JPH06114111A - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents

医療用ガイドワイヤ

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JPH06114111A
JPH06114111A JP4270094A JP27009492A JPH06114111A JP H06114111 A JPH06114111 A JP H06114111A JP 4270094 A JP4270094 A JP 4270094A JP 27009492 A JP27009492 A JP 27009492A JP H06114111 A JPH06114111 A JP H06114111A
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JP
Japan
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guide wire
synthetic resin
tip
resin coating
ray
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Application number
JP4270094A
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English (en)
Inventor
Akira Sakugi
朗 柵木
Yoshinori Domoto
由修 堂本
Hirotoku Yamada
廣徳 山田
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Toray Monofilament Co Ltd
Original Assignee
Toray Monofilament Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作性が向上し、患者に対する苦痛を軽減し
た医療用ガイドワイヤを提供する。 【構成】 金属製内芯部4および合成樹脂製被覆部2か
らなる医療用ガイドワイヤにおいて、前記合成樹脂製被
覆部2の肉厚内に、粒度が0.20μ〜1.00μのレ
ントゲン線不透過金属微粉末体3を混入せしめると共
に、この合成樹脂製被覆部2の全長または少なくとも一
部に、ポリウレタン樹脂のコーティング被膜5を介し
て、抗血栓性処理および/または潤滑処理を施したこと
を特徴とする。合成樹脂製被覆部2は、球部21、フレ
キシブル部22およびテーパー部23からなる先端案内
部を有し、この先端案内部から後端にかけて操作部24
が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管内の患部の状態検
査およびカテーテル治療などに使用するための医療用ガ
イドワイヤに関するものである。さらに詳しくは、操作
性がきわめてすぐれ、患者に対し苦痛や負担を与えるこ
となく、血管たとえば動脈内の患部へと、超選択的にそ
の先端を到達せしめることができる医療用ガイドワイヤ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人体の血管内に発生した患部の状態検査
やその患部に薬液を輸送するために使用する従来のカテ
ーテルとしては、あらかじめ血管内にガイドワイヤを送
り込み、その外壁面に沿って患部へと導入される形式の
ものが主流である。
【0003】この形式のガイドワイヤとしては、たとえ
ば米国のCOOK社、UMI社およびUSCI社などか
ら製造、販売されているもののように、たとえばステン
レス鋼線やピアノ線などからなるコイル状金属線が一般
的であり、またこのガイドワイヤと組合せて用いられる
カテーテルとしては、たとえば米国のUMI社、ECC
社およびUSCI社などから製造、販売されている合成
樹脂製チューブが一般的であった。
