JP3141363B2 - 干渉計 - Google Patents

干渉計

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JP3141363B2
JP3141363B2 JP04082737A JP8273792A JP3141363B2 JP 3141363 B2 JP3141363 B2 JP 3141363B2 JP 04082737 A JP04082737 A JP 04082737A JP 8273792 A JP8273792 A JP 8273792A JP 3141363 B2 JP3141363 B2 JP 3141363B2
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正史 末吉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高温での安定性
の高い干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】第1の点と第2の点との相対的な距離の
変化量を高精度に計測できる装置としてレーザー干渉計
が知られている。レーザー干渉計は、第1の点から反射
された第1のレーザービームの光路長と第2の点から反
射された第2のレーザービームの光路長との差が変化す
るときの干渉縞の変化又はビート信号の変化を計数パル
ス等に変換するものであり、例えばこの計数パルスを積
算計数することにより両者の相対的な距離を求めること
ができる。
【0003】この場合、光路長はレーザービームの光路
の実際の長さとこのビームが通過する媒体の屈折率との
積である。例えば特開昭63−228003号公報に開
示されているように、一般に、光路長は屈折率の小さい
(1に近い)空気中を通過するレーザービームの多数の
光路に起因する部分と、屈折率の高いガラス等の媒体中
を通過するレーザービームの多数の光路に起因する部分
とから構成されている。従って、周囲の温度変化又は支
持部材の熱変化等によりそのガラス等の媒体の内部の温
度が変化して屈折率が変化すると、第1の点と第2の点
との相対的な距離が変化していないにも拘らず光路長の
差が変化して、レーザー干渉計により距離の変化が誤っ
て検出される虞がある。
【0004】近時は、レーザー干渉計は半導体素子製造
用の投影露光装置の変位検出部などのように、極めて高
い測定精度が要求される用途に使用されており、熱的な
要因による測定誤差をできるだけ排除することが望まれ
ている。そして、上記の特開昭63−228003号公
報においては、熱的な要因による測定誤差を少なくでき
高温でも高い精度で距離の変化を検出できる干渉計とし
て、以下のような干渉計が提案されている。
【0005】図2(a)はその従来の干渉計を示し、こ
の図2(a)において、1は2周波レーザー用のレーザ
ー光源であり、レーザー光源1からは図2(a)の紙面
に平行な方向に直線偏光した周波数f1の第1ビームと
図2(a)の紙面に垂直な方向に直線偏光した周波数f
2(f2≠f1)の第2ビームとが混合した形でX方向
に射出される。2は、直角プリズム3と図2(a)の紙
面に平行な面が平行四辺形の平行六面体4とを貼り合わ
せてなるプリズム体を示し、直角プリズム3と平行六面
体4との貼り合わせ面が偏光ビームスプリッター面2a
となり、この面2aと平行な平行六面体の1面が反射面
2bとなっている。反射面2bは全反射を利用したミラ
ーでもよい。即ち、そのプリズム体2は、偏光ビームス
プリッター面2aと反射面2bとを平行に配置した光学
部材ともみなすことができる。その偏光ビームスプリッ
ター面2aが図2(a)の紙面に垂直で且つX方向に4
5°で交差するように、そのプリズム体2が配置されて
いる。
【0006】レーザー光源1からのレーザービーム(第
1ビーム及び第2ビーム)はそのプリズム体2の偏光ビ
ームスプリッター面2aに45°の入射角で入射する。
その内の第1ビームは面2aに対してP偏光でありその
