JPH06104561B2 - 黒鉛層間化合物 - Google Patents
黒鉛層間化合物Info
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- JPH06104561B2 JPH06104561B2 JP62177272A JP17727287A JPH06104561B2 JP H06104561 B2 JPH06104561 B2 JP H06104561B2 JP 62177272 A JP62177272 A JP 62177272A JP 17727287 A JP17727287 A JP 17727287A JP H06104561 B2 JPH06104561 B2 JP H06104561B2
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- graphite
- carbon
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- graphite intercalation
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、気相成長系炭素繊維からなる黒鉛繊維をベ
ース材料とする、導電性がきわめてすぐれた黒鉛層間化
合物に関するものである。
ース材料とする、導電性がきわめてすぐれた黒鉛層間化
合物に関するものである。
(従来の技術) 近年のエレクトロニクス技術の発展に併ない、静電気や
電磁波のシールド材料などに使用される導電性炭素繊維
には、軽量および高強度などの特徴と共に、一層すぐれ
た導電性が要求されている。
電磁波のシールド材料などに使用される導電性炭素繊維
には、軽量および高強度などの特徴と共に、一層すぐれ
た導電性が要求されている。
一般に、炭素繊維は、ポリアクリロニトリルやレーヨン
などの有機原料繊維を、約2500℃までの温度で炭化処理
することにより製造されてきたが、最近では、炭化水素
を金属または金属化合物の存在下で気相熱分解すること
により得られた気相成長系炭素繊維が、炭素六角網平面
が繊維軸に対して実質的に平行で、かつ年輪状に配向し
た結晶構造を有しており、これをさらに2500℃以上に熱
処理すれば、結晶構造が理想的に発達し、導電性がさら
に改良された黒鉛繊維が得られることが知られ(化学工
学会誌、第50巻、第3号、42〜49頁、1986年)、このよ
うな基板に依存しない気相成長系炭素繊維の連続製造法
も、特開昭58−180615号公報、特開昭60−54998号公報
および特開昭61−218661号公報などに開示されている。
などの有機原料繊維を、約2500℃までの温度で炭化処理
することにより製造されてきたが、最近では、炭化水素
を金属または金属化合物の存在下で気相熱分解すること
により得られた気相成長系炭素繊維が、炭素六角網平面
が繊維軸に対して実質的に平行で、かつ年輪状に配向し
た結晶構造を有しており、これをさらに2500℃以上に熱
処理すれば、結晶構造が理想的に発達し、導電性がさら
に改良された黒鉛繊維が得られることが知られ(化学工
学会誌、第50巻、第3号、42〜49頁、1986年)、このよ
うな基板に依存しない気相成長系炭素繊維の連続製造法
も、特開昭58−180615号公報、特開昭60−54998号公報
および特開昭61−218661号公報などに開示されている。
一方、黒鉛繊維の炭素網平面に、硝酸やアルカリ金属化
合物などの反応物質を侵入せしめることにより、前記炭
素網平面の構造をそのまま保持し、導電性がさらに飛躍
的に向上した黒鉛層間化合物が得られることが知られ
(特開昭59−179816号公報および特開昭60−21806号公
報)、この黒鉛層間化合物に対する電気材料的興味が高
まっている。
合物などの反応物質を侵入せしめることにより、前記炭
素網平面の構造をそのまま保持し、導電性がさらに飛躍
的に向上した黒鉛層間化合物が得られることが知られ
(特開昭59−179816号公報および特開昭60−21806号公
報)、この黒鉛層間化合物に対する電気材料的興味が高
まっている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上述した従来の黒鉛層間化合物は、基板
に微粒金属をシーディングし、基板に依存した形で製造
した炭素繊維をベース材料として使用しており、基板に
依存しないで製造された気相成長系炭素繊維、または基
板を使用しても微粒金属が浮遊する形で製造された炭素
繊維は、そのすぐれた結晶特性に反して、黒鉛層間化合
物を形成しにくいという欠点を有していた。
に微粒金属をシーディングし、基板に依存した形で製造
した炭素繊維をベース材料として使用しており、基板に