【0004】そして、上記の金属製ガイドワイヤと合成
樹脂製カテーテルを用いてカテーテル治療を行なう場合
には、まずガイドワイヤを血管内に挿入してこれを患部
へ到達せしめ、次いでガイドワイヤを中子としてこれを
被覆するような形でカテーテルを導入し、患部へと到達
させた後、ガイドワイヤを抜き出し、カテーテルの端部
より治療薬液を注入し、患部へ導入するという一連のス
テップが必要とされる。
【0005】しかしながら、上記の治療操作において
は、金属製ガイドワイヤ自体の表面にコイル線特有の凹
凸があるために血栓が付着しやすいこと、金属製で硬い
ため血管への挿入操作に複雑な手順や高度なテクニック
を必要とし、操作に要する時間も長いこと、および操作
中に血管内膜を損傷したり、血管内膜下にもぐりこんだ
りしやすいことなどの問題があって、実際には治療中の
患者に与える苦痛および負担が大きいばかりか、たとえ
ば冠状静脈などの末梢血管内の患部へガイドワイヤの先
端を超選択的に到達させることが極めて困難であった。
【0006】また、金属製ガイドワイヤ以外では、合成
樹脂製ガイドワイヤが一部使用されているが、これらは
先端部の案内性を高めようとして、金属製の内芯等を持
たない方法で先端をフレキブルにしてあるために、先端
部には造影性がなく、体外からレントゲン線を投射した
際に、レントゲン線テレビモニターに先端部のみ影像が
映らず、体内に挿入した先端部の位置を体外から確認す
ることができないという問題があった。
【0007】さらに、合成樹脂製ガイドワイヤは表面の
滑りを良くするために、表面にシリコンコーティングな
どが直接施されているが、このようにして付与された滑
り特性はいまだに充分満足のいくものではないばかり
か、血管内に導入したガイドワイヤの先端を目的とする
患部、たとえば分岐血管へ導くなどの操作性が低いため
患者へ与える苦痛および負担が増大したり、末梢血管へ
の超選択的な導入が困難になるという問題を有してい
た。
【0008】本出願人は、上記従来のカテーテル治療に
おける欠点を改良すべく検討した結果、合成樹脂製中空
モノフィラメントを基本構造とし、これに球部、フレキ
シブル部、テーパー部および操作部からなる外形を形成
すると共に、その球部と少なくとも操作部の中空部にレ
ントゲン線不透過金属または超弾性合金を封入してなる
医療用ガイドワイヤが、滑り特性が良く、レントゲンモ
ニター性が高く、腰があり、しかも先端がしなやかで操
作性にすぐれることから、従来困難であった超選択的な
カテーテル治療を可能とするものであることを見出し、
先に提案(特開昭64−46475号公報、特公昭57
−55426号公報および特公昭57−57142号公
報など)すると共に、さらにその操作性を向上せしめる
べく、種々の検討を継続してきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記本出願
人の提案による医療用ガイドワイヤは、滑り特性と一部
レントゲンモニター性に問題があって、患部の種類や状
況によっては、とくに滑り特性および先端部のレントゲ
ンモニター性が不足し、血管内に導入したガイドワイヤ
の先端を目的とする患部、たとえば分岐血管へ導くなど
の操作性が低下し、患者へ与える苦痛および負担が増大
したり、末梢血管への超選択的な導入が困難になるとい
う問題があり、さらに改良の余地があることが判明し
た。
【0010】そこで本発明者らは、操作性が一層改善さ
れた医療用ガイドワイヤの取得を目的としてさらに検討
を進めた結果、下記の構成により上記目的が効果的に達
成できることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、金属
製内芯部および合成樹脂製被覆部からなる医療用ガイド
ワイヤにおいて、合成樹脂製被覆部の肉厚内に、粒度が
0.20μ〜1.00μのレントゲン線不透過金属微粉
末体を混入せしめると共に、この合成樹脂製被覆部の全
長または少なくとも一部に、ポリウレタン樹脂でコーテ
ィング被膜を介して、抗血栓性処理および/または潤滑
