JPH0610908Y2 - 棒状化粧料繰り出し容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、口紅等の棒状化粧料繰り出し容器に関するも
のである。

［従来の技術］ 従来より、実公昭６０−４１８４９号公報及び実開昭６
２−１１５８１２号公報等により、棒状化粧料を収嵌保
持し、側壁に螺合突部が突出した昇降筒と、この昇降筒
を上下摺動自在に内装し、下方側壁に螺合突部が貫通す
るガイド溝を摺動方向に長く穿設したスリーブと、この
スリーブの下部を回動自在に、脱落不能に保持し、内側
壁に昇降筒の螺合突部が螺合する螺旋溝を螺設し、上端
にキャップが抜脱自在に嵌合する嵌合部を設けた外筒と
より構成される棒状化粧料繰り出し容器が提案されてい
る。この構成の場合、部品点数が４パーツで構成できる
ため、容器を極めて安価に提供できるものであった。

［考案が解決しようとする課題］ しかし上記構成の場合、外筒はその形状から合成樹脂で
なければ成形不可能であり、キャップは容器自体の太さ
の関係から金属で成形される事が多かった。従って、キ
ャップと本体に加飾を施こす場合にはその材質が異なる
ため、キャップと本体を同色に加飾する事は困難に近か
った。また、化粧品容器に高級感を与える手段として
は、容器に金属光沢を付与させる事が良く行われている
が、合成樹脂に蒸着等で施こした金属光沢は、金属自体
の金属光沢に比べて高級感に乏しく、耐摩耗性等の耐久
力にも劣っていた。

［課題を解決する為の手段］ 棒状化粧料１を収嵌保持する昇降筒２は、下端に脚筒３
を垂下し、この脚筒３の側壁に螺合突部４を突設する。
この昇降筒２を上下摺動自在に内装したスリーブ５は、
有底筒状であり、下部側壁に前記螺合突部４が貫通する
ガイド溝９を上下に穿設し、下端に外径が縮小した連結
部７を設ける。螺旋筒１０は、このスリーブ５のガイド
溝９を被い、底面に前記連結部７が回動自在に、脱落不
能に係合してスリーブ５と連結する突入孔１１を穿設す
る。この螺旋筒１０の内側壁には、前記螺合突部４が螺
合する螺旋溝１３を螺設する。この螺旋筒１０は、薄肉
金属製の外筒１５に下方より挿入止着する。この外筒１
５には、上部に外径が縮小して、キャップ１８が抜脱自
在に嵌合する嵌合部１６を設ける。本考案は、以上構成
の棒状化粧料繰り出し容器である。

［作用］ スリーブ５を保持して外筒１５を回転操作すると、外筒
１５に止着された螺旋筒１０も回転する。また、スリー
ブ５のガイド溝９を貫通して回動不能となった昇降筒２
は、螺合突部４が螺旋筒１０の内壁に螺設された螺旋溝
１３と螺合しているため、螺合作用により昇降動し、棒
状化粧料１を出没させる。

また、本考案の棒状化粧料繰り出し容器を組み立てる場
合には、昇降筒２、スリーブ５、螺旋筒１０を組み立て
た状態で繰り出し具合いの確認をし、別にキャップ１８
と外筒１５とで嵌合具合いの確認をし、それぞれの良品
を組み合わせて組立てを行う。

［実施例］ 棒状化粧料１を収嵌保持した昇降筒２は、下部に脚筒３
を垂下している。この脚筒３の外側壁には、螺合突部４
が突出している。この昇降筒２は、スリーブ５内に上下
摺動自在に内装されている。

このスリーブ５は、上端が出没孔６となった薄肉金属製
の有底筒状をしており、下端に外径が縮小した連結部７
を設けている。この連結部７の外側壁には、凹溝８が周
設されている。また、スリーブ５の下部外側壁には、前
記脚筒３の螺合突部４が貫通し、昇降筒２をスリーブ５
内で回動不能に、上下摺動自在に案内するガイド溝９が
摺動方向に細長く穿設されている。

螺旋筒１０には、スリーブ５の下部が挿入され、ガイド
溝９を被っている。この螺旋筒１０は、底面にスリーブ
５の連結部７が突入する突入孔１１が穿設されている。
この突入孔１１の内側壁には、スリーブ５の連結部７の
凹溝８に係合し、スリーブ５と螺旋筒１０を回動自在に
脱落不能に連結する突条１２が周設されている。また、
螺旋筒１０の内側壁には、スリーブ５のガイド溝９を貫
通した昇降筒２の螺合突部４が螺合する螺旋溝１３を螺
設している。更に螺旋筒１０の下端外側壁には、鍔部１
４が周設されている。

