JP2001260866A - 車両用電動ブレーキ装置 - Google Patents

車両用電動ブレーキ装置

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JP2001260866A
JP2001260866A JP2000075440A JP2000075440A JP2001260866A JP 2001260866 A JP2001260866 A JP 2001260866A JP 2000075440 A JP2000075440 A JP 2000075440A JP 2000075440 A JP2000075440 A JP 2000075440A JP 2001260866 A JP2001260866 A JP 2001260866A
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JP
Japan
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pad
vehicle
brake
disk rotor
clearance
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JP2000075440A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Tachiiri
良一 立入
Takayuki Yamamoto
貴之 山本
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Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両環境を原因とするブレーキ能力の低下を
抑制する。 【解決手段】 ブレーキECU16は、温度センサ12
が検出する外気温Tが予め設定された基準温度未満であ
るときには、ブレーキアクチュエータ18を制御して両
パッド21,22をディスクロータ19に押し付ける。
このことにより、パッド21,22とディスクロータ1
9との間に雪が入ってブレーキ能力が低下する車両環境
ではパッドクリアランスを「0」とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用電動ブレー
キ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用のブレーキ装置として、従
来の油圧式ブレーキ装置に代わる電動ブレーキ装置が提
案されている。ところで、ディスクブレーキ装置では、
パッド(ブレーキパッド)の摩耗に伴って増大するパッ
ドクリアランスを自動調整してブレーキの作動が遅れな
いようにする必要がある。油圧式ディスクブレーキ装置
では、このパッドクリアランスの自動調整をピストンシ
ールを利用して行ない、パッドクリアランスを常時
「0」としている。即ち、油圧式ディスクブレーキ装置
においては、ブレーキの解放時においてもパッドがディ
スクロータに摺接する。ところが、電動ディスクブレー
キ装置では、このようなパッドクリアランスの自動調整
を行うことができない。
【0003】このような問題を解消するための電動ブレ
ーキが、特開平10−181579号公報で提案されて
いる。この電動ブレーキでは、図3に示すように、イグ
ニッションスイッチがオンとなり、かつ、駐車ブレーキ
がかかった状態であるときに、ブレーキ制御装置50が
電動アクチュエータ51を制御してパッド52が固定さ
れたピストン53をディスクロータ54側に前進させ
る。次いで、ブレーキ制御装置50は、ピストン位置セ
ンサ55で検出するピストン位置に基づき、そのピスト
ン位置が変化しない状態になったことに基づいてピスト
ン53がディスクロータ54に圧接された状態を検出す
る。最後に、ブレーキ制御装置50は、ピストン53を
ディスクロータ54に当接して停止した位置から所定の
パッドクリアランス分だけ後退させる。そして、ブレー
キ制御装置50は、ブレーキ時にその新たに設定した位
置からピストン53をディスクロータ54側に前進させ
てブレーキをかける。従って、パッド52が摩耗してパ
ッドクリアランスが当初の大きさから増大しても、一旦
停止した車両が走行しようとするときには所定の大きさ
に再調整されるので、ブレーキの作動が遅れることはな
い。しかも、油圧式ブレーキ装置のようにブレーキの解
放時にはパッド52がディスクロータ54に摺接しない
ので、ブレーキのひきずりが発生しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
電動ブレーキでは、非ブレーキ時にはパッド52とディ
スクロータ54との間に所定の大きさのパッドクリアラ
