JPH06103494A - 自動車の音声による経路誘導装置 - Google Patents

自動車の音声による経路誘導装置

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JPH06103494A
JPH06103494A JP24908792A JP24908792A JPH06103494A JP H06103494 A JPH06103494 A JP H06103494A JP 24908792 A JP24908792 A JP 24908792A JP 24908792 A JP24908792 A JP 24908792A JP H06103494 A JPH06103494 A JP H06103494A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車に対して設定された走行経路における特
定地点に関する音声案内を、それを受ける自動車の乗員
の意向に応じて行い、音声案内により乗員が煩わしさ,
疎ましさを等を覚えることになる事態を抑制する。 【構成】自動車の乗員の発声状態を検出する発声検出部
(26)と、案内文作成部(19)から案内文データが
送出されて案内文データメモリ部(22)に格納された
後、発声検出部(26)からの検出出力信号に応じて案
内文データメモリ部(26)にそれに格納された案内文
データを案内実行部(24,29,30)に供給する動
作を行わせて、案内実行部(24,29,30)による
音声案内を許可する音声案内許可部(28)とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車を設定された走
行経路に沿って誘導すべく、自動車の乗員に対して、設
定された走行経路に関する音声案内を行う自動車の音声
による経路誘導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車についての路上走行補助システム
の1つである自動車用ナビゲーションシステムにあって
は、例えば、特開昭 61-209316号公報にも示される如
く、画像表示装置に、当該自動車の走行エリアを含んだ
道路地図が表示されるとともに、その表示された道路地
図上に重ねて、自動車の現在位置,目的地,現在位置か
ら目的地までの通過予定経路等の種々の情報が表示され
る状態がとられ、自動車の乗員が、画像表示装置におけ
る表示に従って自動車を目的地まで走行させることがで
きるようされる。また、このような自動車用ナビゲーシ
ョンシステムとして、画像表示装置による情報表示に加
え、自動車の乗員に対して、設定された走行経路につい
ての音声による案内を行うようにしたものも知られてい
る。
【0003】音声案内により自動車に対する設定された
走行経路に沿う誘導を行う走行経路誘導装置として従来
提案されているシステムにあっては、音声案内が、予め
道路地図上において特定された交叉点等の複数の音声案
内対象地点の夫々に対応して用意された案内文が順次画
一的に音声出力化されることによって行われ、その際、
自動車の乗員が音声案内を必要としているか否かについ
ての考慮はなされていない。従って、従来における走行
経路誘導のための音声案内は、自動車がその乗員にとっ
て未知の走行経路、あるいは、未知ではないが馴染みが
薄い走行経路を走行する状態にあって、乗員がそれを必
要としているもとで行われる場合には、極めて有効に作
用するが、例えば、自動車がその乗員にとって既知であ
って充分に馴染みがある走行経路を走行する状態にあ
り、乗員がそれを必要としていないもとで行われる場合
には、乗員に煩わしさ、あるいは、疎ましさを覚えさせ
ることになるという不都合を生じる虞が伴うものとな
る。
【0004】そこで、斯かる虞を排除すべく、例えば、
特開平2-114117号公報にも示される如くに、画像表示装
置により表示される道路地図と音声出力装置からの音声
案内とによって自動車の目的地までの誘導を行うことが
でき、音声案内については、各交叉点等とされる複数の
音声案内対象地点に対して内容は画一的なものとされる
が、目的地までの設定された走行経路のうちの乗員が音
声案内を希望する区間においてのみ行うようにされたシ
