JP3265792B2 - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JP3265792B2 JP02487594A JP2487594A JP3265792B2 JP 3265792 B2 JP3265792 B2 JP 3265792B2 JP 02487594 A JP02487594 A JP 02487594A JP 2487594 A JP2487594 A JP 2487594A JP 3265792 B2 JP3265792 B2 JP 3265792B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両や航空機等
の回転方向,姿勢等を検出するのに用いて好適な角速度
センサに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、比較的小型な角速度センサとし
て、振動型の角速度センサが開発されている。この形式
の角速度センサは、コリオリの力が角速度に比例するこ
とを利用し、圧電材料を用いて振動体に作用する変位を
角速度として電気的に検出するものである。
【0003】このため、この形式の角速度センサは、非
常に精密な加工が要求され、高価なものとなるため、半
導体製造技術を利用して製造する方法が提案されている
(例えば、特開昭61−114123号公報、特開昭6
1−139719号公報)。
【0004】そこで、特開昭61−139719号公報
に示されるような従来技術による角速度センサについ
て、図12を参照しつつ説明する。
【0005】図12において、1はシリコン材料からな
る基板を示し、該基板1は、図中下側に位置する下側基
板1Aと、該下側基板1A上に設けられた上側基板1B
とから大略構成され、該各基板1A,1B間には後述す
る片持梁2の振動を許す空間1Cが形成されている。
【0006】2は基板1の上側基板1Bにエッチング技
術等を用いて一体形成された 薄肉板状の片持梁を示
し、該片持梁2は、その基端2A側が上側基板1Bに固
定された固定端となり、その先端2B側が基板1に対し
て垂直な上,下方向に振動可能な自由端となっている。
また、該片持梁2の基端2A側には、幅方向の中心に位
置して長手方向に伸びる角形状のスリット3が穿設され
ている。
【0007】4は片持梁2の先端2B上面側に形成され
た電極を示し、該電極4はリード線を介して所定の周波
数信号を発振する発振回路(いずれも図示せず)と接続
されている。そして、発振回路から所定の周波数信号が
電極4を介して片持梁2に印加されると、該片持梁2は
下側基板1Aとの間に発生する静電力により上,下方向
に振動するようになっている。
【0008】5,5はスリット3の左,右に位置して片
持梁2の基端2A側に設けられたピエゾ抵抗素子を示
し、該各ピエゾ抵抗素子5は、基板1の回転時に片持梁
2に生じる応力を抵抗値変化として検出し、これを回転
方向の角速度として信号処理回路(図示せず)に出力す
るものである。
【0009】従来技術による角速度センサは上述の如き
構成を有するもので、発振回路から電極4を介して所定
の周波数信号を印加すると静電力が発生し、片持梁2の
先端2B側は例えば自身の共振周波数で基板1に垂直な
上,下方向に振動する。そして、この振動状態で、基板
1に回転軸Oを中心とする回転力Tが加わると、片持梁
2にはコリオリの力F,F′によってよじれ(応力)が
生じ、この回転によるよじれは、スリット3の左,右に
圧縮応力C,引張応力Eとしてそれぞれ表われる。これ
により、各ピエゾ抵抗素子5は、これら圧縮応力C,引
張応力Eに応じた信号を出力し、回転力Tの角速度を検
出する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による角速度センサでは、片持梁2を上,下方向
に振動させることにより、コリオリの力を利用して、回
転力Tの角速度に応じた応力を各ピエゾ抵抗素子5によ
り検出している。しかし、常時、片持梁2を基板1に垂
直な方向に振動させているから、空気の粘性抵抗を受け
易く、励振構造が複雑化する。
【0011】このため、上述した従来技術によるもので
は、空気の粘性抵抗によって、片持梁2を振動させるた
めのエネルギが徒に浪費されてしまい、エネルギ効率が
極めて低いばかりか、この粘性抵抗力のために、片持梁
2の振幅を大きくできず、各ピエゾ抵抗素子5による角
速度の検出感度が低いという問題がある。
【0012】また、従来技術による角速度センサは、片
持梁2を励振させつつ該片持梁2に生じたねじれを検出
する構造であるから、角速度の検出感度が低いという問
題がある。即ち、従来技術によるものでは、励振用の梁
