JPH06109373A - 筒形炭素繊維断熱材の製造方法 - Google Patents

筒形炭素繊維断熱材の製造方法

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JPH06109373A
JPH06109373A JP4284013A JP28401392A JPH06109373A JP H06109373 A JPH06109373 A JP H06109373A JP 4284013 A JP4284013 A JP 4284013A JP 28401392 A JP28401392 A JP 28401392A JP H06109373 A JPH06109373 A JP H06109373A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】破壊強度が大幅に改善され、接着部分の剥れや
破壊の生じない筒形炭素繊維断熱材の製造方法を提供す
る。 【構成】短冊状の黒鉛化処理済炭素繊維成形断熱材の側
端面同志を相互に接着して筒形に成形した後、得られた
筒形品の接着部分に炭素系断熱材を接着して上記の接着
部分を覆い、次いで、炭化処理を施すことを特徴とする
筒形炭素繊維断熱材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筒形炭素繊維断熱材の
製造方法に関するものであり、詳しくは、主として、非
酸化性雰囲気下の高温炉用断熱材として使用され、破壊
強度が大幅に改善され、接着部分の剥れや破壊の生じな
い筒形炭素繊維断熱材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、非酸化性雰囲気下では25
00℃以上の高温においても損耗せず、また、高い強度
を保持し得る。従って、熱硬化性樹脂をバインダーとし
て成形した後、炭化ないしは黒鉛化して得られる成形体
は、非酸化性雰囲気下の高温炉用断熱材として好適に使
用し得る。
【0003】筒形断熱材の製造方法としては、(1)粉
砕した炭素繊維に熱硬化性樹脂を混合して型込め成形し
た後、炭化ないしは黒鉛化する方法、(2)炭素繊維の
フェルト、ウェッブ、不繊布、ペーパー等にバインダー
を含浸または付着させて芯材上に巻付けた後、または、
金型中に配列した後、加圧成形を行う方法が知られてい
る。上記の2つの製造方法の中では、成形が容易であり
大型サイズの筒形断熱材を製造し易い点において、後者
の製造方法が優れている。
【0004】上記の(2)の製造方法には、モルドチュ
ーブ方式、ロールドチューブ方式などがある。モルドチ
ューブ方式は、先ず、熱硬化性樹脂を含浸または付着さ
せた炭素繊維のフェルト等を筒状の芯材上に巻き付けた
後、例えば、半割りにした筒状の外型間に挟み込んで加
圧し、所望の肉厚になるまで締め付ける方法であり、ロ
ールドチューブ方式は、熱硬化性樹脂を含浸あるいは付
着させた炭素繊維のフェルト等をホットロールと圧力ロ
ールにより芯材上に巻付ける方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モルド
チューブ方式やロールドチューブ方式は、何れも、成形
品に変形や歪みを生じ易く、また、積層間の剥離を生じ
易いと言う問題がある。しかも、筒形断熱材は、殆どが
受注製造品であるため、製作する寸法毎に、金型の製
作、保管、取り扱を必要とする欠点がある。本発明者等
は、先に、上記の問題を解決した製造方法として、短冊
状の黒鉛化処理済炭素繊維成形断熱材を、接着剤を使用
して筒形に成形した後、炭化処理することを特徴とする
筒形炭素繊維断熱材の製造方法を提案した(特願平3−
262373号)。本発明の目的は、上記の製造方法を
更に改良し、破壊強度が大幅に改善され、接着部分の剥
れや破壊の生じない筒形炭素繊維断熱材の製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、短冊状の黒鉛化処理済炭素繊維成形断熱材の側端面
同志を相互に接着して筒形に成形した後、得られた筒形
品の接着部分に炭素系断熱材を接着して上記の接着部分
を覆い、次いで、炭化処理を施すことを特徴とする筒形
炭素繊維断熱材の製造方法に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。なお、本
明細書において、筒形炭素繊維断熱材(以下、単に「筒
形断熱材」と略記する)とは、筒形品の軸に垂直な面で
