JPH0611307A - 干渉計 - Google Patents

干渉計

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JPH0611307A
JPH0611307A JP4168141A JP16814192A JPH0611307A JP H0611307 A JPH0611307 A JP H0611307A JP 4168141 A JP4168141 A JP 4168141A JP 16814192 A JP16814192 A JP 16814192A JP H0611307 A JPH0611307 A JP H0611307A
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Masashi Sueyoshi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光学部材の間に温度差が生じ、さらに空気の揺
らぎが生じていても測定誤差を少なくする。 【構成】光源手段1からの光を偏光分離する偏光分離面
11aとこの面11aと直交する反射面11bを有する
第1光学部材11を用いて、第1光学部材11と第1反
射部材15とで2回反射された光束、及び第1光学部材
11と第2反射部材16とで2回反射された光束とを受
光し各反射部材の相対的な移動量を第1検出手段10a
で検出する。これと同時に、第1光学部材11と第1反
射部材15とで2回反射された光束、及び補正部材22
を介して第1光学部材11と第1反射部材15とで2回
反射された光束とを受光し空気の屈折率変化を第2検出
手段10bで検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度変化に伴う測定誤
差を光学的な構成により補正しながら、さらに空気のゆ
らぎ、特に空気の屈折率変化に伴う測定誤差をより正確
に計測しつつ、この測定誤差補正し得る干渉計に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】第1の点と第2の点との相対的な距離の
変化量を高精度に計測できる装置としてレーザ干渉計
(あるいはレーザ測長器)が知られている。レーザ干渉
計は、第1の点から反射された第1のレーザビームの光
路長と第2の点から反射された第2のレーザビームの光
路長との差が変化する時の干渉縞の変化又はビート信号
の変化を計数パルスに変換するものであり、例えば、こ
の計数パルスを積算計数することにより相対的な距離を
求めることができる。
【0003】この場合、光路長はレーザービームの光路
の実際の長さとこのビームが通過する媒体の屈折率との
積である。例えば特開昭63−228003号公報に開
示されているように、一般に、光路長は屈折率の小さい
(1に近い)空気中を通過するレーザービームの多数の
光路に起因する部分と、屈折率の高いガラス等の媒体中
を通過するレーザービームの多数の光路に起因する部分
とから構成されている。従って、周囲の温度変化又は支
持部材の熱変化等によりそのガラス等の媒体の内部の温
度が変化して屈折率が変化すると、第1の点と第2の点
との相対的な距離が変化していないにも拘らず光路長の
差が変化して、レーザー干渉計により距離の変化が誤っ
て検出される虞がある。
【0004】近時は、レーザー干渉計は半導体素子製造
用の投影露光装置の変位検出部などのように、極めて高
い測定精度が要求される用途に使用されており、熱的な
要因による測定誤差をできるだけ排除することが望まれ
ている。そして、上記の特開昭63−228003号公
報においては、熱的な要因による測定誤差を少なくでき
高温でも高い精度で距離の変化を検出できる干渉計とし
て、以下のような干渉計が提案されている。
【0005】図3(a)はその従来の干渉計を示し、こ
の図3(a)において、1は2周波レーザー用のレーザ
ー光源であり、レーザー光源1からは図3(a)の紙面
に平行な方向に直線偏光した周波数f1の第1ビームと
図3(a)の紙面に垂直な方向に直線偏光した周波数f
2(f2≠f1)の第2ビームとが混合した形でX方向
に射出される。2は、直角プリズム3と図3(a)の紙
面に平行な面が平行四辺形の平行六面体4とを貼り合わ
せてなるプリズム体を示し、直角プリズム3と平行六面
体4との貼り合わせ面が偏光分離面2aとなり、この面
2aと平行な平行六面体の1面が反射面2bとなってい
る。反射面2bは全反射を利用したミラーでもよい。即
ち、そのプリズム体2は、偏光分離面2aと反射面2b
とを平行に配置した光学部材ともみなすことができる。
その偏光分離面2aが図3(a)の紙面に垂直で且つX
方向に45°で交差するように、そのプリズム体2が配
置されている。
【0006】レーザー光源1からのレーザービーム(第
1ビーム及び第2ビーム)はそのプリズム体2の偏光分
離面2aに45°の入射角で入射する。その内の第1ビ
ームは面2aに対してP偏光でありそのまま面2aを透
過して1/4波長板5を介して基準鏡6に入射し、この
基準鏡6で反射された第1ビームは1/4波長板5を介
して再びプリズム体2の偏光分離面2aに入射する。こ
の際に、1/4波長板5を往復したことにより第1ビー
ムは面2aに対してS偏光になっているため、第1ビー
ムは面2aで反射されてコーナーキューブ7に向かう。
【0007】コーナーキューブ7により反射された第1
ビームは1/2波長板8により偏光面が90°回転され
た後にプリズム体2の偏光分離面2aに入射する。この
面2aへの入射位置は射出位置に対して図3(a)の紙
面に平行な方向にずれた位置である。この場合、第1ビ
ームは1/2波長板8によりP偏光になっているので、
そのまま面2aを透過した後に反射面2bで反射されて
から1/4波長板5を介して基準鏡6に入射する。再び
この基準鏡6で反射された第1ビームは1/4波長板5
を経てプリズム体2の反射面2bで反射されて偏光分離
面2aに入射する。今回は1/4波長板5を往復するこ
とにより、第1ビームはS偏光になっているので、その
面2aで反射されてレシーバ10に入射する。レシーバ