ステムも提案されている。このようなシステムのもとで
は、自動車の乗員は、走行経路誘導のための音声案内を
全く必要としない走行経路区間においては、音声案内が
なされないようにする設定を行えることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の如くの、走行経
路誘導のための音声案内を走行経路区間に応じて選択的
に行われるものとなすことができるシステムが採用され
た自動車の場合にあっても、一旦、音声案内が行われる
べき区間として選択された走行経路区間において行われ
る音声案内は、その区間内の各音声案内対象地点につい
て、乗員の馴染み度合い等にかかわらず画一的に行われ
るので、乗員が煩わしさ、あるいは、疎ましさを覚える
ことになる状況が充分に低減されるとは言えない。ま
た、システムに対しての、設定された走行経路における
音声案内が行われるべき区間と音声案内が行われるべき
でない区間との選択設定は、自動車の乗員によって走行
経路の設定時に予めなされなければならず、従って、音
声案内による走行経路誘導が開始された後に、自動車の
乗員が、走行経路における実際の状況に応じて、音声案
内を受ける状態を適宜選択設定するようになすことはで
きない。
【0006】斯かる点に鑑み、本発明は、自動車を設定
された走行経路に沿って誘導するための、自動車の乗員
に対する、設定された走行経路における各特定地点に関
しての音声案内を、それを受ける乗員の意向に応じて適
切に行われるものとして、乗員が煩わしさ、あるいは、
疎ましさを覚えることになる事態を効果的に抑制するこ
とができるようにした自動車の音声による経路誘導装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る自動車の音声による経路誘導装置は、
自動車についての目的地データ及び現在位置データと自
動車走行路網を示す地図データとに基づいて走行経路を
設定し、設定された走行経路に関する経路データを送出
する経路設定部と、地図データ及び経路設定部からの経
路データに基づいて、経路データにより特定される設定
された走行経路上の所定地点に関する案内文を作成し、
作成された案内文をあらわす案内文データを送出する案
内文作成部と、案内文作成部からの案内文データを格納
するメモリ部と、メモリ部からの案内文データに基づく
所定地点に関する音声案内を実行して自動車の経路誘導
を行う案内実行部とが設けられ、さらに、自動車の乗員
の発声状態を検出する発声検出部と、案内文作成部から
案内文データが送出された後、発声検出部からの検出出
力信号に応じてメモリ部にそれに格納された案内文デー
タを案内実行部に供給する動作を行わせて、案内実行部
による音声案内を許可する音声案内許可部とを備えて構
成される。
【0008】
【作用】このように構成される本発明に係る自動車の音
声による経路誘導装置にあっては、案内文作成部によっ
て、自動車に対して設定された走行経路上の音声案内の
対象とされた所定地点、即ち、音声案内対象地点に関し
ての自動車の乗員に対する音声案内のための案内文が作
成されたとき、その案内文をあらわす案内文データが、
一旦メモリ部に格納されて、その後音声案内許可部によ
る制御のもとにメモリ部から案内実行部に供給される状
態が選択的にとられ、案内文データがメモリ部から案内
実行部に供給されるときには、案内実行部により案内文
に基づく音声案内が行われる。そして、音声案内許可部
による制御のもとでのメモリ部に格納された案内文デー
タの案内実行部への供給動作は、自動車の乗員の発声状
態を検出する発声検出部からの検出出力信号に応じて行
われる。それにより、案内文作成部によって作成された
案内文に基づく音声案内は、例えば、その予告を受けた
乗員の意向を反映した乗員の発声状態に応じて、即ち、
乗員の意向に応じて行われることになる。従って、音声
案内が行われることにより、乗員が煩わしさ、あるい
は、疎ましさを覚えることになる事態が効果的に抑制さ
れる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明に係る自動車の音声による経
路誘導装置の一例を示す。この例には、それが搭載され
