JPH06104766B2 - 表面保護材料の背面処理層用組成物およびそれを用いた耐熱性表面保護材料 - Google Patents

表面保護材料の背面処理層用組成物およびそれを用いた耐熱性表面保護材料

Info

Publication number
JPH06104766B2
JPH06104766B2 JP7253388A JP7253388A JPH06104766B2 JP H06104766 B2 JPH06104766 B2 JP H06104766B2 JP 7253388 A JP7253388 A JP 7253388A JP 7253388 A JP7253388 A JP 7253388A JP H06104766 B2 JPH06104766 B2 JP H06104766B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
protective material
copolymer
surface protective
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7253388A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01245043A (ja
Inventor
一夫 泰磨
孝 仮名田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimori Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fujimori Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimori Kogyo Co Ltd filed Critical Fujimori Kogyo Co Ltd
Priority to JP7253388A priority Critical patent/JPH06104766B2/ja
Publication of JPH01245043A publication Critical patent/JPH01245043A/ja
Publication of JPH06104766B2 publication Critical patent/JPH06104766B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、合成樹脂板や金属板などの板体の表面に貼着
してその表面を保護するための表面保護材料における背
面処理層を形成するための組成物、および該組成物を用
いた耐熱性を有する表面保護材料に関するものである。
従来の技術 合成樹脂板や金属板などの板体は、その表面が平滑で美
麗であることが製品価値上重要である。そこで、これら
の板体の保存中や輸送中にその表面が傷つけられること
を防止するために、板体表面に表面保護材料を貼着する
ことが広く行われている。
この目的の表面保護材料として、紙基材の一方の面に感
圧粘着剤(単に粘着剤とも言い、感圧接着剤とも言う)
層を設け、他方の面に剥離剤層を形成した表面保護材料
が知られている。片面に剥離剤層を設けるのは、この表
面保護材料をロール状に巻き取ったときに感圧粘着剤層
が紙基材の背面に粘着して解除(繰り出し)不能になる
ことを防止するためである。
ここで感圧粘着剤としては、天然ゴムラテックスなどの
感圧粘着剤が用いられている。また剥離剤層としては、
セラックやオルガノポリシロキサンのコーティング層、
ポリエチレンの溶融被覆層などが用いられている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、剥離剤層としてセラックを塗布成層した
表面保護材料は、使用する感圧粘着剤との易剥離性を確
保することが難しいこと、セラックは天然物であるため
品質が一定しない上、価格的に高価であることなどの問
題点がある。
剥離剤層としてオルガノポリシロキサンと塗布成層した
表面保護材料にあっては、剥離性は良好であるものの、
塗布されたオルガノポリシロキサンが保存中にしだいに
感圧粘着剤層に移行して板体との接着性を低下させた
り、板体表面へオルガノポリシロキサンが移行して板体