依存しないで製造された気相成長系炭素繊維、または基
板を使用しても微粒金属が浮遊する形で製造された炭素
繊維は、そのすぐれた結晶特性に反して、黒鉛層間化合
物を形成しにくいという欠点を有していた。
すなわち、第1図に示したように、気相成長系炭素繊維
Cは、その両端C1が半球状を呈しており、ほとんど中実
の断面を有していることから、これを熱処理すれば、そ
の結晶構造こそ発達するものの、その全体構造に変化を
生ずることがないため、反応物質の侵入性が劣り、黒鉛
層間化合物の形成が困難であるという問題を包含してい
たのである。
Cは、その両端C1が半球状を呈しており、ほとんど中実
の断面を有していることから、これを熱処理すれば、そ
の結晶構造こそ発達するものの、その全体構造に変化を
生ずることがないため、反応物質の侵入性が劣り、黒鉛
層間化合物の形成が困難であるという問題を包含してい
たのである。
この発明は、上記従来技術の問題点を解決するために検
討した結果、達成されたものである。
討した結果、達成されたものである。
したがって、この発明の目的は、気相成長系炭素繊維か
らなる黒鉛繊維をベース材料とする、導電性がきわめて
すぐれた黒鉛層間化合物を提供することにある。
らなる黒鉛繊維をベース材料とする、導電性がきわめて
すぐれた黒鉛層間化合物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) すなわちこの発明は、黒鉛繊維の炭素網平面内に、硝
酸、硫酸、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化合
物およびハロゲン化鉄から選ばれた反応物質が侵入し、
前記炭素網平面の構造がそのまま保持された黒鉛層間化
合物であって、炭素六角網平面が繊維軸に対して実質的
に平行でかつ年輪状に配向した結晶構造を有する気相成
長系炭素繊維を熱処理してなり、かつこの熱処理前また
は後に、前記繊維の長さが1/2以下になるように粉砕し
た黒鉛繊維をベース材料として用い、このベース材料に
前記反応物質を侵入せしめてなることを特徴とする黒鉛
層間化合物をその要旨とするものである。
酸、硫酸、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化合
物およびハロゲン化鉄から選ばれた反応物質が侵入し、
前記炭素網平面の構造がそのまま保持された黒鉛層間化
合物であって、炭素六角網平面が繊維軸に対して実質的
に平行でかつ年輪状に配向した結晶構造を有する気相成
長系炭素繊維を熱処理してなり、かつこの熱処理前また
は後に、前記繊維の長さが1/2以下になるように粉砕し
た黒鉛繊維をベース材料として用い、このベース材料に
前記反応物質を侵入せしめてなることを特徴とする黒鉛
層間化合物をその要旨とするものである。
以下、この発明の構成について、さらに詳細に説明す
る。
る。
この発明における気相成長系炭素繊維(以下、単に炭素
繊維と略称する)は、X線回析および電子顕微鏡の観察
により、炭素六角網平面が繊維軸に対して実質的に平行
で、かつ年輪状に配向した結晶構造を有しているもので
あり、たとえば炭化水素を気相熱分解することによって
得ることができる。
繊維と略称する)は、X線回析および電子顕微鏡の観察
により、炭素六角網平面が繊維軸に対して実質的に平行
で、かつ年輪状に配向した結晶構造を有しているもので
あり、たとえば炭化水素を気相熱分解することによって
得ることができる。
上記炭化水素としては、たとえばトルエン、ベンゼン、
ナフタレンなどの芳香族炭化水素およびプロパン、エタ
ン、エチレンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられ、な
かでもベンゼンおよびナフタレンが好ましく用いられ
る。
ナフタレンなどの芳香族炭化水素およびプロパン、エタ
ン、エチレンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられ、な
かでもベンゼンおよびナフタレンが好ましく用いられ
る。
上記気相熱分解は、上記炭化水素をガス化して、水素な
どのキャリアガスと共に、900〜1500℃の温度で、超微
粒金属からなる触媒、たとえば粒径100〜300オングスト
ロームの鉄、ニッケルおよび鉄−ニッケル合金などを、
上記炭化水素の熱分解域に浮遊するように存在させ、基
板に依存しない形で接触分解させることにより行われ
る。
どのキャリアガスと共に、900〜1500℃の温度で、超微
粒金属からなる触媒、たとえば粒径100〜300オングスト
ロームの鉄、ニッケルおよび鉄−ニッケル合金などを、
上記炭化水素の熱分解域に浮遊するように存在させ、基
板に依存しない形で接触分解させることにより行われ
る。
このようにして得られる炭素繊維は、通常その直径が0.
