JPH06103631A - オーバーライト可能な光磁気記録再生方法およびそれに用いる光磁気記録再生装置および光磁気記録媒体 - Google Patents

オーバーライト可能な光磁気記録再生方法およびそれに用いる光磁気記録再生装置および光磁気記録媒体

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JPH06103631A
JPH06103631A JP24981792A JP24981792A JPH06103631A JP H06103631 A JPH06103631 A JP H06103631A JP 24981792 A JP24981792 A JP 24981792A JP 24981792 A JP24981792 A JP 24981792A JP H06103631 A JPH06103631 A JP H06103631A
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JP24981792A
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Jiichi Miyamoto
治一 宮本
Toshio Niihara
敏夫 新原
Masahiro Oshima
正啓 尾島
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Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で高密度な光磁気記録のオーバー
ライトを実現する。 【構成】 単一ビーム・オーバーライト用の交換結合し
た第1磁性層13と第2磁性層14を持つ光磁気記録媒
体を用い、キュリー温度の高い第2磁性層13側から再
生光を照射する。再生光照射前に初期化磁界により第2
磁性層13の磁化を揃えておく。再生光照射時に記録光
照射時とは大きさまたは向きの異なるバイアス磁界を印
加し、情報を記録した第1磁性層13の磁化を第2磁性
層14に転写しながら再生する。 【効果】 再生光スポットよりも小さな記録磁区を高分
解能で再生可能なオーバーライトが実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、単一の光ビームでオ
ーバーライトを行なうことができる光磁気記録再生方法
およびそれに用いる光磁気記録再生装置および光磁気記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる単一ビーム・オーバーライトが
可能な従来の光磁気記録媒体の一例を図14に示す。こ
の媒体は交換結合をした2層の磁性膜を備えたものであ
る。
【0003】この光磁気記録媒体は、図14(a)に示
すように、トラッキングのための案内溝を設けたガラス
等からなる透明基板1の上に、厚さ約90nmの窒化珪
素等からなる誘電体層2、厚さ約100nmのTbFe
Co等からなる第1磁性層3、厚さ約150nmのTb
DyFeCo等からなる第2磁性層4、および厚さ約2
00nmの窒化珪素等からなる保護層層5をこの順に積
層して構成されている。
【0004】誘電体層2は、基板1側から入射したレー
ザ光をその内部で多重反射させ、第1磁性層3で生じる
偏光面の回転(カー回転)を増大させる。第1磁性層3
は、光が透過しないように約100nmの膜厚としてあ
る。このため、入射したレーザ光は第2磁性層4には到
達せず、第1磁性層3の磁化状態のみを反映して偏光面
の回転を受ける。保護層5は、第1磁性層3と第2磁性
層4を酸化等の腐食から保護する。第2磁性層4は、第
1磁性層3と磁気的に交換結合しており、次のようにし
て単一ビーム・オーバーライトを行なうために用いられ
る。
【0005】第1磁性層3のキュリー温度Tc1’は第2
磁性層4のキュリー温度Tc2’よりも低く、また室温で
は、第2磁性層4の保磁力Hc2’は第1磁性層3の保磁
力Hc1’よりも小さくしてある。このため、永久磁石な
どにより初期化磁界HINI(ただしHc2’<HINI
c1’)を印加するだけで、第2磁性層4のみの磁化を
同じ向きに揃えることができる(図14(b1)、(b
2))。
【0006】永久磁石などにより記録バイアス磁界HBR
を印加しながら、この記録媒体に比較的小さな強度(低
レベルPL)のレーザ光を照射し、第1磁性層3の照射
箇所の温度がキュリー点を越えるようにすると、その照
射箇所の磁化は消滅する(図3(b3))。レーザ光の
照射終了後、冷却される際に磁化は再び現われるが、そ
の場合の磁化の向きは、両磁性層3、4が交換結合して
いるため、第2磁性層4の磁化の向きと同じになる(図
3(b4))。
【0007】記録バイアス磁界HBRを印加しながら、比
較的強度の大きなレーザ光(高レベルPH)を照射し、
第1磁性層3だけでなく第2磁性層4の温度もキュリー
温度を越えるようにすると、第1磁性層3および第2磁
性層4の照射箇所の磁化が消滅する(図3(b5))。
レーザ光の照射終了後、冷却される際に両層3、4の磁
化は再び現われるが、その場合、まず第2磁性層4の磁
化が現われ、その向きは記録バイアス磁界HBRの向きと
同じになる(図3(b6))。さらに冷却が進むと第1
磁性層3の磁化が現われるが、その向きは交換結合力に
より第2磁性層4の磁化の向きと同じになる(図3(b
7))。
【0008】したがって、図14(C)のように、レー
ザ光の強度を高レベルPHと低レベルPLの間で変調すれ
ば、それ以前の磁化の向きに関わらずに第2磁性層4の
磁化の向きを自由に設定することができる。つまり、い
わゆる単一ビーム・オーバーライトが可能となる。
【0009】この従来の光磁気記録媒体に記録された情
報を再生するには、記録情報を破壊しないように、図3
(c)に示すように、記録光の低レベル強度PLよりも
さらに低い強度PRの再生光をその光磁気記録媒体に照
射する。そして、その反射光の偏光状態が磁気光学効果
を受けて変化することを利用して情報を再生する。この
際、情報は第1磁性層3に記録されているため、再生光
も基板1側から第1磁性層3に向かって照射する。
【0010】このような光磁気記録媒体および光磁気記
録再生方法は、例えば特開昭62−175948号公報
に開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の光磁気記録
再生方法では、高密度(例えば約1.5Gb/in2
で情報を記録・再生しようとした場合に十分なS/N
(信号対雑音比)が得られないという問題がある。
【0012】そこで、この発明の目的は、例えば約1.
