JPH06102734A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成方法

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JPH06102734A
JPH06102734A JP4255009A JP25500992A JPH06102734A JP H06102734 A JPH06102734 A JP H06102734A JP 4255009 A JP4255009 A JP 4255009A JP 25500992 A JP25500992 A JP 25500992A JP H06102734 A JPH06102734 A JP H06102734A
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JP
Japan
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voltage
amount
developing
density portion
deviation
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JP4255009A
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English (en)
Inventor
Rintaro Nakane
林太郎 中根
Jiro Egawa
二郎 江川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Developing For Electrophotography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、環境、経時の変化による画像濃度
の変動を、メンテナンスに頼らず、メンテナンスの周期
よりも短いサイクルで適正化でき、高い画像濃度の安定
性が達成でき、メンテナンスに要するコストが軽減でき
る。 【構成】この発明は、高濃度と低濃度の2つのテストパ
ターンに対する現像剤の付着量をトナー濃度計測部8で
計測し、この計測された高濃度部と低濃度部の現像剤の
付着量とそれらの目標値とにより、高濃度部と低濃度部
の偏差を算出し、この高濃度部と低濃度部の偏差に対応
するコントラスト電圧の変更量と背景電圧の変更量をそ
れぞれ記憶部61内のテーブルから抽出し、この抽出さ
れたコントラスト電圧の変更量と背景電圧の変更量とに
応じたグリッドバイアス値と現像バイアス値を算出し、
この算出されたグリッドバイアス値と現像バイアス値と
に応じてグリッドバイアス電圧と現像バイアス電圧とを
変更するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえばカラーレー
ザプリンタやカラーデジタル複写機などの電子写真式カ
ラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、同じ複写機で同じ原稿なのに
複写した複写物の濃さが違うといった経験を持つ人は多
いと思われる。電子写真における画像濃度の変動は、環
境、経時による画像形成条件の変化、劣化による影響で
ある。アナログ複写機は勿論、多階調のプリンタあるい
はデジタル複写機では、この画像濃度の変動をおさえ、
安定化を図ることが重要である。特に、カラーにおいて
は、濃度再現性のみならず、色再現性にまで影響を与え
てしまうため、画像濃度の安定化は必要不可欠な要求で
あるといえる。そこで、従来、これらを材料とプロセス
自体に許容を持たせ、メンテナンスにより画像安定化を
図ってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、材料とプロセ
ス自体に許容を持たせるには限界があり、メンテナンス
には労力および、、そのコストがかかり、さらに、メン
テナンスの頻度に比べ、画像濃度の変動する周期は短
く、メンテナンスだけでは、安定な画像濃度は得られな
いという問題があった。
【0004】そこで、この発明は、環境、経時の変化に
よる画像濃度の変動を、メンテナンスに頼らず、また、
メンテナンスの周期よりも短いサイクルで適正化でき、
高い画像濃度の安定性が達成でき、メンテナンスに要す
るコストが軽減できる画像形成装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の画像形成装置