の表面張力を低下させるという問題点がある。
剥離剤層としてポリエチレン層を設けた表面保護材料に
あっては、剥離性がやや劣ること、板体を表面保護材料
と共に切削加工するときに静電気が発生して切り屑が板
体に付着すること、板体に表面保護材料を貼着後、保
管、輸送のために堆積すると、ポリエチレン層が互いに
合わさるため滑りにくいこと、表面保護材料を板体から
剥がすときに紙基材の紙層から割れる層間剥離現象を生
じやすいことなどの問題点がある。
そこで本発明者らは、上記のような従来の問題点を克服
すべく、背面処理層を、カルボキシル基含有酢酸ビニ
ル系共重合体からなる内側層と脂肪族系剥離剤からなる
外側層との複層(特願昭62−294372号)、あるいは、
カルボキシル基含有酢酸ビニル系共重合体と脂肪族系剥
離剤との組成物(特願昭62−308319号)で構成すること
を案出し、上記問題点をほぼ解決しえたが、アクリル板
などの板体を表面保護材料と共に切削加工するとき、そ
の切削加工時に発生する熱により背面処理層が軟化して
切削屑が接着し、加工作業中や輸送中に板体を傷つける
おそれがまだ残っていた。
本発明は、本出願人の出願にかかる上記特願昭62−2943
72号および特願昭62−308319号の発明をさらに発展させ
たものであり、耐熱性を有する背面処理層用組成物を提
供すること、および該組成物を用いた耐熱性表面保護材
料を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 [表面保護材料の背面処理用組成物] 本発明の第1の背面処理用組成物は、カルボキシル基含
有酢酸ビニル系共重合体(a)および該共重合体(a)
と反応しうる硬化剤(b)からなり、共重合体(a)と
硬化剤(b)との配合割合が重量比で99:1〜80:20であ
るものである。
本発明の第2の背面処理用組成物は、カルボキシル基含
有酢酸ビニル系共重合体(a)、該共重合体(a)と反
応しうる硬化剤(b)および脂肪族系剥離剤(c)から
なり、共重合体(a)と硬化剤(b)との配合割合が重
量比で99:1〜80:20であり、共重合体(a)と硬化剤
(b)との合計量と脂肪族系剥離剤(c)との配合割合
が重量比で99:1〜1:99であるものである。
上記においてカルボキシル基含有酢酸ビニル系共重合体
(a)としては、酢酸ビニルとエチレン性不飽和カルボ
ン酸系化合物との共重合体、あるいはこれらのモノマー
成分と共に他のモノマーを併用して重合した共重合体が
あげられる。該共重合体は、ランダム共重合体、ブロッ
ク共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。ま
た、酢酸ビニル系ポリマーにエチレン性不飽和カルボン
酸系化合物をグラフト共重合したり、カルボン酸アルキ
ル基を有する酢酸ビニル系共重合体を加水分解すること
によりカルボキシル基を現出させるようにしてもよい。
上記中、エチレン性不飽和カルボン酸系化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボ
ン酸またはその塩;マレイン酸、フマール酸、イタコン
酸などの不飽和ジカルボン酸またはそのハーフエステ
ル、塩;マレイン酸、イタコン酸などのシス型不飽和ジ
カルボン酸の無水物などがあげられる。上記中、他のモ
ノマーとしては、エチレン、プロピレンなどのα−オレ
フィン;エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル、エ
チレン性不飽和ジカルボン酸ジエステル;ヒドロキシア
ルキルアクリレートまたはメタクリレート;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル;アクリルアミド、メタク
リルアミド;酢酸ビニル以外のビニルエステル;ビニル
アルコール;ビニルエーテル;スチレン系モノマー;塩
化ビニル;などが例示できる。
エチレン性不飽和カルボン酸系化合物の共重合割合は、
0.1〜50重量%程度、特に0.2〜20重量%程度が適当であ
り、このような範囲において所期の目的が最も効果的に
奏される。
上記共重合体(a)と反応しうる硬化剤(b)として
は、金属化合物(酢酸アルミニウム、酢酸クロム、酢酸