ンスがあるので、パッド52とディスクロータ54との
間に雪や水が入る可能性がある。そして、この雪や水に
よってブレーキの効きが低下する可能性がある(スノー
フェード、ウォータフェード)。又、車両が長時間運転
されずブレーキが使用されないと、パッド52が面する
ディスクロータ54の摩擦面にも錆びが発生する。そし
て、ブレーキ時にこの錆びがパッド52とディスクロー
タ54との間に介在し、ブレーキの効きを低下させる可
能性がある。
【0005】又、一般にディスクブレーキ装置(特にキ
ャリパ固定型)では、悪路の走行中に加わる衝撃等によ
ってディスクロータとキャリパとの位置関係が変動して
ディスクロータがパッドに衝突し、ピストンが後退して
パッドクリアランスが当初の大きさよりも大きくなるこ
とがある(ノックバック)。上記の電動ブレーキにおい
ても、車両が走行中にディスクロータ54がパッド52
に衝突して、電動アクチュエータ51のピストン53が
後退し、パッドクリアランスが増大する可能性がある。
ところが、上記の電動ブレーキでは走行中にパッドクリ
アランスの調整が行われないので、走行中に一旦パッド
クリアランスが大きくなると車両を停止させて再始動す
るまではブレーキの作動が遅れる状態のままとなる。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、ブレーキ能力に悪影
響を及ぼす車両環境を原因とするブレーキ能力の低下を
抑制することができる車両用電動ブレーキ装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、電動アクチュエータを制
御してパッドをディスクロータに圧接する車両用電動ブ
レーキ装置において、前記ディスクロータ及びパッド間
のパッドクリアランスの大きさに応じてブレーキ能力を
低下させる車両環境を検出する車両環境検出手段と、前
記車両環境が検出されるときに、該車両環境に基づいて
前記電動アクチュエータを制御し、前記パッドクリアラ
ンスを前記車両環境に対して予め設定されている大きさ
に調整するクリアランス調整手段とを備えた車両用電動
ブレーキ装置である。
【0008】請求項1に記載の発明によれば、ディスク
ロータ及びパッド間のパッドクリアランスの大きさに応
じてブレーキ能力を低下させる車両環境下ではパッドク
リアランスがその車両環境の悪影響を受け難いように調
整されるのでブレーキ能力が低下し難い。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記車両環境は、前記パッドと前記デ
ィスクロータとの間に雪が入ってブレーキの効きが低下
する状態であって、前記クリアランス調整手段は、前記
パッドクリアランスを「0」に調整することを特徴とす
る。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、ディスクロータとパッド
との間に雪が入る可能性がある車両環境ではパッドがデ
ィスクロータに当接されパッドクリアランスが「0」と
されるので雪が入らない。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記車両環境は、停止状態の車両にお
いて前記パッドに対向する前記ディスクロータの摩擦面
に錆びが発生する状態であって、前記クリアランス調整
手段は、前記パッドクリアランスを「0」に調整するこ
とを特徴とする。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、車両が停止状態であって
ブレーキが使用されていない状態ではパッドがディスク
ロータに当接されるので、パッドが面する摩擦面に錆び
が発生し難く、ブレーキ時にパッドとディスクロータと
の間に錆びが介在し難い。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記車両環境は、車両の走行中に前記
ディスクロータが前記パッドに衝突し該パッドを介して
前記電動アクチュエータを後退動作させる状態であっ
て、前記クリアランス調整手段は、前記パッドクリアラ
ンスを予め設定されている大きさに調整することを特徴
とする。
【0014】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、車両の走行中に、ディス
クロータがパッドに衝突したり、電動アクチュエータ自
体の慣性等によってパッドが当初の位置から後退してパ
ッドクリアランスが増大しても、パッドクリアランスが
予め設定された大きさに調整される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両用ブレーキ装
置に具体化した一実施形態を図1及び図2に従って説明