まま面2aを透過して1/4波長板5を介して固定鏡6
に入射し、この固定鏡6で反射された第1ビームは1/
4波長板5を介して再びプリズム体2の偏光ビームスプ
リッター面2aに入射する。この際に、1/4波長板5
を往復したことにより第1ビームは面2aに対してS偏
光になっているため、第1ビームは面2aで反射されて
直角プリズム7に向かう。
【0007】直角プリズム7により反射された第1ビー
ムは1/2波長板8により偏光面が90°回転された後
にプリズム体2の偏光ビームスプリッター面2aに入射
する。この面2aへの入射位置は射出位置に対して図3
(a)の紙面に平行な方向にずれた位置である。この場
合、第1ビームは1/2波長板8によりP偏光になって
いるので、そのまま面2aを透過した後に反射面2bで
反射されてから1/4波長板5を介して固定鏡6に入射
する。再びこの固定鏡6で反射された第1ビームは1/
4波長板5を経てプリズム体2の反射面2bで反射され
て偏光ビームスプリッター面2aに入射する。今回は1
/4波長板5を往復することにより、第1ビームはS偏
光になっているので、その面2aで反射されてレシーバ
10に入射する。レシーバ10にはアナライザ及び受光
素子が内蔵されている。
【0008】一方、レーザー光源1からプリズム体2の
偏光ビームスプリッター面2aに入射するレーザービー
ムの内の第2ビームは面2aに対してS偏光であり、こ
の第2ビームは面2aで反射された後に反射面2bで反
射される。その後第2ビームは1/4波長板5を介して
移動鏡9に入射する。移動鏡9は固定鏡6よりも幅が広
く、且つX方向にずれた領域にX方向に移動自在に保持
されている。この移動鏡9で反射された第2ビームは1
/4波長板を経て再びプリズム体2の反射面2bで反射
されて偏光ビームスプリッター面2aに入射する。この
際に、1/4波長板5を往復したことにより第2ビーム
は面2aに対してP偏光になっているため、第2ビーム
は面2aを透過して直角プリズム7に向かう。
【0009】直角プリズム7により反射された第2ビー
ムは1/2波長板8により偏光面が90°回転された後
にプリズム体2の偏光ビームスプリッター面2aに入射
する。この場合、第2ビームは1/2波長板8によりS
偏光になっているので、その面2aで反射されてから1
/4波長板5を介して移動鏡9に入射する。再びこの移
動鏡9で反射された第2ビームは1/4波長板5を経て
プリズム体2の偏光ビームスプリッター面2aに入射す
る。今回は1/4波長板5を往復することにより、第2
ビームはP偏光になっているので、その面2aを透過し
てレシーバ10に入射する。レシーバ10においては、
固定鏡6で2回反射された第1ビームと移動鏡9で2回
反射された第2ビームとがアナライザにより偏光方向が
揃えられて受光素子に入射する。
【0010】レシーバ10の受光素子からは、移動鏡9
が停止している状態では、周波数が(f1−f2)のビ
ート信号が出力され、移動鏡9が移動すると周波数が変
調されたビート信号が出力される。従って、この周波数
の変化を積算することにより、移動鏡9の固定鏡6に対
するX方向の移動量を検出することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図2(a)の干渉計の
中のプリズム体2の中の第1ビームと第2ビームとの光
路について図2(b)を用いて検討する。図2(b)に
示すように、プリズム体2の内の平行六面体4の内部で
は、共通の光路を除いて第1ビーム及び第2ビームの光
路はそれぞれT11及びT21であり、直角プリズム3
の内部では、共通の光路を除いて第1ビーム及び第2ビ
ームの光路はそれぞれT12及びT22である。そし
て、T11+T12=T21+T22が成立しているの
で、プリズム体2全体としては第1ビームの光路と第2
ビームの光路とは等しい。
【0012】しかしながら、平行六面体4と直角プリズ
ム3とを個別に検討すると、平行六面体4についてはT
11>T21が成立し、且つ直角プリズム3については
T12<T22が成立している。従って、平行六面体4