10にはアナライザ及び受光素子が内蔵されている。
【0008】一方、レーザー光源1からプリズム体2の
偏光分離面2aに入射するレーザービームの内の第2ビ
ームは面2aに対してS偏光であり、この第2ビームは
面2aで反射された後に反射面2bで反射される。その
後第2ビームは1/4波長板5を介して移動鏡9に入射
する。移動鏡9は基準鏡6よりも幅が広く、且つX方向
にずれた領域にX方向に移動自在に保持されている。こ
の移動鏡9で反射された第2ビームは1/4波長板を経
て再びプリズム体2の反射面2bで反射されて偏光分離
面2aに入射する。この際に、1/4波長板5を往復し
たことにより第2ビームは面2aに対してP偏光になっ
ているため、第2ビームは面2aを透過してコーナーキ
ューブ7に向かう。
【0009】コーナーキューブ7により反射された第2
ビームは1/2波長板8により偏光面が90°回転され
た後にプリズム体2の偏光分離面2aに入射する。この
場合、第2ビームは1/2波長板8によりS偏光になっ
ているので、その面2aで反射されてから1/4波長板
5を介して移動鏡9に入射する。再びこの移動鏡9で反
射された第2ビームは1/4波長板5を経てプリズム体
2の偏光分離面2aに入射する。今回は1/4波長板5
を往復することにより、第2ビームはP偏光になってい
るので、その面2aを透過してレシーバ10に入射す
る。レシーバ10においては、基準鏡6で2回反射され
た第1ビームと移動鏡9で2回反射された第2ビームと
がアナライザにより偏光方向が揃えられて受光素子に入
射する。
【0010】レシーバ10の受光素子からは、移動鏡9
が停止している状態では、周波数が(f1−f2)のビ
ート信号が出力され、移動鏡9が移動すると周波数が変
調されたビート信号が出力される。従って、この周波数
の変化を積算することにより、移動鏡9の基準鏡6に対
するX方向の移動量を検出することができる。図3
(b)は、図3(a)の干渉計のプリズム体2を示し、
このプリズム体2のX方向の幅をd11、X方向に直交
する方向の長さをd12とすると、次の関係がある。
【0011】d12=2・d11 また、レーザービームのビーム径をφとすると、幅d1
1は2φ程度以上である必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図3(a)の干渉計の
中のプリズム体2の中の第1ビームと第2ビームとの光
路について図3(b)を用いて検討する。図3(b)に
示すように、プリズム体2の内の平行六面体4の内部で
は、共通の光路を除いて第1ビーム及び第2ビームの光
路はそれぞれT11及びT21であり、直角プリズム3
の内部では、共通の光路を除いて第1ビーム及び第2ビ
ームの光路はそれぞれT12及びT22である。そし
て、T11+T12=T21+T22が成立しているの
で、プリズム体2全体としては第1ビームの光路と第2
ビームの光路とは等しい。
【0013】しかしながら、平行六面体4と直角プリズ
ム3とを個別に検討すると、平行六面体4についてはT
11>T21が成立し、且つ直角プリズム3については
T12<T22が成立している。従って、平行六面体4
及び直角プリズム3の屈折率が等しい場合でも、仮に両
者の温度が異なるようになった場合には、第1ビームと
第2ビームとの光路差に変化が生じ、移動鏡9が停止し
ているにも拘らず、移動量が変化したものとして検出さ
れてしまう。即ち、図3(a)の構成では、プリズム体
2を構成する光学部材間に温度差が生じると、測定誤差
が生ずる不都合がある。
【0014】また、図3(b)に示すように、プリズム
体2のX方向の幅はd11であるが、この幅d11の間
を平行に2本のレーザービームが通過しなければならな
いため幅d11が大きくなり、プリズム体2自体が大き
いという不都合もある。このようにプリズム体2が大き
いことは、内部の温度差が更に大きくなり易いことを意
味する。
【0015】さらに、干渉計においては、空気上を通過
する光路が存在するため、空気の揺らぎ、特に空気の屈
折率の変化に起因する測定誤差が生ずるため、高精度の
もとでの計測ができない問題がある。本発明は、上記の
問題点を全て解決し、光学部材間に温度変化が生じ、さ
らに空気の揺らぎが生じていても測定誤差が極めて少な
い高精度な干渉計を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、例えば図1に示す如く、コヒーレントな
光束を供給する光源手段(1) と、その光束を第1光束と
第2光束とに偏光分離する偏光分離面(11a) とその偏光
分離面(11a) と直交する反射面(11b) を有する第1光学
部材(11)と、第1光学部材(11)に対向して配置された第
1反射部材(15)と、その偏光分離面(11a) を通過する第
1光束がその偏光分離面(11a) とその第1反射部材(15)
との間を別光路でそれぞれ往復してその偏光分離面(11
a) を射出するように,その第1光学部材(11)とその第
1反射部材(15)との間の各往復光路に設けられた第1及
び第2の1/4波長板(14a,14b) と、その偏光分離面(1
1a)を射出する第1光束とその偏光分離面(11a) を反射
する第2光束とを再びその偏光分離面(11a) に向けて偏
向する偏向部材(17)と、その偏向部材(17)を介した第1
光束をその偏光分離面(11a) で反射させかつその偏向部
材(17)を介した第2光束をその偏光分離面(11a) で透過
させるために、その偏向部材(17)とその偏光分離面(11
a) との光路間に配置された位相部材(18)と、その第1
光学部材(11)に対向して配置された第2反射部材(16)
と、その偏光分離面(11a) を通過する第2光束がその偏
光分離面(11a) とその第2反射部材(16)との間を別光路
でそれぞれ往復してその偏光分離面(11a) を射出するよ
うに、その第1光学部材(11)とその第2反射部材(16)と
の間の各往復光路に設けられた第3及び第4の1/4波
長板(14e,14f) と、その偏光分離面(11a) を反射する第