た自動車の現在位置を検出する現在位置検出部11が備
えられている。現在位置検出部11には、人工衛星が用
いられた電波航法システムであるグローバル・ポジショ
ニング・システム(GPS)における人工衛星からのG
PS信号を受信するGPS信号受信部12,自動車の方
向を検出する方向センサとしての役割を果たす地磁気セ
ンサ13,自動車の走行速度を検出する車速センサ1
4,自動車の基準位置についてのデータ入力を行う基準
位置データ入力部15、及び、自動車の走行エリア内に
おける自動車走行路網を示す地図データが格納された地
図データ格納メモリ部16が接続されている。そして、
現在位置検出部11は、地図データ格納メモリ部16か
ら読み出された地図データDM,GPS信号受信部12
により受信されたGPS信号SG,地磁気センサ13か
らの検出出力Dx,車速センサ14からの検出出力D
s、及び、基準位置データ入力部15からの基準位置デ
ータDiに基づいて、自動車の現在位置を地図データD
Mがあらわす自動車走行路網上の位置として検出し、検
出された現在位置をあらわす現在位置データDPを送出
する。
【0010】現在位置検出部11から送出される現在位
置データDPは、経路設定部17に供給される。経路設
定部17には、地図データ格納メモリ部16から読み出
された地図データDM、及び、目的地データ入力部18
から入力される、自動車が到達すべき目的地をあらわす
目的地データDdも供給される。経路設定部17は、目
的地データDdが供給されたときの現在位置データDP
があらわす位置を、地図データDMがあらわす自動車走
行路網上の誘導走行開始地点とするとともに、目的地デ
ータDdがあらわす目的地に対応する地図データDMが
あらわす自動車走行路網上の位置を目的地点とし、地図
データDMがあらわす自動車走行路網上における誘導走
行開始地点から目的地点までの最適な走行経路を設定す
る。即ち、経路設定部17により、例えば、図2に示さ
れる如く、地図データDMがあらわす自動車走行路網上
において、目的地データDdが供給されたときの現在位
置データDPがあらわす地点である誘導走行開始地点P
Sと目的地データDdがあらわす目的地に対応する目的
地点PFとが設定され、さらに、図2において破線によ
りあらわされる如くの、誘導走行開始地点PSから目的
地点PFまでの最適な走行経路ACが設定される。この
図2に示される走行経路ACは、誘導走行開始地点PS
から、交叉点X1,X2,X3,X4及びX5を経て、
目的地点PFに達するものとされている。
【0011】経路設定部17は、設定された走行経路、
例えば、走行経路ACに関する経路データDCを、設定
された走行経路についての音声案内用の案内文を作成す
る案内文作成部19に送出する。案内文作成部19に
は、経路設定部17からの経路データDCに加えて、現
在位置検出部11から送出される現在位置データDP及
び地図データ格納メモリ部16から読み出された地図デ
ータDMが供給され、さらに、案内文作成部19におい
て作成される案内文の内容詳細度及び作成頻度を設定す
る案内詳細度・頻度設定部20からの、案内文の内容詳
細度を指示する詳細度データDT及び案内文の作成頻度
を指示する頻度データDNも供給される。そして、案内
文作成部19は、経路設定部17からの経路データDC
があらわす設定された走行経路についての音声案内用の
案内文として、設定された走行経路における特定の地
点、例えば、各交叉点を音声案内対象地点とし、設定さ
れた走行経路における各交叉点に関する音声案内用の案
内文を、経路データDC,現在位置データDP,地図デ
ータDM,詳細度データDT及び頻度データDNを用い
て作成する。斯かる案内文は、経路データDC及び現在
位置データDPに基づいて特定された交叉点について、
地図データDMに基づく内容と詳細度データDTにより
指示される内容詳細度を有したものとされ、頻度データ
DNによって指示される作成頻度をもって作成する。従
って、経路設定部17からの経路データDCが設定され
た走行経路として図2に示される走行経路ACをあらわ
す場合には、案内文作成部19により、走行経路ACに
おける交叉点X1,X2,X3,X4及びX5に関する
音声案内用の案内文が、詳細度データDTにより指示さ