亜鉛、酸化亜鉛など)、クロムなどによる金属錯体、長
鎖アルキルクロム錯体、ポリイソシアネート、エポキシ
化合物、ポリアミン、アルカノールアミン、ポリイミ
ン、ポリオール、メラミン樹脂初期縮合物、フェノール
樹脂初期縮合物、尿素樹脂初期縮合物などがあげられ
る。
脂肪族系剥離剤(c)としては、長鎖炭化水素基を有す
る脂肪族ポリマーを含む剥離剤が用いられる。「長鎖」
とは、炭素数8以上の意味であり、通常は炭素数8〜18
のものが用いられる。
長鎖炭化水素基を有する脂肪族系ポリマーの例として
は、長鎖アルキルアクリレート共重合体、長鎖アルキル
ビニルエステル共重合体、長鎖アルキルビニルエーテル
共重合体、長鎖アルキルアミド共重合体、マレイン酸の
長鎖アルキル誘導体の共重合体、長鎖アルキルアリルエ
ステルの共重合体、OH基含有ポリマーの長鎖アルキルエ
ステル化物、OH基など活性水素を有するポリマーの長鎖
アルキルカーバメート(つまり長鎖イソシアネートとの
反応物)、ポリエチレンイミンと長鎖塩化アルキロイル
または長鎖アルキルイソシアネートとの反応物などがあ
げられる。
殊に、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体などのビニルアルコール系ポリマーのOH基
に長鎖塩化アルキロイルまたは長鎖アルキルイソシアネ
ートを反応させて得られるポリマーが本発明の目的に最
適である。
上記第1の組成物における共重合体(a)と硬化剤
(b)との配合割合は、固形分として、重量比で99:1〜
80:20、殊に98:2〜93:7の範囲から選択される。硬化剤
(b)の過少は耐熱性の不足を招き、硬化剤(b)の過
多は、未反応硬化剤が粘着剤面に転移して、合成樹脂板
表面の透明性を欠如させる。
上記第2の組成物における共重合体(a)と硬化剤
(b)との配合割合は、固形分として、重量比で99:1〜
80:20、殊に98:2〜93:7の範囲から選択される。硬化剤
(b)の過少または過多は上記と同様の不利を招く。ま
た、第2の組成物における共重合体(a)と硬化剤
(b)との合計量と脂肪族系剥離剤(c)との配合割合
は、固形分として、重量比が99:1〜1:99、殊に97:3〜5
0:50の範囲から選択される。脂肪族系剥離剤(c)の過
少は剥離性不足を招き、脂肪族系剥離剤(c)の過多は
紙基材(1)の層間剥離を十分には防止できなくなるお
それがある。
[耐熱性表面保護材料] 本発明の第1の耐熱性表面保護材料は、紙基材(1)の
一方の面に感圧粘着剤層(2)を有し、他方の面に背面
処理層(3)を有する表面保護材料において、前記背面
処理層(3)が、上記第1の組成物の塗布層を内側層
(3a)とし、脂肪族系剥離剤(c)の塗布層を外側層
(3b)とする複層で形成されていることを特徴とするも
のである。
本発明の第2の耐熱性表面保護材料は、紙基材(1)の
一方の面に感圧粘着剤層(2)を有し、他方の面に背面
処理層(3)を有する表面保護材料において、前記背面
処理層(3)が、上記第2の組成物の塗布層で形成され
ていることを特徴とするものである。
本発明の第3の耐熱性表面保護材料は、紙基材(1)の
一方の面に感圧粘着剤層(2)を有し、他方の面に背面
処理層(3)を有する表面保護材料において、前記背面
処理層(3)が、上記第2の組成物の塗布層を内側層
(3a)とし、脂肪族系剥離剤(c)の塗布層を外側層
(3b)とする複層で形成されていることを特徴とするも
のである。
紙基材(1)としては、両更クラフト紙、片艶クラフト
紙、上質紙などが用いられる。合成繊維との混抄紙や合
成繊維紙、不織布もここに言う紙基材に含まれるものと
する。これらの中では、両更クラフト紙や、平滑性の良
い片艶クラフト紙が特に重要である。紙基材(1)は、
その坪量が25〜80g/m2程度のものを用いるのが通常であ
る。
紙基材(1)の一方の面に設ける感圧粘着剤層(2)と
しては、ゴム系感圧粘着剤、アクリル共重合体系感圧粘
着剤などが用いられる。これらは、2種以上を混合して
用いることもできる。
ここでゴム系感圧粘着剤としては、天然ゴム、再生ゴ
ム、イソプレンゴム、ポリイソブチレン、スチレン−ブ
タジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−イソプレンースチレンブロック
