JPH06103065B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH06103065B2
JPH06103065B2 JP10436087A JP10436087A JPH06103065B2 JP H06103065 B2 JPH06103065 B2 JP H06103065B2 JP 10436087 A JP10436087 A JP 10436087A JP 10436087 A JP10436087 A JP 10436087A JP H06103065 B2 JPH06103065 B2 JP H06103065B2
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turbine
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shift
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芳和 田中
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は自動車に搭載される自動変速機の制御装置に関
し、特にアップシフト時のショック軽減対策技術に関す
る。
〈従来の技術〉 従来の自動変速機の制御装置としては例えば実開昭60−
149550号公報等に示されるようなものがある。
このものでは自動変速機におけるシフトの切換をスロッ
トル弁開度と車速とによって予め定められた領域毎に行
なっているが、その際摩擦要素(クラッチ,ブレーキ機
構)を作動させる流体圧アクチュエータに供給する流体
圧力はスロットル弁開度に基づいて設定されている。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、このようにスロットル弁開度のみで流体
圧力を制御する従来装置にあっては、トルクコンバータ
から歯車式変速機への動力伝達を滑らかに行わせるのに
適合した圧力とはずれてしまい変速時、特にアップシフ
ト時に不快なショックを与えてしまうという問題点があ
った。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたも
ので、変速制御中に変速後の発生トルク状態を予測して
変速操作用の流体圧アクチュエータへの流体圧を制御す
ることにより変速時のショックを軽減できるようにした
自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
〈問題点を解決するための手段〉 このため本発明は第1図に示すようにエンジン出力軸に
連結されたトルクコンバータと、前記トルクコンバータ
の出力軸に連結された歯車式変速機と、前記歯車式変速
機の変速操作を行う流体圧アクチュエータと、を備えた
自動変速機の制御装置において、 前記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検
出手段と、 前記トルクコンバータの出力側のタービン回転速度を検
出するタービン回転速度検出手段と、 前記歯車式変速機の出力回転速度を検出する出力軸回転
速度検出手段と、 前記エンジン回転速度検出手段によって検出されたエン
ジン回転速度と、前記タービン回転速度検出手段によっ
て検出されたタービン回転速度との比に基づいてトルク
コンバータのタービントルクを推定するタービントルク
推定手段と、 前記歯車式変速機の損失トルクを負荷に応じて算出する
損失トルク算出手段と、 前記タービントルク推定手段によって推定されたタービ
ントルクを前記損失トルク算出手段によって算出された
損失トルクによって補正するタービントルク補正手段
と、 予め定められた変速制御特性に基づいて前記流体圧アク
チュエータに変速信号を出力する変速信号出力手段と、 前記変速信号出力手段により変速信号が出力される直前
に前記タービントルク補正手段によって補正されたター
ビントルクと、歯車式変速機の変速前後の各ギア比とを
記憶する記憶手段と、 前記変速信号出力手段からの変速信号の出力によって歯
車式変速機のギア比が変化し始めたときに、前記記憶手
段により記憶された各データに基づいて変速後のギア比
におけるタービントルクを予測するタービントルク予測
手段と、 前記タービントルク予測手段によって予測されるタービ
ントルクに滑らかに変化するように前記流体圧アクチュ
エータへの供給流体圧を調整する流体圧調整手段とを設
けた構成とする。
〈作用〉 変速信号出力手段から流体圧アクチュエータに変速信号