れる内容詳細度を有したものとされて、頻度データDN
により指示される作成頻度をもって作成される。
【0012】案内文作成部19は、案内文を作成したと
きには、作成された案内文をあらわす案内文データDS
を案内文データメモリ部22に供給するとともに、案内
文作成報知信号CSをメモリ制御部23に送出する。メ
モリ制御部23は、案内文作成部19からの案内文作成
報知信号CSを受けると、それに応じて、書込信号Pw
を案内文データメモリ部22に供給し、それにより、案
内文データメモリ部22に、案内文作成部19からの案
内文データDSが書込信号Pwに応じて書き込まれて格
納される。
【0013】また、図1に示される例にあっては、自動
車の乗員の発声状態を検出すべく、例えば、自動車にお
ける運転車席側のフロントピラーの内側に配されるマイ
クロフォン25が備えられており、マイクロフォン25
から得られる自動車の乗員が発する音声に応じて変化す
る音声信号SVが、発声検出部26に供給される。発声
検出部26には、自動車に備えられた車載オーディオ装
置27における出力部から得られる音声出力信号SUも
供給される。そして、発声検出部26においては、マイ
クロフォン25からの音声信号SVに基づき、それに混
入した車載オーディオ装置27からの音声出力信号SU
に基づく再生音に応じた信号成分の影響が、車載オーデ
ィオ装置27における出力部から得られる音声出力信号
SUに基づいて除去されるようになされたもとで、自動
車の乗員による発声の有無が検出され、それにより得ら
れる発声検出出力信号SQが音声案内許可部28に供給
される。発声検出出力信号SQは、例えば、乗員による
発声がなされた期間において高レベルをとるとともに、
乗員による発声がなされない期間において低レベルをと
るものとされる。
【0014】音声案内許可部28には、案内文作成部1
9からの案内文作成報知信号CSも供給され、音声案内
許可部28は、案内文作成部19から案内文作成報知信
号CSを受けたときには、報知用音声信号SPを加算部
29に送出するとともに、発声検出部26からの発声検
出出力信号SQの変化を監視する動作を行う。報知用音
声信号SPは、所定の可聴周波数を有して、例えば、
0.2秒間継続する信号とされ、加算部29を通じてス
ピーカ30に供給される。そして、スピーカ30から、
報知用音声信号SPに基づく報知音が、例えば、0.2
秒間発せられる。
【0015】発声検出部26からの発声検出出力信号S
Qの変化を監視する動作を行う音声案内許可部28は、
報知用音声信号SPの送出後、発声検出出力信号SQの
レベル変化に基づいて、例えば、スピーカ30からの報
知音を聴いた乗員が、その時発声中であれば、2秒以内
に発声を止め、その後の2秒以内に発声を行い、さら
に、その後2秒以内に発声を止める、特定車室内状態を
検知する。斯かる特定車室内状態は、スピーカ30から
の報知音を聴いた運転席の乗員が、その時他の乗員との
会話中であれば一旦会話を止め、報知音に応答して、
『オーケイ』等の短い言葉を発する状態であり、その際
には、運転席の乗員が音声案内を受ける意向を示してい
る状況にある。運転席の乗員が音声案内を受けることを
希望しない場合には、スピーカ30から報知音が発せら
れても、運転席の乗員は、その時他の乗員との会話中で
あれば、2秒以内には会話を止めず、あるいは、報知音
に応答して『オーケイ』等の短い言葉を発することなく
無言状態を維持し、従って、特定車室内状態はとられな
い。
【0016】音声案内許可部28による上述の特定車室
内状態の検知は、発声検出部26からの発声検出出力信
号SQの、報知用音声信号SPの送出後2秒以内に低レ
ベルをとり、その後2秒以内に低レベルから高レベルに
立ち上がり、さらに、その後2秒以内に高レベルから低
レベルに立ち下がるという特定変化が検出されることに
よりなされる。音声案内許可部28は、このような発声
検出出力信号SQの特定変化を検出したときには、音声
案内許可信号CAをメモリ制御部23に送出する。メモ
リ制御部23は、音声案内許可部28からの音声案内許
可信号CAを受けると、それに応じて、読出信号Prを
案内文データメモリ部22に供給し、それにより、案内
文データメモリ部22から格納されていた案内文データ