共重合体、ブチルゴム、ポリビニルイソブチルエーテ
ル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、グラフトゴム、
シリコーンゴム、エチレン−プロピレンターポリマーな
どのエラストマーをベースポリマーとする各種の感圧粘
着剤やエチレン−酢酸ビニル共重合体系の感圧粘着剤が
用いられる。
アクリル共重合体系感圧粘着剤におけるアクリル共重合
体としては、アルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル
酸アルキルエステルやアルキル基の炭素数4〜12程度の
メタアクリル酸エステルなどガラス転移点の低いモノマ
ーを主成分とし、これにアルキル基の炭素数1〜3のア
クリル酸エステル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなど
のガラス転移点の高いモノマーや、ヒドロキシアルキル
メタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールア
クリルアミド、グリシジルメタクリレートなどの官能基
含有モノマーを共重合して得られる共重合体が用いられ
る。
感圧粘着剤層(2)には、必要に応じ界面活性剤、粘着
付与剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、帯電防止
剤、防カビ剤、充填剤、着色剤などを配合することがで
きる。
紙基材(1)への感圧粘着剤層(2)の塗布量は、乾燥
基準で5〜40g/m2程度、特に15〜30g/m2の範囲とするこ
とが多い。
本発明の第1の耐熱性表面保護材料における背面処理層
(3)は、上記第1の組成物の塗布層を内側層(3a)と
し、脂肪族系剥離剤(c)の塗布層を外側層(3b)とす
る複層で形成される。
第1図は、本発明の表面保護材料の一例を示した断面図
であり、(1)が紙基材、(2)が感圧粘着剤層、
(3)が背面処理層である。そして背面処理層(3)
は、内側層(3a)と外側層(3b)との複層から形成され
ている。
内側層(3a)の塗布量は乾燥基準で0.5〜20g/m2程度、
特に1〜15g/m2程度の範囲に設定するのが適当であり、
塗布量が余りに少ないと紙基材(1)の層間剥離現象を
十分に防止できず、一方塗布量が余りに多いと、柔軟性
が悪くなると共に、コスト的にも不利となる。
外側層(3b)の塗布量は乾燥基準で0.01〜1g/m2程度、
特に0.02〜0.5g/m2程度の範囲に設定するのが適当であ
り、塗布量が余りに少ないと剥離性が劣り、塗布量が余
りに多いと、剥離性過多となって表面保護材料をロール
状に巻回して保存するときずり現象を生じたり、過剰の
剥離剤が感圧粘着剤層(2)に移行して板体との接着性
が経時的に低下するおそれがある。
本発明の第2の耐熱性表面保護材料における背面処理層
(3)は、上記第2の組成物の塗布層で形成される。
第2図は、本発明の表面保護材料の他の一例を示した断
面図であり、(1)が紙基材、(2)が感圧粘着剤層、
(3)が上記第2の組成物の塗布層で形成された背面処
理層である。
背面処理層(3)を形成する上記(a)、(b)および
(c)よりなる第2の組成物の塗布量は、乾燥基準で、
1〜20g/m2程度、特に2〜10g/m2程度の範囲に設定す
る。この場合、(a+b)の割合が多いほど上記範囲内
で塗布量を多い目に、(c)の割合が多いほど上記範囲
内で塗布量を少な目に設定することが望ましい。
塗布量が余りに少ないときは、組成物中に占める(c)
の割合が少ない場合はもとより、その割合を多くしても
剥離性が不足するようになる。
一方塗布量が余りに多いときは、コスト的に不利になる
上、次に述べるような問題を生ずる。すなわち、組成物
中に占める(a+b)の割合が少なく(c)の割合が多
いときは、(a+b):(c)の比が上記範囲内にあっ
ても、剥離性過多となって表面保護材料をロール状に巻
回して保存するときずり現象を生じたり、過剰の剥離剤
が感圧粘着剤層(2)に移行して板体との接着性が経時
的に低下するおそれがあり、組成物中に占める(a+
b)の割合が多く(c)の割合が少ないときは、(a+
