JPH06104484A - 半導体素子 - Google Patents

半導体素子

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JPH06104484A
JPH06104484A JP5346993A JP5346993A JPH06104484A JP H06104484 A JPH06104484 A JP H06104484A JP 5346993 A JP5346993 A JP 5346993A JP 5346993 A JP5346993 A JP 5346993A JP H06104484 A JPH06104484 A JP H06104484A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色調の劣化、電流の大きさによる色の変化が
無く発光効率、外部量子効率の格段に向上した光半導体
素子及び低抵抗なオーミック電極を提供することを目的
とする。 【構成】 第1の発明による半導体素子は、炭素を構成
元素の一つとするIV族半導体層でpn接合を形成し、こ
の半導体層にVIa 族元素をドーピングしたことを特徴と
するものである。また、第2の発明による半導体用電極
は、VIa 族元素がドーピングされた炭素を構成元素の一
つとするn型導電型のIV族半導体層とを下地としてこれ
にオーミック接合する金属層からなることを特徴とする
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素を構成元素の一つと
する半導体層を用いた半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素を構成元素の一つとするIV族半導
体、特に炭化珪素(SiC)は2.2 〜3.2eV までの広い
禁制帯幅を持ち可視LED 、高電圧かつ高速用のスイッチ
ング素子に応用が期待されている。特に可視LED の分野
においては、pn接合型で青色の発光ができるため実用
レベルのLED の開発が行われている。
【0003】SiCのバンド構造は間接遷移型であるた
め、発光にはフォノンの吸収、放出を伴わなければなら
ない。このためバンド間発光遷移確率は非常に低く、従
来LED として使用するためには、ドナー(D)、アクセ
プター(A)間の遷移を使用するという方法が取られて
いた。しかしながら、この様な素子は、D、Aが占める
格子位置の距離の差によって、発光する光の波長が異な
るといった特徴をもっている。即ち、LED に於いては発
光が広い波長領域に広がるため、色調が悪くなるといっ
た欠点がある。また、DAペアー発光はLED に流す電流
の大きさにより、発光ピーク波長が異なり、電流の大き
さによって色が変化するという問題があった。このこと
はフルカラーのLED 表示素子の表示特性の劣化につなが
り大きな問題となっている。
【0004】また、SiCは広禁制帯幅であるため、導
電型決定不純物のレベルが深く、例えばSiC中のNは
100meV近くある。このため、ドナー不純物としてNをド
ーピングした場合、不純物濃度に対し、キャリアの活性
化率は低く、10%程度しか活性化しない。従って、n層
の高キャリア濃度の結晶を成長するには、ドーピングす
る不純物濃度をキャリア濃度よりも1桁以上高くする必
要がある。また、アクセプター不純物のAlはSiC中
において活性化エネルギーは200meVもある為、活性化率
は1%近くしかない。従って、p層の高キャリア濃度の結
晶を成長するには、ドーピングする不純物濃度をキャリ
ア濃度よりも2桁以上高くする必要がある。このため、
高キャリア濃度のn層或いはp層の結晶を得ようとする
と、余分の欠陥が発生し、この欠陥が電気的、光学的性
質が非常に低下するという要因になっていた。このよう
な欠点を補完するドーピング法としてp層を得るには複
合中心を使って浅いレベルを形成しようという試みがあ
るがドーパントの選択が容易でないという問題があっ
た。
【0005】また、従来、ジャーナル・オブ・ザ・エレ
クトロケミカル・ソサイアティー、111 、pp805(1964)
で報告されているようにCrを主成分とした溶媒からの
成長では、p型層、n型層が得られていた。しかし、結
晶中にドーピングのレベルを越える大量のCrが取り込
まれていると考えられ、結晶性を低下させていた。この
ため、キャリア濃度は高いのに、抵抗率は低くなく、実
