
ものとされている。測定部154は、測定子152の前
進中にそれに押されて移動する移動子160を備えてい
る。移動子160はキャリパ32に固定の、表面が波状
である直線状の部材162に弾性的に押し付けられてい
て、位置の保持が可能とされている。したがって、パッ
ド46の前進端位置、すなわち測定子152の前進端位
置が移動子160によって機械的に記憶させられるとと
もに、その前進端位置の前進に追従して移動子160の
位置が変化させられることになる。つまり、移動子16
0は、パッド46の摩耗が進行すればそれに伴って前進
させられ、常にパッド46の前進端位置を記憶するよう
になっているのである。
【0054】すなわち、先の実施例においては、パッド
46のディスク37との接触位置が主としてソフト的に
取得されるのに対し、本実施例においては、主としてハ
ード的に取得されるようになっているのである。したが
って、本実施例においては、図4のような制動開始時電
圧検出ルーチンは用意されていない。
【0055】測定子152はまた、パッド46の上面に
固定のベース164に、パッド46の移動方向を含む垂
直面内で揺動可能に連結されている。測定子152は常
時、スプリング168により移動子160に接近する向
きに付勢されていて、パッド46が非作用位置にある状
態では、図8に示されているように、前傾させられてい
るが、パッド46が前進して測定子152が移動子16
0に接触した後には、パッド46が移動子160に対し
て接近するにつれて、スプリング168の弾性力に抗し
て後傾させられ、やがて測定子152の、後退側のコー
ナ面169がベース164に接触するに至る。ベース1
64のこの接触部分には接点対170が固定されてお
り、また、測定子152は導電性を有する材料で構成さ
れているため、結局、測定子152が移動子160に係
合すれば接点対170が導通状態となる。その接点対1
70が導通状態にあるか否かを判定するために、前記電
気回路156は、図7に示されているように、電気抵抗
値が不変の抵抗体174と電圧が不変の直流電源176
との直列回路を備え、かつ、その抵抗体174に電圧検
出回路178が接続されることによって構成されてい
る。
【0056】ファーストフィル制御ルーチンは図9にフ
ローチャートで表されている。なお、このルーチンは図
5のものと共通する部分が多いため、共通する部分につ
いては簡単に説明し、異なる部分についてのみ詳細に説
明する。
【0057】本ルーチンも一定時間ごとに実行され、各
回の実行時にはまず、S201において、ブレーキペダ
ル14が踏み込まれたか否かが判定される。今回は踏み
込まれたと仮定すれば、判定がYESとなり、図5のル
ーチンの場合と同様に、S202〜204において、減
圧弁90,カット弁98および増圧弁94がいずれもO
FFされる。
【0058】この状態からブレーキペダル14の踏込み
が解除されたが、未だアクセルペダル108が踏み込ま
れていない状態に移行したと仮定すれば、S201の判
定はNO、S205の判定もNOとなり、S206にお
いて減圧弁90がOFFされ、S207においてカット
弁98がONされる。その後、S208において、パッ
ドセンサ150から現在の電圧VNOW が読み込まれ、続
いて、S209において、その電圧VNOW が、0または
それよりやや高いしきい電圧VTHより高いか否かが判定
される。パッド46が待機位置に前進させられたために
測定子152により接点対170が導通状態とされたか
否かが判定されるのである。
【0059】なお、車両制動中、パッド46の摩耗の進
行につれて測定子152が接点対170に接触しつつ移
動子160を押して前進させることになるが、この際、
測定子152および接点対170がわずかに弾性変形
し、測定子152すなわちパッド46は移動子160に
対して相対的にわずかに前進させられるのが普通であ
る。そのため、測定子152が接点対170に接触した
直後に導通状態が検出されることと共同して、結局、パ
ッド46がディスク37と接触位置の直前位置に到達し
たことが検出されることになる。
【0060】今回は電圧VNOW がしきい電圧VTHより高
くはないと仮定すれば、S209の判定がNOとなり、
S210において増圧弁94がONされるが、電圧V
NOW がしきい電圧VTHより高いと仮定すれば、S209
の判定がYESとなり、S211において増圧弁94が
OFFされる。
【0061】また、この状態でアクセルペダル108が
踏み込まれたと仮定すれば、図5のルーチンの場合と同
様に、S201の判定はNO、S205の判定はYES
となって、S212において減圧弁90がONされ、S
213においてカット弁98がOFFされ、S214に
おいて増圧弁94がOFFされる。
【0062】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、パッドセンサ150と、コントローラ10
0のうち図9のS208および209を実行する部分と
が互いに共同して、本発明における「パッド待機位置到
達検出手段」の一態様を構成し、アキュムレータ26,
増圧弁94,カット弁98,アクセルスイッチ106等
と、コントローラ100のうち図5のS205〜20
7,210〜214を実行する部分とが互いに共同し