が出力されるとその直前にタービントルク推定手段によ
って推定されタービントルク補正手段によって補正され
たタービントルクと、変速前後における歯車式変速機の
各ギア比とが記憶手段に記憶される。
流体圧アクチュエータは変速信号を受けると変速操作を
開始し、これにより歯車式変速機のギア比が変化し始め
ると、これを検出してタービントルク予測手段により、
記憶手段への記憶データに基づいて変速後のギア比にお
けるタービントルクが予測される。
この結果、流体圧調整手段により、前記予測されたター
ビントルクに滑らかに変化するように流体圧アクチュエ
ータへの供給流体圧が調整され、これにより歯車式変速
機の出力軸のトルク変化も滑らかなものとなってショッ
クを抑制できる。
〈実施例〉 以下に本発明の実施例を図に基づいて説明する。
一実施例の概要構成を示す第2図において、自動変速機
はエンジン1の出力軸2に連結されたトルクコンバータ
3と、該トルクコンバータ3の出力軸31に連結された歯
車式変速機4とを備えて構成されている。
前記トルクコンバータ3はポンプインペラ32,タービン
トルク33,ステータ34を備えてなり、タービントルク33
には、ロックアップクラッチ35が装着されている。また
ステータ34は、ワンウェイクラッチ36によりケース5に
対して固定可能に取り付けられている。
タービントルク33及びロックアップクラッチ35に一端を
連結されたトルクコンバータ3の出力軸31は、他端が歯
車式変速機4に連結されている。
歯車式変速機4は、2組の遊星歯車機構41,42を有して
構成される。
第1の遊星歯車機構41はサンギア41a,キャリア41b,リン
グギア41cの3つの回転要素より構成されている。また
第2の遊星歯車機構42も同様にサンギア42a,キャリア42
b,リングギア42cの回転要素より構成されている。
各々の回転要素は、図示の如くリングギア41cの回転軸
とキャリア42bとが連結されることによって機械的に結
合されており、キャリア42bの回転軸は、歯車式変速機
4の出力軸43と機械的に結合されている。
さらに、他の回転要素については、摩擦式のクラッチ又
はブレーキによって相互に締結あるいはケース5に固定
可能状態に取り付けられている。
即ち、サンギア41aはクラッチCR44によりトルクコンバ
ータ3の出力軸31と結合可能であると同時に、バンドブ
レーキB245によってケース5に固定可能である。キャリ
ア41bはクラッチC146によって同じく出力軸31に結合可
能であると同時に、クラッチC247によりリングギア42c
と結合可能である。さらに、クラッチC348とワンウェイ
クラッチF249とを連結したものが前記クラッチC247と並
列に取り付けられている。
また、前記キャリア41bは、ブレーキB150又はワンウェ
イクラッチF151によりケース5に対して固定可能な状態
で取り付けられている。
そして、これらの摩擦式クラッチ並びに摩擦式ブレーキ
(以下摩擦要素という)を組合せて作動させることによ
って前進1速から4速及び後進の各走行レンジと、中立
(ニュートラル),駐車(パーキング)の各位置にセッ
トすることができる。
第3図で○印は当該クラッチ又はブレーキが係合される
ことを示し、無印は、係合されていないことを示す。
第4図は、上記変速操作を制御する機構を示し、各種セ
ンサからの信号を入力した電子制御装置により後述する
制御フローに従って演算処理を行いこれに応じて各ソレ
ノイド弁を駆動して変速操作を行うようになっている。
即ち、スロットル開度センサ101はエンジン1のスロッ
トル弁開度TVOを電圧に変換して検出し、車速センサ103
は、歯車式変速機4の出力軸43の回転数VSPをパルス列
として検出する。シフトポジションセンサ105は操作レ
ンジかP,R,N,D,2,1のいずれのレンジにあるかを各々デ
ジタル信号INHとして検出する。エンジン回転速度検出
手段としてのエンジン回転センサ107はエンジン回転速
度Nを、タービン回転速度検出段としてのタービン回
転センサ109は、タービンライナ33(即ちトルクコンバ
ータの出力軸)の回転速度Nを、出力軸回転速度検出
手段としての出力軸回転センサ111は歯車式変速機4の
出力軸43の回転速度Nを夫々パルス列によって検出す
る。アイドルスイッチ113はスロットル弁がアイドル状
態(全閉)にあるか否かの信号IDLEをデジタル信号とし
て出力する。
電子制御装置115は、いわゆるマイクロプロセッサを中
心として構成されており、所定の処理手順に基づき演算
処理を行って前記したように4つのソレノイド弁に制御
信号を出力する。
L/U(ロックアップ)ソレノイド弁117は、通電により作