05〜2μm、長さが1〜4000μmの範囲にある。
05〜2μm、長さが1〜4000μmの範囲にある。
この発明においては、その結晶構造をさらに発達させる
ために、上記炭素繊維を熱処理するが、この熱処理の前
または後に、前記繊維の長さが1/2以下になるように粉
砕することが重要である。
ために、上記炭素繊維を熱処理するが、この熱処理の前
または後に、前記繊維の長さが1/2以下になるように粉
砕することが重要である。
炭素繊維の粉砕には、ボールミル、ロータースピードミ
ル、カッティングミル、ホモジナイザー、振動ミルまた
はアトライタなどの粉砕機が用いられるが、なかでもボ
ールミル、ロータースピードミルおよびカッティングミ
ルの使用が好ましい。
ル、カッティングミル、ホモジナイザー、振動ミルまた
はアトライタなどの粉砕機が用いられるが、なかでもボ
ールミル、ロータースピードミルおよびカッティングミ
ルの使用が好ましい。
粉砕条件は適宜に選択することができるが、炭素繊維の
長さが1/2以下に粉砕される条件を設定すべきであり、
粉砕後の炭素繊維の長さが粉砕前の長さの1/2以上で
は、以下に説明する反応物質が繊維に侵入しににくなる
ため好ましくない。
長さが1/2以下に粉砕される条件を設定すべきであり、
粉砕後の炭素繊維の長さが粉砕前の長さの1/2以上で
は、以下に説明する反応物質が繊維に侵入しににくなる
ため好ましくない。
炭素繊維の熱処理条件としては、アルゴンなどの不活性
ガス雰囲気下に、2000〜3500℃、とくに2500〜3000℃の
温度で、20〜120分間、とくに30〜60分間加熱すること
が望ましい。
ガス雰囲気下に、2000〜3500℃、とくに2500〜3000℃の
温度で、20〜120分間、とくに30〜60分間加熱すること
が望ましい。
ここで、上記熱処理温度が2000℃未満では、炭素繊維の
結晶構造が十分に発達せず、3500℃を越える場合には、
それ以上結晶構造が発達しないため不経済である。
結晶構造が十分に発達せず、3500℃を越える場合には、
それ以上結晶構造が発達しないため不経済である。
また、上記熱処理時間が20分間未満では、熱処理効果が
不十分で、結晶構造のバラツキ度合いが大きくなり、12
0分間を越えても、それ以上の改善効果が得られない。
不十分で、結晶構造のバラツキ度合いが大きくなり、12
0分間を越えても、それ以上の改善効果が得られない。
なお、上記の粉砕は、炭素繊維を熱処理した後で行うの
がより好ましい。
がより好ましい。
かくて得られる粉砕黒鉛繊維は、炭素六角網平面が繊維
軸に対して実質的に平行で、かつ年輪状に配向した結晶
構造を有している上、粉砕されて反応物質が侵入しやす
い形となっているために、容易に黒鉛層間化合物を形成
することができる。
軸に対して実質的に平行で、かつ年輪状に配向した結晶
構造を有している上、粉砕されて反応物質が侵入しやす
い形となっているために、容易に黒鉛層間化合物を形成
することができる。
そして、この発明の黒鉛層間化合物は、上記粉砕した黒
鉛繊維をベース材料として、これに硝酸、硫酸、アルカ
リ金属、アルカリ金属のハロゲン化合物およびハロゲン
化鉄から選ばれた反応物質を侵入せしめることによって
形成され、黒鉛繊維の炭素網平面内に前記反応物質が侵
入し、前記炭素網平面の構造がそのまま保持されたもの
である。
鉛繊維をベース材料として、これに硝酸、硫酸、アルカ
リ金属、アルカリ金属のハロゲン化合物およびハロゲン
化鉄から選ばれた反応物質を侵入せしめることによって
形成され、黒鉛繊維の炭素網平面内に前記反応物質が侵
入し、前記炭素網平面の構造がそのまま保持されたもの
である。
このようにして得られるこの発明の黒鉛層間化合物は、
ベース材料である粉砕黒鉛繊維の数倍〜十数倍の導電性
を有しており、たとえばこれをポリエチレン、ポリプロ
ビレン、ポリ塩化ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂、シ
リコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ
樹脂などの熱硬化性樹脂およびクロロプレンゴム、クロ
ルスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、アクリル
ゴムなどの合成ゴムなどの合成樹脂に混合分散させて、
導電性樹脂組成物を形成する用途以外にも、電池、水素
吸収材料および触媒材料などとしての各種電気材料とし
てきわめて有用である。
ベース材料である粉砕黒鉛繊維の数倍〜十数倍の導電性