は、像担持体上に画像データに基づいて高濃度部と低濃
度部の潜像を形成する潜像形成手段、この潜像形成手段
で形成された上記像担持体上の高濃度部と低濃度部の潜
像を現像剤で現像する現像手段、この現像手段の現像に
より上記像担持体上に付着した高濃度部と低濃度部の現
像剤の付着量を計測する現像剤付着量計測手段、この現
像剤付着量計測手段の高濃度部と低濃度部の計測値とあ
らかじめ設定されるそれぞれの基準値との偏差を算出す
る算出手段、高濃度部の偏差と低濃度部の偏差に対応す
る上記潜像形成手段および上記現像手段における像形成
条件が記憶されている記憶手段、上記算出手段の算出結
果に基づいて上記記憶手段から上記潜像形成手段および
上記現像手段における像形成条件を抽出する抽出手段、
およびこの抽出手段により抽出された像形成条件で、上
記潜像形成手段および上記現像手段における像形成条件
を変更する像形成条件変更手段から構成されている。
【0006】この発明の画像形成装置は、像担持体をグ
リッドを用いて帯電する帯電手段、上記グリッドにグリ
ッドバイアス電圧を印加する第1の印加手段、高濃度の
テストパターンと低濃度のテストパターンとを発生する
発生手段、上記帯電手段により帯電された像担持体上に
上記発生手段により発生される高濃度のテストパターン
と低濃度のテストパターンに基づいて潜像を形成する潜
像形成手段、この潜像形成手段で形成された上記像担持
体上の潜像を現像剤で現像する現像手段、この現像手段
に現像バイアス電圧を印加する第2の印加手段、上記テ
ストパターンを上記像担持体上に形成する際の、露光部
電位と現像バイアス電圧値の関係であるコントラスト電
圧と未露光部電位と現像バイアス電圧値の関係である背
景電圧とを保持する保持手段、上記現像手段により上記
像担持体上に現像された高濃度のテストパターンに対す
る現像剤の付着量と低濃度のテストパターンに対する現
像剤の付着量とを計測する現像剤付着量計測手段、高濃
度部と低濃度部の付着量に対する目標値を設定する設定
手段、この設定手段により設定された高濃度部と低濃度
部の付着量に対する目標値と現像剤付着量計測手段によ
り得られる高濃度部と低濃度部の現像剤の付着量とによ
り、高濃度部と低濃度部の偏差を算出する算出手段、こ
の算出手段により算出された高濃度部と低濃度部の偏差
が所定範囲内であるか否かを判定する判定手段と、高濃
度部と低濃度部の偏差に対するコントラスト電圧の変更
量と背景電圧の変更量を記憶している記憶手段、上記判
定手段により所定範囲外が判定された場合、上記高濃度
部と低濃度部の偏差に対応するコントラスト電圧の変更
量と背景電圧の変更量とを上記記憶手段から抽出する抽
出手段、この抽出手段により抽出されたコントラスト電
圧の変更量と背景電圧の変更量とに応じたグリッドバイ
アス値と現像バイアス値を算出する算出手段、およびこ
の算出手段により算出されたグリッドバイアス値と現像
バイアス値と上記保持手段に保持されているパターン形
成したときのコントラスト電圧と背景電圧とあらかじめ
記憶されている表面電位特性を用いて、上記第1、第2
の印加手段によるグリッドバイアス電圧と現像バイアス
電圧とを変更する変更手段から構成されている。
【0007】
【作用】この発明は、高濃度のテストパターンに対する
現像剤の付着量と低濃度のテストパターンに対する現像
剤の付着量とを計測し、この計測された高濃度部と低濃
度部の現像剤の付着量とそれらの目標値とにより、高濃
度部と低濃度部の偏差を算出し、この高濃度部と低濃度
部の偏差に対応するコントラスト電圧の変更量と背景電
圧の変更量とを記憶手段から抽出し、この抽出されたコ
ントラスト電圧の変更量と背景電圧の変更量とに応じた
グリッドバイアス値と現像バイアス値を算出し、この算
出されたグリッドバイアス値と現像バイアス値とに応じ
てグリッドバイアス電圧と現像バイアス電圧とを変更す
るようにしたものである。
【0008】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。
【0009】図2は、この発明に係る画像形成装置の一
例としてカラーレーザプリンタの構成を示すものであ
る。図において、1は像担持体としての感光体ドラム
で、図面に対して反時計方向に回転する。感光体ドラム
1の周囲には、帯電手段である帯電器2、現像手段であ
る第1現像器4、第2現像器5、第3現像器6、第4現
像器7、トナー付着量計測部8、転写材支持体としての