及び直角プリズム3の屈折率が等しい場合でも、仮に両
者の温度が異なるようになった場合には、第1ビームと
第2ビームとの光路差に変化が生じ、移動鏡9が停止し
ているにも拘らず、移動量が変化したものとして検出さ
れてしまう。即ち、図2(a)の構成では、プリズム体
2を構成する光学部材間に温度差が生じると、測定誤差
が生ずる不都合がある。
【0013】本発明は斯かる点に鑑み、光学部材の間に
温度差が生じても測定誤差が少ない干渉計を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による干渉計は、
例えば図1に示す如く、コヒーレントなビームを供給す
る光源(1)と、第1及び第2偏光分離面を有する第1
の面(31a)と第1及び第2反射面を有する第2面
(31b)とが互いに直交して設けられ、その第1偏光
分離面によってその光源(1)からのビームを第1方向
(X方向)の第1ビームと第2方向の第2ビームとに分
離する光学部材(31)と、その第1の面(31a)と
その第2の面(31b)とに対し45゜傾いた基準面と
平行に設けられた第1、第2、第3及び第4の4分の1
波長板(5a〜5d)と、その第1偏光分離面によって
第1方向に分離された第1ビームをその第1の4分の1
波長板(5a)を介して反射させて再びその第1偏光分
離面へ戻すと共に、その第1偏光分離面に戻った第1ビ
ームをその第1反射面及びその第2の4分の1波長板
(5b)を介して反射させて再びその第1偏光分離面へ
戻す第1反射部材(6)とを有する。
【0015】更に、本発明は、この第1反射部材(6)
の2回の反射によってその第1偏光分離面に戻されるこ
とによりその第2方向に導かれる第1ビームとその第1
偏光分離面にて第2方向に分割されるその光源(1)か
らの第2ビームとを各々偏向させてその第2偏光分離面
へ導く偏向光学部材(7)と、その第2偏光分離面にて
第1ビームをその第1方向へ、その第2ビームをその第
2方向へそれぞれ分割するために、その第1偏光分離面
から第2方向に射出した第1ビーム及び第2ビームがそ
の偏向光学部材(7)によってその第2偏光分離面へ至
るまでにその第1ビーム及びその第2ビームの偏光面を
各々90度回転させる偏光面回転手段(8)と、その第
2偏光分離面によってその第2方向に導かれた第2ビー
ムをその第2反射面及びその第3の4分の1波長板(5
c)を介して反射させて再びその第2偏光分離面へ戻す
と共に、その第2偏光分離面へ戻った第2ビームをその
第4の4分の1波長板(5d)を介して反射させて再び
その第2偏光分離面へ戻す第2反射部材(9)と、この
第2反射部材(9)の2回の反射によってその第2偏光
分離面に戻されることによりその第2偏光分離面にてそ
第1方向に導かれる第2ビームとその第2偏光分離面
にてその第1方向に導かれる第1ビームとを受光する受
光手段(10)とを有し、その第1反射部材(6)とそ
の第2反射部材(9)との相対的な移動量を検出するも
のである。
【0016】
【作用】斯かる本発明の干渉計によれば、第1反射部材
(6)と第2反射部材(9)とは、第1ビームの進行方
向である第1方向(X方向)にずらして配置することが
できる。そして、第1反射部材(6)で2回反射された
第1ビームと第2反射部材(9)で2回反射された第2
ビームとが受光手段(10)で混合して受光される。従
って、第1反射部材(6)と第2反射部材(9)とのX
方向の相対位置が変化すると、第1ビームと第2ビーム
との光路長が変化して受光手段(10)における干渉縞
又はビート信号が変化することから、両部材(6,9)
の相対的な移動量を検出することができる。
【0017】この場合、光学部材(31)は、図1
(b)に示すように、第1及び第2偏光分離面を有する
第1の面(31a)と第1及び第2反射面を有する第2
の面(31b)とが直交して配置されている。そして、
例えば第1の面(31a)と第2の面(31b)との間
を同一の媒体(33)で形成し、第1の面(31a)の
外部を別の媒体(32)で形成した場合には、その媒体