DSが読み出されて、それが音声信号合成部24に供給
される。
【0017】案内文データメモリ部22からの案内文デ
ータDSが供給された音声信号合成部24は、案内文デ
ータDSによりあらわされる案内文に対応するアナログ
音声信号SAを合成する。そして、音声信号合成部24
において合成されたアナログ音声信号SAは、加算部2
9を通じて放音部を構成するスピーカ30に供給され、
それにより、スピーカ30から、自動車の乗員に対して
の、案内文作成部19により作成された案内部に基づく
音声案内がなされる。そして、自動車が、スピーカ30
からの音声案内により、それを受ける乗員の運転操作を
介して、設定された走行経路に沿って誘導されることに
なる。斯かるもとで、音声信号合成部24,加算部29
及びスピーカ30は、案内実行部を構成していることに
なる。
【0018】さらに、音声案内許可部28は、発声検出
出力信号SQの特定変化を検出して、音声案内許可信号
CAをメモリ制御部23に送出したときには、案内文作
成部19により作成される案内部の内容詳細度及び作成
頻度のうちの少なくとも一方を1段階だけ増大させるこ
とを指示する案内状態指示信号CT(“+1”の案内状
態指示信号CT)を、案内詳細度・頻度設定部20に供
給する。案内詳細度・頻度設定部20は、音声案内許可
部28からの“+1”の案内状態指示信号CTを受ける
と、それに応じて、詳細度データDTを1段階だけ増大
させた内容詳細度を指示するものとなす動作、及び、頻
度データDNを1段階だけ増大させた作成頻度を指示す
るものとなす動作、あるいは、それらのうちの一方を行
う。
【0019】また、音声案内許可部28は、報知用音声
信号SPの送出後、発声検出出力信号SQの特定変化を
検出しなかったときには、音声案内許可信号CAのメモ
リ制御部23への送出は行わず、案内文作成部19によ
り作成される案内部の内容詳細度及び作成頻度のうちの
少なくとも一方を1段階だけ減少させることを指示する
案内状態指示信号CT(“−1”の案内状態指示信号C
T)を、案内詳細度・頻度設定部20に供給する。それ
により、スピーカ30からの音声案内はなされず、案内
詳細度・頻度設定部20が、音声案内許可部28からの
“−1”の案内状態指示信号CTに応じて、詳細度デー
タDTを1段階だけ減少された内容詳細度を指示するも
のとなす動作、及び、頻度データDNを1段階だけ減少
させた作成頻度を指示するものとなす動作、あるいは、
それらのうちの一方を行う。
【0020】このようにして、案内詳細度・頻度設定部
20により設定される案内文作成部19により作成され
る案内部の内容詳細度及び作成頻度は、音声案内許可部
28から送出される“+1”の案内状態指示信号CTも
しくは“−1”の案内状態指示信号CTによって自動的
に変更されることになるが、案内詳細度・頻度設定部2
0には、案内状態指定部21も連結されており、案内詳
細度・頻度設定部20により設定される案内文作成部1
9により作成される案内部の内容詳細度及び作成頻度
が、案内状態指定部21からの案内状態指定信号CTM
による指定通りのものとされる状態もとられる。案内状
態指定部21は、例えば、自動車の乗員によって手動操
作される。
【0021】さらに、メモリ制御部23には、音声案内
指令部31が連結されており、音声案内指令部31は、
例えば、自動車の乗員によって手動操作されて、読出指
令信号CAMをメモリ制御部23に供給する状態をとる
ものとされる。メモリ制御部23は、音声案内指令部3
1からの読出指令信号CAMが供給された場合には、音
声案内許可部28からの音声案内許可信号CAの有無に
かかわらず、案内文データメモリ部22からそれに格納
された案内文データDSが逐次読み出される状態とすべ
く、読出信号Prを案内文データメモリ部22に送出す
る。それにより、音声案内指令部31が操作されて、読
出指令信号CAMがメモリ制御部23に供給された場合
には、発声検出部26から音声案内許可部28に供給さ
れる発声検出出力信号SQの状態にかかわらず、スピー
カ30による音声案内が行われる。
【0022】図3は、図1の例における発声検出部26
の具体構成例を示す。この具体構成例にあっては、入力