用性にかけるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の炭素を構成元素の一つとする半導体素子においては、
低抵抗で良好なn型層或いはp型層の半導体層を得るこ
とができず発熱による素子の劣化、外部量子効率の低下
を招くという問題点があった。特に従来のSiC発光素
子では、発光ピーク波長が広がることによる色調の劣
化、電流の大きさにより発光波長が変わるため、色が変
化してしまうという問題点があった。また低抵抗なp型
層或いはn型層を形成できないため、炭化珪素LED の発
光領域は電極近くに限られており、電極により光が遮断
され光の取り出し効率が悪くなるといった問題点があっ
た。
【0007】そこで、本発明は、上記した問題点を解決
し、高キヤリア濃度で低抵抗なn型層或いはp型層を有
する炭素を構成元素の一つとする半導体素子を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明による半導体素子は、炭素を構成元素の
一つとする第1導電型の半導体層と、この第1導電型の
半導体層上に形成され炭素を構成元素の一つとする第2
導電型の半導体層とを具備し、前記第1導電型及び第2
導電型の半導体層のうち少なくとも一方の前記半導体層
にVIa 族元素がドーピングされていることを特徴とする
ものである。
【0009】第2の発明による半導体素子は、VIa 族元
素がドーピングされ炭素を構成元素の一つとするn型の
半導体層と、前記n型の半導体層表面に形成された金属
層とを具備することを特徴とするものである。
【0010】第3の発明による半導体素子は、炭素を構
成元素の一つとする第1導電型の半導体層と、この第1
導電型の半導体層上に形成され炭素を構成元素の一つと
する第2導電体型の半導体層とを具備し、前記第1導電
型の半導体層はV族元素またはIII 族元素とVIa 族元素
とが共に添加されていることを特徴とするものである。
【0011】第4の発明による半導体素子は、V族元素
またはIII 族元素とVIa 族元素とが共に添加され炭素を
構成元素の一つとする半導体層と、前記半導体層上に形
成された金属層とを具備することを特徴とするものであ
る。
【0012】第3或いは第4の発明において、前記半導
体層にVIa 族元素及びIII 族元素を共に添加した場合、
該半導体層は良好なp型導電性を示す。また、第3或い
は第4の発明において、前記半導体層にVIa 族元素及び
V族元素を共に添加した場合、該半導体層は良好なn型
導電性を示す。
【0013】本発明において、VIa 族元素としてCr、
Mo、W等が挙げられる。また、III 族元素としてB、
Al、Ga、In等が挙げられる。また、V族元素とし
てN、P、As等が挙げられる。
【0014】第1或いは第3の発明において、第1導電
型及び第2導電型の半導体層の間にi型導電型半導体層
や絶縁層などの層を挟むことができる。第2或いは第3
の発明において、良好なショットキー特性やオーミック
特性を有する半導体素子を提供できる。
【0015】本発明でいうVIa 元素のドーピング量とし
てはVIa 元素が格子点以外に入り込み転位、多結晶化の
発生を防ぐことを考えると5×1019/cm3 以下が望
ましい。
【0016】
【作用】本発明者らは、SiC、ダイアモンド等の炭素
を含むIV族半導体結晶成長の研究を進めた結果、Cr、
Mo、W等のVIa 族元素を添加した場合に、1020/cm3
のキャリア濃度であっても、結晶中の光吸収が余り増加
しない事、発光色の色調の劣化がみられない事、電流の
大きさによる波長のシフトがない事を見いだした。従
来、SiではVIa 族元素は添加されても深いレベルしか
できないため、添加不純物としては適したものではなか
った。しかし、本発明者の研究から、SiC、ダイヤモ
ンド等の炭素を構成物質の一つとする半導体では、これ
らの不純物は、浅いレベルをつくることが分かった。ま
た、SiC、ダイアモンド膜は作成時に大気の影響を受
け易い事が分かっている。従って炭素を構成元素の一つ
とするIV族半導体層中でVIa 族元素は大気成分(窒素、
酸素)または炭素との複合中心を形成し、浅いレベルを
形成していることが推定できる。
【0017】このことから、LED においては高いバンド
間光遷移確率を示し高い発光効率を得ることができ、ま