1光束とその偏光分離面(11a)を射出する第2光束とを
受光して第1反射部材(15)と第2反射部材(16)との相対
的な移動量を検出する第1検出手段(10a) とを有するも
のである。
【0017】そして、上記の基本構成に基づいて、本発
明は、その偏光分離面(11a) を射出する第1光束とその
偏光分離面(11a) を反射する第2光束を各々分割し,分
割された第1光束をその偏光分離面(11a) で反射させか
つ分割された第2光束をその偏光分離面(11a) で透過さ
せるために,その偏光分離面(11a) とその偏向部材(17)
との間に配置された第2光学部材(19)と、その第2光学
部材(19)を介してその偏光分離面(11a) を通過する分割
された第2光束がその偏光分離面(11a) と上記第1もし
くは第2反射部材(15,16) との間を別光路でそれぞれ往
復してその偏光分離面(11a) を射出するように,その第
1光学部材(11)とその第1もしくは第2反射部材(15,1
6) との間の各往復光路に設けられた第5及び第6の1
/4波長板(14c,14d) と、その第1光学部材(11)とその
第1もしくは第2反射部材(15,16)との間の第5の1/
4波長板(14c) を往復する光路中に設けられた第1補正
部材(22)と、その第1光学部材(11)とその第1もしくは
第2反射部材(15,16) との間の第6の1/4波長板(14
d) を往復する光路中に設けられた第2補正部材(22)
と、その偏光分離面(11a) を反射する分割された第1光
束とその偏光分離面(11a)を射出する分割された第2光
束とを受光して空気の屈折率の変化を検出する第2検出
手段(10b) とを有するものである。
【0018】
【作 用】斯かる本発明の干渉計によれば、第1反射部
材(15)と第2反射部材(16)とは、第1光束の進
行方向である第1方向(X方向)に対して垂直な方向に
ずらして配置することができる。そして、第1反射部材
(15)で2回反射された第1光束と第2反射部材(1
6)で2回反射された第2光束とが第1検出手段(10
a)で混合して受光される。
【0019】従って、第1反射部材(15)と第2反射
部材(16)とのX方向の相対位置が変化すると、第1
光束と第2光束との光路長が変化して受光手段(10
a)における干渉縞又はビート信号が変化することか
ら、両部材(15,16)の相対的な移動量を検出する
ことができる。また、光源手段(1)から光束が第1光
学部材(11)に介した際に反射する第2光束の1部を
第1または第2反射部材(15,16)で補正部材を介
して2回反射させた補正用光束と、第1または第2反射
部材(15,16)で2回反射された光束の1部とが第
2検出手段(10b)で混合して受光される。
【0020】従って、第1光学部材(11)と第1また
は2反射部材(15,16)との空気中にさらされた光
路での空気の揺らぎ(空気の屈折率変化)に伴う光路長
の変化、即ちX方向に所定の長さを持つ補正部材の長さ
に対する空気中の光路長変化を第2検出手段にて精度良
く検出できる。よって、第2検出手段にて得られる補正
信号の分だけ第1検出手段(10a)にて得られる計測
信号に補正を加えることで格段に優れた精度のもとでの
計測が達成される。
【0021】このように、本発明は、干渉計の計測用光
路の1部を空気屈折率の変化を検出する補正用光路の1
部として共用し、さらにこの共用光路と並列的に空気屈
折率の変化の基準となる補正基準用の光路を形成してい
るため、干渉計の構成をコンパクトにしながらも、干渉
計が実際に受ける空気の屈折率による測定誤差をより正
確に検出できる。
【0022】また、本発明による干渉計は温度変化によ
る測定誤差をも解消できる構成となっており、この事を
具体的に説明する。まず、第1光学部材(11)は、例
えば図1(b)に示すように、偏光分離面(11a)と
反射面(11b)とが直交して配置されている。そし
て、第1光学部材(11)のX方向の幅(高さ)をd1
とすると、この部材のX方向に垂直な方向の長さd2に
ついては、d2=2・d1の関係がある。
【0023】ここで、まず、計測用の光路について検討
すると、第1光学部材(11)が直角2等辺三角形の断
面を持つ三角柱状のプリズム(13)のみで構成されて
いる場合には、第1反射部材(15)で2回反射された
第1光束が第1光学部材(11)内を通過する光路(図
1(b)に示すプリズム13内部の実線の光路T1)
と、第2反射部材(16)で2回反射された第2光束が
第1光学部材(11)内を通過する光路(図1(b)に
示すプリズム13内部の点線の光路T2)とは、上下方
向に離れた同じ長さの光路を通り、プリズム13の温度
が変化しても両者の光路差は変わらずより高精度に測定
ができる。
【0024】さらに、図1に示す如く、直角2等辺三角
形の断面を持つ三角柱状の2つのプリズム、即ち直角プ
リズム(12,13)を一体化して第1光学部材(1
1)を構成した場合にも、第1光束と第2光束とはその
光学部材(11)の上下で同じ長さの光路(図1(b)
に示す実線の光路T1及び点線の光路T2)を通過す
る。従って、直角プリズム(12)と直角プリズム(1
3)との間に温度差が生じても、第1光束と第2光束と
の光路差は不変となり、より高精度な測定が保証され
る。
【0025】次に、補正用光路について検討すると、ま
ず、第1光学部材(11)が直角プリズム(12)のみ
で構成されている場合には、図1(d)に示す如く、直
角プリズム(12)中での空気の揺らぎを影響を受けた
光束の光路はT1又はT2となり、補正部材を介した補
正基準となる光束の光路はT3となる。従って、光路T
1(又はT2)と光路T3とは同一の長さであり、プリ
ズム13の温度が変化しても両者の光路差は変わらない
ため、空気の揺らぎ(空気の屈折率変化)に伴う光路長
の変化を高精度のもとで測定できる。
【0026】さらに、図1に示す如く、2つの直角プリ
ズム(12,13)を一体化して第1光学部材(11)
を構成した場合にも、図1(d)に示した如く、直角プ
リズム(12)中では、空気の揺らぎを影響を受けた光