5Gb/in2程度の高密度で情報を記録・再生する場
合に高いS/Nの得られるオーバーライト可能な光磁気
記録再生方法およびそれに用いる光磁気記録再生装置お
よび光磁気記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明の光磁気記録再生方法は、光磁気記録
媒体に対して強度の異なる2種の記録光を照射した時
に、その光磁気記録媒体に記録される磁化情報が異なる
ことを利用して情報のオーバーライトを行なう光磁気記
録再生方法において、基板上に積層された第1磁性層お
よび第2磁性層を備え、それら第1磁性層および第2磁
性層は室温で互いに磁気的に結合しており、且つそれら
第1磁性層および第2磁性層のキュリー温度をそれぞれ
C1、TC2、室温での保磁力をそれぞれHC1、HC2とし
たとき、TC1<TC2、HC1>HC2である光磁気記録媒体
を用い、再生時に、記録時とは向きおよび強度の少なく
とも1つが異なるバイアス磁界を印加しながら再生光を
前記第2磁性層に照射し、それによって前記第1磁性層
に記録されている磁化情報を前記第2磁性層に転写しな
がらその磁化情報の再生を行なうことを特徴とする。
【0014】再生時に印加するバイアス磁界の向きは、
記録時に印加するバイアス磁界の向きとは逆とし、且つ
再生時に印加するバイアス磁界の強度は、記録時に印加
するバイアス磁界の強度よりも大とするのが好ましい。
しかし、これに限られず、記録時のバイアス磁界と向き
および強度の双方が同一でなければよい。
【0015】両バイアス磁界の強度を同じにする場合
は、それら磁界の印加する向きを異ならせればよい。例
えば、一方のバイアス磁界を下向きとし、他方のバイア
ス磁界の向きを上向きとする。また、両バイアス磁界の
向きを同じ(例えば、いずれも上向き)にする場合は、
それら磁界の強度を異ならせればよい。両バイアス磁界
の向きおよび強度の双方を異ならせてもよい。要は、記
録バイアス磁界とは向きまたは強度の異なる再生バイア
ス磁界を印加しながら、再生光を前記第2磁性層に照射
した場合に、それによって前記第1磁性層に記録されて
いる磁化情報を前記第2磁性層に転写できればよい。
【0016】記録時のバイアス磁界は、オーバーライト
を行なうのに最も適切な強度に設定すればよい。
【0017】情報の記録または再生を行なう前に、前記
第2磁性層の磁化の向きを一方向に揃えておくのが好ま
しい。これにより、上述した従来の光磁気記録再生方法
と同様の手法が適用できるようになる。
【0018】再生光は、前記第2磁性層の側から照射す
るのが好ましい。前記第1磁性層側から照射する場合に
比べて、前記第2磁性層に照射される光の強度が大きく
なるため、より高い効果が得られる。
【0019】前記再生光の強度は、前記低強度の記録光
の強度の0.8倍以上に設定するのが好ましい。これに
より、各光の強度設定の余裕度が広がり、安定したオー
バーライトが可能になる。また同時に高S/Nの再生を
行なうことが可能になる。
【0020】前記再生光の波長は、前記記録光の波長よ
りも短く設定するのが好ましい。これにより、小さな磁
区を記録したときでも情報を確実に読み出せるようにな
り、さらに高密度な記録の実現が可能となる。またその
際、再生光とリードアフタライト光の強度をそれほど強
くする必要がなくなる。
【0021】前記再生光は、前記記録光とは異なるレン
ズを通して前記光磁気記録媒体に照射するのが好まし
い。これにより、前記記録光と再生光の位置で強度また
は方向の異なるバイアス磁界を照射することが容易にな
る。この場合、磁界の強度や、向きを反転させる必要が
ないため、上記バイアス磁界の発生手段として、固定し
た永久磁石等を用いることが可能になる。
【0022】前記第1磁性層の保磁力は、室温におい
て、前記第2磁性層の保磁力よりも十分に大きいものと
するのがよい。これにより、光磁気記録媒体に対して情
報の記録の前に適当な大きさの初期化磁界を印加して、
第1磁性層の記録情報を破壊することなく第2磁性層の
磁化の向きを揃えることが可能になる。ここで、「適当
な大きさの初期化磁界」とは、第1磁性層の保磁力より
も小さく、第2磁性層の保磁力よりも大きい強度の磁界
を意味する。
【0023】(2) この発明の光磁気記録再生装置
は、光磁気記録媒体に対して強度の異なる2種の記録光
を照射した時に、その光磁気記録媒体に記録される磁化
情報が異なることを利用して情報のオーバーライトを行
なう光磁気記録再生装置において、基板上に積層された
第1磁性層および第2磁性層を備え、それら第1磁性層
および第2磁性層は室温で互いに磁気的に結合してお
り、且つそれら第1磁性層および第2磁性層のキュリー
温度をそれぞれTC1、TC2、室温での保磁力をそれぞれ
C1、HC2としたとき、TC1<TC2、HC1>HC2である
光磁気記録媒体と、再生時に、記録時とは向きおよび強
度の少なくとも1つが異なるバイアス磁界を印加する手
段と、前記光磁気記録媒体に再生光および記録光を照射
する手段とを備え、前記光磁気記録媒体に対して、記録
時とは向きおよび強度の少なくとも1つが異なるバイア
ス磁界を印加しながら再生光を前記第2磁性層に照射
し、それによって前記第1磁性層に記録されている磁化
情報を前記第2磁性層に転写しながらその磁化情報の再
生を行なうことを特徴とする。
【0024】再生時に印加するバイアス磁界の向きは、
記録時に印加するバイアス磁界の向きとは逆であり、且