た、ドナーとして活性化率が格段に高いので低不純物濃
度で高キャリア濃度を実現できる。
【0018】また、液相法において、p層をSi溶媒の
成長時にCr、Mo、W等のVIa 族元素を添加した場合
に強いp型層が得られることが分かった。更に、n層を
Si溶媒の成長時にCr、Mo、W等のVIa 族元素を添
加した場合に強いn型層が得られることも分かった。本
発明者の研究から、SiC、ダイヤモンド等の炭素を構
成物質の一つとする半導体では、VIa 族元素とIII 族元
素或いはVIa 族元素とV族元素を同時に添加すると、VI
a 族元素は浅いレベルをつくることが分かった。また、
不純物分析結果からVIa 族元素は非常に局所的に取り込
まれており、このように分布した不純物が電気的特性を
よくしているとは考えにくいことから、VIa 族元素は欠
陥の中性化を行うか、成長時に触媒的な働きをしている
ことによると考えられる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図1
(a)〜(d)において本発明の第1の実施例であるS
iC:Cr発光ダイオードの作成方法を説明する。成長
方法としては液相成長法(LPE)を用いた。本実施例
では第1導電型としてn型、第2導電型としてp型を用
い、n型SiC層にドナーとしてVIa 族元素であるCr
を1×1019/cm3 ドーピングした。
【0020】まず、(0001)面を主面として切り出
したn型6HSiC基板11にLPE法で、VIa 族元素
であるCrをドーピングし、本実施例においては青色の
発光を得るために発光中心としてAlをごくわずかドー
ピングした炭素を構成元素の一つとするIV族半導体であ
るn型SiC層12を10μm成長する。その後、ドナ
ーとしてAlをドーピングした炭素を構成元素とするIV
族半導体であるp型SiC層13を10μm程度成長す
る(図1a)。
【0021】次に、裏面に成長したn型SiC層12、
p型SiC層13を研磨して除去し、更にCrをドーピ
ングした炭素を構成元素の一つとするIV族半導体である
高濃度n型SiC層14を2μm成長する(図1b)。
【0022】更に、表面に付着した高濃度n型SiC層
14を、研磨除去し、p型層を露出させる(図1c)。
その後、p型SiC層13の上には下からTi/Al電
極15を順次蒸着し、n層側には、Ni16を蒸着し、
電極パターンを形成した後、1000℃で2分熱処理を行い
オーミックコンタクトをとる(図1d)。Crドープの
n型SiC層12/p型SiC層13が第1の発明に係
る構成で、Crドープのn型SiC層14/Ni16が
第2の発明に係る構成である。
【0023】図2は本実施例と、本実施例においてCr
を添加せずドナーとしてNを添加した比較例のLED の発
光スペクトルを示す。実線で表されているのが本実施例
によるもので破線が比較例のものである。
【0024】比較例では、470nm 付近の発光とその長波
長側に幅の広い、発光が存在する。このため視覚的には
かなり白っぽい青色発光となる。しかし、本実施例のLE
D では460nm 付近の発光が強く、またそれより、短波長
側に強い発光ピーク21が得られ比較例より視覚的に良
い青色発光を示した。また、電流の強度を変えて光の色
を見たところ、比較例のものは破線全体が電流の強度に
よって前後にシフトしその色も大きく変化したが、本実
施例によるものは電流の強度を変化させても発光ピーク
21は前後にシフトせず、全体の色の変化もほとんど観
測されなかった。また、本実施例によるものは電流の強
さによって発光強度が制御できた。
【0025】図3に本実施例によるLED と比較例による
LED のエピタキシャル成長層における波長と透過率の関
係を示す。実線が本実施例を表し、破線が比較例を表し
ている。共に1019/cm3 のキャリア濃度となるように本
実施例ではCrを、比較例にはNをドーピングした。
【0026】比較例によるLED は不純物濃度が高く不純
物であるNの濃度は1×1020と高いが、本実施例による
ものは不純物であるCrの濃度は1×1019と1桁低い。
Crはほぼ100パーセントの活性化率を示している。
【0027】また、比較例では膜の色が緑色がかり特に
青色領域と赤色領域において光の吸収が大きかった。一
方本実施例によるものはグラフからも分かるとおり比較
例と比べると概ね2倍の透過率を示した。このことから
