JPH0610868U

JPH0610868U - 液体吸排装置

Info

Publication number: JPH0610868U
Application number: JP5351692U
Authority: JP
Inventors: 孝一若竹
Original assignee: 株式会社ニッテク
Priority date: 1992-07-08
Filing date: 1992-07-08
Publication date: 1994-02-10

Abstract

(57)【要約】【目的】ピペットによる液体吸引量を極めて正確に測
定して、測定精度に対する信頼性を向上させる。【構成】液体吸排装置を、液体吸引位置の上部にピペ
ットを固定配置すると共に、該液体吸引位置にセットさ
れた容器を昇降装置を介して上昇させることで液体をピ
ペットで吸引するように構成し、かつ、上記昇降装置
は、上記ピペットが容器内の液体と接触した後、該ピペ
ットが所要量の液体を吸引するまで上昇するように駆動
制御して構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、生化学的分析や免疫学的分析を行う自動分析装置における検体や試薬の吸引量を保証する機能を備えた液体吸排装置に関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】

周知のように、上記自動分析装置には、検体や試薬を吸引するピペットが配設されており、この中には、液面高さを液面手段によって検出し、この液面高さに従って上記ピペットを下降させることで、ピペットが液体を確実に吸引したか否かを判別するように構成されてなる液体吸排装置が従来から公知である。

【０００３】しかしながら、ピペットが下降するように構成されてなる上記従来の液体吸排装置にあっては、上記したように、ピペットが液体を吸引したか否かを液面検知手段によって確認するだけの構成であるため、ピペットによる液体吸引量を正確に測定することができず、その結果、液体吸引量にバラツキが生じて測定精度に対する信頼性が損なわれる、という問題を有していた。

【０００４】この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、ピペットによる液体吸引量を正確に測定して、測定精度に対する信頼性を大幅に向上させることができる液体吸排装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案にあっては、液体吸排装置を、液体吸引位置の上部にピペットを固定配置すると共に、該液体吸引位置にセットされた容器を昇降装置を介して上昇させることで液体をピペットで吸引するように構成し、かつ、上記昇降装置は、上記ピペットが容器内の液体と接触した後、該ピペットが所要量の液体を吸引するまで上昇するように駆動制御されていることを特徴とするものである。

【０００６】

【実施例】

以下、添付図面に示す一実施例に基づき、この考案を詳細に説明する。

【０００７】図１に示すように、この実施例に係る液体吸排装置１は、液体吸引位置の上部に固定配置されたピペット２と、上記液体吸引位置において液体が収容された容器３を上昇させる昇降装置４と、から構成されている。

【０００８】ピペット２は、公知のピペットと同様、細径の金属製パイプで注射針状に形成されていると共に、該ピペット２自体が液面センサーとして機能するように構成されている。勿論、このピペット２の液体吸引量は、その内径と高さとの相関関係によって予め正確に算出されており、該液量情報は高知のマイクロプロセッサ（ＭＰＵ）などで構成されてなる制御装置５に予め入力され記憶されている。

【０００９】即ち、上記ピペット２は、例えば、容器３内に収容された液体６と空気との電位差を検知してピペット２が液と接触しているか否かを判別し、該情報を制御装置５へと自動的に入力するように構成されている。勿論、このピペット２を、液面からの反射信号を受信して液面を検知する公知の液面センサーで構成し、或は、該ピペット２と並設される電極体によって液面を検知する公知の電極式液面センサーで構成してもよい。尚、図１中、符号１３は上記ピペット２の上端部に連通接続されたチューブを示しており、該チューブ１３の上端は切換バルブ１４を介して吸排ポンプ１５に連通接続されているとともに、該吸排ポンプ１５には洗浄水漕１６からの洗浄水を供給する洗浄ライン１７が連通接続されている。

【００１０】昇降装置４は、図１からも明らかなように、離間して配設された一対のプーリ７，８と、このプーリ７，８に巻回されたエンドレスベルト９と、上記エンドレスベルト１９に連結された容器載置体１１と、上記プーリ７を正逆回転させるパルスモータ１２と、から構成されており、上記パルスモータ１２を回転制御することで上記容器載置台１１が段歩的ではなく連続的な動作で上昇し或は下降するように構成されている。

【００１１】制御装置５は、容器３が上昇してピペット２の先端部２ａが液と接触すると、このピペット先端部２ａが最初に液と接触した容器３の高さ位置Ｔ₁ を記憶し、次に、予め制御装置５に入力されている当該液体の吸引液量情報（以下、絶対吸引量Ｑという。）に基いて上記昇降装置４を駆動させて、ピペット２による液面の下降に従動して容器３を連続的に上昇させ、上記ピペット先端部２ａが常に液中に浸漬した状態を保つように上記昇降装置４を駆動制御する。

【００１２】このようにして、上記容器３が液面高さに従動して上昇し、絶対吸引量Ｑに相当する高さ位置まで容器３が上昇すると、制御装置５は上記昇降装置４の作動を停止させ、該停止高さ位置Ｔ₂ を記憶する。