端子41にマイクロフォン25からの音声信号SVが供
給され、また、入力端子42に車載オーディオ装置27
の出力部からの音声出力信号SU供給される。入力端子
41に供給された音声信号SVは、増幅部43によって
増幅された後、帯域通過フィルタ(BPF)44に供給
される。BPF44は、音声信号SVの主要成分の周波
数帯域に対応する、例えば、1〜4kHzの通過周波数
帯域を有するものとされ、BPF44からは、音声信号
SV中の周波数を1〜4kHzとする音声信号成分S
V’が得られる。この音声信号成分SV’は、例えば、
前述の特定車室内状態のもとにあっては、図4における
Aに示される如くのレベル変化を有するものとされ、音
声案内許可部28から加算部29に図4におけるBに示
される如くの報知用音声信号SPが送出された時点t0
の後、2秒以内に大規模なレベル低下を生じ、その後2
秒以内に急激なレベル上昇を生じ、さらに、その後2秒
以内に再度大規模レベル上昇を生じるものとなる。
【0023】BPF44からの音声信号成分SV’は、
レベル比較部45の比較端子に供給されるとともに、平
均レベル検出部46に供給される。平均レベル検出部4
6からは、音声信号成分SV’についての平均レベルV
Vが得られて、それがスレッショールドレベル設定部4
7の入力端の一方に供給される。
【0024】また、入力端子42に供給された音声出力
信号SUは、BPF48に供給される。BPF48も、
BPF44と同様に、例えば、1〜4kHzの通過周波
数帯域を有するものとされ、BPF48からは、音声出
力信号SU中の周波数を1〜4kHzとする音声出力信
号成分SU’が得られる。そして、BPF48からの音
声出力信号成分SU’は、平均レベル検出部49に供給
され、平均レベル検出部49から、音声出力信号成分S
U’についての平均レベルVUが得られる。平均レベル
検出部49からの平均レベルVUは、平均レベル検出部
46からの平均レベルVVとのバランスが考慮されて
の、レベル調整部50によるレベル調整がなされた後、
スレッショールドレベル設定部47の入力端の他方に供
給される。
【0025】スレッショールドレベル設定部47におい
ては、平均レベルVVと平均レベルVUとに基づいて、
BPF44からの音声信号成分SV’に対する適正なス
レッショールドレベルVsが設定される。このスレッシ
ョールドレベルVsは、音声信号成分SV’におけるス
レッショールドレベルVsを越えるレベルを有した部分
が、車載オーディオ装置27からの音声出力信号SUに
基づく再生音に応じた信号成分を含まないことになるも
のとされる。そして、スレッショールドレベル設定部4
7により設定されたスレッショールドレベルVsが、レ
ベル比較部45の基準端子に供給される。
【0026】レベル比較部45においては、BPF44
からの音声信号成分SV’のレベルがスレッショールド
レベルVsと比較され、レベル比較部45から、BPF
44からの音声信号成分SV’のレベルがスレッショー
ルドレベルVsを越えるとき高レベルをとり、BPF4
4からの音声信号成分SV’のレベルがスレッショール
ドレベルVs以下であるとき低レベルをとる比較出力信
号SSが得られる。例えば、特定車室内状態のもとにお
ける比較出力信号SSは、図4におけるCに示される如
くに、時点t0後の、音声信号成分SV’のレベルがス
レッショールドレベルVsを越えている状態からスレッ
ショールドレベルVs以下となる時点t1において高レ
ベルから低レベルに立ち下がり、その後の、音声信号成
分SV’のレベルが上昇してスレッショールドレベルV
sを越えることになる時点t2において低レベルから高
レベルに立ち上がり、さらに、その後の、音声信号成分
SV’のレベルが再度スレッショールドレベルVs以下
となる時点t3において高レベルから低レベルに立ち下
がるものとされる。斯かる際、時点t0から時点t1ま
で,時点t1から時点t2まで、及び、時点t2から時
点t3までは、いずれも2秒以下である。そして、レベ
ル比較部45から得られる比較出力信号SSが、出力端
子51に導出されて発声検出出力信号SQとされる。
【0027】図1の例における音声案内許可部28は、
例えば、マイクロコンピュータが用いられて構成され、