(33)中での第1ビーム及び第2ビームの光路はそれ
ぞれT13及びT23となり、これら光路T13とT2
3とは同一の長さである。また、媒体(32)中での第
1ビームと第2ビームとの光路は等しい。従って、媒体
(32)と媒体(33)との間に温度差が生じても、第
1ビームと第2ビームとの間の光路長の差は変化するこ
とがなく、常に正確に両部材(6,9)の相対的な移動
量を検出することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明による干渉計の一実施例につき
図1を参照して説明する。
【0019】図1(a)は本例のレーザー干渉計の要部
を示し、この図1(a)において、31は第1の直角プ
リズム32と第2の直角プリズム33とを貼り合わせて
なるプリズム体である。このプリズム体31は、図1
(b)に示すように、直角プリズム32の斜面と直角プ
リズム33の直交する2面の内の1面とを貼り合わせた
ものである。そして、その貼り合わせ面を偏光ビームス
プリッター面31aとして、直角プリズム33の直交す
る2面の内の他の面を反射面31bとする。この反射面
31bは全反射を利用してもよい。
【0020】従って、プリズム体31は偏光ビームスプ
リッター面31aと反射面31bとが直交して配置され
たものであればよい。例えば、図1(c)に示すよう
に、3個の直角プリズム35〜37を貼り合わせてプリ
ズム体34を構成し、直角プリズム35と36との貼り
合わせ面を偏光ビームスプリッター面34aとして、直
角プリズム37の外部の斜面を反射面34bとすれば、
このプリズム体34をプリズム体31の代わりに使用す
ることができる。
【0021】図1(a)に戻り、レーザー光源1から周
波数の異なる2本のレーザービーム(第1ビーム及び第
2ビーム)が射出される方向をX方向として、プリズム
体31の偏光ビームスプリッター面31aがX方向に4
5°で交差するように、プリズム体31を配置する。ま
た、X方向に1/4波長板5を配置し、その次に平面鏡
よりなる固定鏡6を固定し、その次に平面鏡よりなる移
動鏡9をX方向に移動自在に配置する。X方向に垂直で
且つ図1(a)の紙面に平行な方向の移動鏡9の幅は固
定鏡6の幅よりも広く設定する。
【0022】また、プリズム体31の偏光ビームスプリ
ッター面31aの領域Q11でレーザー光源1からのレ
ーザービームが反射される方向に直角プリズム7を配置
する。この場合、直角プリズム7内の2回の全反射によ
りレーザービームがその偏光ビームスプリッター面31
aの領域Q13に戻されるものとして、領域Q11と領
域Q13とは反射面31bに対して垂直な直線上の異な
る位置に存在し、且つ領域Q11の方が反射面31bに
近くなるように、その直角プリズム7の位置決めを行
う。また、プリズム体31と直角プリズム7との間の一
方の光路の途中に1/2波長板8を配置する。ただし、
この1/2波長板8の代わりに、直角プリズム7の入射
及び射出面の全面を覆うように1/4波長板を配置して
もよい。また、偏光ビームスプリッター面31aの領域
Q13で直角プリズム7からのレーザービームを反射し
た方向にレシーバ10を配置する。
【0023】次に、本例の動作につき説明する。先ず、
レーザー光源1からのレーザービーム(第1ビーム及び
第2ビーム)はプリズム体31の偏光ビームスプリッタ
ー面31aの領域Q11に45°の入射角で入射する。
その内の面31aに対してP偏光の第1ビームは、その
まま面31aを透過して1/4波長板5を介して固定鏡
6の領域Q21に入射し、この固定鏡6で反射された第
1ビームは1/4波長板5を介して再びプリズム体31
の偏光ビームスプリッター面31aに入射する。この際
に、1/4波長板5を往復したことにより第1ビームは
面31aに対してS偏光になっているため、第1ビーム
は面31aの領域Q11で反射されて反射面31bの領
域Q12に向かう。
【0024】この反射面31bで反射された第1ビーム
は1/4波長板5を介して固定鏡6の領域Q22に入射
し、この領域Q22で反射された第2ビームは1/4波