の断面が多角形ないし円形であるものを意味する。
【0008】先ず、本発明においては、短冊状の黒鉛化
処理済炭素繊維成形断熱材(以下、「筒形用断熱材」と
略記する)の側端面同志を相互に接着して筒形に成形す
る。筒形用断熱材は、特に限定されないが、板状の黒鉛
化処理済炭素繊維成形断熱材から、所望の大きさに切り
出したものを使用するのが製造上有利で好ましい。すな
わち、上記の板状断熱材は、熱板プレスによって容易に
成形することが出来、筒形に成形する場合と異なって各
種の金型も不要である。また、品質的にも積層間の摺曲
を生じる様なことが少なく、密度のコントロールも容易
である。更に、炭化ないしは黒鉛化処理を行なっても、
板状であることから、剥離を生じることや変形すること
が少ない。
【0009】筒形用断熱材は、炭素繊維の種類やその製
造方法を問わず、如何なるものでもよい。ただし、高温
に曝した際に筒形熱材が寸法変化を惹起するのを防止す
るため、少なくとも、実際に筒形断熱材を使用する温度
以上の高温度で熱処理を施した断熱材が好ましい。
【0010】筒形用断熱材の長さは、最終的に組み上げ
る筒形断熱材の長さと同じであればよいが、長さ方向に
高い精度が求められる場合や長さ方向の端面の凹凸度に
対する要求が厳しい場合は、20mm程度以下の長さ分
だけ長くしておき、筒形断熱材に組み上げた後に機械加
工を行って長さ合わせを行うのが好ましい。
【0011】筒形用断熱材の幅は、筒形品の側面を何面
にするかということ及び筒形品の大きさにより、都度決
定することが出来る。筒形品の面数が少ない場合は、組
み立ての手数は減るものの、得られる筒形品は真円形状
になり難い。従って、筒形品の面数は、個々の製品に要
求される形状によって決定されるが、一般的には、筒形
品の外径が500〜1500mmの場合、24〜36面
程度とするのが好ましく、筒形用断熱材の幅は、40〜
200mm程度とされる。
【0012】筒形用断熱材の厚さは、筒形断熱材に要求
される厚さ自体とすることも出来るが、筒形品に仕上げ
た後、切削加工して真円状とする場合は、切削代分の厚
さを考慮する必要がある。
【0013】筒形用断熱材の端面形状は、相互の側端面
同志を接着して筒形品に組み上げるため、厚さ面端面に
角度を有する形状であることが必要である。上記の角度
は、360°を側面の数で除した値となり、例えば、2
4面体の場合は15°、36面体の場合は10°とな
る。勿論、所望の形状が長円形などであれば、それに適
応した角度にすればよい。また、角度は、厚さ面端面の
片側のみに付けてもよいし、両端面に付けてもよい。そ
して、厚さ面端面の角度により、接着する筒形用断熱材
同士の端面間に隙間を生じる場合は、斯かる隙間に後述
の炭素材用接着剤を充填することも出来る。勿論、理想
的には、左右の両端面のそれぞれに、360°を側面の
数で除した値の1/2の角度を付けた場合である。な
お、角度の加工は、出来る限り正確に行うべきであり、
また、加工面に凹凸がないことが望ましい。
【0014】筒形の成形は、所定の寸法、形状に加工し
た筒形用断熱材の側端面同志を接着することにより行
う。接着には、炭素材用接着剤を使用するのが好まし
い。炭素材用の接着剤は、主として、炭素粉と熱硬化性
樹脂から成る。炭素材用の接着剤の具体例としては、ジ
グリ社の「V58a」(商品名)、大日本インキ化学工
業社の「ニューコートGC」(商品名)が挙げられる。
【0015】上記の接着剤は、何れも、メタノール、エ
タノール等のアルコール類またはケトン類の溶剤を使用
し、粉状の接着剤を溶解して使用するタイプである。筒
形用断熱材は、ポーラスであるため、接着剤溶液が浸透
し易い。従って、接着剤溶液の調製に際しては、各々の
接着剤において指定された濃度よりも高濃度(例えば2
〜4倍)にする方が接着性の点で好ましい。
【0016】接着剤溶液は、ハケ等の適宜の手段で筒形
用断熱材の側端面に塗布される。塗布量は、塗布面に約
0.3〜1.0mmの厚さの液状膜が出来る程度が好ま
しい。塗布後に素地が見える場合は塗布量が不足してお
り、1mm以上の厚さの液状膜が出来る場合は塗布量が
過剰である。
【0017】次に、本発明においては、筒形品の接着部
分に炭素系断熱材(以下、「補強用断熱材」と言う)を
接着して上記の接着部分を覆う。補強用断熱材は、炭素
系である限り、必ずしも、黒鉛化処理されている必要は
なく、また、短冊状である必要もない。例えば、炭素繊
維プリプレグを使用することも出来る。更には、筒形品