b):(c)の比が上記範囲内にあっても、柔軟性が悪
くなる。
本発明の第3の耐熱性表面保護材料における背面処理層
(3)は、上記第2の組成物の塗布層を内側層(3a)と
し、脂肪族系剥離剤(c)の塗布層を外側層(3b)とす
る複層で形成される。
第3図は、本発明の表面保護材料のさらに他の一例を示
した断面図であり、(1)が紙基材、(2)が感圧粘着
剤層、(3)が背面処理層である。そして背面処理層
(3)は、内側層(3a)と外側層(3b)との複層から形
成されている。
このように構成した場合、表面保護材料の剥離性は一段
と安定したものなる。
[表面保護材料の貼着対象] 本発明の耐熱性表面保護材料の貼着対象である板体とし
ては、アクリル板(つまりポリメチルメタクリレート
板)、塩化ビニル板、ポリカーボネート板、ポリスチレ
ン板、ABS板など押出成形や注型成形によって製造され
る単層の合成樹脂板;フェノール樹脂積層板、エポキシ
樹脂積層板、メラミン樹脂積層板、尿素樹脂積層板、不
飽和ポリエステル樹脂積層板、ケイ素樹脂積層板、フラ
ン樹脂積層板、ジアリルフタレート樹脂積層板などの主
として工業用の積層板;メラミン樹脂化粧フェノール樹
脂積層板、メラミン樹脂化粧アミノ樹脂積層板、メラミ
ン樹脂化粧合板、エポキシ樹脂化粧合板、フェノール樹
脂化粧合板、不飽和ポリエステル樹脂化粧合板、ジアリ
ルフタレート樹脂化粧合板、塩化ビニル樹脂化粧合板な
どの化粧合板;各種の塗装板;ステンレススチール板、
アルミニウム板などの金属板;などがあげられる。特に
アクリル板などの単層の合成樹脂板が重要である。
作用および発明の効果 第1〜3図に示した耐熱性表面保護材料は、通常ロール
状に巻回した状態で取り扱われる。板体の表面を保護す
るときは、表面保護材料の感圧粘着剤層(2)を板体表
面に向けて貼着すればよい。
本発明の耐熱性表面保護材料は、その背面処理層(3)
の組成および層構成に特徴がある。
すなわち、第1の表面保護材料の背面処理層(3)のう
ち内側層(3a)を形成する共重合体(a)(硬化剤
(b)で硬化されている)は、紙基材(1)の表層に浸
み込んで紙基材(1)の表層を補強し、板体から表面保
護材料を剥離するときに紙基材(1)が層間剥離するの
を防止する作用を示す。併せて、脂肪族系剥離剤(c)
からなる外側層(3b)のアンカーコート剤としての役割
を果たし、該外側層(3b)の平滑性、薄膜化、さらには
感圧粘着剤層(2)への移行防止にも貢献する。
第2の表面保護材料の背面処理層(3)を形成する組成
物中の共重合体(a)(硬化剤(b)で硬化されてい
る)は、紙基材(1)の表層に浸み込んで紙基材(1)
の表層を補強し、板体から表面保護材料を剥離するとき
に紙基材(1)が層間剥離するのを防止する作用を示
す。併せて、脂肪族系剥離剤(c)の担体としての役割
も果たし、該脂肪族系剥離剤(c)が感圧粘着剤層
(2)へ移行するのを防止する作用を示す。
第3の表面保護材料の背面処理層(3)は、脂肪族系剥
離剤(c)からなる外側層(3b)のアンカーコート剤と
して、本発明の第2の組成物からなる剥離性を有する内
側層(3a)を形成してあるので、剥離性能がより一層安
定するものである。
第1および第3の表面保護材料の背面処理層(3)のう
ち脂肪族系剥離剤(c)からなる外側層(3b)、あるい
は第2の表面保護材料の背面処理層(3)を形成する組
成物中の脂肪族系剥離剤(c)は、本発明の表面保護材
料をロール状に巻回した状態で保存しても、背面と接触
する感圧粘着剤層(2)の剥離を可能にする作用を示
す。また表面保護材料を貼着した板体を堆積したとき、
積み崩れを生じない範囲で適度の滑り性を付与する役割
を果たす。
そして先にも述べたように、第1、第2および第3の表
面保護材料の背面処理層(3)における脂肪族系剥離剤
(c)は、感圧粘着剤層(2)に移行し難いので、表面
保護材料の感圧粘着剤層(2)と貼着対象である板体と
の接着性が常に一定に保たれ、長期保存中も密着性−剥
離性のバランスが損なわれない。
加えて、共重合体(a)を硬化剤(b)で硬化してある
ので、好ましい耐熱性が得られ、その結果板体を表面保
護材料を貼着したままの状態で切削加工した場合、切削
加工時に発生する熱によっても背面処理層(3)の軟化
が起こらない。