束の光路長(T1又はT2)と補正部材を介した補正基
準となる光束の光路長T3とは等しく、また、直角プリ
ズム(13)中での空気の揺らぎを影響を受けた光束と
補正部材を介した補正基準となる光束との光路は等し
い。従って、直角プリズム(12)と直角プリズム(1
3)との間に温度差が生じても、空気の揺らぎを影響を
受けた光束と補正部材を介した補正基準となる光束との
間の光路長の差は変化することがなく、常に正確に空気
の揺らぎ(空気の屈折率変化)に伴う光路長の変化を計
測できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明による第1実施例の干渉計につ
いて図1を参照して説明する。なお、本例のレーザー光
源1及びレシーバ10は図3(a)に示した従来例のも
のと同じ符号を付してある。図1(a)は本例のレーザ
ー干渉計の要部を示し、この図1(a)において、11
は第1の直角プリズム12と第2の直角プリズム13と
を貼り合わせてなる第1のプリズム体(第1光学部材:
以下、プリズム体11と称する。)である。このプリズ
ム体11は、図1(b)に示すように、直交する辺の長
さがd1で45°傾いた斜辺を持つ直角プリズム12の
斜辺と、長さがd2(=2・d1)の45°傾いた斜辺
を持つ直角プリズム13の直交する2辺の内の1辺とを
貼り合わせたものである。そして、その貼り合わせ面
(直角プリズム13の直交する2辺の内の一方の辺側の
面)は偏光分離面(偏光ビームスプリッター面)11a
で形成され、直角プリズム13の直交する2辺の内の他
方の辺側の面は反射面11bで形成されている。なお、
この反射面11bには反射膜を設けることなく、この面
11bは光を全反射させるように構成されても良い。
【0028】ここで、プリズム体11は原理的に偏光分
離面11aと反射面11bとが直交して配置されたもの
であれば良く、直角プリズム13のみで構成しても良
い。また、例えば、図1(c)に示すように、3個の直
角プリズム111〜113を貼り合わせてプリズム体1
10を構成し、直角プリズム111と112との貼り合
わせ面を偏光分離面110aで形成し、直角プリズム1
13の外部の面を反射面110bとすれば、このプリズ
ム体110をプリズム体11の代わりに使用することが
できる。
【0029】さて、図1(a)に戻って説明すると、レ
ーザー光源1から周波数の異なる2本のレーザービーム
(第1ビーム及び第2ビーム)が射出される方向をX方
向として、プリズム体11の偏光分離面11aがX方向
に45°で交差するようにプリズム体11が配置され、
このプリズム体11に対向してX方向には、それぞれ移
動自在で平面鏡よりなる第1の移動鏡15及び第2の移
動鏡16がX方向に垂直な方向にずらして配置されてい
る。
【0030】プリズム体11の直交する2辺(11a,
11b)に対して等しい角度を成す斜辺を形成する透過
面11c近傍にはそれぞれ6個の1/4波長板14a〜
14fがそれぞれ並列的に配置されており、この内の2
個の1/4波長板(14c,14d)と第1の移動鏡1
5との間には、後述するが、2個の1/4波長板(14
c,14d)を各々介して第1の移動鏡15で反射往復
する2つの往復光路の所定の長さだけ周囲と隔離する密
閉管22(補正部材)が配置されている。
【0031】この密閉管22は、少なくとも両端が透明
で所定の長さを持つ中空状の円筒で構成される部材であ
り、この内部には空気が充填されている。なお、密閉管
22の内部を真空としても良い。また、プリズム体11
の偏光分離面11aでレーザー光源1からのレーザービ
ームが反射される方向には、偏光分離面11aから射出
する光を180°偏向させる偏向部材としての偏向プリ
ズム(直角プリズム)17が配置されている。この場
合、偏向プリズム17内の2回の全反射によりレーザー
ビームがその偏光分離面11aへ再び戻されるものとし
て、プリズム体11の偏光分離面11aと反射面11b
との稜線に対してプリズム体11により偏向される光路
を含む面が平行となるように、その偏向プリズム17の
位置決めがされている。
【0032】プリズム体11と偏向プリズム17との間
の一方の光路の途中には、1/2波長板18が配置され
ており、偏向プリズム17からのレーザービームが偏光
分離面11aで反射される方向には第1及び第2の移動
鏡(15,16)の相対的な移動量を検出する第1のレ
シーバ10aが配置されている。また、プリズム体11
と1/2波長板18との間には、プリズム体11と類似
した形状を有する第2のプリズム体19(第2光学部
材:以下、プリズム体19と称する。)が設けられてい
る。このプリズム体19は、2つの直角プリズム(2
0,21)を貼り合わせて構成されており、その貼り合
わせ面(直角プリズム20の直交する2辺の内の一方の
辺側の面)は光分割面(ビームスプリッター面)19a
で形成され、直角プリズム20の直交する2辺の内の他
方の辺側の面は反射面19bで形成されている。
【0033】また、1/2波長板18を介しプリズム体
19により分割・偏向されたビームがプリズム体11の
偏光分離面11aで反射される方向には、プリズム体1
1と各移動鏡(15,16)との間の空気の屈折率の変
化を検出する第2のレシーバ10bが配置されている。
なお、この1/2波長板18の代わりに、偏向プリズム
17の入射及び射出面の全面を覆うように1/4波長板
を配置すると共に、プリズム体19の射出面に1/4波
長板を配置しても良く、さらには、プリズム体19とプ
リズム体11との間の3つの光路上に1/4波長板を配
置しても良い。この時、この1/4波長板をプリズム体
11の直角プリズム12の面に接合しても良い。
【0034】次に、本例の動作につき説明する。先ず、
レーザー光源1からのレーザービーム(第1ビーム及び
第2ビーム)はプリズム体11の偏光分離面11aに対
し45°の入射角で入射する。その内の面11aに対し
てP偏光の第1ビームは、そのまま面11aを透過して
1/4波長板14aを介して円偏光に変換され、第1の
移動鏡15により再び1/4波長板14aを介し、プリ
ズム体11の偏光分離面11aに入射する。この際、第