の外周面に補強用断熱材を接着する場合は、炭素繊維を
使用することも出来る。斯かる場合は、筒形品の外周面
に接着剤を塗布してその塗布面に炭素繊維を捲回すれば
よい。
【0018】しかしながら、補強用断熱材としては、筒
形用断熱材の場合と同様の短冊状の断熱材を使用するの
が好ましい。短冊状の断熱材を使用した場合は、断熱材
としての本来の目的を達成するため、筒形用断熱材の場
合と同様、その断熱方向が筒形品の軸を横切る面に対し
て平行であることが望ましい。
【0019】補強用断熱材として使用する短冊状の断熱
材の形状は、特に制限されるものではないが、代表的な
例を図1(a)〜(c)に示す。図1(a)〜(c)
は、補強用断熱材として使用する短冊状の断熱材の形状
を使用状態において示す説明図であり、図中、(1)は
筒形用断熱材、(2)は補強用断熱材、(3)は接着部
分を示す。図1(a)に示した補強用断熱材(2)は、
三角形の端面を有し、筒形品を構成する筒形用断熱材
(1)の接着部分(3)を覆うように接着されている。
図1(b)に示した補強用断熱材(2)は、四角形の端
面を有し、筒形品を構成する筒形用断熱材(1)の接着
部分(3)を覆うように筒形品の切欠部に嵌合して接着
されている。図1(c)に示した補強用断熱材(2)
は、五角形の端面を有し、筒形品を構成する筒形用断熱
材(1)の接着部分(3)を覆うように接着されてい
る。
【0020】補強用断熱材として使用される短冊状の断
熱材の長さは、通常、筒形用断熱材の長さと同じとされ
るが、本発明の効果を損なわない範囲において、それよ
りも短くすることも可能である。そして、この場合は、
筒形用断熱材の少なくとも1/3以上の長さにすること
が好ましい。
【0021】また、上記の短冊状の断熱材の厚さは、通
常、筒形用断熱材の厚さの1/5〜2/3の範囲とさ
れ、少なくとも5mm以上の厚さであることが好まし
い。厚さは、その形状によっては一様でない場合もある
が最大の厚さを指す。なお、筒形用断熱材を筒形断熱材
に仕上げた後、例えば、真円状にするために切削加工を
行なう場合においては、上記した厚さが加工後に残るこ
とが必要である。
【0022】更にまた、例えば、図1(a)及び(c)
に示した補強用断熱材(2)の場合、これらを構成する
短冊状の断熱材の幅は次の通りである。すなわち、最大
幅は、筒形用断熱材(1)に補強用断熱材(2)を面接
着した場合にその側端面同仕が相互に接し、これにより
別の筒形を成形し得る寸法である。また、最小幅は、面
接着を強固なものとして本発明の効果を高めるため、筒
形用断熱材(1)の接着部分(3)を中心として両側に
少なくとも10mm以上(幅としては20mm以上)、
好ましくは両側に20mm以上(幅としては40mm以
上)であることが望ましい。斯かる最小幅は、図1
(b)に示した補強用断熱材(2)の場合も同様であ
る。上記の短冊状の断熱材の加工は、筒形用断熱材の場
合と同様に、出来得る限り正確に行ない、また、加工面
に凹凸がないことが好ましい。
【0023】ところで、炭素材用の接着剤による強度
は、炭化処理によって初めて発現される。従って、筒形
品の組み上げ作業は、組み上げた筒形品を容易に炭化処
理設備まで移動し得るように、800℃以上の耐熱性を
持つ、例えば、炭素材、金属材にて構成された作業台の
上で行うのがよい。また、組み上げ作業は、逐次に連続
して行なうよりも、3〜4枚の筒形用断熱材を組み合わ
せてパネル状となし、当該パネル状のものを更に組み合
わせて筒形品に仕上げる方が作業性の面でも、精度良く
組み上げるという面でも好ましい。更に、作業台の上に
原寸大の組み合わせ平面図面を置き、組み上げの状態を
確認しながら作業するならば、精度良く且つ効率的に組
み上げ作業を行うことが出来る。そして、補強用断熱材
は、その形状にもよるが、通常は、次のようにおこなあ
のが好ましい。すなわち、筒形品について後述するキュ
アリングを行なうことにより、筒形品にある程度の強度
を発現させ、その後に補強用断熱材の接着を行う。
【0024】次に、本発明においては、補強用断熱材で
接着部分を覆った筒形品について炭化処理を施す。炭化
処理に先立ち、筒形品の外周より緊縛力を加え、接着面
の密着性を高めると共に移動などの際に形が歪まない様
にするのが望ましい。このための方法としては800℃
以上の耐熱性を持ち、且つ、余り伸びることのない紐ま
たはテープ状物、例えば、炭素繊維の紐や金属テープ等
で緊縛すればよい。炭素繊維の紐などで緊縛した場合