動してロックアップラッチ35を締結し、これによりトル
クコンバータ3の出力軸31はエンジン1と同一回転速度
で回転する。
第1変速用ソレノイド弁119と第2変速用ソレノイド弁1
21の作動は第5図に示すようになっており、例えば、両
ソレノイド弁119,121がON状態のときは、歯車式変速機
は第1速に制御される。
ライン圧用ソレノイド弁123はそのON(又はOFF)時間を
PWM(パルス幅変調)することで、前記した各摩擦要素
(クラッチ,ブレーキ)への供給油圧(ライン油圧)を
制御するものであり、その特性は例えば第6図に示すよ
うになっている。これらソレノイド弁117,119,121,123
は流体圧アクチュエータに相当する。
第7図〜第13図は、電子制御装置115で行われる処理判
断のフローチャートを示す。
まず変速制御全体のフローチャートを第7図に示す。電
子制御装置115へ電源が投入されると、ステップ(図で
はSと記す)1にてイニシャライズ設定が行われる。
ステップ3では第4図で示した各種センサからの入力情
報の読み込みとその処理が行われる。
ステップ5ではこれらの検出結果からアップシフト又は
ダウンシフトすべき状態であるかを判断し、ステップ7
ではパワーON(力行側)とすべきかパワーOFF(惰力走
行)とすべきかを判断する。
ステップ9ではパワーONと判断されたか否かを判定し、
YESの場合はステップ11へ進み、ステップ5での判断が
アップシフトにするかダウンシフトにするか現状維持で
あるかを判定する。
すなわち、ステップ9,11による判定に基づいて後述する
変速制御を行うための変速信号を出力する機能が変速信
号出力手段に相当する。
アップシフトにする場合はステップ13へ進んでパワーON
でアップシフト制御、ダウンシフトにする場合はステッ
プ15へ進んでパワーONでダウンシフト制御を夫々行った
後、また現状維持の場合は、その状態のままステップ3
へ戻り再度同様の処理、判断を行って制御を行う。
同様にステップ9でパワーOFFと判定された場合はステ
ップ17へ進んでアップシフト,ダウンシフト,現状維持
のいずれかを判定し、アップシフトの場合はステップ19
へ進んでパワーOFFでアップシフト制御、ダウンシフト
の場合はステップ21へ進んでパワーOFFでダウンシフト
制御を行った後、また、現状維持の場合はそのままステ
ップ3へ戻る。
第8図は第7図のステップ5における変速判断の処理フ
ローを示す。
まずステップ101ではスロットル開度センサ101の信号か
らスロットル弁開度TVOを読み込む。
ステップ103では、第14図に示したアップシフト線(Mu
p)から、開度信号TVOに応じたアップシフト車速VSP−
Uを検出する。
ステップ105では、車速センサ103から現実の車速VSPを
読み込む。
ステップ107ではステップ103で検索した車速VSP−Uと
ステップ105で読み込んだ車速VSPとを比較する。ここで
実車速VSPの方がアップシフト車速VSP−Uより大きい場
合にはアップシフトすべきであることを示しており、ス
テップ109へ進んでUP−FRAGを1としてアップシフトが
必要なことを記憶させ、次いでステップ111へ進んでア
ップシフトしたときのギア位置を目標ギア位置としてセ
ットする。
また、ステップ107において実車速VSPがアップシフト車
速VSP−U以下の場合は、ステップ113へ進んでダウンシ
フト線(MDOWN,第14図参照)からスロットル弁開度に
応じたダウンシフト車速VSP−Dを検索する。尚、制御
のハンチングを防止するため同一のスロットル弁開度に
対してはVSP−D<VSP−Uとなるように設定してある。
ステップ115では実車速VSPとダウンシフト車速VSP−D
とを比較し、実車速VSPの方がダウンシフト車速VSP−D
より小さい場合にはダウンシフトが必要なことを知らせ
るためステップ117へ進んでダウンシフトが必要なこと
を知らせるためDOWN−FRAGを1とした後、ステップ119
へ進んでダウンシフトしたときのギア位置を目標ギア位
置としてセットする。
ステップ115で実車速VSPがダウンシフト車速VSP−D以
上である場合には、ステップ121,123に進んでUP−FRAG
とDOWN−FRAGとを夫々0とし、アップシフトもダウンシ
フトも必要ない旨を記憶する。
第9図には、第7図のステップ7で示したパワーON,OFF
判断のフローを示す。
ステップ201ではアイドルスイッチ113からアイドル信号
IDLEを読み込み、このアイドル信号IDLEのON,OFFをステ
ップ203において判断する。
その結果アイドル信号IDLEがONの時、即ちアイドル状態