斯かるマイクロコンピュータが、発声検出部26からの
発声検出出力信号SQの変化の監視にあたって実行する
プログラムの一例を、図5のフローチャートを参照して
説明する。
【0028】図5のフローチャートは、スタート後、ス
テップ61において、案内文作成部19からの案内文作
成報知信号CSが到来した否かを判断し、案内文作成報
知信号CSが到来していない場合には、ステップ61で
の判断を繰り返す。ステップ61での判断の結果、案内
文作成報知信号CSが到来した場合には、ステップ62
において、報知用音声信号SPを加算部29に送出し、
続くステップ63において、タイマーの作動を開始させ
る。
【0029】次に、ステップ64において、発声検出部
26からの発声検出出力信号SQが低レベルにあるか否
かを判断し、発声検出出力信号SQが低レベルにない場
合には、ステップ65において、タイマーによる計測時
間Ttが2秒を越えたか否かを判断する。その結果、タ
イマーによる計測時間Ttが2秒を越えていない場合に
は、ステップ64に戻り、また、タイマーによる計測時
間Ttが2秒を越えた場合には、ステップ72に進む。
一方、ステップ64での判断の結果、発声検出出力信号
SQが低レベルにある場合には、ステップ66において
タイマーをリセットして、ステップ67に進む。
【0030】ステップ67においては、発声検出部26
からの発声検出出力信号SQが高レベルとなったか否か
を判断し、発声検出出力信号SQが低レベルにある場合
には、ステップ68において、タイマーによる計測時間
Ttが2秒を越えたか否かを判断する。その結果、タイ
マーによる計測時間Ttが2秒を越えていない場合に
は、ステップ67に戻り、また、タイマーによる計測時
間Ttが2秒を越えた場合には、ステップ72に進む。
一方、ステップ67での判断の結果、発声検出出力信号
SQが高レベルになった場合には、ステップ69におい
てタイマーをリセットして、ステップ70に進む。
【0031】ステップ70においては、発声検出部26
からの発声検出出力信号SQが低レベルとなったか否か
を判断し、発声検出出力信号SQが高レベルにある場合
には、ステップ71において、タイマーによる計測時間
Ttが2秒を越えたか否かを判断する。その結果、タイ
マーによる計測時間Ttが2秒を越えていない場合に
は、ステップ70に戻り、また、タイマーによる計測時
間Ttが2秒を越えた場合には、ステップ72に進む。
ステップ72においては、タイマーの作動を停止させ、
続くステップ73において、“−1”の案内状態指示信
号CTを案内詳細度・頻度設定部20に送出して、ステ
ップ61に戻る。
【0032】一方、ステップ70での判断の結果、発声
検出出力信号SQが低レベルになった場合には、ステッ
プ74において、タイマーの作動を停止させ、続くステ
ップ75において、音声案内許可信号CAをメモリ制御
部23に送出し、さらに、ステップ76において、“+
1”の案内状態指示信号CTを案内詳細度・頻度設定部
20に送出して、ステップ61に戻る。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
係る自動車の音声による経路誘導装置にあっては、自動
車に対して設定された走行経路における所定地点に関し
ての自動車の乗員に対する音声案内にあたり、案内文作
成部によって案内文が作成されたとき、その案内文をあ
らわす案内文データが、一旦メモリ部に格納されて、そ
の後音声案内許可部による制御のもとにメモリ部から案
内実行部に供給される状態が選択的にとられ、案内文デ
ータがメモリ部から案内実行部に供給されるときには、
案内実行部により案内文に基づく音声案内が行われるよ
うにされ、その際、音声案内許可部による制御のもとで
のメモリ部に格納された案内文データの案内実行部への
供給動作は、自動車の乗員の発声状態を検出する発声検
出部からの検出出力信号に応じて行われ、それにより、
案内文作成部によって作成された案内文に基づく音声案
内は、乗員の意向に応じて行われることになる。従っ
て、本発明に係る自動車の音声による経路誘導装置によ
れば、音声案内が行われることにより乗員が煩わしさ、
あるいは、疎ましさを覚えることになる事態を、効果的