は、炭化処理においても緊縛状態を続けることが出来る
ので一層好ましい。
【0025】また、補強用断熱材を筒形品の内側に接着
する場合は、筒形品の外周からの緊縛な効果がないた
め、金属製や炭素材製のピン等を使用し、少なくとも後
述するキュアリングの段階までは筒形品の固定を行う
か、または、段ボール紙などの丈夫な厚紙から成り、し
かも、筒形品の内径に合わせた円盤状の型紙などを筒形
品の内側に押込んで固定するのが望ましい。
【0026】また、炭化処理に先立ち、0.5〜10時
間、100〜250℃の温度で加熱処理(キュアリン
グ)を行なうのが好ましい。斯かる加熱処理によれば、
一層強固な接着が期待出来、炭化処理以前にある程度の
強度を筒形品に付与することが出来る。
【0027】炭化処理は、不活性雰囲気下に行われる。
そして、好ましくは50℃/Hr以下の昇温速度によ
り、800℃以上、好ましくは1000℃以上まで加熱
することにより行なう。昇温速度が50℃/Hr以上の
場合は、処理過程に接着剤が発泡して接着強度が低下す
る恐れがある。また、処理の最高温度が800℃以下の
場合は、接着剤の炭化が不充分となり易い。上記の処理
により、接着剤中の有機質成分を炭素化させることが出
来、その結果、筒形品を断熱材として使用した際にガス
や揮発分の発生を無くすことが出来る。。
【0028】炭化処理を終了して得られた筒形断熱材
は、完全な一体品として取り扱うことが出来る。従っ
て、その後は、通常の工程により、必要な穴あけ加工や
コーティング処理などを行なうことが出来る。また、必
要ならば、上記の加工や処理に先立ち、旋盤切削などに
より、筒形品を真円状の筒形品にすることも出来る。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 先ず、1500×1000mm、厚さ40mmの黒鉛化
処理済(2000℃)炭素繊維断熱材(三菱化成社製
「カーボライト」)から、筒形用断熱材として、図2
(a)、(b)に示す短冊状の断熱材を夫々24本切り
出して加工した。図2(a)、(b)は、筒形用断熱材
として使用した短冊状の断熱材を示す説明図であり、
(a)は(b)の端面図、(b)は(a)の矢視Aから
の平面図である。そして、図中の無次元の数値は、mm
単位で表した長さを示す(以下、同じ)。
【0030】また、上記と同様の黒鉛化処理済炭素繊維
断熱材から、補強用断熱材として、図3(a)、(b)
に示す短冊状の断熱材を夫々24本切り出して加工し
た。図3(a)、(b)は、補強用断熱材として使用し
た短冊状の断熱材を示す説明図であり、(a)は(b)
の端面図、(b)は(a)の矢視Aからの平面図であ
る。
【0031】次いで、筒形用断熱材の長手方向の端面
(側端面)に黒鉛質接着剤溶液(ジグリ社「V−58
a」1重量部を0.5重量部のメタノールで溶解したも
の)を概ね0.5mm厚さの液状膜となる程度に塗布
し、筒形用断熱材の側端面同仕を相互に密着させて貼り
合わせることにより筒形を成形した。
【0032】次いで、上記の筒形品の上下の両端部側に
ポリプロピレンテープ(幅12mm×厚さ0.5mm)
を巻き付け、圧縮締上げ器を使用して黒鉛質接着剤溶液
が僅かに滲み出すまで締め上げた。そして、組み上げを
行なう際に作業台として使用した18mm厚さのベニア
板の上に乗せたまま熱風循環式加熱炉に入れ、140℃
で1時間加熱キュアリング処理を行った。上記の処理後
の筒形品は、外周の緊縛がなくても、接着部の剥れを生
じることなく取り扱える強度を有していた。
【0033】次いで、上記と同様の黒鉛質接着剤を使用
して上記の筒形品の内側に補強用断熱材を接着し、図4
(a)及び(b)に示す二重構造の筒形品に仕上げた。
図4(a)及び(b)は、二重構造の筒形品の一例を示
す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。なお、上記の接着は、補強用断熱材の面および側端
面に黒鉛質接着剤を塗布して行った。
【0034】次いで、組み上げた筒形品を熱風循環式加
熱炉に入れ、140℃で1時間加熱キュアリング処理し
た。キュアリング処理後の筒形品において、補強用断熱
材は、剥れることがなく完全に接着されていた。次い
で、上記の筒形品を炭化炉に入れ、窒素雰囲気下、10
00℃まで昇温し、1000℃で1時間保持し、全体が
一体化された筒形断熱材を得た。
【0035】得られた筒形断熱材について、旋盤加工を
行ない、内外周をそれぞれ約10mmずつ切削し、外径