処理を施したことを特徴とする医療用ガイドワイヤを提
供するものである。
【0012】本発明の医療用ガイドワイヤの基本構造を
なす金属製内芯部の素材としては、タングステン、ステ
ンレス鋼、金、白金、プラチナなどのレントゲン線不透
過金属体およびTi−Ni合金、Cu−Zn合金、Ni
−Al合金などの各種超弾性合金などからなる線条物が
挙げられるが、なかでもレントゲン線不透過性がすぐれ
比較的安価なタングステンからなる線条物、および作業
性が良く品質が安定したTi−Ni合金の超弾性合金か
らなる線条物の使用が好ましく推奨される。
【0013】これら金属製内芯部の直径は、0.1〜
1.0mm、とくに0.2〜0.5mmの範囲が好適であ
る。
【0014】また、本発明の医療用ガイドワイヤの他の
基本構造をなす合成樹脂製被覆部を構成する合成樹脂と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン12などのポリアミド、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリウレタン、ポリスチレン、フッ素樹脂、シリ
コンゴムおよび各種エラストマーなどから選ばれた熱可
塑性樹脂が挙げられるが、なかでも比較的低価格で品質
が安定しており、紡糸性がよく、腰のあるポリエチレン
テレフタレートが好ましく用いられる。
【0015】上記熱可塑性樹脂からなる合成樹脂製被覆
部は、熱可塑性樹脂からなる中空チューブ、好ましくは
中空モノフィラメントの中空部に、前記金属製内芯部を
挿入し、両端を溶封するか、または前記金属製内芯部の
表面に熱可塑性樹脂をコーティングすることにより形成
されるが、前者の場合には、上述した本出願人の先の出
願に記載したように、中空チューブまたは中空モノフィ
ラメントの先端から後端にかけて、球部、フレキシブル
部、テーパー部および操作部の外形を施すことが可能で
あり、こうすることによって、先端の案内性および全体
の操作性をさらに向上させることができる。
【0016】なお、合成樹脂製被覆部には、その肉厚内
に粒度が0.20μ〜1.00μのレントゲン線不透過
金属微粉末体を混入せしめたため、従来レントゲン線を
投射した際に、レントゲン線テレビモニターに影像が映
らなかったフレキシブル部についても充分にモニターす
ることができ、全体としてのレントゲンモニター性が向
上し、血管内への挿入時における所定部位への走行安定
性がすぐれているばかりか、カテーテル導入に際して
も、カテーテルをガイドワイヤに沿わせて、円滑に導入
させることができる。
【0017】このレントゲン線不透過性の金属微粉末体
としては、タングステン、バリウムおよびビスマスなど
が挙げられるが、なかでも少量でレントゲン線不透過性
のすぐれたタングステン微粉末体の使用が好ましく推奨
される。
【0018】これら金属微粉末体の粒度は0.20μ〜
1.00μ、とくに0.39μ〜0.52μの範囲が好
適である。
【0019】また、金属微粉末体の含有率は、熱可塑性
樹脂からなる中空チューブ、好ましくは中空モノフィラ
メントの全体の10重量%〜40重量%であり、中空モ
ノフィラメントの破断強力を落とすことなく、レントゲ
ンモニター性を高めるには、20重量%〜30重量%の
範囲が好適である。
【0020】さらに、本発明の医療用ガイドワイヤは、
前記合成樹脂製被覆部の全長または少なくとも一部に、
ポリウレタン樹脂のコーティング被膜を介して、抗血栓
性処理および/または潤滑処理を施すことにより、血管
内部へ案内する際の滑り特性が向上し、先端の案内性が
すぐれ、無理のない自然に近い操作ができるという効果
が得られる。
【0021】上記ポリウレタン樹脂としては、旭電化工
業(株)製水系ウレタン樹脂“アデカボンタイターHU
X”シリーズおよび大日本インク化学工業(株)製“水
性ポリウレタン樹脂(アイオノマー型)HYDRAN”
シリーズが挙げられるが、なかでも安全性、作業性、コ
ーティング後の接着性や手触り、常温での乾燥、後加工