も発光効率が格段に向上している事が分かる。
【0028】図4に本発明と比較例の電圧・電流特性を
示す。実線が本実施例を表し、破線が比較例を表してい
る。比較例ではn型基板と電極との間の接触抵抗が高い
為、ダイオードは立ち上がり電圧が高く、また、立ち上
がり電圧以上でも、電流の増加特性が悪かった。この抵
抗はダイオード内での発熱要因となり、実用上、あまり
高い電流で使用することができない。また、比較例によ
るものは高抵抗であるため大きな電力損失要因となり、
外部量子効率を低下させる要因となっていた。一方本実
施例によるものは理想的なダイオード特性を示し、低抵
抗な電極が実現できたことを示している。本実施例によ
るものは比較例に対して1桁抵抗値が低くなった。ま
た、第2の発明に係るn型に対する電極に関してはCr
ドープ層を用いることによってオーミック性を改良する
ことができ、熱処理を必要としないでオーミック電極を
形成することもできる。
【0029】次に、LPE法を用いて、Crをドーピン
グしたn型SiC層を成長させ、その仕込量とキャリア
濃度の関係を測定した。図5は本実施例のドナーとして
Crを用いてn型SiC層を成長させたときと、比較例
としてドーパントにSi 34 を用いてNをドーピング
したときの仕込量とキャリア濃度との関係を示したもの
である。実線が本実施例を表し、破線が比較例を表して
いる。
【0030】比較例ではSi 34 を僅か0.3wt%いれた
だけでキャリア濃度は1020/cm 3 近くまで上昇する。こ
のため、Si 34 を添加物として用いると低いキャリ
ア濃度のエピ層を作るためには添加物の量が少なくなり
秤量が難しく1018/cm3 〜1017/cm3 の制御を行うこと
が非常に困難であった。これに対してCrを用いるとS
iC層に取り込まれる率は低いがドナーとして活性化す
る率は高いのでキャリア濃度の制御も比較的簡単にでき
る。
【0031】図6は本発明の第2の実施例であるLED の
断面図である。本実施例では第1導電型としてn型、第
2導電型としてp型を用い、n型SiC層はVIa 族元素
であるCrをドナーとしてドープした。
【0032】p型SiC基板61上に1×1019/cm
3 Crドープn型SiC層62、Crドープ高濃度n型
SiC層63を順次成長したものである。64はNi電
極、65はTi/Al電極で熱処理によってオーミック
コンタクトがとられている。p型SiC基板61/Cr
ドープn型SiC層62が第1の発明に係る構成で、n
型SiC層63/Ni電極64が第2の発明に係る構成
である。本実施例においても第1の実施例と同様の効果
を奏する。
【0033】図7は本発明の第3の実施例であるダイア
モンド発光素子である、p型ダイアモンド基板71上に
熱フィラメントCVD法によりCrドープn型ダイアモ
ンド膜72を成長させる。Crは原料ガスの上流側にお
いた固体を加熱することによりドーピングする。n側電
極として白金ペースト73、p側電極として銀ペースト
74を使用し熱処理によってオーミックコンタクトをと
る。発光層であるn型ダイアモンド膜72中にドナーと
してCrを導入することにより、従来困難であったn型
ダイアモンド層の作成が容易になり、発光効率が高くな
ることが確認された。また、本実施例においても第1の
実施例と同様の効果を示す。
【0034】図8は本発明の第4の実施例であるSiC
を用いて作成したMOS 型のトランジスタである。図にお
いて81はGaを含むp型のSiC基板である。82は
この基板81にAs及びCrをイオン注入する事により
作成したn型のSiC層である。このような構造にSi
2 膜83を周知のCVD法を用いて積層する。84は
Al膜で本トランジスタにおいてゲート電極となる。8
5はCr膜でn型SiC82に対するオーミック電極を
形成している。このような構造のpチャネル型トランジ
スタに対してその特性を調べたところソース電極、ドレ
イン電極における電気抵抗が低く抑えられスイッチング
スピード及び消費電力はCrをドープしないものと比べ
て格段に向上した。この様に本発明はLED 以外に各種半
導体装置のオーミック電極形成層としても使用する事が
できる。
【0035】なお、本発明は、IV族半導体にドープする
不純物としてCr、Mo、WのVIa族元素と従来使用
していたIII 族元素のN、P、AsやV族元素の
B、Al、Ga、Inの中で自由に組み合わせて用いる