390mm、内径290mmの真円状筒形断熱材を得
た。このものを更に輪切りにして幅100mmの最終筒
形品3個を得た。上記の最終筒形品を円周方向が上下方
向になる様にしてオリエンテック社製万能試験器「デン
シロン UTM−5」型機にセットし、上方より10m
m/minの速度で圧縮して破壊時最大応力を測定し
た。その結果、3個の最終筒形品の平均値は85kgで
あった。
【0036】比較例1 実施例1と同じ素材から、筒形用断熱材として、図5
(a)、(b)に示す短冊状の断熱材を夫々24本切り
出して加工した。図5(a)、(b)は、筒形用断熱材
として使用した短冊状の断熱材を示す説明図であり、
(a)は(b)の端面図であり、(b)は図(a)の矢
視Aからの平面図である。
【0037】次いで、実施例1の場合と同様に黒鉛質接
着剤を使用し、部材の接着および組み立てを行なって図
6(a)及び(b)に示す筒形品に仕上げた。図6
(a)及び(b)は、筒形品の一例を示す説明図であ
り、(a)は平面図、(b)は側面図である。次いで、
上記の筒形品の上下の両端部側にポリプロピレンテープ
(幅12mm×厚さ0.5mm)を巻き付け、圧縮締上
げ器を使用して黒鉛質接着剤溶液が僅かに滲み出すまで
締め上げた後、140℃、1時間のキュアリング処理を
行ない、更に、1000℃、1時間の炭化処理を行な
い、各部材が一体化された筒形断熱材を得た。
【0038】得られた筒形断熱材について、旋盤加工を
行ない、内外周をそれぞれ約10mmずつ切削し、外径
390mm、内径290mmの真円状筒形断熱材を得
た。このものを更に輪切りにして幅100mmの最終筒
形品3個を得た。上記の最終筒形品について、実施例1
の場合と同様の圧縮試験を行って破壊時最大応力を測定
した結果、3個の最終筒形品の平均値は53kgであっ
た。
【0039】
【発明の効果】以説明した本発明の製造方法によれば、
破壊強度が大幅に改善され、接着部分の剥れや破壊の生
じない筒形断熱材が得られる。また、本発明の製造方法
によれば、短冊状の断熱材間の接着部分を覆うように他
の断熱材を設けるため、強度の改善に加え、接着部分か
らの熱の伝導が抑えられて断熱効果も向上した筒形断熱
材が得られる。従って、本発明の製造方法で得られる筒
形断熱材は、例えば、次の(1)、(2)の使用態様の
断熱材として特に好適である。 (1)大型の筒形断熱材を横置きで使用することによ
り、筒形断熱材の円周断面を横切る形で自重が負荷され
る場合。 (2)筒形断熱材の一部を切断し、炉内処理製品の出し
入れ口または点検口の扉として使用することにより、開
閉され、また、筒形断熱材に押し付力などの荷重が負荷
される場合。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、補強用断熱材として使用す
る短冊状の断熱材の形状を使用状態において示す説明図
である。
【図2】(a)、(b)は、実施例において筒形用断熱
材として使用した短冊状の断熱材を示す説明図である。
【図3】(a)、(b)は、実施例において補強用断熱
材として使用した短冊状の断熱材を示す説明図である。
【図4】(a)及び(b)は、実施例で得られた二重構
造の筒形品の一例を示す説明図である。
【図5】(a)、(b)は、比較例において筒形用断熱
材として使用した短冊状の断熱材を示す説明図である。
【図6】(a)及び(b)は、比較例で得られた筒形品
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1:筒形用断熱材 2:補強用断熱材 3:接着部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短冊状の黒鉛化処理済炭素繊維成形断熱
    材の側端面同志を相互に接着して筒形に成形した後、得
    られた筒形品の接着部分に炭素系断熱材を接着して上記
    の接着部分を覆い、次いで、炭化処理を施すことを特徴
    とする筒形炭素繊維断熱材の製造方法。
  2. 【請求項2】 筒形品の接着部分に更に短冊状の黒鉛化
    処理済炭素繊維成形断熱材を接着して上記の接着部分を
    覆う請求項1に記載の筒形炭素繊維断熱材の製造方法。
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Cited By (3)

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