する。
【0016】図1に示すように、車両用電動ブレーキ装
置10は、踏力センサ11、温度センサ12、車速セン
サ13、回転変位センサ14、荷重センサ15、ブレー
キ電子制御装置(以下、ブレーキECUという)16、
駆動ユニット17及びブレーキアクチュエータ18を備
えている。車両用電動ブレーキ装置10はディスクロー
タ19をキャリパ20で制動するように形成されてい
る。キャリパ20は浮動型であって、可動側の内側パッ
ド21と、固定側の外側パッド22とを備えている。本
実施形態では、踏力センサ11、温度センサ12及び車
速センサ13が車両環境検出手段を構成し、回転変位セ
ンサ14、荷重センサ15、ブレーキECU16、駆動
ユニット17及びブレーキアクチュエータ18がクリア
ランス調整手段を構成する。
【0017】踏力センサ11はブレーキ時に図示しない
ブレーキペダルに運転者から加わる踏力Fを検出し、そ
の検出信号をブレーキECU16に出力する。温度セン
サ12は外気温Tを検出し、その検出信号をブレーキE
CU16に出力する。車速センサ13は車速Vを検出
し、その検出信号をブレーキECU16に出力する。
【0018】回転変位センサ14はブレーキアクチュエ
ータ18のピストン18aの変位値(相対変位値)ΔS
を検出し、その検出信号をブレーキECU16に出力す
る。荷重センサ15は外側パッド22がディスクロータ
19から受ける荷重Pを検出し、その検出信号をブレー
キECU16に出力する。
【0019】ブレーキECU16は、各センサ11〜1
5から入力する検出信号に基づき、駆動ユニット17を
介してブレーキアクチュエータ18を制御する。ブレー
キアクチュエータ18はキャリパ20の内側(車両内
側)に一体的に設けられ、先端に内側パッド21が固定
されたピストン18aをディスクロータ19の内側摩擦
面に対して前進又は後退させる。キャリパ20は、内側
パッド21がディスクロータ19の内側摩擦面に押し付
けられることで変位し、両パッド21,22でディスク
ロータ19を挟持させる。
【0020】前記ブレーキECU16はマイクロコンピ
ュータ等からなり、予め記憶されている制御プログラム
に従ってブレーキアクチュエータ18を制御する。ブレ
ーキECU16は、制御プログラムに基づきブレーキ制
御処理及びパッドクリアランス制御処理を所定時間(例
えば10msec.)経過毎に繰り返し実行する。
【0021】ブレーキ制御処理として、ブレーキECU
16は、踏力センサ11が検出する踏力Fに基づいてブ
レーキアクチュエータ18を制御し、両パッド21,2
2をディスクロータ19に押し付ける。このとき、ブレ
ーキECU16は、そのとき荷重センサ15が検出する
荷重Pが検出した踏力Fに応じた大きさとなるようにブ
レーキアクチュエータ18を制御する。即ち、ブレーキ
ECU16は、踏力F及び荷重Pに基づき、踏力Fに応
じた強さでブレーキをかける。
【0022】又、パッドクリアランス制御処理として、
ブレーキECU16は、車速センサ13が検出する車速
Vが「0」のときに、ブレーキアクチュエータ18を制
御して両パッド21,22をディスクロータ19に押し
付ける。このとき、ブレーキECU16は、荷重センサ
15が検出する荷重Pが、予め設定されている基準荷重
P0となるまで両パッド21,22がディスクロータ1
9に対して押し付ける。尚、基準荷重P0は、パッドク
リアランスを確実に「0」とするために設定された荷重
値であって、例えば両パッド21,22がディスクロー
タ19に圧接する状態ではあるもののできるだけブレー
キがかからない大きさに設定される。即ち、ブレーキE
CU16は、車速Vが「0」であることに基づいて、停
止状態の車両においてパッドクリアランスを隔てて両パ
ッド21,22に対向するディスクロータ19の摩擦面
に錆びが発生する可能性がある車両環境を検出する。そ
して、ブレーキECU16は、この車両環境のときに
は、荷重Pが所定の基準荷重P0を超える大きさである
ことに基づいてパッドクリアランスを確実に「0」とす
る。
【0023】又、パッドクリアランス制御処理として、
ブレーキECU16は、温度センサ12が検出する外気
温Tが予め設定された基準温度T0未満であるときに、
ブレーキアクチュエータ18を制御して両パッド21,
22をディスクロータ19に押し付ける。このとき、ブ
レーキECU16は、荷重センサ15が検出する荷重P
が、前記基準荷重P0を超える大きさになるまで両パッ
ド21 ,22をディスクロータ19に対して押し付け
る。尚、基準温度T0は、例えば、雪が降る可能性があ
る状態や、一旦降った雪が路面等に残っている状態を判
断するために設定された外気温Tの値である。即ち、ブ
レーキECU16は、外気温Tが所定の基準温度T0未