のしやすさなどから、大日本インク化学工業(株)製
“水性ポリウレタン樹脂(アイオノマー型)HYDRA
N”AP−60の使用が最も好適である。
【0022】なお、ポリウレタン樹脂被膜の厚みは、次
いで行う抗血栓性処理および/または潤滑処理を考慮し
て、最低限10μ〜60μにすることが必要である。
【0023】抗血栓性処理に用いる抗血栓性処理剤とし
ては、東レ(株)製“アンスロン”、日本シャーウッド
製“スロンボライト”およびニプロ医学製“バイオライ
ン”などが挙げられるが、なかでも東レ(株)製のヘパ
リンをイオン結合したヘパリン化親水性材料からなる
“アンスロン”を用いた処理が、抗血栓性の効果が高
く、しかも作業性が良好であることから好ましい。
【0024】また、潤滑処理に用いる潤滑促進剤として
は、PEO(ポリエチレンオキサイド)やシリコーンオ
イルなどが挙げられる。また、プラズマ開始グラフト重
合による潤滑性処理もあるが、PEO(ポリエチレンオ
キサイド)処理による潤滑性の効果が最も顕著である。
【0025】上記のように、ポリウレタン樹脂被膜を介
して、上記抗血栓性処理剤および/または潤滑促進剤を
施すことによって、ポリウレタン樹脂被膜がすぐれたバ
インダー効果を発揮し、合成樹脂製被覆部の表面に対す
る抗血栓性処理剤および/または潤滑促進剤の接着性が
向上し、従来よりもはるかにすぐれた抗血栓性および潤
滑性を確保することができるため、ガイドワイヤ自体の
操作性がきわめて向上する。
【0026】次に本発明の医療用ガイドワイヤの実施例
について、図面にしたがって説明する。
【0027】図1は本発明の医療用ガイドワイヤの一実
施例を示す断面説明図、図2は図1のA−A´線断面説
明図である。
【0028】図1および図2に示した実施例において、
医療用ガイドワイヤ1は、同一外径の合成樹脂製チュー
ブまたは中空モノフィラメントを合成樹脂製被覆部2、
またタングステンからなる線条物またはTi−Ni合金
の超弾性合金からなる線条物を金属製内芯部4となし、
前記合成樹脂製被覆部2の肉厚内の少なくとも一部に
(本実施例では全体に)、粒度が0.20μ〜1.00
μのレントゲン線不透過金属微粉末体3を混入せしめ、
次いで、ポリウレタン樹脂被膜5を介して抗血栓性処理
を施し、抗血栓性処理部6を形成したものである。
【0029】また、図1に示した医療用ガイドワイヤ1
においては、合成樹脂製被覆部2の先端から後端にかけ
て、球部21、フレキシブル部22、テーパー部23か
らなる先端案内部および操作部24が形成されており、
さらに前記先端球部21にはレントゲン不透過金属から
なるチップ7が内蔵されている。
【0030】このように、合成樹脂製被覆部2の肉厚内
に、粒度が0.20μ〜1.0.μのレントゲン線不透
過金属微粉末体3を混入せしめたことにより、ガイドワ
イヤのレントゲンモニター性を高めることができ、レン
トゲン線を投射した際に、レントゲン線テレビモニター
に映る影像が極めて鮮明となって、体内に挿入した先端
案内部の位置を体外から容易に確認することができる。
【0031】また、この実施例の態様において、金属製
内芯部4をタングステンからなる線条物に比較してレン
トゲン線透過性の小さいTi−Ni合金の超弾性合金か
らなる線条物で形成した場合であっても、合成樹脂製被
覆部2には粒度が0.20μ〜1.00μのレントゲン
線不透過金属のタングステン微粉末3が混入されている
ために、全体としては高いレントゲンモニター性を期待
することができる。
【0032】しかも、金属製内芯部4をTi−Ni合金
の超弾性合金からなる線条物で形成した場合には、ガイ
ドワイヤの腰が強くなると共に、先端が一層しなやかと
なるため、先端案内部を目的とする血管内患部へと到達
させるための操作性、とくに操作部24の操作性が向上
する。
【0033】したがって、目的とする医療用ガイドワイ
ヤの特性に合せて金属製内芯部4の種類を任意に選択す
ることができる。
【0034】なお、金属製内芯部4の先端41を、図示