転写ドラム9、クリーニング前除電器10、クリーナ1
1、除電ランプ12が順次配置されている。
【0010】感光体ドラム1は図示矢印方向に回転し、
帯電器2により表面が一様に帯電される。帯電器2と第
1現像器4との間から、露光手段である光学系13から
出射されたレーザビーム光14が、感光体ドラム1の表
面に露光することにより、画像データに応じた静電潜像
が形成されるようになっている。
【0011】第1ないし第4現像器4〜7は、各色に対
応した感光体ドラム1上の静電潜像をカラーのトナー像
に顕像化するもので、たとえば、第1現像器4はマゼン
タ、第2現像器5はシアン、第3現像器6はイエロー、
第4現像器7はブラックの現像を行なうようになってい
る。
【0012】一方、転写材としての転写用紙は、給紙カ
セット15から給紙ローラ16で送り出され、レジスト
ローラ17で一旦整位され、転写ドラム9の所定の位置
に吸着するようにレジストローラ17で送られ、吸着ロ
ーラ18および吸着帯電器19により転写ドラム9に静
電吸着される。転写用紙は、転写ドラム9に吸着した状
態で、転写ドラム9の時計方向の回転に伴って搬送され
る。
【0013】現像された感光体ドラム1上のトナー像
は、感光体ドラム1と転写ドラム9とが対向する位置
で、転写帯電器20により転写用紙に転写される。複数
色の印字の場合、転写ドラム9の1回転を1周期とする
工程が、現像器を切換えて行ない、転写用紙に複数色の
トナー像を多重転写する。
【0014】トナー像が転写された転写用紙は、転写ド
ラム9の回転に伴って更に搬送され、分離前内除電器2
1、分離前外除電器22、分離除電器23により除電さ
れた後、分離爪24により転写ドラム9から剥離され、
搬送ベルト25、26により定着器27に搬送される。
定着器27により加熱された転写用紙上のトナーは溶融
し、定着器27から排出された直後に転写用紙に定着
し、この定着を終了した転写用紙はトレー28に排出さ
れる。
【0015】図1は、この実施例に係るカラーレーザプ
リンタの帯電、露光、現像手段とその制御手段に係わる
ブロック図である。図において、感光体ドラム1は、図
面に対して反時計方向(図示矢印方向)に回転する。帯
電器2は、主に帯電ワイヤ31、導電性ケース32、グ
リッド電極33により構成されている。帯電ワイヤ31
は、コロナ用の高圧電源34に接続されていて、感光体
ドラム1の表面にコロナ放電して帯電させる。グリッド
電極33は、グリッドバイアス用の高圧電源35に接続
されていて、グリッドバイアス電圧により感光体ドラム
1の表面に対する帯電量を制御している。
【0016】帯電器2により一様に帯電された感光体ド
ラム1の表面は、光学系13からの変調されたレーザビ
ーム光14の露光により静電潜像が形成される。階調デ
ータバッファ36は、図示しない外部機器またはコント
ローラからの階調データを格納し、プリンタの階調特性
を補正し、レーザ露光時間(パルス幅)データに変換す
る。
【0017】レーザ駆動回路37は、レーザビーム光1
4の走査位置に同期するよう、階調データバッファ36
からのレーザ露光時間データに応じてレーザ駆動電流
(発光時間)を変調させる。そして、変調されたレーザ
駆動電流により、光学系13内の半導体レーザ発振器
(図示しない)を駆動する。これにより、半導体レーザ
発振器は、露光時間データに応じて発光動作する。
【0018】さらに、レーザ駆動回路37は、光学系1
3内のモニタ用受光素子(図示しない)の出力と設定値
とを比較し、駆動電流により半導体レーザ発振器の出力
光量を設定値に保つ制御を行なっている。
【0019】一方、パターン発生回路38は、トナー付
着量計測のための低濃度と高濃度の2つの濃度の異なる
テストパターンの階調データを発生し、レーザ駆動回路
37へ送るようになっている。上記テストパターンは、
後述する記憶部61に記憶されているものであっても良
い。2つの階調データに対するテストパターンの内、濃
い濃度となる方を高濃度テストパターン、薄い濃度にな
る方を低濃度テストパターンとする。
【0020】さて、静電潜像を形成された感光体ドラム
1は、現像器4により現像される。現像器4は、たとえ
ば2成分現像方式で、トナーとキャリアによる現像剤が
収納されており、その現像剤に対するトナーの重量比
(以降、トナー濃度と記す)は、トナー濃度計測部39
により計測される。そして、トナー濃度計測部39の出
力に応じて、トナー補給ローラ40を駆動するトナー補
