JPH0610382U - 糸シート用糸切れ検出器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸シート中の糸切れを検出する。 【構成】 糸シート下方にジャンプバーを設置する一
方、ジャンプバー下流側の糸シート上方に光電式糸セン
サを設ける。 【効果】 糸切れした糸端は、ジャンプバーによって跳
ね上げられ、光電式センサによって、検出される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、糸シート中の糸切れを監視する糸切れ検出器の改良に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

普通、整経機や糊付機、乾燥機においては、多数の糸を同時に平行して走らせ 、シート状にして、処理を行う。しかし、あまりに多数の糸を同時に扱うので、 糸の数が多過ぎて糸の１本１本をそれぞれに監視することができず、その内の１ 本や２本が糸切れを起してもなかなか気がつかないという問題があった。

【０００３】 例えば、実開昭62-6394号公報には、投光器と受光器とを対向配置して光軸を 糸シートの下方に配置し、これによって糸切れを検出する装置が開示されている 。この装置は、糸切れを起して糸シートから垂れ下がってきた糸端がないかを監 視することによって糸切れを検出する装置である。しかし、この装置には、糸シ ート中の糸切れしていない糸の中でも弛んで懸垂してしまうものがあり、これが 光軸を遮って、糸切れの誤検出が頻発するという欠点があった。このため、当該 装置にあっては、光軸をあまり糸シートに近づけることができず、逆に今度は、 たとえ糸切れがあっても走行速度が速過ぎるなどの理由で糸端が糸シートからあ まり垂れ下がらないと、糸切れの検出漏れがでるという大欠点もあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来の糸シート中の糸切れ検出に上記の問題点があったことに鑑み てなされたもので、糸シート中の糸切れを精度良く検出できるようにすることを 技術的課題とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題解決のために本考案において採用した手段は、ジャンプバーを糸シー ト走行方向と交差するように糸シート下方に配置する一方、光電式糸センサを採 用して、その光軸をジャンプバーよりも下流側でかつ糸シート上方の位置に配置 し、以てシート中の糸切れを監視する検出器を構成するという手段である。

【０００６】 もし、糸シート中に糸切れがあり、切断糸端がジャンプバー配置箇所を通過し バーに接触すれば、切断糸端がジャンプバーによって跳ね上げられ、下流側に控 えた糸センサで検出できる。糸切れを起していない弛み加減の糸は、たとえジャ ンプバー配置箇所を通過してこれに接触し、上向きの力を受けても、前後からあ る程度の張力を受けているために、そう大きくは跳ね上がらない。このため、本 考案にあっては、大きく跳ね上げられた糸があるかないかを監視していれば、糸 切れの有無が検出できるのである。また、このような手法を採用すると、たとえ ジャンプバーを糸切れを起していない弛み加減の糸に接触してしまうような位置 に配置しても、この糸は前後からの張力によってそう大きくは跳ね上がらず、従 来のように誤検出が起きない。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を実施例に基づいて説明する。

【０００８】 クリールＫに仕掛けた多数の給糸体Ｙから、それぞれ糸を引き出し、３本のガ イドロールＲを介して経糸ビームＢに巻き取り、整経を行う。このとき、糸は、 ガイドロールＲによって同一面状に並べ揃えられて、糸シートＳを構成する。

【０００９】 この糸シートＳにおける糸切れを検出するため、最初の２本のガイドロールと 最後の１本のガイドロールとの間に、糸切れ検出器Ａを設置する。この糸切れ検 出器Ａは、糸シートに下方から接触するようにして配置されたジャンプバー１、 サポートバー３と、光軸2Lが糸シート上方に配置される光電式糸センサ２とによ って構成されており、実際に糸切れがあったときには、切断した糸端が垂れ下が った状態で走行し、やがてジャンプバー１によって跳ね上げられ、当該糸が光電 式糸センサ２の光軸2Lを横切ることとなるので、これを監視していれば、糸切れ が検出できる。このとき、光電式糸センサ２の光軸2Lは、糸シート走行方向を基 準として、ジャンプバー１よりも０〜２０cm程度下流側の位置に配置するのが良 い。なお、本実施例の光電式糸センサ２は、従来周知のものと大差なく、光軸2L は投光素子21と受光素子22との間に形成され、もし糸が光軸2Lを横切ると、投光 素子21から発せられて受光素子22で受光する光量が減少して、糸の存在が検出さ れるものである。

【００１０】 以上の実施例の他、糸シート走行方向からみてジャンプバー１の上流側で、糸 シートＳよりも下方の位置に、光軸4Lを持つ補助の光電式糸センサを配置して、 糸切れを起して糸シートから大きく垂れ下がった糸を補助的に検出するようにし たり、ジャンプバー１を糸シートＳよりも僅かに下方に設置して、糸切れして垂 れ下がってくる糸のみに接触して跳ね上げるようにすることも可能である。なお 、上記実施例のごときサポートバーは、必ずしも必要とされるものではない。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように、本考案の糸切れ検出器は、糸シート中の糸切れをミス少なく確 実に検出でき、従来品よりもはるかに信頼性が高い。したがって、本考案は、産 業上の利用価値がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の設置状況を説明する模式的側面図であ
る。

【図２】実施例の斜視説明図である。

【図３】実施例の作用を説明する模式的側面図である。

【図４】変形例の模式的側面図である。

【図５】変形例の模式的側面図である。

【符号の説明】

１ ジャンプバー ２ 光電式糸センサ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行する糸シート中のシート構成糸の糸
   切れを監視する検出器であって、糸シート走行方向と交
   差するように糸シート下方に配置されるジャンプバー
   と、糸シート走行方向を基準としてジャンプバーよりも
   下流側でかつ糸シート上方の位置に光軸が配置される光
   電式糸センサとから構成されることを特徴とする糸シー
   ト用糸切れ検出器。
2. 【請求項２】 糸シート走行方向を基準としてジャンプ
   バーよりも上流側でかつ糸シート下方の位置に光軸が配
   置される補助光電式糸センサを設けたことを特徴とする
   請求項１記載の糸シート用糸切れ検出器。