事ができるもので効率の良いLED を作製する事ができ
る。また、Cr等のVIa 族元素だけを炭素を構成元素の
1つとするIV半導体層にドープした場合は、短波長側の
発光ピークが中心となり紫色のLED が作成できる。ま
た、p型層を発光層とした場合はp型層にアクセプター
層としてAl等の不純物をドープすると同時にCr等の
VIa 族元素をドープすることにより本発明の効果を十分
に発揮するものである。この場合、アクセプターの濃度
を越えない程度にVIa 族元素をドープすることが必要
で、例えばアクセプターとしてAlを2×1019/cm
3 、VIa 族元素としてCrを5×1018/cm3程度を
ドープしたp型SiCは良好な発光層となるものであ
る。また、本発明によるオーミック電極に使用する金属
はCr、Ni、Ta、Mo等が挙げられる。
【0036】次に、図9、図10において本発明の第5
の実施例であるSiC発光ダイオードのを説明する。図
9は本実施例のSiC発光ダイオードの断面図である。
成長方法としては図10に示すような温度差を設けた液
相成長法(LPE)を用いた。図中101はグラファイ
ト坩堝、102は熱シールド、103はSi溶媒、10
4はグラファイト支持台、105はホルダー、106は
水冷チャンバーである。
【0037】先ず、高純度グラファイト坩堝101の中
に、多結晶Siとドナー不純物としてSi量の0.003wt.
% の窒化珪素、発光中心として2wt.% のAlを入れ、1
650℃まで昇温する。グラフに示すように坩堝101
の中心部を高温、上下に向かう程低温になる様に調整し
ておき、(0001)面に切り出したn型6HSiC結
晶基板91を坩堝101の中心に置き基板表面をエッチ
ングする。その後、基板を、坩堝底部近くに置きn型S
iC層92を10μm成長する。
【0038】次に、坩堝101を代え、Si多結晶と、
VIa 族元素としてSi量の1wt.% のCr、アクセプター
不純物として2wt.% のAlを入れて、1650℃まで昇温す
る。n型SiC層92を成長したときと同様に、高温
域、低温域に順次置き、p型層としてAlとCrを共に
ドーピングしたp型SiC層93(キャリア濃度1×1
19cm-3)を10μm程度成長する。本方法ではn型
SiC層92の表面とn型6HSiC結晶基板91の裏
面にp型SiC層がエピタキシャル形成されるので、n
型6HSiC結晶基板91裏面に成長したエピタキシャ
ル層を研磨により除去する。
【0039】次に、p型SiC層93の上にはTi、A
l94を順次蒸着し、n型6HSiC結晶基板91側に
は、Ni95を蒸着し、電極パターンを形成した後、10
00℃で2分熱処理を行いオーミック接合させ電極とし
た。
【0040】図11は本実施例と比較例として、Crを
添加させないでAlのみ添加しp型層を形成した場合の
発光ダイオードのニア・フィールド・パターンである。
実線が本実施例を表し、破線が比較例を表している。
【0041】比較例ではp型層の抵抗が高い為、ダイオ
ードは電極近傍でしか発光せず、発光した光は電極で隠
されてしまい発光強度が悪かった。一方、本実施例では
発光領域は電極から遠く横方向に広がっているため、発
光強度も強かった。
【0042】また、比較例ではp型層は大変高抵抗とな
りダイオード内での発熱要因となり、実用上、余り高電
流で使用することができなかった。また、電力損失は大
きくなり、効率を低下させる要因となっていた。一方本
実施例によると、上記した諸特性は向上し、従来、困難
であった直列抵抗の低い、ダイオードを作成することが
できた。
【0043】図12は本発明の第6の実施例であるショ
ットキーダイオードの断面図である。成長装置は図10
に示したものを用いた。先ず、n型6HSiC結晶基板
121上にn型SiC層122をエピタキシャル成長し
た。この場合、ドナーとしてN、VIa 族元素としてCr
をシリコン溶媒に同時に添加した。キャリア濃度は1×
1017/cm3 である。
【0044】次に、n型6HSiC結晶基板121裏面
にNi電極124を蒸着し合金化を行って、オーミック
電極とし、n型SiC層122上にAu電極123を蒸
着してショットキー電極とした。
【0045】図13は本実施例と比較例としてCrを添
加させないでNのみ添加し同じキャリア濃度のn型層を
形成した場合のショットキーダイオードの電流・電圧特
性である。実線が本実施例を表し、破線が比較例を表し