満であることに基づいて、パッドクリアランスに雪が入
ってブレーキの効きが低下する可能性がある車両環境を
検出する。そして、ブレーキECU16は、この車両環
境のときには、荷重Pが所定の基準荷重P0を超える大
きさであることに基づいてパッドクリアランスを確実に
「0」とする。
【0024】又、パッドクリアランス制御処理として、
ブレーキECU16は、車速Vが「0」でなく、かつ、
外気温Tが基準温度T0以上であるときに、ブレーキア
クチュエータ18を制御して両パッド21,22をディ
スクロータ19に押し付ける。次に、ブレーキECU1
6は、両パッド21,22がディスクロータ19に押し
付けられることで受ける荷重Pが前記基準荷重P0とな
ったことに基づいてピストン18aを停止する。さら
に、ブレーキECU16は、回転変位センサ14が検出
するピストン18aの変位値ΔSに基づき、ブレーキア
クチュエータ18を制御して内側パッド21を停止させ
た位置から予め設定された基準変位値ΔS0だけ後退さ
せる。尚、基準変位値ΔSは、各パッド21,22とデ
ィスクロータ19との各パッドクリアランスをそれぞれ
所定の大きさとするための変位値ΔSであって、基本的
には両パッドクリアランスを合わせた大きさである。即
ち、ブレーキECU16は、車速V及び外気温Tに基づ
いて、両パッド21,22に対向するディスクロータ1
9の摩擦面に錆びが発生する可能性がなく、かつ、パッ
ドクリアランスに雪が入る可能性がない車両環境を検出
する。そして、ブレーキECU16は、この車両環境の
ときには、荷重Pと変位値ΔSとに基づいてパッドクリ
アランスを「0」でない所定の大きさに調整する。
【0025】さらに、パッドクリアランス制御処理とし
て、ブレーキECU16は、車速Vが「0」でなく、か
つ、外気温Tが基準温度T0以上であるときに、予め設
定されている基準時間が経過する毎に、ブレーキアクチ
ュエータ18を制御して両パッド21,22を一旦ディ
スクロータ19に押し付けた後、基準変位値ΔS0だけ
後退させる。即ち、ブレーキECU16は、車速V及び
外気温Tに基づいて、車両の走行中にディスクロータ1
9とキャリパ20との位置関係が変動して、ディスクロ
ータ19が内側パッド21に衝突しブレーキアクチュエ
ータ18を強制的に後退動作させる可能性がある車両環
境を検出する。そして、ブレーキECU16は、この車
両環境のときには、荷重Pと変位値ΔSとに基づいてパ
ッドクリアランスを「0」でない所定の大きさに調整す
るとともに、所定の基準時間が経過する毎に、パッドク
リアランスを所定の大きさに繰り返し再調整する。
【0026】次に、以上のように構成された車両用電気
式ブレーキ装置の作用を、図2に示すパッドクリアラン
ス制御処理のフローチャートに従って説明する。パッド
クリアランス制御処理において、ブレーキECU16
は、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)10でカウ
ンタのカウント値Cに所定の値COを与える。
【0027】次に、ブレーキECU16は、S20で車
速Vが「0」であるか否かを判断する。ブレーキECU
16は、S20で車速Vが「0」であったときには、S
30でブレーキアクチュエータ18を制御してピストン
18aを前進させる。次に、ブレーキECU16は、S
40で両パッド21,22がディスクロータ19に押し
付けられることで外側パッド22が受ける荷重Pの大き
さが基準荷重P0に達したか否かを判断する。ブレーキ
ECU16は、S40で荷重Pが基準荷重P0未満であ
ったときにはピストン18aを前進させている状態のま
まで再びS20を実行する。一方、ブレーキECU16
は、S40で荷重Pが基準荷重P0に達したときにはS
50でピストン18aの延出を停止した後に再びS20
を実行する。
【0028】従って、停止状態の車両において両パッド
21,22に対向するディスクロータ19の摩擦面に錆
びが発生する可能性がある車両環境であるときには、パ
ッドクリアランスが「0」に調整される。
【0029】一方、ブレーキECU16は、S20で車
速Vが「0」でなかったときには、S60で外気温Tが
基準温度T0未満であるか否かを判断する。ブレーキE
CU16は、S60で外気温Tが基準温度T0未満であ
ったときにはS30を実行する。
【0030】従って、パッドクリアランスに雪が入って
ブレーキの効きが低下する可能性がある車両環境では、
パッドクリアランスが「0」に調整される。又、ブレー
キECU16は、S60で外気温Tが基準温度T0以上
であったときには、S70,80で、車速Vが「0」で
なく、かつ、外気温Tが基準温度T0以上となった時点
から所定の基準時間だけ待機する。即ち、ブレーキEC