つ再生時に印加するバイアス磁界の強度が、記録時に印
加するバイアス磁界の強度よりも大であるのが好まし
い。しかし、これに限られず、記録時のバイアス磁界と
向きおよび強度の双方が同一でなければよい。
【0025】情報の記録または再生を行なう前に、前記
第2磁性層の磁化の向きを一方向に揃えておく手段を有
するのが好ましい。
【0026】前記第2磁性層との側から、前記再生光が
照射されるのが好ましい。
【0027】前記再生光の強度は、前記低強度の記録光
の強度の0.8倍以上に設定されているのが好ましい。
【0028】前記再生光の波長は、前記記録光の波長よ
りも短く設定されているのが好ましい。
【0029】前記再生光は、前記記録光とは異なるレン
ズを通して前記光磁気記録媒体に照射されるのが好まし
い。
【0030】(3) この発明の光磁気記録媒体は、強
度の異なる2種の記録光を照射した時に記録される磁化
情報が異なることを利用して情報のオーバーライトを行
なうことが可能な光磁気記録媒体において、基板上に積
層された第1磁性層および第2磁性層を備えてなり、そ
れら第1磁性層および第2磁性層は室温で互いに磁気的
に結合しており、且つそれら第1磁性層および第2磁性
層のキュリー温度をそれぞれTC1、TC2、室温での保磁
力をそれぞれHC1、HC2としたとき、TC1<TC2、HC1
>HC2であって、記録時とは向きおよび強度の少なくと
も1つが異なるバイアス磁界を印加しながら再生光を前
記第2磁性層に照射し、それによって前記第1磁性層に
記録されている磁化情報を前記第2磁性層に転写しなが
らその磁化情報の再生を行なうことを特徴とする。
【0031】この媒体では、再生光を前記第2磁性層側
から照射するように構成されているのが好ましい。
【0032】前記第1磁性層および前記第2磁性層のい
ずれか一方に隣接して、光が照射される側とは反対側
に、前記第1磁性層および前記第2磁性層よりも熱伝導
度の高い熱拡散層を備えているのが好ましい。これによ
り、記録光や再生光の照射により第1磁性層と第2磁性
層の中で発生した熱は、熱伝導度の高い熱拡散層の側に
拡散していくため、光磁気記録媒体の温度が極端に上昇
することが避けられ、多数回繰り返してオーバーライト
を行っても光磁気記録媒体の特性が劣化する心配がなく
なる。さらに、光磁気記録媒体の熱に対する応答が速く
なるため、記録磁区の形状が安定化し、信号品質が向上
する。
【0033】(4) この発明で使用する前記第1磁性
層および第2磁性層としては、例えば次のようなものが
挙げられる。第1磁性層としては、TbFeCoあるい
はそれにTi、Ni、Cr、Nb、Gd、B、Cなどを
添加したもの、第2磁性層としては、TbDyFeC
o、GdDyFeCo、GdTbFeCoあるいはそれ
らのいずれかにTi、Ni、Cr、Nb、Gd、B、C
などを添加したものである。
【0034】熱拡散層としては、Al、Au、Ag、C
u、Ti、Ni、Cr、Mn、Wなどの単体元素、ある
いはAl、Au、Ag、Cuからなる群から選ばれた少
なくとも1種と、Ti、Ni、Cr、Mn Wからなる
群から選ばれた少なくとも1種との合金である。
【0035】
【作用】この発明のオーバーライト可能な光磁気記録再
生方法および装置では、再生時に、記録時とは向きおよ
び強度の少なくとも1つが異なるバイアス磁界を印加し
ながら再生光を前記第2磁性層に照射し、それによって
前記第1磁性層に記録されている磁化情報を前記第2磁
性層に転写しながらその磁化情報の再生を行なう。した
がって、前記第2磁性層に転写された情報のみが再生さ
れる。
【0036】この場合、前記記録媒体に照射される光の
スポットは、前記記録媒体に対して相対移動しているの
で、再生光の照射によって情報が転写される領域は、転
写された時の再生光のスポットの位置から少しずれてお
り、そのスポットに対してその相対移動方向の後方に位
置する。よって、前記第2磁性層に転写された情報のう
ち、転写された時に再生光のスポット内にある領域の情
報のみが、その再生光により再生される。
【0037】このようにして、情報の再生に利用される
実効的な光スポットが小さくなり、従来より高い分解能
で情報を再生することができる。その結果、高い密度で
記録・再生を行なった場合にも、高いS/Nが得られ
る。
【0038】この発明のオーバーライト可能な光磁気記
録媒体は、この発明の光磁気記録再生方法および装置に
必要な条件を満たす第1磁性層および第2磁性層を有し
ているので、この発明の光磁気記録再生方法および装置
に好適に用いることができる。
【0039】
【実施例】以下、添付図面を参照しながらこの発明の実
施例を説明する。
【0040】[第1実施例]図2は、この発明の第1実
施例の光磁気記録媒体を示す。この媒体は、トラッキン
グ用の案内溝を設けたガラスあるいはプラスチックより
なる5.25インチ透明基板11の上に、誘電体層12
としてのSiNx膜(厚さ70nm)、第2磁性層14
としてのTb10Dy16Fe66Co8非晶質合金薄膜(厚
さ100nm)、第1磁性層13としてのTb21Fe78
Co2非晶質合金薄膜(厚さ40nm)、および保護層
15としてのSiNx(厚さ100nm)をこの順に積
層して構成されている。この媒体は、次のようにして製
造したものである。
【0041】まず、透明基板1を高周波マグネトロン・
スパッタ装置内に装填し、装置内を0.1mPa以下に
真空排気した後、ArとN2の混合ガスを導入し、1.