と検出用の梁とが同一であるから、コリオリの力を利用
するために片持梁2を振動させると、該片持梁2の振動
によって片持梁2の基端2A側にねじれが生じる。そし
て、このねじれを各ピエゾ抵抗素子5が検出するため、
バックグラウンドノイズが増大し、微小な角速度を検出
することができず、角速度の検出感度や検出精度が大幅
に低下するという問題がある。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、振動体に加わる気体の粘性抵抗力を低減
すると共に、ノイズを低減して角速度の検出感度等を向
上できるようにした角速度センサを提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明が採用する構成は、基板と、該基板に第1
の支持梁を介して支持され、該基板に対し水平方向に振
動可能に設けられた第1の振動体と、前記第1の支持梁
の支持軸上に位置して該第1の振動体に第2の支持梁を
介して水平に支持され、前記基板に対し水平および垂直
方向に振動可能に設けられた第2の振動体と、前記第1
の振動体を前記基板に対し水平方向に振動させる振動発
生手段と、該振動発生手段で振動を与えている状態で、
前記第2の振動体が垂直方向に変位したときの変位量を
検出する変位量検出手段とからなり、前記基板は下側基
板と該下側基板に絶縁層を介して接合された上側基板と
からなり、前記第1の振動体,第2の振動体は上側基板
を加工することにより該上側基板と一体形成している。
【0015】請求項2の発明では、振動発生手段は、前
記第1の支持梁の幅方向両端側に設けられた可動側導電
部と、該可動側導電部と対向して前記基板側に設けられ
た固定側導電部とから構成し、該各導電部に周波数信号
を与えることにより、第1の振動体を第2の振動体と共
に振動させるようにしている。
【0016】また、請求項3の発明では、変位量検出手
段は、前記第2の支持梁の幅方向に離間して設けられた
一対のピエゾ抵抗素子と、前記第1の振動体に設けられ
た一対のピエゾ抵抗素子とによってブリッジ回路として
構成している。
【0017】また、請求項4の発明では、振動発生手段
は、前記第1の支持梁の幅方向両端側に設けられた可動
側導電部と、該可動側導電部と対向して前記基板側に設
けられた固定側導電部とから構成し、該各導電部に周波
数信号を与えることにより、第1の振動体を第2の振動
体と共に振動させ、変位量検出手段は、前記第2の振動
体に設けられた一の導電部と、該導電部と対向して前記
基板に設けられた他の導電部とからなり、前記第2の振
動体の垂直方向変位を該各導電部間の静電容量の変化と
して検出する構成としている。
【0018】さらに、請求項5の発明は、前記第1の振
動体を第1の支持梁を介して片持支持された枠体とし、
前記第2の振動体を前記第1の振動体の内側に位置して
第2の支持梁を介して片持支持された板状体とすること
により、片持梁式角速度センサを構成したことにある。
【0019】一方、請求項6の発明は、前記第1の振動
体を、支持軸上に位置する一対からなる第1の支持梁を
介して両持支持された枠体とし、前記第2の振動体を前
記第1の振動体の内側に位置して第2の支持梁を介して
片持支持された板状体とすることにより、両持梁式角速
度センサを構成したことにある。
【0020】
【0021】
【作用】このように構成される角速度センサにおいて
は、振動発生手段により第1の振動体を基板と水平方向
に振動させると、第2の振動体は該第1の振動体と共に
水平方向に振動する。そして、この状態で、センサ全体
が第1の支持梁の支持軸を中心として回転すると、第2
の振動体にはこの回転力の角速度に応じたコリオリの力
が加わるから、このコリオリの力によって該第2の振動
体は基板と垂直な方向に変位する。これにより、第2の
振動体の垂直方向の変位量は変位量検出手段によって検
出され、前記回転力の角速度信号として出力される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図11に
基づき、独立した単一の角速度センサとして構成した場
合を例に挙げて説明する。
【0023】図1ないし図10は本発明の第1の実施例
を示す。
【0024】図中、11はシリコン材料等から形成され
た下側基板、12は該下側基板11の上側に絶縁層とし
ての酸化膜13を介して接合され、シリコン材料等から
形成された上側基板をそれぞれ示し、該上側基板12に
はエッチング技術等を用いて後述する第1の振動体1
4,第2の振動体16等が一体形成されている。また、
前記下側基板11の中央部には図2に示す如く凹部11
Aが形成されている。
【0025】14は上側基板12のほぼ中央部に設けら