ている。
【0046】比較例に比べ本実施例においては、逆方向
のブレークダウン特性が優れている。これは、本実施例
ではCrを添加することによってNのドナーとしての活
性化率が上がり、余分な不純物を結晶中に保持していな
いため、n型SiC層122の結晶欠陥が少ないためで
ある。
【0047】図12のショットキー接合を用いたショッ
トキーダイオードは紫外線検出器としても用いられる
が、本実施例によるものはN不純物は従来より1桁近く
低減でき、紫外線に対する感度も大幅に増加することが
期待できる。
【0048】図14は本発明の第7の実施例である(A
lN)x (SiC)y を用いたダブルヘテロ型発光ダイ
オードの断面図である。成長装置は図10に示したもの
を用いた。
【0049】先ず、n型6HSiC結晶基板141上
に、ドナー不純物としてNとVIa 族元素としてCrを添
加したn型(AlN)0.6 (SiC)0.4 層142(キ
ャリアー濃度1×1018/cm3 )をエピタキシャル成
長し、次に(AlN)0.5 (SiC)0.5 活性層143
(キャリアー濃度1×1016/cm3 )をエピタキシャ
ル成長した。次に、p型層として、アクセプター不純物
としてAlとVIa 族元素としてCrを添加したp型(A
lN)0.6 (SiC)0.4 層144(キャリアー濃度1
×1018/cm3 )をエピタキシャル成長した。
【0050】次に、p型(AlN)0.6 (SiC)0.4
層144の上にはTi、Al145を順次蒸着し、n型
6HSiC結晶基板141側には、Ni146を蒸着
し、電極パターンを形成した後、1000℃で2分熱処理を
行いオーミック接合させ電極とした。
【0051】この様に、本発明を用いることにより従来
困難であった、n型層及びp型層のキャリア濃度を高く
することができるようになり、発光効率の高いDH(ダ
ブルヘテロ)構造を作れるようになった。
【0052】図15は本発明の第8の実施例である紫外
CCDの断面図である。先ず、p型SiC結晶基板15
1表面にn型領域152を形成する。次に、この結晶基
板151上に熱酸化膜を形成する。その後、n型領域1
52の部分だけに選択的に穴をあけ、オーミック電極で
ある白金電極153を形成する。次に、この白金電極1
53上にドナー不純物としてNとVIa 族元素としてCr
を添加したn型SiCアモルファス半導体層154を形
成する。その後、Alで補償した高抵抗n型層155を
成長する。更に、この高抵抗n型層154上に、ドナー
不純物としてNとVIa 族元素としてCrを添加したワイ
ドギャップのAlN及びSiC混晶アモルファス層15
6を形成する。図中157は電荷転送用ゲート、158
はSiO絶縁膜である。
【0053】この様にして作成した各層の内、ドナー不
純物としてNとVIa 族元素としてCrを添加したn型S
iCアモルファス半導体層154と、AlN及びSiC
混晶アモルファス層156は低抵抗化を実現できた。
【0054】本実施例の紫外CCDは高感度であり、ま
た可視光に対し透明であるため、可視のCCDとの積層
構造で広い波長での画像をとらえることが可能になっ
た。次に、本発明の低抵抗半導体層を実現する方法とし
てMBE法によるSiC層の成長の方法を示す。図16
はMBE法の成長装置である。図中161はチャンバ
ー、162はヒータ、163はCr源である。
【0055】先ず、サセプター164にSiC基板16
5をセットし、このSiC基板165上にCr層166
を数原子層成長する。その後、アセチレン、ジシラン、
ドーピング用のトリメチルアルミニウムのガスを流し、
SiC層167を成長する。このときCr層はサーフェ
イス・マイグレイション(表面拡散)現象でSiC層1
67の成長表面に移動する。しかし一部のCrはSiC
層167の結晶中に取り残されて、アクセプター不純物
のAlとVIa 族元素のCrの両方がドーピングされた層
が成長する。このようにして成長した層は高キャリア濃
度のp型を呈することができる。
【0056】本願発明は上述した各実施例に限定される
ものではない。本発明は、添加物質として、Cr、M
o、W等のVIa 族元素と従来導電型決定不純物として使
用していたV族元素のN、P、AsやIII 族元素のB、
Al、Ga、Inの中で自由に組み合わせて用いること
ができるもので、余分な不純物を含まない効率の良い半
導体素子を作製することができる。その他本発明の趣旨