3Paのガス圧でSiをターゲットとして反応性スパッ
タを行ない、誘電体層12としてのSiNx膜を70n
m積層した。
【0042】その後、TbDyFeCo合金ターゲット
を用いて0.7PaのArガス圧でスパッタを行ない、
SiNx膜の上に第2磁性層14としてTb10Dy16
66Co8非晶質合金薄膜を100nm積層した。次
に、同じくTbFeCo合金ターゲットを0.7Paの
Arガス圧でスパッタを行ない、Tb10Dy16Fe66
8非晶質合金薄膜の上に第1磁性層13としてのTb
21Fe78Co2非晶質合金薄膜を40nm積層した。こ
うして積層された第2磁性層14と第1磁性層13は、
互いに磁気的に交換結合している。
【0043】次に、高周波マグネトロン・スパッタ装置
内を再び0.1mPa以下に真空排気した後、Arガス
とN2ガスの混合ガスを導入し、1.3Paのガス圧で
Siをターゲットとして反応性スパッタを行ない、Tb
21Fe78Co2非晶質合金薄膜の上に保護層15として
のSiNx膜を100nm積層した。こうして、図2の
構成の媒体を得た。
【0044】この実施例では、第1磁性層13は遷移金
属リッチで、キュリー温度Tc1は160゜Cである。第
2磁性層14は遷移金属リッチで、キュリー温度Tc2
250゜Cである。したがって、Tc1<Tc2である。ま
た室温では、第2磁性層14の保磁力Hc2は3kOe、
第1磁性層13の保磁力Hc1は10kOeで、Hc1>H
c2としてある(図5(b)参照)第2磁性層14と第1
磁性層13の交換結合力は、さほど大きくない。
【0045】この実施例で用いている第1磁性層13と
第2磁性層14は、いずれも希土類−遷移金属非晶質合
金膜であるため、各層の磁化の向きは、互いに逆向きに
結合した希土類の磁気モーメントと遷移金属の磁気モー
メントのどちらが多いかによって変わる。そのため、希
土類の磁気モーメントが多いものを「希土類リッチ」、
遷移金属の磁気モーメントが多いものを「遷移金属リッ
チ」と呼んで区別している。一般に、希土類リッチのも
のは、高温では遷移金属リッチに変わることが多い。
【0046】図4は、上記構成の光磁気記録媒体を備え
た光磁気記録再生装置を示す。円板状の光磁気記録媒体
21は、上記構成を有しており、回転駆動手段24によ
って回転駆動される。レーザ光源22から発せられたレ
ーザ光29(波長780nm)は、レンズ28、ビーム
スプリッタ32およびレンズ28を通って記録媒体21
に照射される。記録媒体21で反射されたレーザ光29
は、レンズ28およびビームスプリッタ32を通って情
報再生回路に送られ、そこで記録媒体21に記録されて
いる情報を再生する。レーザ光源22は、レーザ駆動回
路31により駆動される。走査制御手段23は、記録媒
体21上でレーザ光29を走査する。バイアス電源25
は、電磁石27に電流を供給して記録媒体21に、記録
用バイアス磁界Ho(4000e、上向き)および再生
用バイアス磁界HR(800Oe、下向き)を供給す
る。初期化磁界印加手段26は、ここでは永久磁石から
構成され、記録媒体21を初期化するための磁界HINI
(4kOe、下向き)を記録媒体21に供給する。
【0047】この装置では、記録用バイアス磁界Ho
再生用バイアス磁界HRの向きが反対であると共に、そ
の強度も異なっている。
【0048】記録媒体21は、回転することによってま
ず、初期化磁界印加手段26の下を通過し、初期化磁界
INIを印加される。その後、バイアス磁界印加用の電
磁石27の下で、記録時にはバイアス磁界Hoが印加さ
れ、再生時にはバイアス磁界HRを印加されながら、レ
ンズ28によって集光されたレーザ光29を照射され、
情報の記録または再生を行なう。記録媒体21は回転を
続けているため、記録または再生の後、再び初期化磁界
INIを印加される。
【0049】この実施例では、再生用レーザ光29が第
2磁性層14の側から照射されるようにするため、レー
ザ光29は常に基板11を通して第2磁性層14に照射
される。第2磁性層14のキュリー温度Tc2は、第1磁
性層13のキュリー温度Tc1よりも高いため、カー回転
角も大きい。その結果、第1磁性層から情報を再生す
る、先に述べた従来の光磁気記録再生方法に比べて大き
な再生信号が得られる利点がある。
【0050】次に、図1を参照しながらこの装置の動作
を説明する。
【0051】初期化磁界印加手段26により、記録媒体
21に初期化磁界HINI(ただし、Hc2<HINI<Hc1
下向き)が室温で印加されると、図1(a)および図1
(b)に示したように、第2磁性層14の磁化が一方向
(ここでは下向き)に揃えられる。この時、第1磁性層
13は保磁力Hc1が大きいため、記録された磁化状態が
そのまま保存され、したがって、上向き磁化の部分と下
向き磁化の部分がある。
【0052】情報を記録した直後は、大きな強度のレー
ザ光(PH)が照射された場合には、温度上昇により第
1磁性層13および第2磁性層14の双方の磁化がいっ
たん消滅するので、その後の冷却過程で、第1磁性層1
3と第2磁性層14の双方の磁化が記録時のバイアス磁
界Hoの向き(ここでは上向き)に揃っている。すなわ
ち、図1(c)のように、磁化はいずれも上向きになっ
ている。これに対し、小さな強度のレーザ光(PL)が
照射された場合には、第1磁性層13の磁化のみがいっ
たん消滅するので、その後の冷却過程で、第1磁性層1
3の磁化は、第2磁性層14との交換結合力によって第
2磁性層14の磁化の向きに揃っている。すなわち、図
1(d)に示すように、第1磁性層13の磁化は下向き
になっている。
