JPH06102735B2 - 新規な分解性複合素材及びその製造方法 - Google Patents

新規な分解性複合素材及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06102735B2
JPH06102735B2 JP2062398A JP6239890A JPH06102735B2 JP H06102735 B2 JPH06102735 B2 JP H06102735B2 JP 2062398 A JP2062398 A JP 2062398A JP 6239890 A JP6239890 A JP 6239890A JP H06102735 B2 JPH06102735 B2 JP H06102735B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chitosan
composite material
starch
producing
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2062398A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03263442A (ja
Inventor
純 細川
昌史 西山
一年 吉原
隆昌 久保
Original Assignee
工業技術院長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 工業技術院長 filed Critical 工業技術院長
Priority to JP2062398A priority Critical patent/JPH06102735B2/ja
Publication of JPH03263442A publication Critical patent/JPH03263442A/ja
Publication of JPH06102735B2 publication Critical patent/JPH06102735B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、包装用シートや発泡成形体など、使用後速や
かに分解される必要のある種々の用途に利用される。本
発明は透明で柔軟性を持ち、水中でも溶解しない成形用
素材及びその製造方法に関するものであるが、更に詳し
く言えば、本発明はキトサン及びデンプンさらにグリセ
リンを複合させた天然多糖からなる複合素材であり、使
用後は土壌中の微生物によって完全に分解されうる成形
用素材及びその製造方法に関するものである。
従来技術及びその問題点 従来の成形体は合成樹脂が主体であるが、これらは微生
物によって分解されることがなく、水中や土壌中で半永
久的に残存する。また燃焼処理にも問題が残る。これは
耐久性が大きいことを意味し、望ましい性質である反
面、使用後の速やかで無公害な分解が望まれる成形体の
需要も大きい。
天然由来の成形体と言うと紙パルプがあるが、これは成
形法が限定され精密な成形が困難なことと、水中での耐
久性に乏しいことに問題があった。
キトサンについては、キトサン塩からの成形や製膜化は
乾燥だけでは行えず、アルカリ固定する煩雑な操作が必
要であることと、高価であることがその利用を妨げてい
た。
デンプンを用いる成形体については、水中での溶解を防
ぐためにホルムアルデヒド等の架橋剤を用いる例がある
が、これは人体にとって完全に無害であるとは言えな
い。またゲル化デンプンを乾燥誘導して得られるシート
はオブラートとして知られているが、これは水中はもち
ろん湿度の高い空気中でも容易に吸湿溶解する。一方、
セルロース系繊維とキトサン塩にデンプンを複合させる
ことで水中でも形状を保ち、一定期間後微生物分解性を
有する吸水性の複合素材となることを本発明者らは既に
特許出願した。この吸水性複合素材は水に溶解するもの
ではないが、この素材は透明性に劣る欠点があった。
本発明はセルロース系繊維なしでも水中で形状を保ち、
透明で柔軟な成形用素材として用い得るような新規複合
素材とその製造方法に関するものである。本発明は容易
に調製成形でき、湿潤状態でも溶解せず、使用後は無公
害に分解する素材及びその製造方法をキトサン及びデン
プン、グリセリンの複合化によって提供し、これらの問
題点を解決することにある。デンプンのみの乾燥では水
中で形態を保持できないことは既に述べたが、本発明の
場合、キトサンとの共存によって複合化が起こり、更に
グリセリンの共存によって成形時にすでに均一膨潤した
成形体になるため、水中で溶解しない複合素材として得
ることができる。
このような3成分系の複合素材を調製した例は未だない
し、また応用した例もない。
発明が解決しようとする問題点 人間生活において身近に用いられている成形体のうち、
使用期間は短期間であり、廃棄後速やかに分解すること
を望まれる材料は多い。本発明は、一定期間後に海洋を
含む水中あるいは土壌中の微生物によって安全に分解さ
れ、燃焼もできる新規な成形用素材、及びその製造の方
法を提供するものである。
問題点を解決するための手段 本発明者らは微生物分解性のある成形用素材について鋭
意研究を行った結果、適度の微生物分解性を持つデンプ
ン−キトサン−グリセリン系の新規な複合素材及びその
製造方法を見いだし、本発明を完成させるに至った。
本発明の主眼は、グリセリンとキトサン塩及びデンプン
から成る複合素材が、水中で形状を保ちうる成形体とな
ることにある。またこの複合体は微生物分解性を有し、
一定期間汚染物を残さず分解する。このような性質を持
つ複合成形体を製造するものである。
本発明で用いる材料のうち、デンプンは植物が栄養源と
して蓄積する安価な高分子であり、種々の植物由来のデ
ンプンがあるが、いずれも本発明の原料として使用でき
る。グリセリンも微生物の代謝経路にあってほとんどの