れ、角枠状に形成された第1の振動体を示し、該第1の
振動体14は第1の支持梁15を介して上側基板12と
水平に片持支持されている。ここで、前記第1の支持梁
15は、基端側が上側基板12の端部に接続された固定
端となり、先端側が上側基板12の中央部に向けて延設
されて自由端となって、当該自由端側は第1の振動体1
4と一体的に形成されている。そして、該第1の振動体
14は、後述の振動発生部18によって第1の支持梁1
5に振動が加えられると、上側基板12と同一平面上
で、かつ該第1の支持梁15の支持軸O−Oと直交する
X−X方向に振動するものである。
【0026】16は第1の振動体14の内側に位置して
上側基板12の中央部に設けられ、方形板状に形成され
た第2の振動体を示し、該第2の振動体16は、第1の
振動体14に第2の支持梁17を介して水平に片持支持
され、図2にも示す如く、上側基板12と水平で、かつ
支持軸O−Oと直交するX−X方向と、上側基板12に
垂直なZ−Z方向とに対して、それぞれ振動可能に設け
られている。そして、該第2の振動体16は第1の振動
体14と共にX−X方向に振動しつつ、支持軸O−Oを
中心として回転力Tが加わると、これにより生じたコリ
オリの力を受けて図2中のZ−Z方向に振動するもので
ある。
【0027】ここで、前記第2の支持梁17は、その基
端側が第1の支持梁15と対向して第1の振動体14に
接続され、その先端側が第1の振動体14の中央部に向
けて延設された自由端となり、さらに、その支持軸は第
1の支持梁15の支持軸O−Oと一致している。そし
て、該第2の支持梁は、振動発生部18によって第1の
振動体14がX−X方向に振動した場合に、この水平方
向の振動を増幅させて第2の振動体16に伝達すべく、
その長さ寸法、厚み寸法等が決定されている。
【0028】18,18は第1の支持梁15の両側に位
置して上側基板12に設けられた振動発生手段としての
振動発生部を示し、該各振動発生部18は、図3にも示
す如く、第1の支持梁15の幅方向両端部に設けられ、
凹凸状に形成された可動側導電部18Aと、該可動側導
電部18Aと対向して上側基板12に設けられ、該可動
側導電部18Aと微小な隙間を介して互い違いに組合さ
れる固定側導電部18Bとから構成され、該各導電部1
8A,18Bは所定の周波数信号を供給する発振回路
(図示せず)とそれぞれ接続されている。そして、該各
振動発生部18は、発振回路からの周波数信号が各導電
部18A,18Bに印加されると、これにより該各導電
部18A,18B間に吸引力,反発力からなる静電力を
生ぜしめ、この静電力によって第1の振動体14を第2
の振動体16と共にX−X方向に振動させるものであ
る。
【0029】19は第1の振動体14と第2の支持梁1
7の基端側との間に亘って設けられた変位量検出手段と
しての変位量検出部を示し、該変位量検出部19は、図
4にも示す如く、第2の支持梁17に幅方向に離間して
設けられたピエゾ抵抗素子としての第1の拡散抵抗19
A,19Aと、第2の支持梁17の基端側に位置して第
1の振動体14上に離間して設けられたピエゾ抵抗素子
としての第2の拡散抵抗19B,19Bとから構成され
ている。ここで、該各拡散抵抗19A,19Bは、上側
基板12にリン、ホウ素、アルミニウム、ヒ素、アンチ
モン等の不純物を拡散することによってピエゾ抵抗素子
となるもので、該各拡散抵抗19A,19Bは金属配線
20,20,…によってブリッジ回路に組まれ、例えば
上側基板12に形成された信号処理回路(図示せず)に
接続されている。
【0030】ここで、センサの回転に伴なうコリオリの
力によって、第2の振動体16がZ−Z方向に振動(変
位)すると、これにより第2の支持梁17に歪み(応
力)が生じる。そこで、前記変位量検出部19は、第2
の支持梁17に生じる歪み(応力)を抵抗値変化として
検出し、これを角速度信号として信号処理回路に出力す
るものである。
【0031】このように、前記各第1の拡散抵抗19A
は、第2の支持梁17の幅方向両端側に離間して設けら
れているため、一方の拡散抵抗19Aには圧縮応力が作
用し、他方の拡散抵抗19Aには逆の引張応力が作用す
る。従って、該各拡散抵抗19Aのピエゾ抵抗効果によ
る抵抗変化率も互いに逆符号となるので、信号処理回路
によって両者の抵抗変化率を比較演算することにより、
角速度を検出することができる。
【0032】なお、図2に示す21,21,…は上側基
板12の上面側に形成された窒化膜等の保護層である。
【0033】本実施例による角速度センサは上述の如き
構成を有するもので、次に、その製造方法について図5
ないし図9を参照しつつ説明する。
【0034】まず、図5に示す酸化膜形成工程では、例
えば熱酸化法等の手段を用いて、下側基板11の上面側