【0053】このようにして記録された情報を再生する
場合、記録媒体21は連続的に回転しているため、再生
より前に初期化磁界HINIによって再び初期化され、図
1(a)(b)のように、第2磁性層14の磁化のみが
下向きに揃えられる。次に、再生バイアス磁界HRを印
加しながら再生光が照射される。この再生バイアス磁界
Rは、記録バイアス磁界Hoよりも強度が大きく且つ反
対向き(ここでは下向き)である。そこで、第1磁性層
13との交換結合力と再生バイアス磁界HRの双方の影
響を受けて、第2磁性層14の磁化の一部が反転する。
この時、第1磁性層13の磁化が下を向いている部分
(図6(f))では、第2磁性層14と交換結合する向
きに既に揃っているため、安定で反転は起こらず、第1
磁性層13の磁化が上を向いている部分(図6(e))
の第2磁性層14の磁化のみが反転する(図6
(g))。その結果、第1磁性層13の磁化状態が第2
磁性層14に転写される。
【0054】図6は、この実施例の記録媒体21におい
て、大きな強度の記録光(PH)による記録、小さな強
度の記録光(PL)による第2磁性層14の磁化の第1
磁性層13への転写、および再生光による第1磁性層1
3の磁化の第2磁性層14への転写が実現されるバイア
ス磁界と、その際に照射するレーザ強度の関係を示して
いる。このグラフより、バイアス磁界が正値で大きい場
合には、照射するレーザ光を強くしていくと、曲線D、
Cのように、まず、第2磁性層14の磁化の第1磁性層
13への転写が起こり、レーザ光をより強くすると、情
報が記録され始めることが分かる。また、比較的弱いバ
イアス磁界または負値のバイアス磁界(バイアス磁界の
向きが反対)の場合には、照射するレーザ光を強くして
いくと、曲線Eのように、第1磁性層13の磁化の第2
磁性層14への転写が起こることが分かる。また、バイ
アス磁界がいずれであっても、十分に大きな強度の記録
光(PH)を照射すると、情報の記録が行われることも
分かる。したがって、記録時と再生時にバイアス磁界の
方向あるいは大きさを変えることにより、「情報の記
録」と「情報再生時の磁化の転写」が両立できることに
なる。
【0055】この転写によって、再生時のレーザ光スポ
ットが実効的に小さくなるため、高密度に記録した情報
を高分解能で再生することが可能となる。その理由は次
の通りである。
【0056】図5に示すように、記録媒体21に照射さ
れるレーザ光のスポット33は、記録媒体21に対して
相対移動しているので、再生光の照射によって温度が上
昇する領域34は、スポット33の位置から少しずれて
おり、そのスポット33に対してその相対移動方向の後
方に位置する。こうして形成された温度上昇領域34
と、温度上昇時のスポット33の重なり部分35が、情
報の再生される領域すなっわち「再生領域」となる。温
度上昇領域34内の磁区36には、第1磁性層13の情
報が転写されるが、情報が転写された磁区36のうち、
再生領域35内にあるもののみがその再生光により読み
出される。なお、37は情報が転写される前の磁区であ
る。したがって、情報の再生に利用される実効的な光ス
ポットは再生領域35であるので、レーザ光スポット3
3の径が小さくなったのと同等になり、従来より高い分
解能で情報を再生することができる。その結果、高い密
度で記録・再生を行なった場合にも、高いS/Nが得ら
れる。
【0057】この第1実施例の光磁気記録媒体21を用
いて、情報の記録・再生特性の周波数依存性を調べたと
ころ、図7のような結果が得られた。図7には、この実
施例と同じ媒体を用い、再生時のバイアス磁界の向きを
変えずに且つ第1磁性層の側からレーザ光を照射した従
来例についての結果を併せて示した。
【0058】図7から分かるように、この従来例と比べ
て、この実施例では、高密度(高周波)で記録したとき
のC/N(搬送波対雑音比)が特に向上している。低周
波でのC/Nの向上は、カー回転角の向上(キュリー温
度の高さ)を示している。
【0059】図8は、再生光強度と再生信号出力の関係
を示したものである。図7の場合と同じ従来例について
も併せて示した。図8より、この実施例では、再生光強
度が約2mWの時に転写が開始され、約3.5mWの時
に最大の再生信号出力が得られているので、約3.5m
Wが最適の再生光強度であることが分かる。この場合の
記録光の強度は、高レベル強度(PH)が6.6mW、
低レベル強度(PL)が3.3mWとするのが好まし
い。
【0060】従来例と比べて高い再生光強度の範囲で再
生信号出力が低下しないのは、転写によって第2磁性層
14と第1磁性層13の磁化の向きが交換結合する向き
に揃うため、安定で消去が行われ難いからである。
【0061】よって、この実施例では、消去光よりも高
い強度の再生光を照射することが可能となる。すなわ
ち、消去開始時のレーザ光強度を下げても安定に再生で
きるため、消去光強度の設定範囲を広くとることがで
き、したがって、消え残りのない安定なオーバーライト
が可能となる。
【0062】なお、この実施例では、消去開始強度およ
び記録開始強度はそれぞれ、2.5mW、5mWであ
る。
【0063】[第2実施例]図9は、この発明の第2実
施例の光磁気記録媒体を示す。この媒体は、トラッキン
グ用の案内溝を設けたガラスあるいはプラスチックより
なる5.25インチ透明基板41の上に、第1誘電体層
42としてのSiNx膜(厚さ80nm)、第2磁性層
44としてのTb16Dy17Fe56Co11非晶質合金薄膜
(厚さ60nm)、第1磁性層43としてのTb22Fe
76Co2非晶質合金薄膜(厚さ30nm)、および第2