1ビームは1/4波長板14aを往復することによりS
偏光の状態で偏光分離面11aに入射するため、偏光分
離面11aで反射される。そして、偏光分離面11aを
反射した第1ビームは、反射面11bで90°反射偏向
された後、1/4波長板14bを介して円偏光に変換さ
れて、第1の移動鏡15により再び1/4波長板14b
へ向けて反射される。1/4波長板14bを介した第1
ビームは、再び反射面11bを反射して偏光分離面11
aに入射する。この時、第1ビームは1/4波長板14
bを往復することによりP偏光の状態で面11aに入射
するため、面11aを透過して1/2波長板18に向か
う。この1/2波長板18を介した第1ビームは、偏光
面が90°回転されてS偏光に変換された後、プリズム
体19の光分割面19aで2分割される。
【0035】まず、プリズム体19の光分割面19aを
通過する一方の第1ビームは、偏向プリズム17により
180°反射偏向されて、プリズム体11の偏光分離面
11aに再入射する。この時、第1ビームは、1/2波
長板18によりS偏光に変換されているため、その偏光
分離面11aで反射されて第1のレシーバ10aで受光
される。
【0036】一方、プリズム体19の光分割面19aを
反射する他方の第1ビームは、反射面19bで90°反
射偏向され、プリズム体11の偏光分離面11aに再入
射する。この時、第1ビームは、1/2波長板18によ
りS偏光に変換されているため、その偏光分離面11a
で反射されて第2のレシーバ10bで受光される。次
に、レーザー光源1からプリズム体11の偏光分離面1
1aに入射するレーザービームの内の面11aに対して
S偏光の第2ビームは、その面11aで反射されて1/
2波長板18に向かう。この1/2波長板18を介した
第2ビームは、偏光面が90°回転されてP偏光に変換
された後に、プリズム体19の光分割面19aで2分割
される。
【0037】まず、プリズム体19の光分割面19aを
通過する一方の第2ビームは、偏向プリズム17により
180°反射偏向されて、プリズム体11の偏光分離面
11aに再入射する。この時、第1ビームは、1/2波
長板18によりP偏光に変換されているため、その面1
1aを透過して反射面11bで90°反射偏向された
後、1/4波長板14eを介して円偏光に変換されて、
第2の移動鏡15により再び1/4波長板14eへ向け
て反射される。そして、この1/4波長板14eを介し
た第2ビームは、再び反射面11bを反射して偏光分離
面11aに入射する。この時、第2ビームは1/4波長
板14eを往復することによりS偏光の状態で偏光分離
面11aに入射するため、偏光分離面11aを反射して
1/4波長板14fに向かう。この1/4波長板14f
を介した第2ビームは円偏光に変換された後、第2の移
動鏡16により再び1/4波長板14fへ向けて反射さ
れて、偏光分離面11aに入射する。この時、第2ビー
ムは1/4波長板14fを往復することによりP偏光の
状態で偏光分離面11aに入射するため、偏光分離面1
1aを透過して第1のレシーバ10aで受光される。
【0038】一方、プリズム体19の光分割面19aを
反射する他方の第2ビームは、反射面19bで90°反
射偏向され、プリズム体11の偏光分離面11aに再入
射する。この時、第2ビームは、1/2波長板18によ
りP偏光に変換されているため、その面11aを通過し
て反射面11bで90°反射偏向された後、1/4波長
板14cを介して円偏光に変換される。その後、第2ビ
ームは、x方向に所定の長さを持つ密閉管22を通過
し、第1の移動鏡15で反射されて、再び密閉管22を
通過して1/4波長板14cへ向かう。そして、この1
/4波長板14cを介した第2ビームは、反射面11b
で反射されて再びプリズム体11の偏光分離面11aに
入射する。この時、第2ビームは、1/4波長板14c
を往復することによりS偏光の状態で偏光分離面11a
に入射するため、その偏光分離面11aを反射して、1
/4波長板14dへ向かう。1/4波長板14dを介し
た第2ビームは、円偏光に変換された後、密閉管22を
通過して第1の移動鏡15で反射されて再び密閉管22
に向かう。密閉管22を通過した第2ビームは、1/4
波長板14dを介してP偏光に変換され、プリズム体1
1の偏光分離面11aを透過して第2のレシーバ10a
で受光される。
【0039】以上の如く、本発明による第1実施例の干
渉計は、干渉計の計測用光路の1部を空気屈折率の変化
を検出する補正用光路の1部として共用し、さらにこの
共用光路と並列的に空気屈折率の変化の基準となる補正
基準用の光路を形成する特徴的な構成を有しているた
め、干渉計が実際に受ける空気の屈折率による測定誤差
をより正確に検出することを可能としている。
【0040】さて、レシーバ10aにおいては、第1の
移動鏡15で2回反射された第1ビームと第2の移動鏡
16で2回反射された第2ビームとがアナライザにより
偏光方向が揃えられて受光素子に入射する。ここで、レ
シーバ10aの受光素子からは、第1の移動鏡15と第
2の移動鏡16とがX方向に相対的に停止している状態
では、周波数が(f1−f2)のビート信号が出力さ
れ、両者がX方向に相対的に移動すると周波数が変調さ
れたビート信号が出力される。従って、この周波数の変
化を積算することにより、第1の移動鏡15と第2の移
動鏡16とのX方向の相対的な移動量を検出することが
できる。
【0041】この場合、本例では図1(a)より明かな
ように、プリズム体11の直角プリズム12の内部では
計測用の第1及び第2ビームとは同一の光路を通過す
る。また、プリズム体11の直角プリズム13の内部で
は、計測用の第1及び第2ビームとは上下に離れた同じ
長さの光路(即ち、図1(b)に示す実線の光路T1,
点線の光路T2)を通過する。従って、直角プリズム1
2と直角プリズム13との間に温度差が生じても、第1
ビームと第2ビームとの光路長の差は変化しなため、第
1の移動鏡15と第2の移動鏡9とのX方向の相対的な
移動量を常に高精度のもとで計測することができる。
【0042】一方、第2のレシーバ10bにおいては、
