JPH0611400A - 振動型センサの振動子 - Google Patents

振動型センサの振動子

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JPH0611400A
JPH0611400A JP19339092A JP19339092A JPH0611400A JP H0611400 A JPH0611400 A JP H0611400A JP 19339092 A JP19339092 A JP 19339092A JP 19339092 A JP19339092 A JP 19339092A JP H0611400 A JPH0611400 A JP H0611400A
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Shinji Kobayashi
真司 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋭い共振特性で安定、かつ、安価で、信頼性
が高く、しかも小型の振動型センサの振動子を提供す
る。 【構成】 両端固定梁となっている梁体5の長さ方向の
中心線19から左右のA,B両側にずれた位置に梁体5の
加熱駆動により、梁体5を熱変形させて振動させる駆動
抵抗体11,12を設ける。また、梁体5の長さ方向の両端
C,D側に前記駆動抵抗体11,12を挟んで振動検出抵抗
体13〜16を設け、梁体5の振動を抵抗変化により検出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物体の重量の測定などに
用いる力センサ、気体や液体の圧力を測定する圧力セン
サ、自動車や工作機械等に用いられる加速度センサ等の
振動型センサの振動子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7には従来のバイメタルを利用した振
動型センサの振動子の模式構成が示されている。この振
動子10は熱膨張係数の異なる金属からなるバイメタル22
によって梁体5として構成され、このバイメタル22を駆
動発熱して、梁体5を熱変形させ、図7の(b)に示さ
れるように、梁体5を垂直V方向に振動させるものであ
る。
【0003】また、梁体5の駆動源として、図8に示さ
れるように、電磁力や静電力等のアクチュエータ24を利
用して梁体5を水平H方向に振動させる振動子10も知ら
れている。
【0004】上記振動型センサの振動子10に外部から圧
力や加速度等が加えられると、振動数が変化する。若し
くは、一定の周波数で駆動した場合に振幅が変化する。
その振動数や振幅の変化を検出することにより、圧力や
加速度を検知するものである。
【0005】また、上記振動型センサにおいて振動数を
検出する場合は、振動数の検出をカウンタ回路によりデ
ジタル信号として取り出すことができるので、アナログ
信号の処理に必要なA/Dコンバータが不要となるの
で、コンピュータ処理がし易くなり、最近特に注目され
始めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バイメ
タルを利用した振動型センサでは、平板状の梁体5が垂
直方向に振動するため、図7の(b)に示すように、周
囲の空気の粘性抵抗を大きく受け易く、減衰係数が大き
くなる。そのため、高い振動数と鋭い共振特性、つま
り、Qが高い振動特性を得ることが困難であった。
【0007】また、電磁力や静電力をアクチュエータの
駆動源とした振動型センサでは、構造が非常に複雑であ
り、高度の作製プロセスが必要なため、センサの製造コ
ストが高くなり、かつ、大型になる等の問題があった。
【0008】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、その目的は、鋭い共振特性で安定、かつ、
安価で、信頼性が高く、しかも小型の振動型センサの振
動子を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、第
1の発明の振動型センサの振動子は、一端固定又は両端
固定の梁体と、この梁体に設けられてこの梁体の加熱駆
動を行う少なくとも1個の駆動抵抗体とを有し、この駆
動抵抗体は梁体を熱変形させて該梁体をその平面方向に
振動させる位置に設けられていることを特徴として構成
されている。また、第2の発明は、第1の発明の振動子
の梁体はシリコン材料によって構成され、駆動抵抗体は
不純物拡散抵抗によって構成されていることを特徴とし