U16は、カウント値Cをデクリメントすることで時間
の計測を行う。
【0031】従って、パッドクリアランスが「0」とさ
れる停止状態から車両が走行を始めた時点から所定の基
準時間が経過するまではパッドクリアランスが「0」に
維持される。
【0032】ブレーキECU16は、車速Vが「0」で
なく、かつ、外気温Tが基準温度T0以上となってから
の経過時間が基準時間を経過したときには、S90でカ
ウント値CをCOとした後、S100でブレーキアクチ
ュエータ18を制御してピストン18aを前進させる。
次に、ブレーキECU16は、S110で両パッド2
1,22がディスクロータ19に圧接されることで受け
る荷重Pが基準荷重P0に達したか否か判断する。ブレ
ーキECU16は、S110で両パッド21,22が受
ける荷重Pが基準荷重P0未満であるときには再びS2
0を実行する。
【0033】ブレーキECU16は、S110で両パッ
ド21,22が受ける荷重Pが基準荷重P0に達したと
きには、S120でブレーキアクチュエータ18を制御
してピストン18aの前進を停止する。次に、ブレーキ
ECU16は、S130でブレーキアクチュエータ18
を制御してピストン18aを後退させる。そして、ブレ
ーキECU16は、S140でピストン18aの後退に
伴って増大する変位値ΔSが基準変位値ΔS0に達した
か否かを判断する。ブレーキECU16は、S140で
ピストン18aの変位値ΔSが基準変位値ΔS0に達し
ていないときには再びS20を実行する。一方、ブレー
キECU16は、S140でピストン18aの変位値Δ
Sが基準変位値ΔS0に達したときにはS150でブレ
ーキアクチュエータ18を制御してピストン18aの後
退を停止した後に再びS20を実行する。
【0034】従って、車両が走行中であってディスクロ
ータ19の摩擦面に錆びが発生する車両環境でなく、か
つ、外側又は内側のパッドクリアランスに雪が入ってブ
レーキの効きが低下する可能性がある車両環境でないと
きには、外内側のパッドクリアランスを合わせた大きさ
が基準変位値ΔS0に対応した所定の大きさに調整され
る。
【0035】また、走行状態の車両においてディスクロ
ータ19が内側パッド21に衝突してブレーキアクチュ
エータ18のピストン18aを後退させる可能性がある
車両環境では、所定の基準時間が経過する毎に外内側の
パッドクリアランスを合わせた大きさが所定の大きさに
繰り返し再調整される。
【0036】以上詳述した本実施形態によれば、以下の
各効果を得ることができる。 (1) 本実施形態では、パッドクリアランスに雪が入
ってブレーキの効きが低下する可能性がある車両環境で
はパッドクリアランスを「0」に調整するようにした。
従って、ディスクロータ19とパッドとの間に雪が入る
可能性がある環境下であってもパッドがディスクロータ
19に当接されることで雪が入らないので、雪によるブ
レーキの効きの低下を防止することができる。
【0037】(2) 加えて本実施形態では、停止状態
の車両において両パッド21,22に対向するディスク
ロータ19の摩擦面に錆びが発生する可能性がある車両
環境であるときにはパッドクリアランスを「0」に調整
するようにした。そして、この停止状態から車両が走行
を始めた時点から所定の基準時間が経過するまではパッ
ドクリアランスを「0」に維持するようにした。従っ
て、停止状態の車両において各パッド21,22が接触
するディスクロータ19の摩擦面の領域に錆びが発生し
難く、走行開始後には両パッド21,22がディスクロ
ータ19の摩擦面を摺接して摩擦面全体の錆びを落と
す。その結果、車両が停止状態にあるときにディスクロ
ータ19に発生した錆によるブレーキの効きの低下を防
止することができる。
【0038】(3) 加えて本実施形態では、車両が走
行中であってディスクロータ19の摩擦面に錆びが発生
する車両環境でなく、かつ、パッドクリアランスに雪が
入ってブレーキの効きが低下する可能性がある車両環境
でないときには、パッドクリアランスを「0」でない所
定の大きさに調整するようにした。従って、走行中にブ
レーキの引きずりが発生しないようにすることができる
ので、錆及び雪によるブレーキの効きの低下を招くこと
なく燃費を向上することができる。
【0039】また、このようなクリアランス制御を、左
右両前輪、左右両後輪、又は、4輪全てのブレーキ装置
に対して行なった場合には、左右両輪のクリアランスが
随時適正な大きさに調整されることになる。このため、
制動開始時における左右両輪のブレーキの作動遅れのず
れを防止して車両バランスが損なわれ難いようにするこ
とができ、車両バランスが損なわれることに起因するス
テアリング系の振動を低減することができる。
【0040】(4) 加えて本実施形態では、走行状態