微生物によって完全に炭酸ガスと水にまで分解され、人
体にも安全な天然有機物である。またキチン質は甲殻類
の殻や菌糸体等に含まれる含窒素高分子物質であり、こ
のうち脱アセチル化度の高いものをキトサンと称する
が、本発明にはキトサンを使用する。
これらの素材はいづれも微生物分解性を有し、また人体
に対しての安全性にも問題はないし、分解後も土壌汚染
の心配はまったくない。デンプンやキトサンには由来に
よって種々の種類があるが、特に限定されない。この三
者の複合を基本とする素材は成形性はもちろん、膜形成
能も持つ固体であり、微生物分解性を有する。成形体は
水中でも溶解せず、また成形条件によって微生物分解性
を制御できる。燃焼によって無公害に廃棄処理すること
も容易である。
具体的にはキトサンをデンプンに対し1〜150%、好ま
しくは5〜80%になるようキトサン塩水溶液の形で混合
し、これにグリセリンを添加混合する。グリセリンの添
加量はデンプンに対して2〜200%の範囲が最適であ
る。混合の順序はこれに限定されるものではない。また
この混合物原料に填料、可塑剤、補強剤、発泡剤等を添
加することを妨げるものでもない。この混合物原料を25
0℃以下で加熱乾燥することによって、複合化が完成
し、成形体が製造される。高濃度の原料混合物の場合、
加熱と共に加圧を行って成形することを妨げるものでも
ない。
発明の効果 本発明の方法で調製した成形体は海洋河川中あるいは土
壌中で容易に微生物分解され、且つ分解された後に有害
物質を生じない。またこの成形体は種々の程度の強度を
有する。このため成形体の種々の用途に利用でき、使用
後の廃棄処理が不要になる。このことから本発明の素材
を成形体として用いることにより、現在深刻化している
プラスチック廃棄物公害に対する問題の解決になる。
実施例 次に実施例により、本発明の複合素材及びその製造方法
を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではな
い。
実施例1 加熱してゲル化させた馬鈴薯デンプンに対してキトサン
1〜150%になるよう海老殻由来のキトサン(脱アセチ
ル化度99%)の酢酸水溶液と混合し、更にこの混合溶液
にグリセリンを添加(デンプンに対して75%)した。こ
れをステンレスシャーレ上に流延し70℃で3時間送風乾
燥して製膜を行った。得られたフィルムの乾燥、湿潤強
度(kg/cm2)及び水中での様子を表1に示す。
この結果から、キトサン添加量1%では水中で形態を保
てないが、5%以上では形態を保つことが分かる。また
強度も添加量80%まで増加し続けることが分かる。
これらのフィルムは土中でいずれも3カ月以内に形跡を
とどめず分解されることが認められた。
実施例2 ゲル化コーンデンプンに対してキトサンの酢酸塩水溶液
20%、グリセリンを0〜300%を混合し、実施例1と同
様の方法で製膜化し、得られたフィルムの強度(kg/c
m2)及び柔軟性を調べた。
その結果を表2に示すが、グリセリン2%以上ではフィ
ルムの柔軟性が良くなり、膜形態も保持できることが分
かる。しかし、300%以上では強度が弱く、成形材料と
して不適であった。
実施例3 デンプンに対し酢酸塩水溶液のキトサン20%、グリセリ
ン75%を混合し、加熱乾燥によって厚フィルム片を複合
化成形した。ただし乾燥温度は30〜250℃とし、金属製
容器で加熱乾燥成形した。成形物の強度を表3に示す。
成形物の強度はいずれも十分であるが、複合化温度250
℃以上で成形されたものでは著しい着色がみられた。こ
のことから温度は250℃以下が好ましい。
またこれらの成形物を土中に埋没したところ、いずれも
3ケ月以内に完全に分解消失した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 隆昌 香川県高松市花ノ宮町2丁目3番3号 工 業技術院四国工業技術試験所内 (56)参考文献 特開 昭64−81837(JP,A) 特開 昭61−159430(JP,A) 特開 昭51−59953(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キトサン、グリセリン及びデンプンから成
    る混合原料を加熱させて得られる成形用複合素材。
  2. 【請求項2】デンプンに対してキトサンを1〜150%と
    し、且つグリセリンを1〜300%とすることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の複合素材。
  3. 【請求項3】デンプンをグリセリン及びキトサンと混合
    し、250℃以下で加熱乾燥して成形することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項及び第2項記載の複合素材の製
    造方法。
JP2062398A 1990-03-12 1990-03-12 新規な分解性複合素材及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH06102735B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2062398A JPH06102735B2 (ja) 1990-03-12 1990-03-12 新規な分解性複合素材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2062398A JPH06102735B2 (ja) 1990-03-12 1990-03-12 新規な分解性複合素材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03263442A JPH03263442A (ja) 1991-11-22
JPH06102735B2 true JPH06102735B2 (ja) 1994-12-14