給モータ41が制御されることにより、トナーホッパ4
2内のトナーが現像器4内に補給されるようになってい
る。
【0021】現像器4の現像ローラ43は、導電性の部
材で形成されていて、現像バイアス用の高圧電源44に
接続されており、現像バイアス電圧が印加された状態で
回転し、感光体ドラム1上の静電潜像に応じた像にトナ
ーを付着させる。こうして現像された画像領域内のトナ
ー像は、転写ドラム9によって支持搬送されてくる転写
用紙に転写される。
【0022】また、制御回路45は、電源投入後のウォ
ームアップ処理の終了時に、パターン発生回路38から
階調データを発生させることにより、感光体ドラム1上
にトナー付着量計測用の高、低2つの階調パターンを露
光する。
【0023】そして、感光体ドラム1上の高、低の階調
パターンが露光された位置がそれぞれ現像され、トナー
付着量計測部8の位置にくるのに同期して、トナー付着
量計測部8がトナー付着量を計測する。トナー付着量計
測部8の出力は、A/D変換器46でデジタル化されて
制御回路45に入力される。
【0024】感光体ドラム1上には、上記現像により、
図3に示すように、高濃度の階調データに対応するテス
トパターン領域(高濃度パッチ:高濃度部)と、低濃度
の階調データに対応するテストパターン領域(低濃度パ
ッチ:低濃度部)とが形成される。
【0025】制御回路45は、トナー付着量計測部8の
出力(計測値)とあらかじめ設定される基準値とを比較
し、その比較結果に応じて、像形成条件である帯電器2
のグリッドバイアス電圧、現像器4の現像バイアス電圧
の2つを変更する処理を行なう。
【0026】また、制御回路45は、図示しない外部機
器またはコントローラからの階調データと、プリンタ単
独のテストパターンおよびトナー付着量計測のためのパ
ターンの階調データの切換え制御、計測部8、39の各
出力の取込み、高圧電源34、35、44の出力量の制
御、レーザ駆動電流の目標値設定、トナー濃度の目標値
設定、トナー補給制御、階調データのプリンタの階調特
性の補正処理などを行なう。高圧電源35、44は、そ
れぞれ制御回路45からD/A変換器47、48を介し
て供給される出力電圧制御信号により、制御される。
【0027】制御回路45には、電源がオフされても消
去されないEEPROM等で構成される書き換え可能な
記憶部61、データ記憶用のRAM等で構成される記憶
部62、待機時間等を計測するタイマ63、および制御
回路45の全体を制御するCPU64により構成されて
いる。
【0028】記憶部61には、各種設定値があらかじめ
記憶されているものであり、たとえば、常温常湿の基準
階調特性になるバイアス条件に対応する初期グリッドバ
イアス電圧値と初期現像バイアス電圧値、テストパター
ン階調データ(高濃度部、低濃度部)、高濃度部のトナ
ー付着量に対するあらかじめ定められた目標値(偏差を
求める際に利用)、低濃度部のトナー付着量に対するあ
らかじめ定められた目標値(偏差を求める際に利用)、
高濃度部の偏差に対する制御規格値、低濃度部の偏差に
対する制御規格値、表面電位特性を表す係数、所定印字
枚数、所定経過時間、最大制御回数、バイアス条件値、
トナー付着量計測部8の異常範囲、テストパターン領域
以外の反射光量、高濃度部の反射光量、低濃度部の反射
光量のそれぞれの上限値、下限値(所定範囲)が記憶さ
れている。
【0029】バイアス条件値としては、グリッドバイア
ス、現像バイアスのそれぞれの上限値、下限値(所定範
囲)と、グリッドバイアスと現像バイアスの差電圧が所
定の範囲内であるかである。上記高濃度部の目標値、低
濃度部の目標値は、コントロールパネル49により変更
入力および表示可能となっている。また、記憶部61に
は、コントラスト電圧の変更量に関するテーブル、背景
電圧の変更量に関するテーブルも記憶されている。
【0030】記憶部62には、トナー付着量計測部8の
異常前に設定されていたバイアス値(バイアス変更モー
ド設定時に記憶)が記憶されたり、制御回数をカウント
するカウンタ、印字枚数をカウントするカウンタ、トナ
ー付着量計測部8の異常時にオンされるセンサ異常フラ
グ、トナーのエンプティ時にオンされるトナーエンプテ
ィフラグが設けられている。
【0031】図4は、帯電器2のグリッド電極33に対
するバイアス電圧の絶対値VG (以降、単にグリッドバ
イアス電圧と記す)に対する、帯電器2により感光体ド
ラム1の一様に帯電された表面電位(以降、未露光部電
位と記す)VO と、光学系13により一定光量で全面露