結局、本発明の表面保護材料にあっては、カルボキシル
基含有酢酸ビニル系共重合体(a)(硬化剤(b)で硬
化されている)と脂肪族系剥離剤(c)との協力作用に
より、紙基材(1)の層間剥離の防止、保存時の品質の
安定化、板体に対する密着性と易剥離性とのバランス、
巻き取り製品の解除性(繰り出し性)および耐熱性が確
保されており、表面保護材料として要望される性質の全
て兼ね備えている。
実施例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下
「部」、「%」とあるのは重量基準で示したものであ
る。
実施例1 感圧粘着剤 2−エチルヘキシルアクリレート/メチルアクリレート
/無水マレイン酸/ヘキサメチレンジアミン系の市販の
エマルジョン型アクリル系感圧粘着剤溶液を用いた。
カルボキシル基含有酢酸ビニル系共重合体(a) サイデン化学工業株式会社製のサイビノールVM51(固形
分50%のメタノール溶液)を用いた。
硬化剤(b) トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンア
ダクト体の75%酢酸エチル溶液を用いた。
脂肪族系剥離剤(c) エチレンの共重合割合が30モル%のエチレン−ビニルア
ルコール共重合体10部をピリジン300部に分散させた
後、80℃まで加熱してから塩化ステアロイル80部を滴下
して反応させた。反応物を冷却後メタノール中へ注いで
析出させ、析出物をメタノール、ついで水で洗浄後、乾
燥粉砕した。これをトルエンに溶解して、トルエン溶液
を調製した。
表面保護材料 坪量50g/m2の両更クラフト紙からなる紙基材(1)の片
面に、ロールコーターを用いて前記の感圧粘着剤を塗布
し、熱風乾燥して感圧粘着剤層(2)を形成させた。塗
布量は、乾燥基準で25g/m2であった。
ついでこの紙基材(1)のもう一方の面に、まず前記の
共重合体(a)と硬化剤(b)との固形分の重量比が9
7:3の組成物の12%濃度のメタノール溶液を塗布乾燥し
て乾燥基準で6g/m2の内側層(3a)を形成させ、さらに
その上から前記の脂肪族系剥離剤(c)の1%濃度のト
ルエン溶液を塗布乾燥して乾燥基準で0.15g/m2の外側層
(3b)を形成させた。
測定、評価 上記で得た表面保護材料をロール状に巻き取り、種々の
温湿度環境に保存した。
この保存後の表面保護材料の感圧粘着剤層(2)側を板
体の一例としての厚さ3mmのアクリル板(ポリメチルメ
タクリレート板)に当てて、2kg荷重のゴムローラーで
圧着することにより貼着し、その接着力(剥離強度)を
測定した。
またその際、巻き取り製品の解除性(繰り出し性)を確
認した。さらに、表面加工材料をアクリル板に貼着した
まま切削加工したときの切削屑の接着の有無を観察し
た。
結果は第1表の通りであり、種々の温湿度環境で保存し
たにもかかわらず、密着性と剥離性とのバランスがとれ
ており、解除性、耐熱性も好ましいものであった。
比較例1 坪量50g/m2の両更クラフト紙からなる紙基材(1)の片
面に、ロールコーターを用いて実施例1の感圧粘着剤を
塗布し、熱風乾燥して感圧粘着剤層(2)を形成させ
た。塗布量は、乾燥基準で25g/m2であった。
ついでこの紙基材(1)のもう一方の面に、前記の脂肪
族系剥離剤(c)の1%トルエン溶液を塗布乾燥して、
乾燥基準で0.07g/m2の背面処理層(3)を形成させた。
結果は第2表の通りであり、温湿度環境の相違により接
着力が種々変動することがわかった。
参考例1 硬化剤(2)の配合のみ省略したほかは実施例1を繰り
返した。
結果は第3表の通りであり、密着性と剥離性とのバラン
ス、解除性は良好であったが、耐熱性が若干不足してい
た。
実施例2 感圧粘着剤 実施例1と同じエマルジョン型アクリル系感圧粘着剤を
用いた。
カルボキシル基含有酢酸ビニル系共重合体(a) 実施例1と同じサイビノールVM−51を用いた。
硬化剤(b) クロム錯体(キロンC「商品名」)を用いた。
脂肪族系剥離剤(c) 実施例1に記載された脂肪族系剥離剤を用いた。
表面保護材料 坪量50g/m2の両更クラフト紙からなる紙基材(1)の片
面に、ロールコーターを用いて前記の感圧粘着剤を塗布
し、熱風乾燥して感圧粘着剤層(2)を形成させた。塗