を有しており、たとえばこれをポリエチレン、ポリプロ
ビレン、ポリ塩化ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂、シ
リコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ
樹脂などの熱硬化性樹脂およびクロロプレンゴム、クロ
ルスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、アクリル
ゴムなどの合成ゴムなどの合成樹脂に混合分散させて、
導電性樹脂組成物を形成する用途以外にも、電池、水素
吸収材料および触媒材料などとしての各種電気材料とし
てきわめて有用である。
(実施例の説明) 以下、この発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明す
るが、この発明はこれにより限定されるものではない。
るが、この発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1 1000〜1100℃に調節したたて型管状電気炉中に、粒径10
0〜300オングストロームの金属鉄粒子を浮遊させ、これ
にベンゼンと水素の混合ガスを導入して、分解させるこ
とにより、長さ10〜1000μ、直径0.1〜0.5μmの炭素繊
維を得た。
0〜300オングストロームの金属鉄粒子を浮遊させ、これ
にベンゼンと水素の混合ガスを導入して、分解させるこ
とにより、長さ10〜1000μ、直径0.1〜0.5μmの炭素繊
維を得た。
この炭素繊維を、遊星ボールミルP−5(フリッチュ・
ジャパン社製)に供し、モーター回転数1350rpm、ディ
スク回転数200回転、ポット回転数440回転の条件にて、
炭素繊維の長さが1/2以下となるまで20分間粉砕した。
ジャパン社製)に供し、モーター回転数1350rpm、ディ
スク回転数200回転、ポット回転数440回転の条件にて、
炭素繊維の長さが1/2以下となるまで20分間粉砕した。
次に、この粉砕炭素繊維を電気炉に入れ、アルゴンガス
雰囲気下に、2960〜3000℃の温度で30分間保持すること
により黒鉛化した。
雰囲気下に、2960〜3000℃の温度で30分間保持すること
により黒鉛化した。
得られた粉砕黒鉛繊維は、X線回析および電子顕微鏡の
観察により、炭素六角網平面が繊維軸に対して実質的に
平行で、かつ年輪状に配向した結晶構造を有しており、
長さが3〜5μmに粉砕されていることが判明した。
観察により、炭素六角網平面が繊維軸に対して実質的に
平行で、かつ年輪状に配向した結晶構造を有しており、
長さが3〜5μmに粉砕されていることが判明した。
このようにして得られた粉砕黒鉛繊維を、15℃の温度に
保った発煙硝酸(濃度:99%)中に投入し、容器を密閉
して1時間保持した。
保った発煙硝酸(濃度:99%)中に投入し、容器を密閉
して1時間保持した。
1時間経過後、硝酸中から黒鉛繊維を濾過分離し、蒸留
水により十分水洗した後、デシケータ中で24時間乾燥し
た。
水により十分水洗した後、デシケータ中で24時間乾燥し
た。
得られた硝酸処理黒鉛繊維(黒鉛層間化合物)につい
て、X線回析法により測定した結晶のc軸方向の繰返し
周期の長さ1c(単位:オングストローム)を測定した結
果、21.42であった。
て、X線回析法により測定した結晶のc軸方向の繰返し
周期の長さ1c(単位:オングストローム)を測定した結
果、21.42であった。
また、第2図に示した治具を用い、第3図に示したよう
に配線することにより、上記硝酸処理黒鉛繊維の見掛け
密度と体積固有抵抗の関係を測定し、その結果を第1表
に示した。
に配線することにより、上記硝酸処理黒鉛繊維の見掛け
密度と体積固有抵抗の関係を測定し、その結果を第1表
に示した。
すなわち、第2図および第3図において、内径1cmの絶
縁体製円筒2の一方の穴を、黄銅製の電極3Aで塞ぎ、他
方の穴から1gの硝酸処理黒鉛繊維を挿入する。
縁体製円筒2の一方の穴を、黄銅製の電極3Aで塞ぎ、他
方の穴から1gの硝酸処理黒鉛繊維を挿入する。
そして、その方向から直径1cmの黄銅製の電極3Bを挿入
し、10mAの電流を流すことにより、上記硝酸処理黒鉛繊
維の見掛け密度と体積固有抵抗の関係を下記の算式で測
定する。
し、10mAの電流を流すことにより、上記硝酸処理黒鉛繊
維の見掛け密度と体積固有抵抗の関係を下記の算式で測
定する。
見掛け密度=繊維の重さW×4/(直径D)2×π×厚さ
L[g/cm2] 体積固有抵抗ρ=(直径D)2×π×R/4×厚さL[Ω−