光され、減衰した感光体ドラム1の表面電位(以降、露
光部電位)VL と、現像バイアス電圧VD (一点鎖線)
を示している。
【0032】本実施例では、反転現像のため電圧の極性
は負となっている。グリッドバイアス電圧VG が増加す
ると、未露光部電位VO および露光部電位VL の絶対値
は、それぞれ減少する。グリッドバイアス電圧VG に対
する露光部電位VL 、未露光部電位VO を線形近似する
と、次式のように表せる。 VO (VG )=K1 ・VG +K2 ……(1) VL (VG )=K3 ・VG +K4 ……(2) ただし、K1 〜K4 は定数、VO 、VG 、VL は絶対
値、VO (VG )、VL (VG )は任意のVG に対する
VO 、VL の大きさを表す
【0033】ここで、現像バイアス電圧の絶対値VD 、
前述の露光部電位VL 、未露光部電位VO の関係で現像
濃度が変化する。いま、コントラスト電圧VC と背景電
圧VBGを以下のように定義する。 VC =VD (VG )−VL (VG ) ……(3) VBG=VO (VG )−VD (VG ) ……(4) ただし、VD (VG )は、任意のVG に対するVD の大
きさ
【0034】コントラスト電圧VC は、特にベタ部の濃
度に関与する(図5参照)。背景電圧VBGは、パルス幅
変調を用いる多階調方式においては、主に低濃度部の濃
度に関与する(図6参照)。
【0035】図7は、背景電圧VBGの大きさを増加させ
たときの階調データに対するトナー付着量Qを示してい
る。低濃度領域が図中Cの矢印方向に変化する。したが
って、これらコントラスト電圧VC と背景電圧VBGとに
より現像濃度を変化させることができる。ここで、式
(1)〜(4)から次式を得る。 VG (VC 、VBG)=(VC +VBG−K2 +K4 )/(K1 −K3 ) ……(5) VD (VBG、VG )=K1 ・VG +K2 −VBG ……(6)
【0036】上記式(5)、(6)から、グリッドバイ
アス電圧VG に対する露光部電位VL 、未露光部電位V
O の関係(K1 〜K4 )が既知のとき、コントラスト電
圧VC と背景電圧VBGを決定することで、グリッドバイ
アス電圧VG 、現像バイアス電圧VD が一義的に決定で
きる。
【0037】あらかじめ感光体ドラム1の表面電位を計
測し、グリッドバイアス電圧VG に対する露光部電位V
L 、未露光部電位VO の関係(K1 〜K4 )を得た後、
コントラスト電圧VC と背景電圧VBGを設定する。前記
式(5)、(6)よりグリッドバイアス電圧VG 、現像
バイアス電圧VD が一義的に決定され、この条件下で複
数の濃度パターンを作像し、これらの現像後のトナー付
着量Qを計測し、この計測値とあらかじめ設定される基
準値とを比較して、その偏差ΔQから、適正現像濃度に
するコントラスト電圧VC と背景電圧VBGのそれぞれの
補正値ΔVC とΔVBGを推論する。この推論結果より、
再びグリッドバイアス電圧VG 、現像バイアス電圧VD
を設定し、濃度パターンのトナー付着量計測を行ない、
良好とする許容範囲内になるまで繰り返す。次に、トナ
ー付着量計測部8について詳細に説明する。
【0038】図8は、トナー付着量計測部8の構成を示
すものである。図8において、光源51からの光は感光
体ドラム1の表面に照射され、感光体ドラム1あるい
は、現像されて付着したトナーにより反射した反射光
は、光電変換部52でその反射光の光量に応じた電流に
変換され、さらに電流/電圧変換した後、伝送回路53
によりA/D変換器46に伝送され、ここでデジタル信
号に変換されて制御回路45に取込まれるようになって
いる。
【0039】光源51は、光源駆動回路54によって電
流駆動されている。光源駆動回路54は、制御回路45
によってオン、オフ制御、あるいは、光源51への駆動
電流の電流量を調整する信号により制御されている。
次、このような構成において、図9に示すフローチャー
トを参照しつつバイアス変更モードの処理動作について
説明する。
【0040】このバイアス変更モードは、ウオームアッ
プステップ、テストパターン作像ステップ、付着量検出
ステップ、判定ステップ、バイアス変更ステップにより
構成されている。
【0041】まず、ウオームアップステップは、装置電
源(図示しない)をオンにすると、装置の制御回路45
のCPU64が初期処理を行い、各初期動作の所定シー
ケンスを実行する。特に、定着器27のウオームアップ
に時間を要する。このウームアップが完了した時点、あ