【００１３】このようにして容器３が上記高さ位置Ｔ₁ から停止高さ位置Ｔ₂ まで移動する間にピペット２に吸引される見かけ上の液体量Ｑ’は、Ｑ’＝Ｔ₁ −Ｔ₂ で求めることができるが、実際には、図２に示すように、ピペット２が液に浸漬している状態では、微量ではあるが表面張力による液の盛り上がりがあり、この液体の表面張力量εを無視することは、絶対吸引量Ｑとの間に誤差が生じる。

【００１４】そこで、上記制御装置５は、予め液体の表面張力量εを一定値として求めておいて、これを記憶しておき、上記見かけ上の液体量Ｑ’が計測されると、該見かけ上の液体量Ｑ’に液体の表面張力量εを加算して、絶対吸引量Ｑ＝Ｔ₁ −Ｔ₂ ＋ε を求めるように演算処理する。

【００１５】従って、上記容器３は、上記高さ位置Ｔ₁ から上昇を開始して前記停止高さ位置Ｔ₂ に到達する直前の高さ位置Ｔ₃ で正確に停止するように上昇制御される。尚、この高さ位置Ｔ₃ は、予め上記液体の表面張力量εを液面高さ寸法に換算して求められている。

【００１６】次に、以上のように駆動制御される液体吸排装置１による液体吸引量の保証システムについて説明する。

【００１７】液体６が収容された容器３がピペット２の真上にセットされると、制御装置５は、パルスモータ１２を駆動させて容器３をピペット２方向へと上昇させ、ピペット先端部２ａを液体６内に浸漬させる。

【００１８】このとき、制御装置５は、ピペット先端部２ａが最初に液と接触した容器３の高さ位置Ｔ₁ を記憶すると共に、予め制御装置５に記憶されている絶対吸引量Ｑの情報に基いて容器３を連続的に上昇させ、上記ピペット先端部２ａが常に液中に浸漬した状態を保つように上記パルスモータ１２を駆動制御する。

【００１９】このようにしてピペット２による液体の吸引を連続的に行いながら容器３が上昇し、容器３が前記高さ位置Ｔ₃ に到達すると、上記制御装置５はパルスモータ１２の駆動を停止させ、かつ、上記吸排ポンプ１５の吸引作動を停止させる。

【００２０】この後、上記制御装置５は、パルスモータ１２を逆作動させて容器３を下降させて原高さ位置まで復動させた後、上記パルスモータ１２の作動を停止させると共に、ピペット２を図示外の駆動装置によって上記液体吸引位置から液体吐出位置まで移送させ、該液体吐出位置では、公知の液体吸排装置と同様に、吸引した液体６を他の容器（図示せず）へと吐出させ、次に、洗浄位置までピペット２を移送させて洗浄処理を行わせ、該洗浄作業が終了したピペット２を再び上記液体吸引位置まで移送させるように駆動制御する。このピペット２の移送制御中に、上記液体吸引位置には、新たな容器が搬入される。

【００２１】それ故、この実施例に係る液体吸排装置にあっては、容器３が上昇してピペット先端部２ａが液体と最初に接触したときに、吸引すべき液の存在を確認することができ、次に、容器３が上昇することで、液体６の吸引動作の確認を自動的に行うことができ、そして、上記ピペットによる液体吸引量の精度は、制御装置５による上記演算処理によって正確に求められるため、従来は、全く行われていなかった液体吸引量の精度保証を高精度に実現することができる。

【００２２】尚、この考案にあっては、容器３を昇降させる昇降機構を図示の機構に限定するものではなく、公知の各種駆動機構を適宜応用して適用することができること勿論である。

【００２３】

【考案の効果】

この考案に係る液体吸排装置は、以上説明したように構成したので、ピペットによる液体吸引量を極めて正確に測定することができ、その結果、測定精度に対する信頼性を大幅に向上させることができると共に、構成が簡易であるのでコストの削減を図ることができる、という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る液体吸排装置の構成
を示す概略説明図である。

【図２】同液体吸排装置のピペット先端部と液体との浸
漬状態を拡大して示す部分説明図である。

【符号の説明】

１液体吸排装置２ピペット２ａピペット先端部３容器４昇降装置５制御装置Ｔ₁ 液面検知手段が最初に液と接触した容器の高さ位
置Ｔ₂ 液体吸引後の容器の高さ位置Ｔ₃ 表面張力量に相当する容器の高さ位置 ε 液体の表面張力量ε

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】液体吸引位置の上部にピペットを固定配
置すると共に、該液体吸引位置にセットされた容器を昇
降装置を介して上昇させることで液体をピペットで吸引
するように構成され、かつ、上記昇降装置は、上記ピペ
ットが容器内の液体と接触した後、該ピペットが所要量
の液体を吸引するまで上昇するように駆動制御されてい
ることを特徴とする液体吸排装置。