布量は、乾燥基準で25g/m2であった。
前記の共重合体(a)と硬化剤(b)との固形分の重量
比が97:3の組成物の12%濃度のメタノール溶液に、さら
に脂肪族剥離剤(c)を前記組成物90部に対して10部の
割合で添加混合し、これを上記紙基材(1)のもう一方
の面に塗布乾燥して乾燥基準で6g/m2の背面処理層を形
成した。
測定、評価 実施例1と同様にして測定評価を行った。その結果を第
4表に示したが、種々の温湿度環境で保存したにもかか
わらず、密着性と剥離性とのバランスがとれており、解
除性、耐熱性も好ましいものであった。
実施例3 坪量50g/m2の両更クラフト紙からなる紙基材(1)の片
面に、ロールコーターを用いて実施例1の感圧粘着剤を
塗布し、熱風乾燥して感圧粘着剤層(2)を形成させ
た。塗布量は、乾燥基準で25g/m2であった。
ついでこの紙基材(1)のもう一方の面に、共重合体
(a)、硬化剤(b)および脂肪族系剥離剤(c)(い
ずれも実施例2で用いたもの)を、 (a):(b)の固形分の重量比 97: 3 (a+b):(c)の固形分の重量比 90:10 の割合で含む濃度10%のメタノール−トルエン混合溶剤
溶液を塗布乾燥して、乾燥基準で5g/m2の内側層(3a)
を形成させ、さらにこの表面に脂肪族剥離剤(c)を外
側層(3b)として約0.15g/m2となるよう塗布形成した。
この表面保護材料につき、実施例1と同様の測定、評価
を行った。
結果は第5表の通りであり、種々の温湿度環境で保存し
たにもかかわらず、密着性と剥離性とのバランスがとれ
ており、解除性、耐熱性も好ましいものであった。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の表面保護材料の一例を示した断面図で
ある。 第2図は本発明の表面保護材料の他の一例を示した断面
図である。 第3図は本発明の表面保護材料のさらに他の一例を示し
た断面図である。 (1)…紙基材、(2)…感圧粘着剤層、(3)…背面
処理層、(3a)…内側層、(3b)…外側層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 31/04 LHC C09J 7/04 JHV JKT JLF //(C08L 31/04 33:02)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基含有酢酸ビニル系共重合体
    (a)および該共重合体(a)と反応しうる硬化剤
    (b)からなり、共重合体(a)と硬化剤(b)との配
    合割合が重量比で99:1〜80:20である表面保護材料の背
    面処理層用組成物。
  2. 【請求項2】カルボキシル基含有酢酸ビニル系共重合体
    (a)、該共重合体(a)と反応しうる硬化剤(b)お
    よび脂肪族系剥離剤(c)からなり、共重合体(a)と
    硬化剤(b)との配合割合が重量比で99:1〜80:20であ
    り、共重合体(a)と硬化剤(b)との合計量と脂肪族
    系剥離剤(c)との配合割合が重量比で99:1〜1:99であ
    る表面保護材料の背面処理層用組成物。
  3. 【請求項3】紙基材(1)の一方の面に感圧粘着剤層
    (2)を有し、他方の面に背面処理層(3)を有する表
    面保護材料において、前記背面処理層(3)が、請求項
    1記載の組成物の塗布層を内側層(3a)とし、脂肪族系
    剥離剤(c)の塗布層を外側層(3b)とする複層で形成
    されていることを特徴とする耐熱性表面保護材料。
  4. 【請求項4】紙基材(1)の一方の面に感圧粘着剤層
    (2)を有し、他方の面に背面処理層(3)を有する表
    面保護材料において、前記背面処理層(3)が、請求項
    2記載の組成物の塗布層で形成されていることを特徴と
    する耐熱性表面保護材料。
  5. 【請求項5】紙基材(1)の一方の面に感圧粘着剤層
    (2)を有し、他方の面に背面処理層(3)を有する表
    面保護材料において、前記背面処理層(3)が、請求項
    2記載の組成物の塗布層を内側層(3a)とし、脂肪族系
    剥離剤(c)の塗布層を外側層(3b)とする複層で形成