に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車の音声による経路誘導装置
の一例を示すブロック構成図である。
【図2】図1に示される例の動作説明に供される自動車
の走行経路を示す概念図である。
【図3】図1に示される例における発声検出部の具体構
成例を示すブロック構成図である。
【図4】図3に示される発声検出部の具体構成例の動作
説明に供される波形図である。
【図5】図1に示される例における音声案内許可部を構
成するマイクロコンピュータが発声検出部からの発声検
出出力信号の変化の監視にあたって実行するプログラム
の一例をあらわすフローチャートである。
【符号の説明】
11 現在位置検出部 16 地図データ格納メモリ部 17 経路設定部 18 目的地データ入力部 19 案内文作成部 20 案内詳細度・頻度設定部 21 案内状態指定部 22 案内文データメモリ部 23 メモリ制御部 24 音声信号合成部 25 マイクロフォン 26 発声検出部 27 車載オーディオ装置 28 音声案内許可部 29 加算部 30 スピーカ 31 音声案内指令部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車についての目的地データ及び現在位
    置データと自動車走行路網を示す地図データとに基づい
    て走行経路を設定し、設定された走行経路に関する経路
    データを送出する経路設定部と、 上記地図データ及び上記経路設定部からの経路データに
    基づいて、上記経路データにより特定される上記設定さ
    れた走行経路上の所定地点に関する案内文を作成し、作
    成された案内文をあらわす案内文データを送出する案内
    文作成部と、 該案内文作成部からの案内文データを格納するメモリ部
    と、 該メモリ部からの案内文データに基づく上記所定地点に
    関する音声案内を実行して上記自動車の経路誘導を行う
    案内実行部と、 上記自動車の乗員の発声状態を検出する発声検出部と、 上記案内文作成部から案内文データが送出された後、上
    記発声検出部からの検出出力信号に応じて上記メモリ部
    にそれに格納された案内文データを上記案内実行部に供
    給する動作を行わせて、該案内実行部による音声案内を
    許可する音声案内許可部と、を備えて構成される自動車
    の音声による経路誘導装置。
  2. 【請求項2】案内文作成部が案内文データの送出ととも
    に案内文作成報知信号の送出を行い、音声案内許可部
    が、上記案内文作成部からの案内文作成報知信号に応答
    して所定の報知動作を行うとともに、該報知動作の後、
    発声検出部からの検出出力信号における所定の変化態様
    が検出されたとき、メモリ部にそれに格納された案内文
    データを案内実行部に供給する動作を行わせることを特
    徴とする請求項1記載の自動車の音声による経路誘導装
    置。
  3. 【請求項3】音声案内許可部による報知動作後の発声検
    出部からの検出出力信号における所定の変化態様の検出
    頻度に応じて、案内文作成部により作成される案内文に
    ついての内容詳細度及び作成頻度のうちの少なくとも一
    方を変化させる案内詳細度・頻度設定部を備えることを
    特徴とする請求項2記載の自動車の音声による経路誘導
    装置。
  4. 【請求項4】案内詳細度・頻度設定部に案内文作成部に
    より作成される案内文についての内容詳細度及び作成頻
    度の設定を任意に行わせることができる案内状態指示手
    段を備えることを特徴とする請求項3記載の自動車の音
    声による経路誘導装置。
  5. 【請求項5】発声検出部からの検出出力信号にはかかわ
    りなく、メモリ部にそれに格納された案内文データを案
    内実行部に供給する動作を行わせて、該案内実行部によ
    る音声案内を許可する状態をとることができる音声案内
    指令手段を備えることを特徴とする請求項1記載の自動
    車の音声による経路誘導装置。
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