第1の移動鏡15で2回反射された第1ビーム(実際に
空気の屈折率の変化の影響を受けたビーム)と、密閉管
22を介して第1の移動鏡15で2回反射された第2ビ
ーム(空気屈折率の変化の基準となる補正基準用のビー
ム)とがアナライザにより偏光方向が揃えられて受光素
子に入射する。
【0043】第2のレシーバ10bの受光素子からは、
空気の揺らぎ(空気の屈折率の変化)による光路長差が
生じていない状態では、周波数が(f1−f2)のビー
ト信号が出力され、空気の揺らぎ(空気の屈折率の変
化)によりX方向での光路長差が生ずると周波数が変調
されたビート信号が出力される。従って、この周波数の
変化を積算することにより、空気の揺らぎ(空気の屈折
率の変化)によるX方向での光路長の変化量を検出する
ことができる。
【0044】この場合、本例では図1(a)より明かな
ように、プリズム体11の直角プリズム12の内部で
は、空気の屈折率の変化を検出するための第1及び第2
ビームとは同一の光路を通過する。また、プリズム体1
1の直角プリズム13の内部では、図1(d)に示すよ
うに、空気の屈折率の変化を検出するための第1及び第
2ビームとはそれぞれ光路T1及びT3を通過するが、
光路T1の長さと光路T3の長さとは等しい。従って、
直角プリズム12と直角プリズム13との間に温度差が
生じても、第1及び第2ビームとの光路長の差は変化す
ることがなく、常に高精度のもとで空気の揺らぎ(空気
の屈折率の変化)によるX方向での光路長の変化量を計
測することができる。
【0045】このように、第1及び第2のレシーバ(1
0a,10b)からそれぞれ出力される信号を不図示の
演算処理系(演算手段)に入力して、この演算処理系に
おいて、第2のレシーバからの出力される空気の揺らぎ
の情報を含む信号に基づいて所定の演算を行い、第1の
レシーバからの出力される計測信号を補正することによ
って、より高精度な第1及び第2の移動鏡(15,1
6)の相対的な移動量を検出することができる。
【0046】以上の如く、図1に基づいて説明した第1
実施例を、例えば半導体製造用の投影露光装置のウエハ
を載置するXYステージの2次元的な位置を検出する干
渉計として用いた場合には、レチクル上のパターンをウ
エハ上に投影する投影対物レンズの鏡筒に第1の移動鏡
15を固設し、上記XYステージ上の一端に第1の移動
鏡16を固設することが良い。このとき、密閉管22
(補正部材)の一端が第1の移動鏡15と結合していて
も良いが、外的な要因による振動や膨張による力が第1
の移動鏡15及び投影対物レンズに伝達される恐れがあ
るため好ましくない。
【0047】なお、図1(a)に示した第1実施例で
は、1/4波長板(14a〜14f)を6枚で構成した
場合について説明したが、これらを一体化して1枚の1
/4波長板で構成しても良い。また、図1(a)に示し
た第1実施例では、偏向プリズム17とプリズム体11
との間の上方の光路中にプリズム体19を配置している
が、このプリズム体19を偏向プリズム17とプリズム
体11との間の下方の光路中に配置し、これに伴って密
閉管22(補正部材)をプリズム体11と第2の移動鏡
16との間に配置しても良い。
【0048】さらに、図1(a)に示した第1実施例で
は、プリズム体19を介して第1の移動鏡15を2往復
する2つの補正用光路をカバーするように密閉管22
(補正部材)が配置されているが、各々の補正用光路に
それぞれ密閉管22(補正部材)を配置しても良く、さ
らには、各々の補正用光路にそれぞれ配置された1/4
波長板(14c,14d)と密閉管22とを入れ換えて
逆の配置にしても良い。
【0049】また、図1(a)に示した実施例では、互
いに直交した2つの面を持つ直角プリズム12の第1の
面側にレーザー光源1と2つのレシーバ(10a,10
b)とが配置され、第2の面側に1/2波長板18,プ
リズム体19及び直角プリズム17とが配置されてい
る。しかしながら、この配置構成に限ることなく、この
直角プリズム12の第2の面側にレーザー光源1と2つ
のレシーバ(10a,10b)とを配置し、直角プリズ
ム12の第1の面側に1/2波長板18,プリズム体1
9及び直角プリズム17とを配置しても良く、さらに
は、レーザー光源1と2つのレシーバ(10a,10
b)の内のいずれか一方とを入れ換えた配置としても良
い。
【0050】また、図1(a)に示した第1実施例にお
ける第1及び第2の移動鏡(15,16)とのいずれか
一方を固定鏡とし、他方を移動鏡として使用できること
は言うまでもない。次に、本発明の第2実施例による干
渉計について図2を参照しながら説明する。本例は図1
の例を変形したものであり、偏向プリズム17(直角プ
リズム)を横に寝せた状態で配置して平面的に構成した
ものであり、図2において図1に対応する部分には同一
符号を付してその詳細説明を省略する。
【0051】図2は本例のレーザー干渉計の要部の構成
を示し、この図2において、220は所定の長さを持ち
熱膨張率の極めて小さな棒状の補正部材であり、この棒
状部材220の一方の一端は固定鏡15(本実施例で
は、表面鏡15を固定鏡、表面鏡16を移動鏡としてい
る。)に固設され、他方の一端には反射鏡220aが設
けられている。また、第2実施例では、プリズム体11
の透過面11cの近くに6個の1/4波長板(14a〜
14f)を配置した第1実施例と異なり、1枚の1/4
波長板のみを配置している。
【0052】次に、図2(a)に基づいて本例の引き回
し光路について説明する。先ず、レーザー光源1からの
レーザービーム(第1ビーム及び第2ビーム)はプリズ
ム体11の偏光分離面11aに45°の入射角で入射す
る。その内の偏光分離面11aに対してP偏光の第1ビ
ームは、そのまま偏光分離面11aを透過し、1/4波
長板14を通過して固定鏡15で反射され、再び1/4
波長板14を介した後、偏光分離面11aで反射され
る。この偏光分離面11aを反射した第1ビームは、反
射面11b、1/4波長板14を介して固定鏡15で反
射され、再び1/4波長板14、反射面11bを介し
て、偏光分離面11aを透過した後、1/2波長板18