に酸化膜を形成し、上側基板12を支持する部分を残し
てエッチングにより除去し、角枠状の酸化膜13を形成
する。
【0035】次に、図6に示す凹部形成工程では、下側
基板11の上面側を第2の振動体16に対応する部分だ
けエッチングにより除去し、凹部11Aを形成する。
【0036】そして、図7に示す接合工程では、別工程
で形成された上側基板12を下側基板11の上側に酸化
膜13を介して搭載し、シリコンの直接接合技術等を用
いて両者を接合し、該上側基板12を所定の厚さまで研
磨する。
【0037】さらに、図8に示す素子形成工程では、上
側基板12の上面側に、不純物導入技術,フォトリソグ
ラフィ技術等の手段を用いて、素子たる振動発生部18
(拡散抵抗19Aのみ図示)、変位量検出部19、金属
配線20(図示せず)等を形成し、これらを保護すべ
く、上側基板12の上面側にこれらの素子を覆う保護層
21を形成する。
【0038】最後に、図9に示す振動体形成工程では、
上側基板12を所定のパターン形状でエッチングするこ
とにより、各振動体14,16および各支持梁15,1
7を形成する。なお、このときに、各振動発生部18の
各導電部18A,18Bが凹凸状に形成される。
【0039】本実施例による角速度センサは、このよう
にして製造されるもので、発振回路から各振動発生部1
8に周波数信号を印加すると、該各振動発生部18は各
導電部18A,18B間に生じた静電力により、第1の
支持梁15を上側基板12と水平で、かつ第1の支持梁
15の支持軸O−Oと直交するX−X方向に振動させ
る。
【0040】これにより、第1の振動体14はX−X方
向に振動し、該第1の振動体14の振動に伴なって第2
の振動体16もX−X方向に振動する。ここで、該第2
の振動体16は第2の支持梁17を介して第1の振動体
14に接続されているため、そのX−X方向の振幅は第
1の振動体14よりも大きくなっている。
【0041】そして、各振動体14,16がX−X方向
に振動している状態で、支持軸O−Oを中心とする回転
力Tが加わり、センサ全体が回転すると、第2の振動体
16は、この回転力により生じた角速度に比例するコリ
オリの力を受けて、第2の支持梁17に支持されつつ、
図2中のZ−Z方向に振動する。
【0042】これにより、第2の支持梁17には、第2
の振動体16の変位量に応じた歪みが発生し、変位量検
出部19は、この歪みによる圧縮応力,引張応力を各拡
散抵抗19A,19Bのピエゾ抵抗効果を利用して検出
し、これを信号処理回路に角速度信号として出力する。
【0043】かくして、本実施例によれば、第1の支持
梁15により上側基板12と水平方向で、かつ第1の支
持梁15の支持軸O−Oと直交するX−X方向に振動可
能に設けられた角枠状の第1の振動体14と、第1の支
持梁15の支持軸O−O上に位置して該第1の振動体1
4内に第2の支持梁17を介して水平に支持され、前記
X−X方向および上側基板12と垂直なZ−Z方向に振
動可能に設けられた第2の振動体16とを備え、振動発
生部18,18によって各振動体14,16をX−X方
向に振動させつつ、コリオリの力によってZ−Z方向に
振動する第2の振動体16の変位量を変位量検出部19
によって検出する構成としたから、各支持梁15,17
の支持軸O−Oを中心として加わった回転力Tの角速度
を正確に検出でき、以下の効果を奏する。
【0044】第1に、各振動発生部18によって、各振
動体14,16を上側基板12と水平に振動させる構成
としたから、各振動体14,16が周囲の空気から受け
る粘性抵抗力を大幅に低減することができ、該各振動体
14,16の振幅を大きくして角速度の検出感度を向上
することができる。
【0045】第2に、第1の支持梁15を励振用梁とし
て使用し、第2の支持梁17を検出用梁として使用する
構成であるから、第1の支持梁15の振動を変位量検出
部19が検出してバックグラウンドノイズが増大するの
を効果的に防止でき、微小な角速度を正確に検出して、
検出感度や検出精度を大幅に向上できる。
【0046】第3に、シリコン材料からなる各基板1
1,12に、エッチング等の半導体微細加工技術を用い
て凹部11A、各振動体14,16等を一体形成する構
成としたから、同一素材のシリコンウエハから複数個の
角速度センサを容易に製造することができ、均一な特性
を有する角速度センサを効果的に量産することができ、
コストを大幅に低減できる。
【0047】第4に、各支持梁15,17の形状、即
ち、長さ寸法、幅寸法、厚さ寸法を適宜調整することに
より、角速度の検出範囲、要求精度等の諸条件に応じた
弾性率を容易に得ることができ、市場要求に即応でき
る。
【0048】次に、図10は本発明に係る第2の実施例