て構成されている。
【0010】
【作用】駆動抵抗体を通電発熱して梁体を熱変形し、通
電を停止して変形を元に復帰する。この通電、停止を高
い周波数で繰り返し行い、梁体を平面方向に振動させ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には本実施例に係わる振動型センサの振動子
の要部構成が示されている。本実施例の特徴的なこと
は、一端固定又は図1に示す両端固定の梁体5を加熱駆
動し、梁体5を熱変形して平面方向に振動させるための
駆動抵抗体11,12を設けたことである。
【0012】本実施例の振動型センサの振動子10は梁体
5の両端C,D側がシリコン基板1に固定されて両端固
定梁となっている。この梁体5の長さ方向の中央部には
拡散抵抗体等からなる駆動抵抗体11,12が、それぞれ梁
体5の中心線19から左右両端A,B側にずれた位置、す
なわち、梁体5を熱変形させて平面方向に振動させる位
置に配設されており、これら駆動抵抗体11,12にはリー
ド線21を介して図示しない振動体駆動回路が接続されて
いる。また、この駆動抵抗体11,12を梁体5の長さ方向
で挟む位置には梁体5の振動を検知するための拡散抵抗
からなる検出抵抗体13〜16が配設され、これら検出抵抗
体13〜16にはそれぞれリード線20を介して図示しない振
動検出回路が接続されている。
【0013】図3には振動子10の作製工程が示されてい
る。この振動子10は単結晶シリコンウェハ1の接合技術
を用いることにより形成される。図3の(a)に示すよ
うに、予めシリコンウェハ1の表面に酸化膜3のパター
ンを形成し、この酸化膜3上に別のシリコンウェハ1を
接合する(図3の(b))。次いで、片方のシリコンウ
ェハ1を研磨又はエッチングにより所定の厚さに加工し
た後(図3の(c))、シリコンウェハ1の表面に硼
素、リン、砒素、アンチモン等の不純物を拡散して駆動
抵抗体や検出抵抗体の拡散抵抗2を必要個数形成し、金
属電極4を形成後(図3の(d))、ドライエッチング
技術等により必要に応じて孔部9を形成して空間部7と
導通し、振動子10が形成される(図3の(e))。
【0014】図4には振動子の別の作製方法が示されて
いる。図4の(a)に示されるように、シリコンウェハ
1の表面に酸化膜3を形成し、この酸化膜3上に多結晶
シリコン膜8を形成する(図4の(b))。この多結晶
シリコン膜8に拡散抵抗2を形成し、金属電極4を形成
した後(図4の(c))、エッチングによって、必要に
応じ孔部9を形成し、振動梁の下の酸化膜3を除去して
振動子10が形成される(図4の(d))。
【0015】次にこの振動子10の振動動作について説明
する。駆動抵抗体11に電流を流すと、発熱して発熱温度
に応じた膨張が生ずる。このため梁体5は図2の(a)
に示されるようにA側の破線Kのように変位が生ずる。
通電を停止すると、徐々に温度勾配が小さくなり、歪が
小さくなるため変位が小さくなり、元の状態に復帰す
る。次いで、抵抗体12に通電すると、抵抗体11に通電し
た場合とは逆方向に変位する。このように周期的に電流
を流すと振動を励起することができる。この梁体5と同
一平面方向の共振周波数ωγは梁体5の両端の固定状態
や梁体5の幅や厚みの均一性等様々な要因によって決ま
るが、ほぼ次式に従う。
【0016】ωγ=CW/L2
【0017】ここで、Cは材料の弾性係数や比重などで
決まる係数である。Wは梁体5の幅、Lは長さである。
この共振周波数は梁体の厚みDには依存しないので、精
度よく検出するために梁体5は薄く形成されている。
【0018】本実施例では梁体5を共振周波数で振動さ
せており、その振動を検出抵抗体で検出する。すなわ
ち、梁体5が振動すると、梁体5に振動応力が生じ、こ
の応力が抵抗値を変化させる。この抵抗変化を検出する
ことにより振動検出が行われる。この検出信号を制御回
路にフィードバックして駆動抵抗体の駆動が常に共振周
波数を維持するように制御されている。また、外部から
力や圧力や加速度等が加わって検出抵抗体で共振周波数
の変化が検出された場合、その変化を解析することによ
り、外部からの力や圧力や加速度等の大きさが求められ
る。
【0019】本実施例によれば、梁体5の振動方向が梁
体5と同一平面方向のため、梁の厚みDが幅Wと比較し
て小さい場合は従来のバイメタルを用いたときの垂直方
向に振動する場合に較べ、図5に示されるように、梁体
5の周囲の空気から受ける粘性抵抗力が小さいため、高
いQ値の振動特性を得ることが可能となり、センサの感