誘電体層45としてのSiNx膜(厚さ20nm)、お
よび熱拡散層46としてのAlTix(厚さ60nm)
をこの順に積層して構成されている。この熱拡散層47
は、レーザ光照射による熱を拡散させて記録膜が極端な
高温にさらされるのを防ぎ、書き換え回数を向上させる
働きを持つ。この媒体は、次のようにして製造したもの
である。
【0064】まず、透明ガラス基板41を高周波マグネ
トロンスパッタ装置内に装填し、0.1mPa以下の高
真空まで真空排気した後、ArガスとN2ガスの混合ガ
スを導入し、1.3Paのガス圧でSiターゲットを用
いて反応性スパッタを行ない、第1誘電体層42として
SiNx膜を80nm積層した。
【0065】その後、TbDyFeCo合金ターゲット
を用いて、同じく0.7PaのArガス圧でスパッタを
行ない、SiNx膜の上に第2磁性層44としてのTb
16Dy17Fe56Co11非晶質合金薄膜を60nm積層し
た。次に、TbFeCo合金ターゲットを用いて0.7
PaのArガス圧でスパッタを行ない、Tb16Dy17
56Co11非晶質合金薄膜の上に第1磁性層43として
のTb22Fe76Co2非晶質合金薄膜を30nm積層し
た。こうして積層された第1磁性層43と第2磁性層4
4は、互いに磁気的に交換結合している。
【0066】次に、高周波マグネトロン・スパッタ装置
内を再び0.1mPa以下に真空排気した後、Arガス
とN2ガスの混合ガスを導入し、1.3Paのガス圧で
Siをターゲットとして反応性スパッタを行ない、Tb
22Fe76Co2非晶質合金薄膜の上に第2誘電体層46
としてSiNx膜を20nm積層した。
【0067】さらに、Al−Ti合金ターゲットを用い
て、0.7PaのArガス圧でスパッタを行ない、Si
x膜の上に熱拡散層47としてのAlTix膜を60n
m積層した。
【0068】この第2実施例では、第1磁性層43のキ
ュリー温度Tc1は160゜C、第2磁性層44のキュリ
ー温度Tc2は250゜Cで、Tc1<Tc2である。また室
温では、第2磁性層44の保磁力Hc2は3kOe、第1
磁性層43の保磁力Hc1は12kOeで、Hc2<Hc1
ある。この光磁気記録媒体の磁気特性は、図3(a)に
示したように、第1磁性層43を遷移金属リッチ、第2
磁性層44を希土類リッチ組成とした。これら2層間の
交換結合力はさほど大きくないため、室温では、第1磁
性層43と第2磁性層44の磁化は独立に反転する。
【0069】この第2実施例の記録媒体について、第1
実施例と同じ光磁気記録再生装置を用いて情報の記録・
再生を行なったところ、第1実施例と同様にオーバーラ
イトを行なうことができた。また、この記録媒体に、記
録時のバイアス磁界Hoを約500Oeとして情報を記
録し、再生時に記録時とは逆向きのバイアス磁界HR
500Oeを印加しながら、再生用レーザ光29(波長
780nm)を記録媒体に照射することによって、第1
磁性層43の磁化を第2磁性層44に転写することがで
きた。したがって、第1実施例と同様に、高密度に記録
した情報を高分解能で再生することが可能である。
【0070】また、第2実施例の光磁気記録媒体を用い
て記録・再生特性(C/N)の周波数依存性を調べたと
ころ、図7に示す第1実施例とほぼ同様の周波数依存性
を示した。
【0071】さらに、この第2実施例では、図10に示
したように、熱拡散層を設けない場合と異なり、繰返し
オーバーライトを行なっても記録再生特性(C/N)が
劣化すしないという利点がある。これは、熱拡散層46
があるために、図11に示したように、第1磁性層43
と第2磁性層44の上での温度の分布が、熱拡散層を設
けない場合よりも滑らかになり、それら両層43、44
が極端な高温にさらされることがなくなるためである。
【0072】[第3実施例]図12は、この発明の光磁
気記録再生装置の他の実施例を示したものである。この
装置に使用している記録媒体50は、円板状の基板51
上に、上記第1実施例3と同様の構成の記録層52を積
層して構成されている。この装置は、初期化磁界HINI
(4kOe、下向き)を記録媒体50に印加する初期化
磁界印加手段53、記録バイアス磁界Ho(0.5kO
e、下向き)を記録媒体50に印加する記録バイアス磁
界印加手段54、再生バイアス磁界HR(1kOe、上
向き)を記録媒体50に印加する再生バイアス磁界印加
手段57を備えている。これらの磁界印加手段53、5
4、57はいずれも永久磁石で構成されている。また、
記録光55を集光するレンズ58と、再生光56を集光
するレンズ59とを持っている。
【0073】この装置は、記録光55と再生光56とを
別個のレンズで集光する点と、記録バイアス磁界印加手
段54および再生バイアス磁界印加手段57がいずれも
永久磁石で構成されている点と、初期化磁界HINIと記
録バイアス磁界Hoがいずれも下向きで、再生バイアス
磁界HRが上向きである点が、上記第1実施例で述べた
光磁気記録再生装置と異なる。
【0074】記録媒体50は、回転に伴って初期化磁界
印加手段53、記録バイアス磁界印加手段54、再生バ
イアス磁界印加手段5の下を順に通過する。記録媒体5
0にはまず、初期化磁界印加手段53の下で初期化磁界
INIが印加され、記録層52中の第2磁性層14の磁
化が同じ向きに揃えられる。その後、バイアス磁界印加
手段12の下で記録バイアス磁界Hoを印加されなが
ら、情報に応じてその強度を変調された記録光55によ
って情報が記録される。
【0075】記録した情報を再生する際には、初期化磁
界HINIによって第2磁性層14の磁化の向きが揃えら