したようにテーパー状に加工しておくことにより、先端
の案内性が一段と改良され、全体としての操作性が一層
向上する。
【0035】また、金属製内芯部4の先端テーパー状部
41を、必ずしも合成樹脂製被覆部2の先端球部21の
位置にまで到達させる必要はなく、たとえばその先端位
置を合成樹脂製被覆部2のフレキシブル部22またはテ
ーパー部23の位置とし、先端球部21に金またはタン
グステンなどのレントゲン線不透過金属からなるチップ
7を挿入することによって、先端のレントゲンモニター
性をさらに向上させることができる。
【0036】合成樹脂製被覆部2は、合成樹脂製チュー
ブまたは中空モノフィラメントを基本構造としたままの
形とすることもできるが、球部21、フレキシブル部2
2、テーパー部23からなる先端案内部および操作部2
4の外形形状を形成することによって、目的とする血管
内患部へガイドワイヤの先端を案内する操作性が一層す
ぐれたものとなる。
【0037】すなわち、先端の球部21は中空構造を有
し、その中空部には金属製内芯部4の先端か、または必
要に応じて金またはタングステンなどのレントゲン線不
透過金属のチップ7が封入されており、この球部21は
血管内で血流に乗って自由に動くことができ、血管内膜
を損傷したり、内膜下にもぐりこむことがないので、従
来の金属製ガイドワイヤの押し込む操作に比べて無理の
ない自然に近い操作で患者に苦痛を与えることなく、目
的とする患部へ到達する。
【0038】しかも、先端球部21は、レントゲン線を
投射した際に、レントゲン線テレビモニターに映る影像
がきわめて鮮明であり、体内に挿入した先端部の位置を
体外から容易に確認することができる。
【0039】フレキシブル部22は、細くしなやかな部
分で、かつ充分な腰の強さを備えており、細く柔軟に設
計されているため、球部の血管内における自由運動を一
層効果的なものとする。
【0040】テーパー部23は、その直径が操作部24
に向かうにしたがって徐々に大きくなり、操作部24に
至った所で操作部24と同じ直径となるようにテーパー
状に加工されており、操作部24から前方の先端部分の
柔軟性および屈曲回復性を助長し、かつ充分に発揮させ
る。したがって、血液の異常滞留が防止できるととも
に、球部21を目的とする血管の入口へ導入する過程で
前進、後退などの微妙な操作を容易に行なうことができ
る。
【0041】操作部24は、そのほぼ全長にわたる中空
部分に、金属内芯部3を内蔵すると共に、その肉厚内の
少なくとも一部に、粒度が0.20μ〜1.00μのレ
ントゲン線不透過金属微粉末体3を混入せしめている。
したがって、操作部24は適度に硬く、しかも適度に柔
軟で、強い腰を持つことになるため、先端の球部21を
目的とする血管内患部へと到達せしめる操作性、たとえ
ば大腿部より動脈に導入したガイドワイヤの先端球部2
1を、大動脈および肝動脈からの分岐を経て末梢血管か
らさらに患部へと到達させる導入操作を、ガイドワイヤ
の入口すなわち大腿部において、操作部24を操作しな
がら行なう際の作業性がきわめて向上し、球部の操作を
体外から容易に行なうことができるばかりか、体外から
のモニター監視性もすぐれている。
【0042】本発明の医療用ガイドワイヤ1は、まず金
属製内芯部4の表面に、粒度が0.20μ〜1.00μ
のレントゲン線不透過金属微粉末体3を混入せしめた合
成樹脂をコーティングし、さらにその外側にコーティン
グしたポリウレタン樹脂被膜5を介して抗血栓性処理
(および/または潤滑処理)を施し、抗血栓性処理部6
を形成することにより製造することができる。
【0043】また、粒度が0.20μ〜1.00μのレ
ントゲン線不透過金属微粉末体3を混入せしめた中空チ
ューブ(中空モノフィラメント)からなる合成樹脂製被
覆部2を用意し、この合成樹脂製被覆部3の外表面にポ
リウレタン樹脂をコーティングし、合成樹脂製被覆部3
の中空部に金属製内芯部4を挿入して両端を溶封した
後、この外表面にポリウレタン被膜5を介して抗血栓性
処理(および/または潤滑処理)を施し、抗血栓性処理