を逸脱することなく種々変形して使用することができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高キャリアー濃度、低抵抗のp型、n型導電型の半導体
層を実現でき各種半導体素子の性能向上に貢献できる。
特に色調が格段に向上し、電流の大きさによる色の変化
がないIV族半導体素子を実現でき、特にフルカラーLED
表示素子の表示特性の向上、表示できる色の範囲を大幅
に広げることができる。また、n型IV族半導体と金属の
オーミックコンタクトを非常に低抵抗で実現できるので
IV族半導体素子の特性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る発光ダイオード
の製造工程を表す断面図。
【図2】 本発明の第1の実施例に係る発光ダイオード
と比較例の発光ダイオードの波長と発光強度の関係を表
す図。
【図3】 本発明の第1の実施例に係る発光ダイオード
と比較例の発光ダイオードの波長と透過率の関係を表す
図。
【図4】 本発明の第1の実施例に係る発光ダイオード
と比較例の発光ダイオードの電圧・電流特性を表す図。
【図5】 本発明の第1の実施例に係る発光ダイオード
と比較例の発光ダイオードの添加物の仕込量とキャリア
濃度の関係を表す図。
【図6】 本発明の第2の実施例に係る発光ダイオード
の断面図。
【図7】 本発明の第3の実施例に係る発光ダイオード
の断面図。
【図8】 本発明の第4の実施例にかかるMOS 型トラン
ジスタの断面図。
【図9】 本発明の第5の実施例に係る発光ダイオード
の断面図。
【図10】 本発明に用いた結晶成長装置の説明図。
【図11】 本発明の第5の実施例に係る発光ダイオー
ドと比較例の発光ダイオードのニアフィールドパターン
を示す図。
【図12】 本発明の第6の実施例に係るショットキー
ダイオードの断面図。
【図13】 本発明の第6の実施例に係るショットキー
ダイオードと比較例のショットキーダイオードの電圧・
電流特性を表す図。
【図14】 本発明の第7の実施例に係る(AlN)x
(SiC)y を用いたダブルヘテロ型発光ダイオードの
断面図。
【図15】 本発明の第8の実施例に係る紫外線CCD
の断面図。
【図16】 本発明の一実施例であるMBE法によるS
iC層の成長の方法を示す図
【符号の説明】
11 n型SiC基板 12 Cr、Al添加SiCエピタキシャル層 13 p型SiC層 14 Cr添加n型SiC層 15 Ti/Al:電極層 16 Ni電極層 91 n型SiC基板 92 Cr、Al添加n型SiCエピタキシャル層 93 p型SiCエピタキシャル層 94 Ti/Al:電極層 95 Ni電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 27/148 31/108

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素を構成元素の一つとする第1導電型
    の半導体層と、 この第1導電型の半導体層上に形成され炭素を構成元素
    の一つとする第2導電型の半導体層とを具備し、 前記第1導電型及び第2導電型の半導体層のうち少なく
    とも一方の前記半導体層にVIa 族元素がドーピングされ
    ていることを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 VIa 族元素がドーピングされ炭素を構成
    元素の一つとするn型の半導体層と、 前記n型の半導体層表面に形成された金属層とを具備す
    ることを特徴とする半導体素子。
  3. 【請求項3】 炭素を構成元素の一つとする第1導電型
    の半導体層と、 この第1導電型の半導体層上に形成され炭素を構成元素
    の一つとする第2導電体型の半導体層とを具備し、 前記第1導電型の半導体層はV族元素またはIII 族元素
    とVIa 族元素とが共に添加されていることを特徴とする
    半導体素子。
  4. 【請求項4】 V族元素またはIII 族元素とVIa 族元素
    とが共に添加され炭素を構成元素の一つとする半導体層
    と、 前記半導体層上に形成された金属層とを具備することを
    特徴とする半導体素子。
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