て、本発明における「パッド前進手段」の一態様を構成
しているのである。
【0063】次に本発明の第3実施例を説明する。本実
施例であるディスクブレーキ装置は、ブレーキペダルの
操作量に応じた高さのブレーキ圧をホイールシリンダに
電気的に発生させる電気制御式である。具体的には、図
10に示されているように、先の実施例におけると同様
なディスクブレーキ198のホイールシリンダ200に
電磁弁202が接続され、アキュムレータ204に蓄積
されている作動液の圧力がその電磁弁202により適当
な高さに減圧されてホイールシリンダ200に供給され
る。電磁弁202は、ホイールシリンダ200をリザー
バ205から遮断してアキュムレータ204に連通させ
る増圧状態と、アキュムレータ204から遮断してリザ
ーバ205に連通させる減圧状態と、いずれからも遮断
する保持状態とに切換えが可能とされている。アキュム
レータ204には、ポンプ206によりリザーバ205
から作動液が汲み上げられて蓄積される。
【0064】電磁弁202の切換状態はコントローラ2
10によって制御される。このコントローラ210も先
の実施例におけると同様にコンピュータを主体として構
成されており、それの入力部には踏力センサ214,ア
クセルスイッチ216,圧力センサ218,パッドセン
サ220等が接続され、出力部には電磁弁202のソレ
ノイドが接続されている。
【0065】ここで、踏力センサ214は、ブレーキペ
ダル224の踏込みに応じてそれの反力を疑似的に発生
させる反力発生手段(図示しない)におけるその反力を
ブレーキペダル224に加えられた踏力Fとして検出す
るものである。また、アクセルスイッチ216は、アク
セルペダル226の踏込みを検出するものである。ま
た、圧力センサ218は、ホイールシリンダ200の圧
力を検出するものである。また、パッドセンサ220は
先の二実施例におけると同様にしてパッド230の位置
を検出するものである。
【0066】コントローラ210は、車両制動時には、
踏力Fに応じた高さのブレーキ圧Pをホイールシリンダ
200に電気的に発生させるとともに、車両制動に先立
って、パッド230を非作用位置から、その非作用位置
よりはディスク234に近いがそのディスク234に接
触はしない待機位置まで前進させる。しかも、コントロ
ーラ210は、制動当初であって、踏力Fに応じた目標
ブレーキ圧P* より高いブレーキ圧Pがホイールシリン
ダ200に発生している場合には、ホイールシリンダ2
00の圧力を保持し、これにより、制動当初においてホ
イールシリンダ200が減圧されて待機位置にあるパッ
ド230が後退させられてしまう事態から回避されるよ
うに設計されている。車両非制動状態から車両制動状態
への移行に際してパッド230が後退させられることが
防止され、これにより、ブレーキの効き遅れが確実に防
止されるようになっているのである。
【0067】そのため、コンピュータのROMには、図
11にフローチャートで表されている電気的ブレーキ圧
制御ルーチンが記憶されていて、CPUがこのルーチン
を実行することにより上述のブレーキ圧制御が実行され
る。
【0068】このルーチンにおいては、まず、S301
において、踏力センサ214を介してブレーキペダル2
14の踏力Fが検出される。続いて、S302におい
て、その踏力Fに基づき、ブレーキペダル224が踏み
込まれたか否かが判定される。踏力Fの現在値が0より
大きいか否かが判定されるのである。今回はそうである
と仮定すれば、判定がYESとなり、S303におい
て、踏力Fに対応する目標ブレーキ圧P* が決定され
る。それら踏力Fと目標ブレーキ圧P* との関係がRO
Mに記憶させられていて、その関係を用いて今回の目標
ブレーキ圧P* が決定されるのである。
【0069】その後、S304において、フラグがON
されているか否かが判定される。このフラグはコンピュ
ータの電源投入に伴ってONされるものであり、今回は
フラグがONされていると仮定すれば、判定がYESと
なり、S309において、目標ブレーキ圧P* が実現さ
れるように電磁弁202が制御される。
【0070】その後、S301〜304および309の
実行が何回も繰り返されるうちに、ブレーキペダル22
4の踏込みが解除され、ブレーキペダル224もアクセ
ルペダル226も踏み込まれていない状態に移行したと
仮定すれば、S302の判定はNOとなり、S310に
おいて前記フラグがOFFされた後、S311の判定が
NOとなる。この場合には、S312において、パッド
センサ220からの出力信号に基づいてパッド230の
位置が検出され、その後、S313において、パッド2
30が前記待機位置に前進させられるように電磁弁20
2が制御される。具体的には、電磁弁202が増圧状態
とされ、これによりホイールシリンダ200のブレーキ
圧が増圧されてパッド230が素早く前進させられる。
このように、本実施例においては、パッド230の位置
が直接に検出されつつパッド230が前進させられるか
ら、パッド230は、ブレーキの引きずりも効き遅れも
防止される位置で待機させられることになる。
【0071】この状態でアクセルペダル226が踏み込
まれれば、S302の判定はNO、S311の判定はY
ESとなり、S314において、電磁弁202が減圧状
態とされることによりブレーキ圧Pが0とされる。