部6を形成することにより製造することもできる。
【0044】なお、上述の実施例に示した医療用ガイド
ワイヤ1を製造する方法としては、球部21、フレキシ
ブル部22、テーパー部23および操作部24からなる
外形を施す必要から、粒度が0.20μ〜1.00μの
レントゲン線不透過金属微粉末体3を混入せしめた中空
チューブ(モノフィラメント)からなる合成樹脂製被覆
部2を利用する方法が好適である。
【0045】すなわち、本実施例の医療用ガイドワイヤ
を製造するには、まず粒度が0.20μ〜1.00μの
レントゲン線不透過金属微粉末体3を混入せしめた樹脂
材料を用意し、中空口金を使用する通常の溶融押出また
は紡糸法により、中空チューブまたは中空モノフィラメ
ントを形成した後、所望によりこれを適宜延伸して適当
な長さに切断する。
【0046】次に、上記の切断した中空チューブまたは
中空モノフィラメントの外表面に、コーティング装置を
用いて、ポリウレタン樹脂を適当な厚みにコーティング
し、ポリウレタン樹脂被膜5を形成する。
【0047】次いで、中空チューブまたは中空モノフィ
ラメントの先端部分について、局部的な高倍率延伸を施
し、先端球部21、フレキシブル部22およびテーパー
部23を一挙に作成した後、必要に応じて先端球部21
形成部分の先端中空部に、金またはタングステンなどの
レントゲン線不透過金属のチップ7を、またチューブま
たはモノフィラメントの中空部分に直線状金属製内芯部
4を夫々挿入した後、両端を溶封する。
【0048】さらに、上記ポリウレタン樹脂被膜5を介
して、抗血栓性処理(および/または潤滑処理)を施す
ことによって、抗血栓性処理部6を形成することによっ
て、本実施例の医療用ガイドワイヤ1が完成する。
【0049】本発明の医療用ガイドワイヤの外径および
全長は、使用する患部の種類や患者の年齢などに応じて
任意に選択できるが、通常は外径が0.5〜3.0mm、
全長が120cm以上、とくに130〜250cmの範囲に
あることが好適である。
【0050】上述した構成からなる本発明の医療用ガイ
ドワイヤは、これを血管内にさし入れて、レントゲン線
投射による造影をもとに、先端を選択的に目的の患部へ
と到達させ、次いでこれに沿ってカテーテルを導入して
血管内患部の状態検査またはその患部へ治療薬液を輸送
するためのいわゆるカテーテル補助具として用いられる
が、その際の先端の案内性および全体、とくに操作部の
操作性がきわめてすぐれている。
【0051】したがって、本発明の医療用ガイドワイヤ
は、たとえば血管の蛇行部分や末梢血管へも超選択的に
挿入することができ、とくに操作性がすぐれているた
め、末梢血管あるいは蛇行血管への導入を極めて容易に
行なうことができる。
【0052】
【試験例】以下に試験例を挙げて、本発明の構成および
効果についてさらに説明する。
【0053】試験例1 東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート“テトロン”
(701T)チップに、東京タングステン(株)製タン
グステン粉“標準W粉”A10(0.39μ〜0.52
μ0粒度)を25重量%混入したペレットを、中空口金
を用いる溶融紡糸法により、外形=0.8mm、中空径=
0.4mmの中空モノフィラメントを得た。
【0054】そして、上記中空モノフィラメントの表面
に、コーティング装置を用いて大日本インク化学工業
(株)製の“水性ポリウレタン樹脂(アイオノマー型)
HYDRAN”AP−60をコーティング処理し、25
μ〜35μの厚みのポリウレタン樹脂被膜を形成した。
【0055】次いで、上記中空モノフィラメントの一方
の端部を水蒸気中で選択的に約2倍に延伸し、直径=
0.4mm、長さ=30mmのフレキシブル部および長さ=
100mmのテーパー部を一挙に作成した。
【0056】次いで先端球部の中空部に、直径=0.4
0mm、長さ=2.0mmの金製チップを挿入し、その先端
を加熱溶封した。
【0057】一方操作部他端の中空部から、直径=0.