長板5及びプリズム体31の反射面31bの領域Q12
を経て偏光ビームスプリッター面31aの領域Q11に
入射する。この場合、第1ビームはP偏光になっている
のでそのまま偏光ビームスプリッター面31aを透過し
た後に、1/2波長板8により偏光面が90°回転され
てから直角プリズム7に向かう。
【0025】直角プリズム7により反射された第1ビー
ムはプリズム体31の偏光ビームスプリッター面31a
の領域Q13に入射する。この場合、第1ビームは1/
2波長板8によりS偏光になっているので、その面31
aの領域Q13で反射されてレシーバ10に入射する。
【0026】一方、レーザー光源1からプリズム体31
の偏光ビームスプリッター面31aの領域Q11に入射
するレーザービームの内の面31aに対してS偏の第2
ビームは、面31aの領域Q11で反射された後に1/
2波長板8を透過して直角プリズム7に向かう。この直
角プリズム7で反射された第2ビームは、プリズム体3
1の偏光ビームスプリッター面31aの領域Q13に入
射する。1/2波長板8により第2ビームはP偏光とな
っているので、第2ビームはそのまま面31aの領域Q
13を透過した後に反射面31bの領域Q14で反射さ
れる。その後第2ビームは1/4波長板5を介して移動
鏡9の領域Q31に入射する。
【0027】この移動鏡9の領域Q31で反射された第
2ビームは1/4波長板5を経て再びプリズム体31の
反射面31bの領域Q14で反射されて偏光ビームスプ
リッター面31aの領域Q13に入射する。この際に、
1/4波長板5を往復したことにより第2ビームは面3
1aに対してS偏光になっているため、第2ビームは面
31aの領域Q13で反射される。その後、第2ビーム
は1/4波長板5を介して移動鏡9の領域Q32に入射
し、この領域Q32で反射された第2ビームは1/4波
長板5を介してプリズム体31の偏光ビームスプリッタ
ー面31aの領域Q13に戻る。今回は1/4波長板5
を往復することにより、第2ビームはP偏光になってい
るので、その面31aの領域Q13を透過してレシーバ
10に入射する。レシーバ10においては、固定鏡6で
2回反射された第1ビームと移動鏡9で2回反射された
第2ビームとがアナライザにより偏光方向が揃えられて
受光素子に入射する。
【0028】レシーバ10の受光素子からは、固定鏡6
と移動鏡9とがX方向に相対的に停止している状態で
は、周波数が(f1−f2)のビート信号が出力され、
両者がX方向に相対的に移動すると周波数が変調された
ビート信号が出力される。従って、この周波数の変化を
積算することにより、固定鏡6と移動鏡9とのX方向の
相対的な移動量を検出することができる。
【0029】この場合、本例では図1(a)より明かな
ように、プリズム体31の直角プリズム32の内部では
第1ビームと第2ビームとは同一の光路を通過する。ま
た、プリズム体31の直角プリズム33の内部では、図
1(b)に示すように第1ビームと第2ビームとはそれ
ぞれ光路T13及びT23を通過するが、光路T13の
長さと光路T23の長さとは等しい。従って、直角プリ
ズム32と直角プリズム33との間に温度差が生じて
も、第1ビームと第2ビームとの光路長の差は変化する
ことがなく、常に高精度で固定鏡6と移動鏡9とのX方
向の相対的な移動量を計測することができる。
【0030】なお、上述実施例はヘテロダイン方式のレ
ーザー干渉計に本発明を適用したものであるが、本発明
はホモダイン方式の干渉計にも同様に適用することがで
きる。また、直角プリズム7の代わりにコーナーキュー
ブ等を使用してもよい。さらに、図1の(a)に示した
実施例では、1/4波長板5を1枚で構成した場合につ
いて説明したが、固定鏡6の各領域Q21,Q22及び
移動鏡9の各領域Q31,Q32の反射により形成され
る4つの往復光路中に点線で示す如く1/4波長板5a
〜5dを各々配置しても良いことはいうまでもない。
【0031】また、図1の(a)に示した実施例では、
互いに直交した2つの面を持つ直角プリズム32の第1