を示し、第1の実施例と同一構成要素には同一符号を付
し、その説明を省略する。
【0049】然るに、本実施例の特徴は、第1の実施例
に用いた拡散抵抗19A,19Aと19B,19Bから
なるピエゾ抵抗式変位量検出部19に替え、静電容量式
変位量検出部31を採用したことにある。
【0050】即ち、31は変位量検出手段としての静電
容量式の変位量検出部を示し、該変位量検出部31は、
第2の振動体16に設けられた上側導電部32と、下側
基板11の凹部11A内で、上側導電部32と対向した
位置に設けられた下側導電部33とから構成されてい
る。ここで、上側導電部32は、シリコン材料からなる
上側基板12のうち、第2の振動体16となる部位に、
リン、ヒ素、ボロン等の不純物を拡散し、またはイオン
注入することによって、0.01〜0.02Ωcm程度
の低抵抗部を形成し、電極とするものである。一方、下
側導電部33は下側基板11の凹部11Aに接合された
金属材料からなる電極板によって形成されている。
【0051】本実施例はこのように構成されるが、セン
サの回転に伴なうコリオリの力によって第2の振動体1
6がZ−Z方向に振動(変位)すると、変位量検出部3
1を構成する電極となる上側導電部32と下側導電部3
3との間の静電容量が変化するから、この静電容量を検
出し、これを角速度信号として信号処理回路に出力す
る。これによって、変位量検出部31は、各支持軸1
5,17に加わった回転力の角速度を、静電容量として
正確に検出することができる。なお、上記第2の実施例
において、上側導電部32は上側基板12の一部に低抵
抗部を形成することによって電極とする構成としたが、
上側基板12の下面に金属材料からなる電極板を接合す
る構成としてもよいもので、電極間静電容量が検出可能
な導電部であればよい。
【0052】なお、前記各実施例では、振動発生手段と
しての振動発生部18を可動側導電部18Aおよび固定
側導電部18Bとから構成し、該各導電部18A,18
B間に生じる静電力によって、各振動体14,16を振
動させるものとして述べたが、本発明はこれに限らず、
例えば第1の支持梁15の一部にヒータとしての導電部
を形成し、該導電部に間欠的に電流を通電することによ
り発熱せしめ、この発熱による熱膨張を利用して各振動
体14,16を振動させる構成としてもよく、他の振動
発生手段を用いてもよい。
【0053】また、前記各実施例では、単一の第1の支
持梁15によって第1の振動体14を片持梁式に支持す
る場合を例に挙げて説明したが、図11による変形例と
して示す如く、支持軸O−O上に位置する一対の支持梁
15,15′によって第1の振動体14を両側から支持
し、両持梁式の構成としてもよい。この場合、支持梁1
5′に振動発生部を設けてもよい。
【0054】さらに、前記各実施例では、変位量検出部
19を構成するピエゾ抵抗素子として、拡散抵抗19
A,19Bを用いる場合を例に挙げて説明したが、これ
に替えて、例えば電界効果型トランジスタのピエゾ抵抗
効果を利用してもよい。
【0055】一方、前記各実施例では、独立した単体の
角速度センサとして用いる場合を例に挙げて説明した
が、本発明はこれに限らず、例えば車両に搭載される他
の基板の一部として、複数の角速度センサを形成するこ
ともできる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、振
動発生手段によって第1の振動体と第2の振動体とを基
板と水平に振動させつつ、第1の支持梁の支持軸を中心
として回転力が加わった場合は、コリオリの力により基
板と垂直方向に変位する第2の振動体の垂直方向の変位
量を変位量検出手段によって検出する構成としたから、
各振動体に加わる気体の粘性抵抗力を効果的に低減し
て、振幅を大きくすることができ、角速度の検出感度を
向上することができる。また、第1の支持梁を励振用梁
として使用し、第2の支持梁を検出用梁として使用する
構成としたから、変位量検出手段が第1の支持梁の変位
を検出するのを防止して、バックグラウンドノイズを効
果的に低減することができ、微小な角速度を正確に検出
して、検出感度や検出精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による角速度センサを保
護層を除去した状態で示す斜視図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向を拡大して示す断面図
である。
【図3】図1中の矢示III −III 方向を拡大して示す断
面図である。
【図4】図1中の矢示IV−IV方向を拡大して示す断面図
である。
【図5】酸化膜形成工程を示す断面図である。
【図6】凹部形成工程を示す断面図である。