外筒１５には、薄肉金属より成形され、螺旋筒１０が下
方より挿入され、圧入止着されている。この時、外筒１
５の下端は螺旋筒１０の下端の鍔部１４に当接してい
る。この外筒１５の上部には、下方より外径が縮小して
嵌合部１６となっている。この嵌合部１６は、螺旋筒１
０の上方に位置している。また、この嵌合部１６の外側
壁には、複数の嵌合突部１７が突出し、薄肉金属より成
形されたキャップ１８が抜脱可能に嵌合するようになっ
ている。

尚、第１図に示す様に、螺旋筒１０の突入孔１１の周囲
に周溝１９を刻設し、この周溝１９にＯリング状の弾性
を有した摺動抵抗体２０を嵌合させておけば、螺旋筒１
０とスリーブ５を連結させた時に、摺動抵抗体２０が連
結部７と周溝１９の間で摺れ合い、摺動抵抗を発生す
る。この摺動抵抗が回動操作時に、良好な操作感をもた
らすものとなる。また、嵌合部１６に加飾を施こした飾
りリング２１を止着すれば、デザイン上のアクセントと
なる。

［考案の効果］ 本考案は以上の様に、部品点数が５パーツと従来の最小
のものよりも多いが、外筒１５をキャップ１８と同じ金
属で構成できるため、異なる材質で成形した場合に発生
する質感、色合いの差等の欠点を解消できる。また、外
筒１５及びキャップ１８に高級感のある金属光沢を付与
できるため、加飾の自由度が大幅に広がり、部品点数を
少なくしてコストダウンしたにも係わらず、高級感が乏
しくなるようなこともない。

しかも、本考案の棒状化粧料繰り出し容器の組み立て工
程に於いても、昇降筒２、スリーブ５、螺旋筒１０を組
み立てた状態で繰り出し具合いの確認ができ、また別に
キャップ１８と外筒１５とで嵌合具合いの確認ができ、
それぞれの良品を組み合わせて組立てる事ができるた
め、完成品の不良を大幅に減少させる事ができる。

更に、製造工程に於ては、外筒１５及びキャップ１８
を、加飾、飾りリング２１の有無等により化粧品のシリ
ーズごとに異なるデザインに差別化し、昇降筒２、スリ
ーブ５、螺旋筒１０をそのデザインに関係なく共通とし
ておけば、受注を受けた時点で受注を受けたデザインの
外筒１５及びキャップ１８に、予め組立てておいた昇降
筒２、スリーブ５、螺旋筒１０を挿入止着しただけで完
成品とすることができる。従って、共通の昇降筒２、ス
リーブ５、螺旋筒１０を大量生産、在庫でき、短納期、
多品種少量生産に適した容器となっている。

以上の様に、本考案は安価な容器でありながら、多様な
加飾が可能であり、完成品の不良も少ない等の利点を有
し、しかも短納期、多品種少量生産に適するという現代
の情勢に適応した棒状化粧料繰り出し容器が提供できる
ものとなっている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の側断面図。第２図は、組立工
程中の側断面図。第３図は、飾りリングを付加した実施
例の側断面図。 １……棒状化粧料、２……昇降筒、３……脚筒、４……
螺合突部、５……スリーブ、７……連結部、９……ガイ
ド溝、１０……螺旋筒、１１……突入孔、１３……螺旋
溝、１５……外筒、１６……嵌合部、１８……キャップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】棒状化粧料(1)を収嵌保持し、下端に脚筒
   (3)を垂下し、該脚筒(3)の側壁に螺合突部(4)を突設し
   た昇降筒(2)と、 該昇降筒(2)を上下摺動自在に内装し、下方側壁に前記
   螺合突部(4)が貫通するガイド溝(9)を上下に穿設し、下
   端に外径が縮小した連結部(7)を設けた有底筒状のスリ
   ーブ(5)と、 該スリーブ(5)のガイド溝(9)を被い、底面に前記連結部
   (7)が回動自在に、脱落不能に係合してスリーブ(5)を連
   結する突入孔(11)が穿設され、内側壁に前記螺合突部
   (4)が螺合する螺旋溝(13)を螺設した螺旋筒(10)と、 該螺旋筒(10)が下方より挿入止着され、上部に外径が縮
   小して、キャップ(18)が抜脱自在に嵌合する嵌合部(16)
   を設けた薄肉金属製の外筒(15)と、 より構成される事を特徴とする棒状化粧料繰り出し容
   器。