るいは、ウオームアップの終了の所定到達温度より低い
所定温度になった時点で、クリーニング動作を含む作像
系の初期動作等を行う。
【0042】初期動作で、感光体ドラム1の温度、機内
温湿度、現像剤撹拌、帯電、除電による感光体ドラム1
の特性の安定化、感光体ドラム1の上のクリーニング等
が行われ、通常の作像(ユーザの画像データによる印
字)状態とほぼ同じ作像環境になる。
【0043】このウオームアップステップ終了後、CP
U64はトナー付着量計測部8が正常か否かを調べる。
これは後述する付着量検出ステップにおけるセンサ出力
チェックの結果、センサ異常フラグの有無を確認する。
(電源投入時は、フラグクリアのため、正常と判定。)
【0044】この結果、トナー付着量計測部8の異常が
判定された場合、CPU64は記憶部61に記憶されて
いる常温常湿の基準階調特性になるバイアス条件に対応
する初期グリッドバイアス電圧値および初期現像バイア
ス電圧値で各高圧電源35、44が制御される状態で、
待機状態となる。すなわち、記憶部61から読出された
初期グリッドバイアス電圧値および初期現像バイアス電
圧値がそれぞれD/A変換器47、48で変換された出
力電圧制御信号が各高圧電源35、44に出力される。
これにより、上記高圧電源35、44は、それぞれ上記
グリッドバイアス電圧値および現像バイアス電圧値とな
る。この際、CPU64、記憶部62内の制御回数カウ
ンタ、印字枚数カウンタ、待機時間計時用のタイマ63
をそれぞれクリアする。
【0045】また、上記トナー付着量計測部8の正常が
判定された場合、CPU64はバイアス変更モードとな
り、テストパターン作像ステップに進む。この際、CP
U64は現在、高圧電源35、44により設定されてい
るグリッドバイアス電圧値および現像バイアス電圧値を
記憶部62に記憶しておく。(電源投入時は、基準値、
それ以外の時はトナー付着量計測部8の異常前に設定さ
れていたバイアス値)
【0046】このテストパターン作像ステップは、上記
初期動作終了後、帯電、露光、現像、クリーニング、除
電プロセスを通常の作像シーケンスと同様に動作し、パ
ターン発生回路38から発生される高濃度テストパター
ンと低濃度テストパターンに対する作像動作を実行す
る。
【0047】このとき、帯電器2のグリッドバイアス電
圧値および現像器4の現像バイアス電圧値は、それぞれ
あらかじめ定められた値が設定されている。この値は、
常温常湿の基準階調特性になるバイアス条件となってい
る。
【0048】すなわち、CPU64が、上記記憶部61
から初期グリッドバイアス電圧値、初期現像バイアス電
圧値としての出力電圧制御信号を読出し、A/D変換器
47、48を介して高圧電源35、44に供給すること
により、実行される。
【0049】露光プロセスでは、あらかじめ定められた
2つの異なる階調データに対応する所定サイズの2つの
テストパターン潜像の形成を行う。2つの階調データに
対するテストパターンの内、濃い濃度となる方を高濃度
テストパターン、薄い濃度になる方を低濃度テストパタ
ーンとする。
【0050】上記テストパターンのサイズは、感光体ド
ラム1の軸方向の画像領域中央を中心に所定幅、感光体
ドラム1の回転方向に所定長となっている。所定幅は、
トナー付着量計測部8の感光体ドラム1の軸方向の位置
に対応し、検出スポットサイズに電子写真特有のエッジ
効果等の影響が入らない最小サイズ、また、所定長は、
エッジ効果等の影響とセンサの応答特性が検出結果に影
響しない最小のサイズに設定されている。
【0051】この実施例において、所定幅は、検出スポ
ットサイズより1.5〜5mm大きく、所定長は、検出
スポットサイズに1回のセンサ時定数の4倍の時間で移
動する長さと検出回数を乗じ、1.5〜5mmを加えた
長さにしてある。
【0052】現像プロセスでは、初期現像バイアス電圧
が印加されている現像ローラ43によって現像され、2
つのテストパターン潜像が現像され、図3に示すよう
に、2つの濃度の異なるテストパターントナー像が形成
される。2つのテストパターンの内、低濃度の階調デー
タに対応するテストパターン領域を低濃度部、高濃度の
階調データに対応するテストパターン領域を高濃度部と
呼ぶことにする。
【0053】次に、付着量検出ステップでは、2つのテ
ストパターンがそれぞれトナー付着量計測部8と対向す
る位置に到達したのに同期して、それぞれトナー付着量
計測部8により各テストパターンの反射光量が検出され