に向かう。この1/2波長板18を介した第1ビーム
は、プリズム体19の光分割面19aで2分割される。
【0053】プリズム体19の光分割面19aを通過す
る一方の第1ビームは、偏向プリズム17を介して、偏
光分離面11aで反射して第1のレシーバ10aで受光
され、一方、プリズム体19の光分割面19aを反射す
る他方の第1ビームは、反射面19bを介して偏光分離
面11aを反射して第2のレシーバ10bで受光され
る。
【0054】次に、レーザー光源1からプリズム体11
の偏光分離面11aに入射するレーザービームの内の偏
光分離面11aに対してS偏光の第2ビームは、その偏
光分離面11aで反射されて1/2波長板18に向か
う。この1/2波長板18を介した第2ビームは、プリ
ズム体19の光分割面19aで2分割される。まず、プ
リズム体19の光分割面19aを通過する一方の第2ビ
ームは、偏向プリズム17を介して偏光分離面11aを
透過し、反射面11b及び1/4波長板14を介して移
動鏡16で反射される。そして、この移動鏡16で反射
された第2ビームは、再び1/4波長板14及び反射面
11bを介して偏光分離面11aで反射し、再度1/4
波長板14に向かう。この1/4波長板14を介した第
2ビームは、移動鏡16により再び1/4波長板14へ
向けて反射され、偏光分離面11aを透過して第1のレ
シーバ10aで受光される。
【0055】一方、プリズム体19の光分割面19aを
反射する他方の第2ビームは、反射面19bで反射さ
れ、プリズム体11の偏光分離面11aを通過して反射
面11bで反射される。その後、第2ビームは、1/4
波長板14を介して固定鏡15に固設された棒状部材2
20の一端に設けられた反射面220aで反射されて、
再び1/4波長板14及び反射面11bを介して偏光分
離面11aで反射されて、1/4波長板14へ向かう。
1/4波長板14を介した第2ビームは、棒状部材22
0の一端に設けられた反射面220aで反射された後、
1/4波長板14を介して偏光分離面11aを透過し、
第2のレシーバ10bで受光される。
【0056】以上の如く、本発明による第2実施例の干
渉計も、第1実施例と同様に、干渉計の計測用光路の1
部を空気屈折率の変化を検出する補正用光路の1部とし
て共用し、さらにこの共用光路と並列的に空気屈折率の
変化の基準となる補正基準用の光路を形成する特徴的な
構成を有しているため、干渉計が実際に受ける空気の屈
折率による測定誤差をより正確に検出することを可能と
している。
【0057】従って、第1のレシーバ10aで固定鏡1
5に対する移動鏡16の移動量が精度良く検出でき、第
2のレシーバ10bで空気の揺らぎ(空気の屈折率の変
化)によるX方向での光路長の変化量を高精度のもとで
検出できるため、第2のレシーバからの出力される信号
に基づいて所定の演算を行い、第1のレシーバからの出
力される計測信号を補正することによって、より高精度
な移動鏡16の移動量を検出することができる。
【0058】ここで、本例では図2(a)より明かなよ
うに、プリズム体11の直角プリズム12の内部では計
測用の第1及び第2ビームは同一の光路を通過するとと
もに、空気の揺らぎを計測するための第1及び第2ビー
ムも同一の光路を通過する。また、プリズム体11の直
角プリズム13の内部では、図2(b)に示すように計
測用の第1及び第2ビームはそれぞれ光路T1及びT2
を通過するが、光路T1の長さと光路T2の長さとは等
しい。また、プリズム体11の直角プリズム13の内部
では、図2(b)に示すように空気の揺らぎを計測する
ための第1及び第2ビームはそれぞれ光路T1及びT3
を通過するが、光路T1の長さと光路T3の長さとは等
しい。
【0059】従って、直角プリズム12と直角プリズム
13との間に温度差が生じても、計測用の第1及び第2
ビームの光路長の差は変化することがないと同時に、空
気の揺らぎを計測するための第1及び第2ビーム光路長
の差は変化することがない。この様に、直角プリズム1
2と直角プリズム13との間に温度差が生じても、固定
鏡15と移動鏡16とのX方向の相対的な移動量を常に
高精度で計測しながら、空気の揺らぎ(空気の屈折率の
変化)によるX方向での光路長の変化量を常に高精度の
もとで計測することができるため、移動鏡16の移動量
をより高精度に検出することができる。
【0060】なお、図2(a)に示す第2実施例では、
1/4波長板14を1枚で構成した場合を示している
が、固定鏡15及び反射面220aの反射により往復す
る6つの往復光路の各々に1/4波長板14aを配置し
ても良い。また、図2(a)に示した第2実施例では、
互いに直交した2つの面を持つ直角プリズム12の第1
の面側にレーザー光源1と2つのレシーバ(10a,1
0b)とが配置され、第2の面側に1/2波長板18,
プリズム体19及び直角プリズム17とが配置されてい
る。しかしながら、この配置構成に限ることなく、この
直角プリズム12の第2の面側にレーザー光源1と2つ
のレシーバ(10a,10b)とを配置し、直角プリズ
ム12の第1の面側に1/2波長板18,プリズム体1
9及び直角プリズム17とを配置しても良く、さらに
は、レーザー光源1と2つのレシーバ(10a,10
b)の内のいずれか一方とを入れ換えた配置としても良
い。
【0061】さらに、図2(a)に示した第2実施例の
1/2波長板18の代わりに、直角プリズム17の入射
及び射出面の全面を覆うように1/4波長板を配置する
と共に、フリズム体19の射出面に1/4波長板を配置
しても良く、さらには、後述するフリズム体19とプリ
ズム体11との間の3つの光路上に1/4波長板を配置
しても良い。この時、この1/4波長板をプリズム体1
1の直角プリズム12の面に接合して一体的にしても良
く、さらには1/4波長板14をプリズム体11の直角
プリズム13の面に接合して一体的にしても良い。
【0062】なお、上述実施例はヘテロダイン方式のレ
ーザー干渉計に本発明を適用したものであるが、本発明
はホモダイン方式の干渉計にも同様に適用することがで
きる。また、直角プリズム17の代わりにコーナーキュ