の車両においてディスクロータ19が内側パッド21に
衝突してブレーキアクチュエータ18のピストン18a
を後退させる可能性がある車両環境では、所定の基準時
間が経過する毎にパッドクリアランスを所定の大きさに
繰り返し再調整するようにした。従って、車両の走行中
に、ノックバック、シェイクバック等によってパッド2
1,22が当初の位置から後退してパッドクリアランス
が増大しても設定位置に復帰するので、パッドクリアラ
ンスの増大によるブレーキの作動遅れを防止することが
できる。
【0041】以下、上記実施形態以外の発明の実施形態
を列挙する。 ・ 上記実施形態では、停止状態の車両においてパッド
クリアランスを隔てて両パッドに対向するディスクロー
タ19の摩擦面に錆びが発生する可能性がある車両環境
を、車速Vが「0」であることに基づいて判断するよう
にした。これを、車速Vが「0」であること、パーキン
グブレーキがかけられていること、及び、イグニッショ
ンスイッチがオフであることのいずれか1つが成立した
ことに基づいて判断したり、その内のいずれか2つが成
立したこと、又は、3つ全てが成立したことに基づいて
判断するようにしてもよい。
【0042】・ 上記実施形態では、パッドクリアラン
スに雪が入ってブレーキの効きが低下する可能性がある
車両環境を、外気温Tが所定の基準温度T0未満である
ことに基づいて判断するようにした。これを、車輪の回
転加速度が予め設定された大きさを超えた状態になった
こと、即ち、車輪と路面との間に所定以上の滑りが発生
したことに基づいて判断してもよい。車輪の回転加速度
は、例えば磁気センサで検出する車輪速度から演算す
る。また、雪が検出されたことに基づいて判断してもよ
い。雪は公知の雨滴センサによって検出する。あるい
は、アンチロックブレーキシステム(ABS)を備えた
車両において、車輪が滑って同システムが作動したこと
に基づいて判断するようにしてもよい。
【0043】・ 上記実施形態では、走行状態の車両に
おいてディスクロータ19が内側パッド21に衝突して
ブレーキアクチュエータ18のピストン18aを後退さ
せる可能性がある車両環境を、車速Vが「0」でないこ
とに基づいて判断するようにした。即ち、車両が走行す
る路面の状態に拘らず車両が走行中であることを、内側
パッド21が後退してパッドクリアランスが増大する可
能性がある車両環境として検出した。
【0044】これを、車体あるいは車輪に加わる加速度
が予め設定した大きさを超えることに基づいて判断する
ようにしてもよい。即ち、車両が走行する路面の状態が
悪路であるときを、内側パッドが後退してパッドクリア
ランスが増大する可能性がある車両環境として検出する
ようにしてもよい。
【0045】また、車高調整装置を備えた車両におい
て、悪路の走行時に車高が標準よりも高く設定されたこ
とに基づいて判断するようにしてもよい。また、ブレー
キアクチュエータ18の非駆動時に、荷重センサ15の
検出値が閾値を超えたことに基づいて判断するようにし
てもよい。
【0046】・ 上記実施形態では、電動ブレーキ装置
10が踏力Fに応じた強さでブレーキをかけるようにし
たが、ブレーキペダルの踏込ストロークに応じた強さで
ブレーキをかけるようにしてもよい。
【0047】また、踏力Fと踏込ストロークとに基づい
てブレーキをかけるようにしてもよい。 ・ 上記実施形態では、キャリパ浮動型のディスクブレ
ーキに実施したが、ノックバック、シェイクバックによ
ってパッドクリアランスが影響を受けやすいキャリパ固
定型に実施してもよい。又は、内側パッドを押し付ける
ピストンと、浮動支持されたヨークを介して外側パッド
を押し付けるピストンとを支持するシリンダが固定され
たシリンダ固定ヨーク浮動型のディスクブレーキに実施
してもよい。
【0048】以下、前述した各実施形態から把握される
技術的思想をその効果とともに記載する。 (1) 請求項2に記載の発明において、前記車両環境
検出手段は、外気温(T)が予め設定された基準温度
(T0)未満となったことに基づいて前記車両環境を検
出する車両用電動ブレーキ装置。このような構成によれ
ば、外気温が所定の基準温度未満であることに基づい
て、パッドとディスクロータとの間に雪が入ってブレー
キの効きが低下する可能性がある状態を確実に検出する
ことができる。
【0049】(2) 請求項3に記載の発明において、
前記車両環境検出手段は、車速(V)が「0」であるこ
とに基づいて前記車両環境を検出する車両用電動ブレー
キ装置。このような構成によれば、車速が「0」である
ことに基づいて、停止状態の車両においてパッドに対向
するディスクロータの摩擦面に錆びが発生する可能性が
ある状態を確実に検出することができる。
【0050】(3) 請求項4に記載の発明において、