れた後、記録バイアス磁界Hoを印加されるが、再生光
の強度を十分に小さくしてあるため、記録された情報は
破壊されない。その後、再生時のバイアス磁界HRと再
生光56によって、第1磁性層13の情報が第2磁性層
14に転写される。
【0076】この第3実施例では、再生光56の波長を
530nm、記録光52の波長を780nmとして再生
時の分解能を向上させているため、図13に示すよう
に、記録・再生特性(C/N)が第1実施例および第2
実施例の場合よりもさらに周波数の高い範囲まで延び、
いっそう高密度で記録・再生できることが分かった。
【0077】また、この実施例では、記録光55を集光
するレンズ58とリードアフタライト光(再生光)56
を集光するレンズ59を別にしたため、異なる波長に対
する光学系を全く分離でき、装置の構成が容易になると
いう利点がある。また、磁界の反転を全く必要としない
ため、装置の小型化も図られる。
【0078】
【発明の効果】この発明のオーバーライト可能な光磁気
記録再生方法およびそれに用いる光磁気記録再生装置お
よび光磁気記録媒体によれば、高密度(例えば1.5G
b/in2程度)で情報を記録・再生する場合にも十分
なS/N(例えば25dB)が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光磁気記録再生方法の一実施例の原
理を説明する図である。
【図2】図1の光磁気記録再生方法に使用する、第1実
施例の光磁気記録媒体の断面図である。
【図3】この発明の第1実施例、第2実施例の光磁気記
録媒体の磁気特性図である。
【図4】図1の光磁気記録再生方法に使用する光磁気記
録再生装置の要部説明図である。
【図5】図1の光磁気記録再生方法の原理を説明する図
である。
【図6】図1の光磁気記録再生方法におけるバイアス磁
界強度とレーザ強度との関係を示すグラフである。
【図7】図1の光磁気記録再生方法における周波数とC
/Nとの関係を示すグラフである。
【図8】図1の光磁気記録再生方法における再生光強度
と再生信号出力との関係を示すグラフである。
【図9】この発明の第2実施例の光磁気記録媒体の断面
図である。
【図10】第2実施例の光磁気記録媒体を用いたこの発
明の光磁気記録再生方法の他の実施例におけるオーバー
ライト回数とC/Nの関係を示すグラフである。
【図11】第2実施例の光磁気記録媒体を用いたこの発
明の光磁気記録再生方法の他の実施例におけるその媒体
上の位置と温度の関係を示すグラフである。
【図12】この発明の光磁気記録再生装置の一実施例の
要部説明図である。
【図13】図12の光磁気記録再生装置により得られた
周波数とC/Nとの関係を示すグラフである。
【図14】従来の光磁気記録再生方法の原理を示す説明
図である。
【符号の説明】 11 透明基板 12 誘電体層 13 第1磁性層 14 第2磁性層 15 保護層 21 記録媒体 22 レーザ光源 23 走査制御手段 24 回転駆動手段 25 バイアス電源 26 初期化磁界印加手段 27 電磁石 28 レンズ 29 レーザ光 30 情報再生回路 31 レーザ駆動回路 32 ビームスプリッタ 33レーザ光スポット 34 温度上昇領域 35 再生領域 36 転写された磁区 37 磁区 41 透明基板 42 第1誘電体層 43 第1磁性層 44 第2磁性層 45 第2誘電体層 46 熱拡散層 50 記録媒体 51 基板 52 記録層 53 初期化磁界印加手段 54 バイアス磁界印加手段 55 記録光 56 再生光 57バイアス磁界印加手段 58、59 レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾島 正啓 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光磁気記録媒体に対して強度の異なる2
    種の記録光を照射した時に、その光磁気記録媒体に記録
    される磁化情報が異なることを利用して情報のオーバー
    ライトを行なう光磁気記録再生方法において、 基板上に積層された第1磁性層および第2磁性層を備
    え、それら第1磁性層および第2磁性層は室温で互いに
    磁気的に結合しており、且つそれら第1磁性層および第
    2磁性層のキュリー温度をそれぞれTC1、TC2、室温で
    の保磁力をそれぞれHC1、HC2としたとき、TC1
    C2、HC1>HC2である光磁気記録媒体を用い、 再生時に、記録時とは向きおよび強度の少なくとも1つ
    が異なるバイアス磁界を印加しながら再生光を前記第2
    磁性層に照射し、それによって前記第1磁性層に記録さ
    れている磁化情報を前記第2磁性層に転写しながらその
    磁化情報の再生を行なうことを特徴とするオーバーライ
    ト可能な光磁気記録再生方法。
  2. 【請求項2】 再生時に印加するバイアス磁界の向き
    が、記録時に印加するバイアス磁界の向きとは逆であ
    り、且つ再生時に印加するバイアス磁界の強度が、記録
    時に印加するバイアス磁界の強度よりも大である請求項
    1に記載のオーバーライト可能な光磁気記録再生方法。
  3. 【請求項3】 情報の記録または再生を行なう前に、前
    記第2磁性層の磁化の向きを一方向に揃えておく請求項
    1または2に記載のオーバーライト可能な光磁気記録再
    生方法。
  4. 【請求項4】 前記第2磁性層との側から前記再生光を
    照射する請求項1〜3のいずれかに記載のオーバーライ
    ト可能な光磁気記録再生方法。
  5. 【請求項5】 前記再生光の強度を前記低強度の記録光