cm] 抵抗値R=測定電圧V/電流I[Ω] また、比較のために、未粉砕の黒鉛繊維(粉砕せずに熱
処理したもの)を硝酸処理したもの(比較例1)、およ
び粉砕のみを施し硝酸処理なしの黒鉛繊維(比較例2)
についても、上記と同様に見掛け密度と体積固有抵抗の
関係を測定し、その結果を第1表に併せて示した。
L[g/cm2] 体積固有抵抗ρ=(直径D)2×π×R/4×厚さL[Ω−
cm] 抵抗値R=測定電圧V/電流I[Ω] また、比較のために、未粉砕の黒鉛繊維(粉砕せずに熱
処理したもの)を硝酸処理したもの(比較例1)、およ
び粉砕のみを施し硝酸処理なしの黒鉛繊維(比較例2)
についても、上記と同様に見掛け密度と体積固有抵抗の
関係を測定し、その結果を第1表に併せて示した。
なお、上記結晶のc軸方向の繰返し周期の長さ1cの測定
結果は、比較例1および比較例2ともに3.534であっ
た。
結果は、比較例1および比較例2ともに3.534であっ
た。
第1表の結果から明らかなように、粉砕黒鉛繊維を硝酸
処理してなるこの発明の黒鉛層間化合物は、未粉砕の黒
鉛繊維を硝酸処理したもの(比較例1)および硝酸処理
しないもの(比較例2)に比較して、抵抗値がきわめて
低下し、すぐれた導電性を有している。
処理してなるこの発明の黒鉛層間化合物は、未粉砕の黒
鉛繊維を硝酸処理したもの(比較例1)および硝酸処理
しないもの(比較例2)に比較して、抵抗値がきわめて
低下し、すぐれた導電性を有している。
実施例2 実施例1と同様にして製造した炭素繊維を、ロータース
ピードミルP−14(フリッチュ・ジャパン社製)に供
し、ロータースピード20000rpm、ふるいリング0.08mmの
条件にて、炭素繊維の長さが1/2以下となるまで10秒間
粉砕した。
ピードミルP−14(フリッチュ・ジャパン社製)に供
し、ロータースピード20000rpm、ふるいリング0.08mmの
条件にて、炭素繊維の長さが1/2以下となるまで10秒間
粉砕した。
次に、この粉砕炭素繊維を実施例1と同様に熱処理する
ことにより、粉砕黒鉛繊維を得た。
ことにより、粉砕黒鉛繊維を得た。
得られた粉砕黒鉛繊維は、X線回析および電子顕微鏡の
観察により、炭素六角網平面が繊維軸に対して実質的に
平行で、かつ年輪状に配向した結晶構造を有しており、
長さが1〜4μmに粉砕されていることが判明した。
観察により、炭素六角網平面が繊維軸に対して実質的に
平行で、かつ年輪状に配向した結晶構造を有しており、
長さが1〜4μmに粉砕されていることが判明した。
このようにして得られた粉砕黒鉛繊維1を、第4図に示
したように、塩化第二鉄4と共にガラスアンプル6に入
れ、0.0001Toorの真空状態にして、Two−Bulb法にてイ
ンターカレーションを行った。
したように、塩化第二鉄4と共にガラスアンプル6に入
れ、0.0001Toorの真空状態にして、Two−Bulb法にてイ
ンターカレーションを行った。
なお、電気炉5の温度を調節することにより、粉砕黒鉛
繊維1側の温度をTF=275℃、塩化第二鉄4側の温度をT
1=185℃とし、反応は32時間行った。
繊維1側の温度をTF=275℃、塩化第二鉄4側の温度をT
1=185℃とし、反応は32時間行った。
このようにして得られた塩化第二鉄処理黒鉛繊維(黒鉛
層間化合物)について、見掛け密度と体積固有抵抗の関
係を測定した結果を第2表に示した。
層間化合物)について、見掛け密度と体積固有抵抗の関
係を測定した結果を第2表に示した。
また、比較のために、未粉砕の黒鉛繊維(粉砕せずに熱
処理したもの)を塩化第二鉄処理したもの(比較例3)
についても、上記と同上に見掛け密度と体積固有抵抗の
関係を測定し、その結果を第2表に併せて示した。
処理したもの)を塩化第二鉄処理したもの(比較例3)
についても、上記と同上に見掛け密度と体積固有抵抗の
関係を測定し、その結果を第2表に併せて示した。
第2表の結果から明らかなように、粉砕黒鉛繊維を塩化
第二鉄処理してなるこの発明の黒鉛層間化合物は、未粉
砕の黒鉛繊維を塩化第二鉄処理したもの(比較例3)に
比較して、抵抗値がきわめて低下し、すぐれた導電性を
有している。
第二鉄処理してなるこの発明の黒鉛層間化合物は、未粉
砕の黒鉛繊維を塩化第二鉄処理したもの(比較例3)に
比較して、抵抗値がきわめて低下し、すぐれた導電性を
有している。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、この発明の黒鉛層間化合物
は、気相成長系炭素繊維からなる黒鉛繊維をベース材料
とするにもかかわらず、黒鉛層間化合物の形成が良好に