【0072】また、アクセルペダル226が踏み込まれ
ていない状態でブレーキペダル224が踏み込まれた場
合には、S302の判定がYESとなり、S303にお
いて目標ブレーキ圧P* が決定された後、S304にお
いて、フラグがONされているか否かが判定される。今
回はフラグがOFFされているため、判定がNOとな
り、S305において、圧力センサ218によりホイー
ルシリンダ200の現在のブレーキ圧Pが検出され、続
いて、S306において、前記目標ブレーキ圧P* が現
在ブレーキ圧Pより高いか否かが判定される。今回は目
標ブレーキ圧P*が現在ブレーキ圧P以下であると仮定
すれば、判定がNOとなり、S307において、電磁弁
202が保持状態とされることによってホイールシリン
ダ200の圧力が一定に保たれる。これに対して、今回
は目標ブレーキ圧P* が現在ブレーキ圧Pより高いと仮
定すれば、S306の判定がYESとなり、S308に
おいてフラグがONされた後、S309において、目標
ブレーキ圧P* が実現されるように電磁弁202が制御
される。
【0073】すなわち、制動当初であってホイールシリ
ンダ200の実際のブレーキ圧Pが目標ブレーキ圧P*
以上である間は、目標ブレーキ圧P* が実現されるよう
に電磁弁202が制御されるのではなく、現在ブレーキ
圧Pが維持されるように電磁弁202が制御され、これ
により、制動当初において、それに先立ってせっかく待
機位置に前進させられたパッド230が後退させられて
しまうことがなく、ブレーキの効き遅れが確実に防止さ
れるのである。
【0074】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、パッドセンサ220と、コントローラ21
0のうち図11のS312を実行する部分とが互いに共
同して、本発明における「パッド待機位置到達検出手
段」の一態様を構成し、アキュムレータ204,電磁弁
202,圧力センサ218,アクセルスイッチ226等
と、コントローラ210のうち図11のS304〜30
8,310および313を実行する部分とが互いに共同
して、本発明における「パッド前進手段」の一態様を構
成しているのである。
【0075】以上、本発明のいくつかの実施例を図面に
基づいて詳細に説明したが、これらの他にも特許請求の
範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々
の変形,改良を施した態様で本発明を実施することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディスクブレーキ装置
におけるディスクブレーキとパッドセンサとをそれぞれ
示す断面図である。
【図2】図1におけるパッドセンサを拡大して示す図で
ある。
【図3】上記ディスクブレーキ装置を示すシステム図で
ある。
【図4】図3におけるコントローラのコンピュータが実
行する制動開始時電圧検出ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図5】そのコンピュータが実行するファーストフィル
制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】そのファーストフィル制御ルーチンの基本的な
設計思想を説明するための表である。
【図7】本発明の別の実施例であるディスクブレーキ装
置におけるディスクブレーキとパッドセンサとをそれぞ
れ示す断面図である。
【図8】図7におけるパッドセンサを拡大して示す図で
ある。
【図9】上記ディスクブレーキ装置におけるコントロー
ラのコンピュータが実行するファーストフィル制御ルー
チンを示すフローチャートである。
【図10】本発明のさらに別の実施例であるディスクブ
レーキ装置を示すシステム図である。
【図11】そのディスクブレーキ装置におけるコントロ
ーラのコンピュータが実行する電気的ブレーキ圧制御ル
ーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 ディスクブレーキ 26 アキュムレータ 38 ピストン 44 スプリング 46 パッド 48 パッドセンサ 49 測定子 54 摺動子 56 抵抗体 68 電圧検出回路 90 減圧弁 94 増圧弁 98 カット弁 100 コントローラ 104 ブレーキスイッチ 106 アクセルスイッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と共に回転するディスクにパッドが
    押し付けられることによって車輪の回転を抑制するディ
    スクブレーキを備えたディスクブレーキ装置において、 前記パッドが、それの非作用位置から、その非作用位置
    より前記ディスクに近い待機位置まで前進させられたこ
    とを検出するパッド待機位置到達検出手段と、 車両制動に先立って作動し、前記パッドを前記非作用位
    置から前記パッド待機位置到達検出手段がパッドが待機
    位置まで前進させられたことを検出するまで前進させる
    パッド前進手段とを設けたことを特徴とするディスクブ
    レーキ装置。
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