前記車両環境検出手段は、外気温(T)が予め設定され
た基準温度(T0)以上であり、かつ、車速(V)が
「0」でないことに基づいて前記車両環境を検出する車
両用電動ブレーキ装置。このような構成によれば、雪や
錆によるブレーキの効きの低下を招くことなく引きずり
がなくなる分だけ燃費を向上することができる。
【0051】(4) 請求項3に記載の発明において、
前記車両環境が一旦検出されなくなった後に検出されな
くなったときに、前記クリアランス調整手段を制御して
予め設定された時間だけ前記パッドクリアランスを
「0」に維持するクリアランス制御手段(ブレーキ電子
制御装置16)を備えた車両用電動ブレーキ装置。この
ような構成によれば、車両が停止状態にあるときにディ
スクロータに発生した錆によるブレーキの効きの低下を
防止することができる。
【0052】(5) 請求項1〜請求項4のいずれか一
項に記載の車両用ブレーキ装置において、ブレーキペダ
ルの踏力を検出する踏力センサ(11)と、前記ブレー
キアクチュエータ(18)を制御し、前記踏力に応じた
強さでブレーキをかけるブレーキ制御装置(ブレーキ電
子制御装置16)とを備えた車両用電動ブレーキ装置。
このような構成によれば、ブレーキ能力に影響を及ぼす
車両環境であっても、ブレーキ能力をさほど低下させる
ことなく踏力に応じた強さでブレーキをかけることがで
きる。
【0053】
【発明の効果】請求項1〜請求項4に記載の発明によれ
ば、パッドクリアランスの大きさに応じてブレーキ能力
を低下させる車両環境を原因とするブレーキ能力の低下
を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の車両用電動ブレーキ装置の模式
構成図。
【図2】 パッドクリアランス調整処理のフローチャー
ト。
【図3】 従来の電動ブレーキの模式構成図。
【符号の説明】
11…車両環境検出手段としての踏力センサ、12…同
じく温度センサ、13…同じく車速センサ、14…クリ
アランス調整手段を構成する回転変位センサ、15…同
じく荷重センサ、16…同じくブレーキ電子制御装置、
17…同じく駆動ユニット、18…同じくブレーキアク
チュエータ、19…ディスクロータ、21…内側パッ
ド、22…外側パッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 貴之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3D048 BB01 BB29 BB31 CC49 HH42 HH58 HH66 HH68 RR01 RR11 RR13 RR25 3J058 AA43 AA48 AA53 AA69 AA78 AA83 AA87 BA02 BA57 CC12 CC77 DA32 DB20 DB23 DB25 DB27 FA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動アクチュエータを制御してパッドを
    ディスクロータに圧接する車両用電動ブレーキ装置にお
    いて、 前記ディスクロータ及びパッド間のパッドクリアランス
    の大きさに応じてブレーキ能力を低下させる車両環境を
    検出する車両環境検出手段と、 前記車両環境が検出されるときに、該車両環境に基づい
    て前記電動アクチュエータを制御し、前記パッドクリア
    ランスを前記車両環境に対して予め設定されている大き
    さに調整するクリアランス調整手段とを備えた車両用電
    動ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記車両環境は、前記パッドと前記ディ
    スクロータとの間に雪が入ってブレーキの効きが低下す
    る状態であって、 前記クリアランス調整手段は、前記パッドクリアランス
    を「0」に調整する請求項1に記載の車両用電動ブレー
    キ装置。
  3. 【請求項3】 前記車両環境は、停止状態の車両におい
    て前記パッドに対向する前記ディスクロータの摩擦面に
    錆びが発生する状態であって、 前記クリアランス調整手段は、前記パッドクリアランス
    を「0」に調整する請求項1に記載の車両用電動ブレー
    キ装置。
  4. 【請求項4】 前記車両環境は、車両の走行中に前記デ
    ィスクロータが前記パッドに衝突し該パッドを介して前
    記電動アクチュエータを後退動作させる状態であって、 前記クリアランス調整手段は、前記パッドクリアランス
    を予め設定されている大きさに調整する請求項1に記載
    の車両用電動ブレーキ装置。
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