25mm、長さ=1.30mで、片側先端をテ―パ加工し
てなるTi−Ni合金製の直線状金属細線を、前記中空モノ
フィラメントの内径内に、テーパー加工側を先端方向に
向けて挿入して、テーパー部の一部と操作部全体の内径
内を満たした後、操作部後端を溶封した。
【0058】次いで、前記ポリウレタン樹脂被膜を介し
て、東レ(株)のヘパリン化親水性材料“アンスロン”
処理を施し、抗血栓性処理部を形成することにより、図
1の形状を有するガイドワイヤを完成した。
【0059】上記で得たガイドワイヤを大腿動脈に経皮
的に挿入し、大動脈を経て冠状動脈に導入する臨床試験
に適用した結果、滑り特性が改良され、しかも腰があり
先端がしなやかで先端部の案内性および操作性が極めて
良好であり、先端部を目的とする患部へと容易に到達さ
せることが可能で、ガイドワイヤ全体のレントゲンモニ
ター性も極めて良好であった。
【0060】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の医
療用ガイドワイヤは、金属製内芯部および合成樹脂製被
覆部からなる医療用ガイドワイヤにおいて、前記金属製
内芯部が超弾性合金またはレントゲン線不透過性を有す
る金属体で構成され、前記合成樹脂製被覆部の肉厚内の
少なくとも一部に、0.20μ〜1.00μの粒度のレ
ントゲン線不透過金属微粉末体を混入せしめることによ
り、レントゲンモニター性がすぐれ、操作部は腰があり
しかも先端部がしなやかになり血管内への挿入時におけ
る所定部位への走行安定性がすぐれているばかりか、カ
テーテル導入に際しても、カテーテルをガイドワイヤに
沿わせて、円滑に導入させることができる。
【0061】また、本発明の医療用ガイドワイヤは、合
成樹脂被覆部の全長または少なくとも一部に、ポリウレ
タン樹脂コーティング被膜を介して、抗血栓性処理およ
び/または潤滑処理を施したため、抗血栓性処理剤およ
び/または潤滑促進剤の接着性が良好で、かつ血栓が付
着しにくく、滑らかな表面を有しており、すべり特性が
良好で血管内への案内性がすぐれていることから、患者
に対する苦痛や負担の減少が可能である。
【0062】したがって、本発明の医療用ガイドワイヤ
は、従来のガイドワイヤに比較して、全体の操作性が一
層改善され、動脈を主としたカテーテル交換術などの広
範な臨床に対して有用な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の医療用ガイドワイヤの第1実施
例を示す断面説明図である。
【図2】図2は図1のA−A´線断面説明図である。
【符号の説明】
1……医療用ガイドワイヤ 2……合成樹脂製被覆部 21…球部 22…フレキシブル部 23…テーパー部 24…操作部 3……レントゲン線不透過金属微粉末体 4……金属製内芯部 41…金属製内芯部の先端テーパー状部 5……ポリウレタン樹脂被膜 6……抗血栓性処理部 7……チップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製内芯部および合成樹脂製被覆部
    からなる医療用ガイドワイヤにおいて、前記合成樹脂製
    被覆部の肉厚内に、粒度が0.20μ〜1.00μのレ
    ントゲン線不透過金属微粉末体を混入せしめると共に、
    この合成樹脂製被覆部の全長または少なくとも一部に、
    ポリウレタン樹脂のコーティング被膜を介して、抗血栓
    性処理および/または潤滑処理を施したことを特徴とす
    る医療用ガイドワイヤ。
  2. 【請求項2】 合成樹脂製被覆部が、球部、フレキシ
    ブル部およびテーパー部からなる先端案内部を有し、こ
    の先端案内部から後端にかけて操作部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1の医療用ガイドワイヤ。
  3. 【請求項3】 金属製内芯部が、超弾性合金で構成さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の医療用ガイドワイヤ。
  4. 【請求項4】 金属製内芯部が、レントゲン線不透過
    性を有する金属体で構成されていることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の医療用ガイドワイヤ。
JP4270094A 1992-10-08 1992-10-08 医療用ガイドワイヤ Pending JPH06114111A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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