の面側にレーザー光源1とレシーバ10とが配置され、
第2の面側に1/2波長板8と直角プリズム7とが配置
されているが、第2の面側にレーザー光源1とレシーバ
10とを配置し、第1の面側に1/2波長板8と直角プ
リズム7とを配置しても良く、さらには、レーザー光源
1とレシーバ10との位置を入れ換えても良い。このよ
うに、本発明は上述実施例に限定されず本発明の要旨を
逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、光学部材の第1の面と
第2の面との間の媒体中における第1ビームの光路と第
2ビームの光路とはほぼ等しいので、その光学部材を構
成する光学部材の間に温度差が生じても測定誤差が少な
い利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による干渉計の一実施例を示す
平面図、(b)は実施例のプリズム体31の平面図、
(c)は実施例のプリズム体の他の例を示す平面図であ
る。
【図2】(a)は従来の干渉計を示す平面図、(b)は
従来のプリズム体2の平面図である。
【符号の説明】
1 レーザー光源 5 1/4波長板 6 固定鏡 7 直角プリズム 8 1/2波長板 9 移動鏡 10 レシーバ 31 プリズム体 31a 偏光ビームスプリッター面 31b 反射面 32,33 直角プリズム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コヒーレントなビームを供給する光源
    と、 第1及び第2偏光分離面を有する第1の面と第1及び第
    2反射面を有する第2面とが互いに直交して設けら
    れ、前記第1偏光分離面によって前記光源からのビーム
    を第1方向の第1ビームと第2方向の第2ビームとに分
    離する光学部材と、 前記第1の面と前記第2の面とに対し45°傾いた基準
    面と平行に設けられた第1、第2、第3、及び第4の4
    分の1波長板と、 前記第1偏光分離面によって前記第1方向に分離された
    前記第1ビームを前記第1の4分の1波長板を介して反
    射させて再び前記第1偏光分離面へ戻すと共に、前記第
    1偏光分離面に戻った前記第1ビームを前記第1反射面
    及び前記第2の4分の1波長板を介して反射させて再び
    前記第1偏光分離面へ戻す第1反射部材と、 該第1反射部材の2回の反射によって前記第1偏光分離
    面に戻されることにより前記第2方向に導かれる前記第
    1ビームと前記第1偏光分離面にて前記第2方向に分割
    される前記光源からの前記第2ビームとを各々偏向させ
    て前記第2偏光分離面へ導く偏向光学部材と、 前記第2偏光分離面にて前記第1ビームを前記第1方向
    へ、前記第2ビームを前記第2方向へそれぞれ分割する
    ために、前記第1偏光分離面から前記第2方向に射出し
    た前記第1ビーム及び前記第2ビームが前記偏向光学部
    材によって前記第2偏光分離面へ至るまでに前記第1ビ
    ーム及び前記第2ビームの偏光面を各々90度回転させ
    る偏光面回転手段と、 前記第2偏光分離面によって前記第2方向に導かれた前
    記第2ビームを前記第2反射面及び前記第3の4分の1
    波長板を介して反射させて再び前記第2偏光分離面へ戻
    すと共に、前記第2偏光分離面へ戻った前記第2ビーム
    を前記第4の4分の1波長板を介して反射させて再び前
    記第2偏光分離面へ戻す第2反射部材と、 該第2反射部材の2回の反射によって前記第2偏光分離
    面に戻されることにより前記第2偏光分離面にて前記
    1方向に導かれる前記第2ビームと前記第2偏光分離面
    にて前記第1方向に導かれる前記第1ビームとを受光す
    る受光手段とを有し、 前記第1反射部材と前記第2反射部材との相対的な移動
    量を検出する事を特徴とする干渉計。
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