ーブ等を使用しても良い。このように、本発明は上述実
施例に限定されず本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の構成を取り得る。
【0063】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、光学部材
間に温度変化が生じ、さらに空気の揺らぎが生じていて
も測定誤差が極めて少ない高精度な干渉計をコンパクト
な構成で達成できる。しかも、比較的少ない部品点数で
本発明の干渉計が実現できるため、コストの低減につい
ても極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による干渉計の第1実施例を示
す斜視図、(b)は第1実施例のプリズム体11を通過
する計測光路の様子を示す平面図、(c)は第1実施例
のプリズム体の他の例を示す平面図、(d)は第1実施
例のプリズム体11を通過する空気の揺らぎ計測用光路
の様子を示す平面図である。
【図2】(a)は本発明による干渉計の第2実施例を示
す構成図、(b)は第2実施例のプリズム体11の平面
図である。
【図3】(a)は従来の干渉計を示す構成図、(b)は
従来のプリズム体2の平面図である。
【主要部分の符号の説明】
1・・・・・ レーザー光源 10a,10b・・・・・ レシーバ 11・・・・・ 第1のプリズム体 14(14a〜14f)・・・・・ 1/4波長板 15・・・・・ 第1の移動鏡 16・・・・・ 第2の移動鏡 17・・・・・ 偏向プリズム(直角プリズム) 18・・・・・ 1/2波長板 19・・・・・ 第1のプリズム体 22・・・・・ 補正部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コヒーレントな光束を供給する光源手段
    と、該光束を第1光束と第2光束とに偏光分離する偏光
    分離面と該偏光分離面と直交する反射面を有する第1光
    学部材と、第1光学部材に対向して配置された第1反射
    部材と、前記偏光分離面を通過する第1光束が前記偏光
    分離面と前記第1反射部材との間を別光路でそれぞれ往
    復して前記偏光分離面を射出するように,前記第1光学
    部材と前記第1反射部材との間の各往復光路に設けられ
    た第1及び第2の1/4波長板と、前記偏光分離面を射
    出する第1光束と前記偏光分離面を反射する第2光束と
    を再び前記偏光分離面に向けて偏向する偏向部材と、該
    偏向部材を介した第1光束を前記偏光分離面で反射させ
    かつ該偏向部材を介した第2光束を前記偏光分離面で透
    過させるために,前記偏向部材と前記偏光分離面との光
    路間に配置された位相部材と、前記第1光学部材に対向
    して配置された第2反射部材と、前記偏光分離面を通過
    する第2光束が前記偏光分離面と前記第2反射部材との
    間を別光路でそれぞれ往復して前記偏光分離面を射出す
    るように,前記第1光学部材と前記第2反射部材との間
    の各往復光路に設けられた第3及び第4の1/4波長板
    と、前記偏光分離面を反射する第1光束と前記偏光分離
    面を射出する第2光束とを受光して前記1反射部材と第
    2反射部材との相対的な移動量を検出する第1検出手段
    と、前記偏光分離面を射出する第1光束と前記偏光分離
    面を反射する第2光束を各々分割し,分割された第1光
    束を前記偏光分離面で反射させかつ分割された第2光束
    を前記偏光分離面で透過させるために,前記偏光分離面
    と前記偏向部材との間に配置された第2光学部材と、該
    第2光学部材を介して前記偏光分離面を通過する分割さ
    れた第2光束が前記偏光分離面と前記第1もしくは第2
    反射部材との間を別光路でそれぞれ往復して前記偏光分
    離面を射出するように,前記第1光学部材と前記第1も
    しくは第2反射部材との間の各往復光路に設けられた第
    5及び第6の1/4波長板と、前記第1光学部材と前記
    第1もしくは第2反射部材との間の前記第5の1/4波
    長板を往復する光路中に設けられた第1補正部材と、前
    記第1光学部材と前記第1もしくは第2反射部材との間
    の前記第6の1/4波長板を往復する光路中に設けられ
    た第2補正部材と、前記偏光分離面を反射する分割され
    た第1光束と前記偏光分離面を射出する分割された第2
    光束とを受光して空気の屈折率の変化を検出する第2検
    出手段とを有することを特徴とする干渉計。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2補正部材は、内部が真空
    もしくは空気が封入された密閉部材で構成されることを
    特徴とする請求項1記載の干渉計。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2補正部材は、熱膨張が殆
    どない棒状部材で構成され、該棒状部材の一方の端は前
    記第1もしくは第2反射部材に固定され、該棒状部材の
    一方の端は反射面を有することを特徴とする請求項1記
    載の干渉計。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2補正部材は、一体的に構
    成されることを特徴とする請求項1記載の干渉計。
  5. 【請求項5】前記第1乃至第6の1/4波長板は一体的
    に構成されることを特徴とする請求項1乃至4記載の干
    渉計。
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JP2002202203A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Anritsu Corp 光波長測定装置

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