達成されたものであり、きわめてすぐれた導電性を有し
ている。
は、気相成長系炭素繊維からなる黒鉛繊維をベース材料
とするにもかかわらず、黒鉛層間化合物の形成が良好に
達成されたものであり、きわめてすぐれた導電性を有し
ている。
したがって、この発明の黒鉛層間化合物は、各種合成樹
脂に混合分散させて導電性樹脂組成物を形成する用途以
外にも、電池、水素吸収材料および触媒材料などとして
の各種電気材料としてきわめて有用である。
脂に混合分散させて導電性樹脂組成物を形成する用途以
外にも、電池、水素吸収材料および触媒材料などとして
の各種電気材料としてきわめて有用である。
第1図は従来の気相成長系炭素繊維の断面説明図、第2
図は粉砕黒鉛繊維および黒鉛層間化合物の見掛け密度と
体積固有抵抗の関係を測定するために使用する治具の説
明図、第3図は同じく配線説明図、第4図は塩化第二鉄
処理黒鉛繊維(黒鉛層間化合物)を形成させるために使
用する装置の説明図である。 C……気相成長系炭素繊維 1……粉砕黒鉛繊維 2……絶縁体製円筒 3A……電極 3B……電極 4……塩化第二鉄粉末 5……電気炉 6……ガラスアンプル
図は粉砕黒鉛繊維および黒鉛層間化合物の見掛け密度と
体積固有抵抗の関係を測定するために使用する治具の説
明図、第3図は同じく配線説明図、第4図は塩化第二鉄
処理黒鉛繊維(黒鉛層間化合物)を形成させるために使
用する装置の説明図である。 C……気相成長系炭素繊維 1……粉砕黒鉛繊維 2……絶縁体製円筒 3A……電極 3B……電極 4……塩化第二鉄粉末 5……電気炉 6……ガラスアンプル
Claims (1)
- 【請求項1】黒鉛繊維の炭素網平面内に、硝酸、硫酸、
アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化合物およびハ
ロゲン化鉄から選ばれた反応物質が侵入し、前記炭素網
平面の構造がそのまま保持された黒鉛層間化合物であっ
て、炭素六角網平面が繊維軸に対して実質的に平行でか
つ年輪状に配向した結晶構造を有する気相成長系炭素繊
維を熱処理してなり、かつこの熱処理前または後に、前
記繊維の長さが1/2以下になるように粉砕した黒鉛繊維
をベース材料として用い、このベース材料に前記反応物
質を侵入せしめてなることを特徴とする黒鉛層間化合
物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62177272A JPH06104561B2 (ja) | 1987-07-17 | 1987-07-17 | 黒鉛層間化合物 |
US07/210,379 US4923637A (en) | 1987-06-24 | 1988-06-23 | High conductivity carbon fiber |
EP88110113A EP0296613B1 (en) | 1987-06-24 | 1988-06-24 | High conductivity carbon fiber |
DE8888110113T DE3877840T2 (de) | 1987-06-24 | 1988-06-24 | Kohlenstoffaser mit hoher leitfaehigkeit. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62177272A JPH06104561B2 (ja) | 1987-07-17 | 1987-07-17 | 黒鉛層間化合物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPS6424013A JPS6424013A (en) | 1989-01-26 |
JPH06104561B2 true JPH06104561B2 (ja) | 1994-12-21 |
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KR20020042673A (ko) * | 1999-09-09 | 2002-06-05 | 이데이 노부유끼 | 수소 흡장용 탄소질 재료와 그 제조 방법 및, 전지, 연료전지 |
-
1987
- 1987-07-17 JP JP62177272A patent/JPH06104561B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS6424013A (en) | 1989-01-26 |
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