【図7】接合工程を示す断面図である。
【図8】素子形成工程を示す断面図である。
【図9】振動体形成工程を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施例による角速度センサを
示す図2と同様位置の断面図である。
【図11】本発明の変形例による角速度センサを保護層
を除去した状態で示す要部斜視図である。
【図12】従来技術による角速度センサを示す一部破断
の斜視図である。
【符号の説明】
11 下側基板 12 上側基板 13 酸化膜(絶縁層) 14 第1の振動体 15,15′ 第1の支持梁 16 第2の振動体 17 第2の支持梁 18 振動発生部(振動発生手段) 18A 可動側導電部 18B 固定側導電部 19 変位量検出部(変位量検出手段) 19A,19B 拡散抵抗(ピエゾ抵抗素子) 31 変位量検出部(変位量検出手段) 32 上側導電部 33 下側導電部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−233468(JP,A) 特開 平7−120266(JP,A) 特開 平5−312576(JP,A) 特開 平6−123631(JP,A) 特開 平5−248872(JP,A) 特開 昭58−221109(JP,A) 国際公開92/14160(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 9/04 G01C 19/56

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板に第1の支持梁を介して
    支持され、該基板に対し水平方向に振動可能に設けられ
    た第1の振動体と、前記第1の支持梁の支持軸上に位置
    して該第1の振動体に第2の支持梁を介して水平に支持
    され、前記基板に対し水平および垂直方向に振動可能に
    設けられた第2の振動体と、前記第1の振動体を前記基
    板に対し水平方向に振動させる振動発生手段と、該振動
    発生手段で振動を与えている状態で、前記第2の振動体
    が垂直方向に変位したときの変位量を検出する変位量検
    出手段とから構成し 前記基板は下側基板と該下側基板に絶縁層を介して接合
    された上側基板とからなり、前記第1の振動体,第2の
    振動体は上側基板を加工することにより該上側基板と一
    体形成し てなる角速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記振動発生手段は、前記第1の支持梁
    の幅方向両端側に設けられた可動側導電部と、該可動側
    導電部と対向して前記基板側に設けられた固定側導電部
    とから構成し、該各導電部に周波数信号を与えることに
    より、第1の振動体を第2の振動体と共に振動させるよ
    うにしてなる請求項1記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記変位量検出手段は、前記第2の支持
    梁の幅方向に離間して設けられた一対のピエゾ抵抗素子
    と、前記第1の振動体に設けられた一対のピエゾ抵抗素
    子とによってブリッジ回路として構成してなる請求項1
    記載の角速度センサ。
  4. 【請求項4】 前記振動発生手段は、前記第1の支持梁
    の幅方向両端側に設けられた可動側導電部と、該可動側
    導電部と対向して前記基板側に設けられた固定側導電部
    とから構成し、該各導電部に周波数信号を与えることに
    より、第1の振動体を第2の振動体と共に振動させ、 前記変位量検出手段は、前記第2の振動体に設けられた
    一の導電部と、該導電部と対向して前記基板に設けられ
    た他の導電部とからなり、前記第2の振動体の垂直方向
    変位を該各導電部間の静電容量の変化として検出する請
    求項1記載の角速度センサ。
  5. 【請求項5】 前記第1の振動体は第1の支持梁を介し
    て片持支持された枠体からなり、前記第2の振動体は前
    記第1の振動体の内側に位置して第2の支持梁を介して
    片持支持された板状体からなる請求項1記載の角速度セ
    ンサ。
  6. 【請求項6】 前記第1の振動体は、支持軸上に位置す
    る一対からなる第1の支持梁を介して両持支持された枠
    体からなり、前記第2の振動体は前記第1の振動体の内
    側に位置して第2の支持梁を介して片持支持された板状
    体からなる請求項1記載の角速度センサ。
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