度を高めることができる。
【0020】また、電磁力や静電力等の駆動を利用した
従来の振動型センサは構造が複雑で高度の作製プロセス
が必要であったが、本実施例では梁体5に駆動抵抗体1
1,12と振動検出用拡散抵抗体13〜16を設けるだけでよ
いので、極めて簡単な製造プロセスで製造でき、安価
で、信頼性が高く、しかも小型の振動子を作製すること
ができる。
【0021】さらに、梁体5の両側面に設けた検出抵抗
体13〜16の抵抗の変化率より梁体5がどの方向にどの程
度振動しているかを知ることができ、精度よく検知する
ことができる。
【0022】さらにまた、周知のように振動体としての
梁体5に検出対象としての力や圧力や加速度等が加わる
と共振周波数が変化するが、振動数を検知する力や圧力
や加速度等に対応した十分に高い周波数に設定しておく
と、高い感度で力や圧力や加速度等を検知することがで
きる。
【0023】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記
実施例では図6の(a)に示されるように、梁体5上に
振動励起用拡散抵抗としての駆動抵抗体11,12と振動検
出用抵抗体13〜16とで合計6個の抵抗体を用いたが、図
6の(b)のように、1個の駆動抵抗体11と1個の振動
検出用抵抗体13だけでもよく、図6の(c)のように、
1個の抵抗体17で熱駆動と振動検知を兼用するようにし
てもよい。
【0024】また、振動検知方法として、抵抗体の抵抗
値の変化によって検知したが、梁体5の熱変位を、例え
ば、容量変化や電磁力変化として検知する方法でもよ
く、任意の熱変位の検知方法を利用してもよい。
【0025】さらに、図1に示す実施例では、梁体5を
シリコン基台1に両端固定した両端固定梁として説明し
たが、梁体5を一端固定梁としてもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明は、梁体の振動方向が梁体と同一
平面方向のため、従来のバイメタルを用いたときの垂直
方向に振動する場合に対し、梁体の周囲の空気から受け
る粘性抵抗力が小さいため、高いQ値の振動特性を得る
ことができる。
【0027】また、従来の電磁力や静電力等を利用した
振動型センサは、構造が複雑で、高度の作製プロセスが
必要であったが、本発明の振動型センサの振動子は、梁
体に駆動抵抗体を設けるだけの極めて簡単な製造プロセ
スで製造できるので、安価で、信頼性が高く、しかも小
型の振動型センサの振動子を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係わる振動型センサの振動子の要部
構成の説明図である。
【図2】同振動型センサの梁体の振動変位の説明図であ
る。
【図3】同振動型センサの振動子の製作プロセスの一例
の説明図である。
【図4】同振動型センサの振動子の製作プロセスの他の
例の説明図である。
【図5】本実施例に係わる振動子用梁体の振動方向の説
明図である。
【図6】同振動型センサの梁体に対する駆動抵抗体と振
動検出抵抗体の各種配設形態の説明図である。
【図7】従来のバイメタルを利用した振動型センサの模
式説明図である。
【図8】従来の電磁力や静電力を利用した振動型センサ
の模式説明図である。
【符号の説明】 1 シリコン基台 2 拡散抵抗 3 酸化シリコン膜 4 金属電極 5 梁体 8 多結晶シリコン 10 振動子 11,12 駆動抵抗体 13〜16 振動検出用抵抗体 20,21 リード線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端固定又は両端固定の梁体と、この梁
    体に設けられてこの梁体の加熱駆動を行う少なくとも1
    個の駆動抵抗体とを有し、この駆動抵抗体は梁体を熱変
    形させて該梁体をその平面方向に振動させる位置に設け
    られている振動型センサの振動子。
  2. 【請求項2】 梁体はシリコン材料によって構成され、
    駆動抵抗体は不純物拡散抵抗によって構成されている請
    求項1記載の振動型センサの振動子。
JP19339092A 1992-06-26 1992-06-26 振動型センサの振動子 Expired - Lifetime JP3161057B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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