にある時には、ステップ213にてP−ON−FRAGを0にク
リアする。逆にアイドル信号IDLEがOFFでアイドル状態
にはないときには、ステップ205へ進んでエンジン回転
センサ107からエンジン回転速度Nを読み込み、次い
でステップ207へ進んでタービン回転センサ109からター
ビン回転速度Nを読み込む。
そしてステップ209でエンジン回転速度Nとタービン
回転速度Nとを比較し、N>Nの場合は惰力走行
状態になっているのでステップ213へ進んでP−ON−FRA
Gを0とするが、N≦Nの場合は、力行状態にある
ので、ステップ211へ進んでパワーONすべきことを知ら
せるためP−ON−FRAGを1にセットする。
次に、第7図のステップ13,15,19,21で示した各変速制
御のフローを第10図〜第13図に基づいて説明する。
第10図は、第7図のステップ13におけるパワーON,アッ
プシフト制御の詳細を示す。
ステップ301ではタービン回転速度Nと出力軸回転速
度Nとの比(ギア比)が変化したか否かを判定する。
その結果、変化がないと判定されたときはステップ323
へ進んでクラッチ,ブレーキ(摩擦要素)への供給油圧
CLを計算する。これは後述する方法で推定されるター
ビントルクTに比例するように計算する。
ステップ301においてギア比N/Nの値が変化してい
ると判定された場合は歯車式変速機4の回転要素が変速
信号に応じたソレノイド弁の切り換えにより変化してい
ることを意味している。
このときは、まずステップ303へ進んで目標とするギア
比変化率を決定する。この決定方法は例えばスロットル
弁開度TVOに応じて変速時間を決めてギア比変化率を決
定する方法がある。
次に、ステップ305においてはステップ303で求めた目標
ギア比変化率からタービン回転速度の変化率を計算
する。これは、目標ギア比変化率に出力軸回転速度N
を乗ずることで求められる。 =×N …(1) 但し=目標ギア比変化率 ステップ306では現状のタービントルクTを後述する
ようにして推定する。
一般に、トルクコンバータの特性は入力回転速度つまり
エンジン回転速度Nと出力回転速度つまりタービン回
転速度Nとの比(速度比N/N))によって表され
る。
そして、トルク比t(=T/T;Tはエンジントル
ク)と入力トルク容量係数τ(=T/N )との積t
τが第15図に示すような速度比の関数として示されるた
めタービントルクT(=tτN )は速度比によっ
て求めたtτと、エンジン回転速度Nとにより推定で
きる。
つまり、第9図に示したパワーON,OFF判断フローのステ
ップ205とステップ207で求めたエンジン回転速度N
タービン回転速度Nとによって速度比N/Nを求
め、これから第15図によりtτを推定し、さらにエンジ
ン回転速度Nの2乗を乗じることにより、タービント
ルクTを推定できる。
以上ステップ301,303,305,306によりタービントルクT
を推定する機能がタービントルク推定手段に相当す
る。
但し、このようにして求められるタービントルクT
は、トルクコンバータ単体の特性によって推定したも
のであって実際には、タービントルクによって歯車式変
速機の出力軸トルクを推定する場合には、トルクコン
バータの出力軸31と歯車式変速機4の出力軸43との間の
動力伝達における損失トルクを考慮する必要がある。
そこでステップ307では前記損失トルクを算出する。即
ち、このステップ307の機能が損失トルク算出手段に相
当する。
かかる損失トルクは第16図や第17図を用いて後述するよ
うにして求められる。
第16図では、トルクコンバータの速度比N/Nに対す
る損失トルク特性を示してある。負荷が大きいと速度比
が大きくなるが摩擦等で散逸する損失トルクが増大し、
負荷が小さくなるにしたがって速度比が小となると共に
損失トルクが減少する。
一方第17図は、エンジン回転速度Nに対する損失トル
クを車速VSPあるいは出力軸回転速度Nをパラメータ
として示してある。
この場合は、負荷が大きくなるということは同一エンジ
ン回転速度に対して車速あるいは出力軸回転速度が小さ
くなることであり、このときには、やはり損失トルクが
増大している。
ステップ308では前記のようにして求めた損失トルクを
前記のように推定したタービントルクTから差し引い
て補正するより高精度なタービントルクTを求めるこ
とができる。
即ち、このステップ308の機能がタービントルク補正手
段に相当する。
次いでステップ309において、ステップ305,308での計算
結果を用いて目標ギア比変化率を達成した時に出力軸
に発生するトルクTを次式により計算する。
=K1×+K2×T+K3× …(2) 但し、K1,K2,K3=係数 =出力軸の回転変化率 さらに、ステップ310にて締結側の摩擦要素への供給油
圧のうち、オープン分油圧POPを計算するのであるが、
それに先立ちステップ310で変速後のタービントルクを
予測する。
ここで、パワーON,アップシフトの場合は、出力軸トル
クの変化が極力小さい方が良好な変速フィーリングを得
られるが、この時の出力軸トルクTは、殆どタービン
トルクTのみで決定される。つまり、T≒T×GR 但しGR=ギア比 そして、パワーON時においては、変速前のギア比(GR
1)と変速後のギア比(GR2)とを用いて変速後のタービ
ントルクTt′を推定することができる。
このステップ310の機能がタービントルク予測手段に相
当する。また、かかるタービントルクの予測に際し変速
前後の各ギア比,変速前のタービントルクを記憶する電
子制御装置115内蔵のRAMが記憶手段を構成する。
この予測された変速後のタービントルクT′を用いて
次式により基本となるオープン分油圧POPが決定され
る。
OP=K4×T+K5×T′+K6× …(4) さらにステップ312〜317ではギア比に基づくフィードバ
ック制御を行うための各演算を行う。ステップ312では
目標ギア比変化率と実際のギア比変化率との偏差PER
計算する。
ステップ313では前記偏差PERと比例分ゲインKPとによ
り比例分油圧P(=KP×PER)を計算する。
ステップ315ではステップ311で求められた偏差PERの総
和である積分偏差IERに対して、積分分ゲインKIを用い
て積分分油圧P(=KI×IER)を計算する。
ステップ317では偏差PERの今回値と前回値との差、つ
まり変化量としての微分偏差DERと、これに対応する微
分ゲインKDとにより微分分油圧P(=KD×DER)を計
算する。
ステップ319では、ステップ311で計算したオープン分油
圧POPとステップ313〜317で計算した比例分油圧P
積分分油圧P,微分分油圧Pの総和として求められ
るフィードバック分油圧PFB(=P+P+P)と
を加えることによって最終的な供給油圧PCL(=POP
FB)を計算する。
以上ステップ311〜319までの機能が流体圧調整手段に相
当する。
ステップ321では、非変速時にステップ323で求めた供給
油圧PCL又は変速時にステップ321で求めた供給油圧P
CLを締結動作を行う摩擦要素へ供給する。これは、第6
図に示したライン圧用ソレノイド弁123の特性から油圧
CLに対応するONデューティ率を検索し、ソレノイド弁
123を当該ONデューティ率で制御することによって行
う。
次に第7図のステップ15で行われるパワーON,ダウンシ
フト制御を第11図に示したフローチャートに従って説明
する。
パワーON,アップシフトの場合と同様にステップ401で目
標とするギア比変化率を計算し、ステップ403で目標ギ
ア比変化率と、実際のギア比変化率との偏差を計算し、
ステップ405,407,409において、夫々フィードバック制
御のための比例分油圧P,積分分油圧P,微分分油
圧Pを計算し、ステップ411でオープン分油圧POP
計算する。
尚、オープン分油圧POPは、その時のタービントルクT
などを用いて次式により求める。
Op=K7×T+K8 但し、K7,K8=定数 ステップ413では各種フィードバック分油圧P,P,P
とオープン分POPとの総和として求められる油圧PCL
を締結を行う摩擦要素に供給するように制御する。
第12図は、第7図のステップ19で行われるパワーOFFア
ップシフト制御のフローチャートを示す。
ステップ501では目標とするギア位置での定常コースト
運転時の出力軸トルクを、車速によるテーブルマップか
らの検索等によって推定する。
ステップ503では、変速によって生じる回転変化
伴うイナーシャトルク分(=Ip×;Iは出力軸の慣
性モーメント)を加える。
ステップ505では、定常コーストトルクとイナーシャト
ルク分とを合計した値に応じて供給油圧を計算し、ステ
ップ507で、締結する摩擦要素への供給油圧を前記計算
値に制御する。
第13図は、第7図のステップ21で行われるパワーOFF,ダ
ウンシフト制御時のフローチャートを示す。
ステップ601では、パワーOFF,アップシフト時のときと
同様、目標ギア位置により出力軸の定常のコーストトル
クを推定する。
ステップ603では、現在の変速位置に応じたエンジンブ
レーキ用のトルクを設定する。例えば“2"レンジにある
ときには、“D"レンジより大きくエンジンブレーキ用ト
ルクを設定することによって、エンジンブレーキの効き
具合をレンジに応じて可変に設定することができる。
ステップ605では、コーストトルクとエンジンブレーキ
用トルクとを加えた値に基づいてオーブン分油圧を計算
する。
ステップ607では、目標ギア比変化率、ステップ609で
は、目標ギア比変化率と実際のギア比変化率との偏差を
夫々計算し、ステップ611,613,615にて比例分油圧
,積分分油圧P,微分分油圧Pを夫々求め、ス
テップ617でオープン分油圧とフィードバック分油圧
(=P+P+P)を加えて供給油圧PCLを計算す
る。ステップ619では締結する摩擦要素への供給油圧を
計算値となるように制御する。
次に、本実施例の一連の作用を第18図〜第20図を参照し
つつ説明する。
第18図において時刻t1で1速から2速への変速制御が開
始される。即ち、第3図に示したようにブレーキB245を
作動させれば2速の状態に移行する。時刻t1において
は、ギア比相当のタービン回転速度N/出力軸回転速
度Nの値が変化していないので、第10図のステップ32
3において、タービントルクTtに比例する値として求め
られた供給油圧PCLに制御される。実際には、ブレーキ
B245の作動油圧は油圧配管の中を油で充填するためにま
だ上昇せず、油圧配管が油で満たされる時刻t2に至るま
では出力軸トルクT,ギア比N/N,タービントル
クTのいずれも1速状態のときと同様である。
時刻t2で油圧配管が油で満たされた後はブレーキB2内の
油圧が上昇し始め、この油圧の上昇によって出力軸トル
クは一時的に急降下する。しかし、各回転メンバーの回
転状態は1速状態と全く同じである。いわゆるトルクフ
ェーズである。
このトルクフェーズが終了すると引き続いてイナーシャ
フェーズが生起する。各回転メンバーの回転状態が変化
するので、ギア比N/Nも変化し、エンジン回転速度
の下降に伴うイナーシャエネルギが解放されトルクとな
って出力軸トルクに現れる。一方、タービン回転速度N
とエンジン回転速度Nも変化するので、トルクコン
バータの速度比も変化し、タービントルクも変化する。
このときの様子は時刻t3から時刻t4に示したようにな
る。
時刻t4以後はギア比,出力軸トルクとも安定するので、
摩擦要素のスリップを抑制すべく供給油圧を増大させ
る。
そして、本実施例においては、変速後のタービントルク
を予測して、供給油圧を制御するようにしたので、上記
第18図に示したように変速時にタービントルクは滑らか
に変化してショックの発生を可及的に抑制でき乗心地を
改善できるのである。
これに対し、同じく1速から2速への変速を行う場合に
ブレーキB2への供給油圧が最適値からずれると上記の様
子は変化してくる。
例えば時刻t3〜t4におけるブレーキB245の供給油圧が大
きい側へずれた場合には、第19図に示すように推移す
る。即ち、イナーシャフェーズ(時刻t3〜t4)において
ブレーキ作動油圧が高過ぎるため、タービン回転速度の
変化が急激に生起することになり、これに応じてエンジ
ン回転速度も変化する。従ってトルクコンバータの速度
比が低くなり、タービントルクが大きくなり過ぎる(図
示A1)ので、出力軸トルクにもこの変化が現れて変速前
のトルクレベルを超えるトルクが発生し、いわゆトルク
の飛び出し現象を発生して乗心地を悪くし不快感を与え
る。
逆に時刻t3〜t4におけるブレーキ作動油圧が小さい方に
ずれた場合には、第20図に示すように推移する。即ち、
油圧が低過ぎるため各回転メンバーの回転状態が殆ど変
化せず、ギア比の値も殆ど変化しない(図示B1)。従っ
てトルクコンバータの速度比も殆ど変化しないのでター
ビントルクも変速前(1速)の状態と変わらず(図示
B2)出力軸トルクに現れるイナーシャトルクも小さくな
る(図示B3)。この状態が続いてフェールセーフ等のた
めにブレーキ作動油圧を高くすると今度は急激に各回転
メンバーの回転状態が変わり、ギア比の値が急激に2速
相当の値に変化する。従ってトルクコンバータの速度比
も急激に小さくなりタービントルクが急激に増大する
(図示C2)。従って出力軸トルクも急激に増大して(図
示C3)第19図の場合にも増して大きなショックを生じ乗
心地を悪くしてしまう。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明によれば変速後のタービン
トルクを歯車式変速機の損失トルクをも考慮して高精度
に予測しこれに合わせて変速中滑らかにタービントルク
が変化するように摩擦要素への供給油圧を制御する構成
としたため、歯車式変速機の出力軸トルクも滑らかに変
化し、もって、変速(特にアップシフト)時のショック
の発生を可及的に抑制でき、乗心地を改善できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すブロック図、第2図は本発
明の一実施例に適用される自動変速機の機械的な概要構
成を示す図、第3図は同上自動変速機の各レンジに対応
する各摩擦要素の締結状態を示す図、第4図は同上実施
例の電子制御系統を示すブロック図、第5図は同上制御
系統の第1,第2変速用ソレノイド弁の作動状態を示す
図、第6図は同上制御系統のライン圧用ソレノイド弁の
特性を示す線図、第7図は同上実施例の変速制御全体の
概要を示すフローチャート、第8図は同上変速制御の変
速判断部分のフローチャート、第9図は同じくパワーO
N,OFF判断部分のフローチャート、第10図は同じくパワ
ーON,アップシフト制御部分のフローチャート、第11図
は同じくパワーON,ダウンシフト制御部分のフローチャ
ート、第12図は同じくパワーOFF,アップシフト制御部分
のフローチャート、第13図は同じくパワーOFF,ダウンシ
フト制御部分のフローチャート、第14図は第8図の制御
で使用されるアップシフト車速線,ダウンシフト車速線
の特性を示す線図、第15図は第10図の制御で使用される
t・τの特性を示す線図、第16図,第17図は、同じく第
10図の制御で使用される損失トルクの特性を示す線図、
第18図は本実施例によるアップシフト制御時の各部特性
を示すタイムチャート、第19図,第20図は夫々アップシ
フト制御時において供給油圧が高過ぎる場合と低すぎる
場合とを示すタイムチャートである。 1……エンジン、2……(エンジンの)出力軸、3……
トルクコンバータ、4……歯車式変速機、31……(トル
クコンバータの)出力軸、35……ロックアップクラッ
チ、36,51……ワンウェイクラッチ、44,46,47,48……ク
ラッチ、45,50……ブレーキ、43……(歯車式変速機
の)出力軸、101……スロットル弁開度センサ、103……
車速センサ、105……シフトポジジョンセンサ、107……
エンジン回転センサ、109……タービン回転センサ、111
……出力軸回転センサ、113……アイドルスイッチ、115
……電子制御装置、117……L/Uソレノイド弁、119……
第1変速用ソレノイド弁、121……第2変速用ソレノイ
ド弁、123……ライン圧用ソレノイド弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン出力軸に連結されたトルクコンバ
    ータと、前記トルクコンバータの出力軸に連結された歯
    車式変速機と、前記歯車式変速機の変速操作を行う流体
    圧アクチュエータと、を備えた自動変速機の制御装置に
    おいて、 前記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検
    出手段と、 前記トルクコンバータの出力側のタービン回転速度を検
    出するタービン回転速度検出手段と、 前記歯車式変速機の出力回転速度を検出する出力軸回転
    速度検出手段と、 前記エンジン回転速度検出手段によって検出されたエン
    ジン回転速度と、前記タービン回転速度検出手段によっ
    て検出されたタービン回転速度との比に基づいてトルク
    コンバータのタービントルクを推定するタービントルク
    推定手段と、 前記歯車式変速機の損失トルクを負荷に応じて算出する
    損失トルク算出手段と、 前記タービントルク推定手段によって推定されたタービ
    ントルクを前記損失トルク算出手段によって算出された
    損失トルクによって補正するタービントルク補正手段
    と、 予め定められた変速制御特性に基づいて前記流体圧アク
    チュエータに変速信号を出力する変速信号出力手段と、 前記変速信号出力手段により変速信号が出力される直前
    に前記タービントルク補正手段によって補正されたター
    ビントルクと、歯車式変速機の変速前後の各ギア比とを
    記憶する記憶手段と、 前記変速信号出力手段からの変速信号の出力によって歯
    車式変速機のギア比が変化し始めたときに、前記記憶手
    段により記憶された各データに基づいて変速後のギア比
    におけるタービントルクを予測するタービントルク予測
    手段と、 前記タービントルク予測手段によって予測されるタービ
    ントルクに滑らかに変化するように前記流体圧アクチュ
    エータへの供給流体圧を調整する流体圧調整手段とを設
    けたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
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