Family

ID=13198993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2062398A Expired - Lifetime JPH06102735B2 (ja) 1990-03-12 1990-03-12 新規な分解性複合素材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06102735B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1423435A1 (de) * 2001-09-04 2004-06-02 Heppe GmbH Biotechnologische Systeme und Materialien Werkstoffe aus modifizierten polysacchariden und verfahren zu ihrer herstellung

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5159953A (ja) * 1974-11-22 1976-05-25 Sumitomo Bakelite Co Tanpakushitsukeiseikeizairyososeibutsu
JPS5346350A (en) * 1976-10-08 1978-04-25 Idemitsu Kosan Co Ltd Preparation of film composed mainly of microbial polysaccharides
JPS61159430A (ja) * 1985-01-07 1986-07-19 Daicel Chem Ind Ltd 再分散懸濁性の良好なキチン又はキトサン組成物の製法
JPS6481837A (en) * 1987-09-24 1989-03-28 Lion Corp Highly water-resistant composition

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03263442A (ja) 1991-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lu et al. Starch-based completely biodegradable polymer materials
KR100739369B1 (ko) 생분해성 수지 조성물 및 이를 사용하여 제조되는 생분해성 플라스틱 제품
JP4584146B2 (ja) α−1,4−グルカンおよび/またはその修飾物を含む成型物およびその製造方法
JPH0686548B2 (ja) 新規な吸水性複合素材及びその製造方法
KR101184750B1 (ko) 폴리비닐알코올 및 셀룰로오스계 고분자를 혼합한 분해도가 조절된 혼합 생분해성 고분자 필름 및 이의 제조방법
CN104371173A (zh) 一种可降解包装材料用母料及其制备方法
CN113845766A (zh) 一种聚氧化乙烯水溶性膜的制备方法
JPH026689A (ja) 新規な複合シート及びその製造方法
JPH06102735B2 (ja) 新規な分解性複合素材及びその製造方法
JPH05148387A (ja) 柔軟性を有する生分解性フイルムまたはシート、及びその製造方法
JP2024506753A (ja) バイオプラスチック組成物、それを含むバイオプラスチック生産物および関連する生産プロセス
JPH06104759B2 (ja) 新規な複合材料フィルム及びその製造方法
JPH09208714A (ja) 生分解性複合材料の製造方法
JPH0686549B2 (ja) デンプン・キトサン系の微生物分解性素材及びその製造方法
JP3090677B2 (ja) 生物学的に分解可能な合成樹脂材料及びその包装材
JPH064808B2 (ja) 耐水性皮膜の形成法
JP3415060B2 (ja) 生分解性樹脂組成物
JP2008094989A (ja) キトサンの水への溶解方法及びその組成物
JPH06218878A (ja) ヒートシール性を有する生分解性フィルム又はシート
JP2686041B2 (ja) キトサン系成形体
JP2555545B2 (ja) セルロース・キトサン系成形品の製造方法
JPH04120142A (ja) 生物分解性複合素材及びその製造方法
JP3154766B2 (ja) 易崩壊性付与剤および組成物
JP3133415B2 (ja) 生分解性樹脂組成物
JPH02151639A (ja) ポリビニルアルコール・デンプン系フイルム

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term