    の強度の0.8倍以上に設定する請求項1〜4のいずれ
    かに記載のオーバーライト可能な光磁気記録再生方法。
  6. 【請求項6】 前記再生光の波長を前記記録光の波長よ
    りも短く設定する請求項1〜5のいずれかに記載のオー
    バーライト可能な光磁気記録再生方法。
  7. 【請求項7】 前記再生光を前記記録光とは異なるレン
    ズを通して前記光磁気記録媒体に照射する請求項1〜6
    のいずれかに記載のオーバーライト可能な光磁気記録再
    生方法。
  8. 【請求項8】 光磁気記録媒体に対して強度の異なる2
    種の記録光を照射した時に、その光磁気記録媒体に記録
    される磁化情報が異なることを利用して情報のオーバー
    ライトを行なう光磁気記録再生装置において、 基板上に積層された第1磁性層および第2磁性層を備
    え、それら第1磁性層および第2磁性層は室温で互いに
    磁気的に結合しており、且つそれら第1磁性層および第
    2磁性層のキュリー温度をそれぞれTC1、TC2、室温で
    の保磁力をそれぞれHC1、HC2としたとき、TC1
    C2、HC1>HC2である光磁気記録媒体と、 再生時に、記録時とは向きおよび強度の少なくとも1つ
    が異なるバイアス磁界を印加する手段と、 前記光磁気記録媒体に再生光および記録光を照射する手
    段とを備え、 前記光磁気記録媒体に対して、記録時とは向きおよび強
    度の少なくとも1つが異なるバイアス磁界を印加しなが
    ら再生光を前記第2磁性層に照射し、それによって前記
    第1磁性層に記録されている磁化情報を前記第2磁性層
    に転写しながらその磁化情報の再生を行なうことを特徴
    とするオーバーライト可能な光磁気記録再生装置。
  9. 【請求項9】 再生時に印加するバイアス磁界の向き
    が、記録時に印加するバイアス磁界の向きとは逆であ
    り、且つ再生時に印加するバイアス磁界の強度が、記録
    時に印加するバイアス磁界の強度よりも大である請求項
    8に記載のオーバーライト可能な光磁気記録再生装置。
  10. 【請求項10】 情報の記録または再生を行なう前に、
    前記第2磁性層の磁化の向きを一方向に揃えておく手段
    を有する請求項8または9に記載のオーバーライト可能
    な光磁気記録再生装置。
  11. 【請求項11】 前記第2磁性層との側から前記再生光
    が照射される請求項8〜10のいずれかに記載のオーバ
    ーライト可能な光磁気記録再生装置。
  12. 【請求項12】 前記再生光の強度が前記低強度の記録
    光の強度の0.8倍以上に設定されている請求項8〜1
    1のいずれかに記載のオーバーライト可能な光磁気記録
    再生装置。
  13. 【請求項13】 前記再生光の波長が前記記録光の波長
    よりも短く設定されている請求項8〜12のいずれかに
    記載のオーバーライト可能な光磁気記録再生装置。
  14. 【請求項14】 前記再生光が前記記録光とは異なるレ
    ンズを通して前記光磁気記録媒体に照射される請求項8
    〜13のいずれかに記載のオーバーライト可能な光磁気
    記録再生装置。
  15. 【請求項15】 強度の異なる2種の記録光を照射した
    時に記録される磁化情報が異なることを利用して情報の
    オーバーライトを行なうことが可能な光磁気記録媒体に
    おいて、 基板上に積層された第1磁性層および第2磁性層を備え
    てなり、 それら第1磁性層および第2磁性層は室温で互いに磁気
    的に結合しており、且つそれら第1磁性層および第2磁
    性層のキュリー温度をそれぞれTC1、TC2、室温での保
    磁力をそれぞれHC1、HC2としたとき、TC1<TC2、H
    C1>HC2であって、 記録時とは向きおよび強度の少なくとも1つが異なるバ
    イアス磁界を印加しながら再生光を前記第2磁性層に照
    射し、それによって前記第1磁性層に記録されている磁
    化情報を前記第2磁性層に転写しながらその磁化情報の
    再生を行なうことを特徴とするオーバーライト可能な光
    磁気記録媒体。
  16. 【請求項16】 前記再生光を前記第2磁性層側から照
    射するように構成されている請求項15に記載の光磁気
    記録媒体。
  17. 【請求項17】 前記第1磁性層および前記第2磁性層
    のいずれか一方に隣接して、光が照射される側とは反対
    側に、前記第1磁性層および前記第2磁性層よりも熱伝
    導度の高い熱拡散層を備えている請求項15または16
    に記載のオーバーライト可能な光磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5814418A (en) * 1994-09-27 1998-09-29 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magneto-optical recording medium and method for reading out information from the same
JP2013149316A (ja) * 2012-01-19 2013-08-01 Showa Denko Kk 熱アシスト磁気記録媒体及び磁気記録再生装置

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