    されていることを特徴とする耐熱性表面保護材料。
JP7253388A 1988-03-26 1988-03-26 表面保護材料の背面処理層用組成物およびそれを用いた耐熱性表面保護材料 Expired - Fee Related JPH06104766B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7253388A JPH06104766B2 (ja) 1988-03-26 1988-03-26 表面保護材料の背面処理層用組成物およびそれを用いた耐熱性表面保護材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7253388A JPH06104766B2 (ja) 1988-03-26 1988-03-26 表面保護材料の背面処理層用組成物およびそれを用いた耐熱性表面保護材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01245043A JPH01245043A (ja) 1989-09-29
JPH06104766B2 true JPH06104766B2 (ja) 1994-12-21

Family

ID=13492080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7253388A Expired - Fee Related JPH06104766B2 (ja) 1988-03-26 1988-03-26 表面保護材料の背面処理層用組成物およびそれを用いた耐熱性表面保護材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06104766B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01245043A (ja) 1989-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5558913A (en) Primerless pressure-sensitive adhesive constructions
TW450889B (en) Release liner and pressure-sensitive adhesive sheet
EP0103407B1 (en) Composite decorative article
KR20000015828A (ko) 양면 코팅된 라벨 서체 용지_
KR20090126275A (ko) 박리시트 및 점착체
JP2002542332A (ja) 低粘着性バックサイズ組成物
JP2007126606A (ja) 表面保護フィルム用粘着剤組成物およびそれを用いた表面保護フィルム
JP4421039B2 (ja) 粘着剤組成物および粘着テープ
JP3030870B2 (ja) 両面粘着テープ
JP2000109754A (ja) コーティング組成物、プライマー、および接着構造
JPH06104766B2 (ja) 表面保護材料の背面処理層用組成物およびそれを用いた耐熱性表面保護材料
JPH06116536A (ja) 粘着テ─プ
JPH0438230B2 (ja)
JP2008201920A (ja) 金属化粧板用積層粘着シート
JP3719768B2 (ja) 表面保護フィルム
JP2001131503A (ja) 感圧接着シート
JP2001200218A (ja) 水はく離性両面テープ
JPH10147757A (ja) タイヤ用粘着シート
JPH0438229B2 (ja)
JP7406693B1 (ja) 研磨部材固定用両面粘着テープ、複層タイプの研磨パッド、トップパッドを定盤に固定する方法、および複層タイプの研磨パッドを定盤に固定する方法
JP2005089573A (ja) 粘着剤組成物
JP4235034B2 (ja) 剥離シートおよび粘着体
JPH1161062A (ja) クラフト粘着テープ
JPH11116908A (ja) 油面用粘着シート
JPH05230429A (ja) プライマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees