JPH0611490A

JPH0611490A - 携帯型タイル剥離検知装置

Info

Publication number: JPH0611490A
Application number: JP4169469A
Authority: JP
Inventors: Yasunobu Shiraishi; 康信白石; Masahiro Kamio; 正博神尾
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1992-06-26
Filing date: 1992-06-26
Publication date: 1994-01-21
Anticipated expiration: 2012-04-02
Also published as: JP2597070B2

Abstract

(57)【要約】【目的】コンパクトで持ち運びが便利で操作が簡単な
装置を提供する。【構成】判定器において、計測打撃音音圧が基準値よ
り大きい場合に、剥離ありと判定したのち、計測反発力
が基準値より大きい場合に深い剥離、小さい場合に浅い
剥離と判定して判定表示器に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築物の壁面に取付け
られたタイルの剥離状態を検知する携帯型タイル剥離検
知装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、「吊り下げ型タイル剥離検
知ロボット」（特開昭６１−２０１１５８号公報、特開
昭６１−１６１４４９号公報、実開昭６１−１５４５６
０号公報参照）を開発し、実用化している。該ロボット
は、打撃部を屋上の吊り下げユニットから吊り下げ、駆
動部を重錘としてワイヤで引張り、打撃部を壁面に押し
付けて検知していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】該ロボット自体は有効
なものであるが、しかし、大規模な壁面には好適である
反面、小規模な壁面では検査コストが高くなる。壁面の
隅部や窓回りの調査には手間がかかるなどの不具合があ
った。

【０００４】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
もので、コンパクトで持ち運びが便利で操作が簡単な携
帯型タイル剥離検知装置を提供することを目的としてい
る。

【０００５】

【知見】外壁タイルを一定の運動量で打撃すると、剥離
部の打撃音は健全部より高い音圧を示す。また、浅い剥
離部のハンマの反発力は、深い剥離部よりも小さくなる
特性を示す。本発明は、この知見に基づいてなされたも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、ハンマ
部と、該ハンマ部に信号ケーブルを介して接続された剥
離判定部とからなり、前記ハンマ部は、打撃機構、反発
力検知器、打撃音検知器及びこれらの部材を支持する伸
縮自在な検知棒を備え、前記剥離判定部は、判定器、判
定表示器及び打撃機構駆動電源とを備えている。

【０００７】上記打撃音検知器は、打撃音センサすなわ
ちマイクロフォンで構成するのが好ましい。

【０００８】また、判定表示器は、判定表示ブザー及び
判定表示ランプで構成するのが好ましい。判定結果の表
示は、ブザーにおいては、例えば音の高低、ランプにお
いては、例えばランプ色で、健全、浅い剥離、深い剥離
を表示するのが好ましい。

【０００９】また、検知に際し、あらかじめ対象タイル
毎の打撃音音圧とハンマの反発力とを統計処理して求め
た判定基準値と、計測値とを比較し剥離の有無、浅深を
判定するのが好ましい。

【００１０】また、検知作業は、高所作業車に乗って行
うのが好ましい。

【００１１】

【作用】上記のように構成された携帯型タイル剥離検知
装置においては、検知棒によりハンマ部を壁面に圧接
し、打撃機構を作動して壁面を打撃し、その打撃音音圧
及び反発力の計測値を判定器において判定基準値と比較
し、剥離の有無、浅深を判定し、判定結果を判定表示ブ
ザー及びランプで表示する。

【００１２】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

【００１３】図１において、本発明のタイル剥離検知装
置は、ハンマ部１０、剥離判定部２０及び両者を接続す
る回路Ｌ１〜Ｌ４からなる信号線Ｌで概略構成されてい
る。

【００１４】そのハンマ部１０には、打撃機構１１が設
けられ、この打撃機構１１には、反発力検知器１２が設
けられている。また、打撃音検知器であるマイクロフォ
ン１３が設けられている。そして、ハンマ部１０全体
は、伸縮自在な検知棒１４（図４）の先端に取付けられ
ている。

【００１５】他方、剥離判定部２０には、判定器２１
と、その判定器２１に接続された判定表示器である判定
表示ブザー２２及びハンマ部の判定表示ランプ２３と打
撃機構駆動電源すなわちバッテリ２４とが設けられてい
る。

【００１６】前記判定器２１には、回路Ｌ１により反発
力検知器１２が接続され、回路Ｌ２によりマイクロフォ
ン１３が接続され、バッテリ２４は、回路Ｌ４により打
撃機構１１に接続されている。

【００１７】また、判定表示ランプ２３は、ハンマ部１
０に設けられ、回路Ｌ３により判定器２１に接続されて
おり、例えば三色（緑色、黄色及び赤色）の図示しない
発光ダイオードが設けられている。

【００１８】そして、重量は例えばハンマ部１０が２ｋ
ｇ、剥離判定部２０（バッテリ２４を含む）が６．５ｋ
ｇの計８．５ｋｇと、従来装置の２００〜６００ｋｇに
対し極めて軽量であり、かつ、コンパクトである。次
に、検知の原理を図２及び図３を参照して説明する。

【００１９】外壁１のタイル２（図１）を一定の運動量
で打撃すると図２に示すように、剥離部の打撃音音圧Ｐ
１は、健全部の音圧Ｐより大きく、ハンマの反発力Ｆ１
は図３に示すように、浅い剥離部の反発力Ｆ１ａは、深
い剥離部の反発力Ｆ１ｂより小さいことが、実験により
確認されている。これらの音圧、反発力を統計処理し
て、音圧の判定基準値ＰＯと反発力の判定基準値ＦＯと
を求めておく。

【００２０】次に、剥離検知の態様を説明する。

【００２１】図４において、高所作業車３の作業ステー
ジ４に作業者５が搭乗し、作業者５が携帯する剥離判定
部２０に信号ケーブルＬで接続されたハンマ部１０を検
知棒１４により外壁１の所要のタイル２に押圧する。

【００２２】他方、図５に示すように、手入力により判
定部２１に、打撃音圧の判定基準値ＰＯと、反発力の判
定基準値ＦＯとを入力しておく（ステップＳ１）。次い
で、打撃機構１１を駆動し、タイル２を打撃し（ステッ
プＳ２）、マイクロフォン１３により打撃音音圧Ｐ１を
計測し、反発力検知器１２で反発力Ｆ１を計測する（ス
テップＳ３）。次いで、判定器２１は計測打撃音音圧Ｐ
１が判定基準値ＰＯより小さいか、すなわちタイル２が
健全か否かを判定する（ステップＳ４）。ＹＥＳだった
ら、健全部と判定し（ステップＳ５）、ＮＯの場合は、
計測反発力Ｆ１が判定基準値ＦＯより大きいか否か、す
なわち深い剥離か否かを判定する（ステップＳ６）。Ｙ
ＥＳだったら、躯体上の剥離すなわち深い剥離と判定し
（ステップＳ７）。ＮＯの場合は、タイル２の裏面の剥
離すなわち浅い剥離と判定する（ステップＳ８）。そこ
で、表示ブザー２２及び表示ランプ２３に制御信号を出
力し、健全な場合、浅い剥離の場合及び深い剥離の場合
について、ブザー２２の作動を、作動なし、低音及び高
音とし、ランプ２３の点灯を、緑色、黄色及び赤色とし
て表示し（ステップＳ９）、１回の計測の制御を終る。

【００２３】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。

【００２４】（１）コンパクトで軽量なので、一人で
運搬することができる。

【００２５】（２）検知棒でハンマ部をタイルに接圧
して簡単に操作し、一人で１秒に２打点の計測を行い、
従来の三人で１秒に１打点の計測に対し、作業能率を６
倍に向上することができる。

【００２６】（３）小規模な調査に好適である。

【００２７】（４）従来は困難であった壁面の隅部、
窓回りの調査を容易に行うことができる。

【００２８】（５）剥離の有無の検知と、剥離の深さ
の判定を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すブロック図を兼ねた全
体構成図。

【図２】健全部と剥離部との打撃音音圧特性図。

【図３】剥離の深さに関する反発力特性図。

【図４】検知作業の状態を説明する斜視図。

【図５】制御フローチャート図。

【符号の説明】

ＰＯ・・・打撃音音圧の判定基準値Ｐ１・・・計測打撃音音圧Ｌ・・・信号ケーブルＦＯ・・・反発力の判定基準値Ｆ１Ｆ１ａ、Ｆ１ｂ・・・計測反発力１・・・外壁２・・・タイル３・・・高所作業車４・・・作業ステージ１０・・・ハンマ部１１・・・打撃機構１２・・・反発力検知器１３・・・マイクロフォン１４・・・検知棒２０・・・剥離判定部２１・・・判定器２２・・・判定表示ブザー２３・・・判定表示ランプ２４・・・バッテリ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ハンマ部と、該ハンマ部に信号ケーブル
を介して接続された剥離判定部とからなり、前記ハンマ
部は、打撃機構、反発力検知器、打撃音検知器及びこれ
らの部材を支持する伸縮自在な検知棒を備え、前記剥離
判定部は、判定器、判定表示器及び打撃機構駆動電源と
を備えていることを特徴とする携帯型タイル剥離検知装
置。