る。また、トナー付着量計測部8は、所定のタイミング
で感光体ドラム1の現像していない領域の反射光量も検
出する。
【0054】このトナー付着量計測部8で検出した感光
体ドラム1の現像していない領域の反射光量、低濃度部
の反射光量、高濃度部の反射光量は、A/D変換器46
を介してCPU64に供給される。CPU64はA/D
変換器46から供給されるテストパターン領域以外の反
射光量、高濃度部の反射光量、低濃度部の反射光量のそ
れぞれを、記憶部61から読出した上限値、下限値(所
定範囲)で比較する。
【0055】この比較の結果、いずれか1つでも範囲外
のものがあった場合、CPU64は、上記トナー付着量
計測部8の出力値が異常であると判定し、記憶部62に
センサ異常フラグを立て、コントルールパネル49の表
示部で、トナー付着量計測部8の出力値が異常である旨
を表示し、今回のバイアス変更モードに入る前のバイア
ス値を記憶部62から読出し、この読出したバイアス電
圧値としての出力電圧制御信号で各高圧電源35、44
を制御し、待機状態となる。
【0056】上記トナー付着量計測部8の出力値が正常
な場合、CPU64は、A/D変換器46から供給され
る現像していない領域の反射光量を基準とする低濃度
部、高濃度部に対する光学反射率に関連する所定関数の
算出結果をそれぞれ低濃度部のトナー付着量、高濃度部
のトナー付着量として判定する。
【0057】すると、CPU64は、記憶部61に記憶
されているあらかじめ定められた目標値と、上記判定さ
れた高濃度部のトナー付着量、低濃度部のトナー付着量
とを比較し、それぞれの偏差としての高濃度部の偏差、
低濃度部の偏差を算出する。
【0058】ついで、判定ステップに入り、CPU64
が、上記算出された高濃度部の偏差、低濃度部の偏差
が、それぞれ記憶部61に記憶されている所定規格値内
に入っているかを判別する。高濃度部の偏差、低濃度部
の偏差が共にそれぞれの規格値範囲内ならば、記憶部6
2内の制御回数カウンタと印字枚数カウンタと、待機時
間計時用のタイマ63をそれぞれクリアし、待機状態
(ユーザの印字要求により印字できる状態)になる。
【0059】また、少なくても一方の偏差が規格値内で
ない場合、バイアス変更ステップに進む。このバイアス
変更ステップは、高濃度部の偏差、低濃度部の偏差を共
に規格値内にするための、変更すべきグリッドバイアス
電圧値、現像バイアス電圧値を求めるステップである。
【0060】このバイアス変更ステップは主に3つの小
ステップに分けられる。(1)両偏差の関係から2つの
パラメータで表される電位関係の変更量を決定するステ
ップ、(2)その変更された電位関係とあらかじめ用意
された感光体ドラム1の表面電位特性を表す係数を含む
関数から変更すべきバイアス値を算出するステップ、
(3)そしてグリッドバイアス、現像バイアスをそれぞ
れの所定タイミングで算出された変更値を設定するステ
ップである。
【0061】これは、高濃度部の偏差、低濃度部の偏差
から直接、それぞれ現像バイアス電圧値、グリッドバイ
アス電圧値をあらかじめ用意したテーブルから選択する
ような方法では、問題が生じる。環境の影響だけでなく
経時的に変化する現像特性に対して、感光体ドラム1、
現像剤等の使用、放置履歴、個体間差により妥当なバイ
アスの変更量が異なり、また、時間的に変化し、このた
め繰り返し検出・操作を行った場合の収束値は経時的に
目標値からはずれる可能性が生ずる。
【0062】この場合、テーブルの内容としては、コン
トラスト電圧値・背景電圧値やグリッドバイアス値/現
像バイアス値を対応させる位置型制御データより、コン
トラスト電圧の変更量、背景電圧の変更量に対応させた
速度型制御データの法が望ましい。
【0063】また、高濃度部、低濃度部に作用する電位
変化の効果は必ずしも独立でなく相互作用が有るため。
各偏差からそれぞれのバイアス値を決定することには矛
盾を生じる。 (1)このため高濃度部の偏差と低濃度部の偏差との関
係から2つのパラメータで表される電位関係の変更量を
あらかじめ用意したテーブルから選択する。
【0064】一方のパラメータは、所定露光量で全面露
光したときの現像位置の表面電位である露光部電位と現
像バイアス電圧との間の電圧を表すコントラスト電圧、
他方のパラメータは、帯電後露光しない現像位置の表面
電位である未露光部電位と現像バイアス電圧との間の電
圧を背景電圧とし、コントラスト電圧の変化は、高濃度
部ほど大きく、背景電圧の変化は、低濃度部ほど大きく
作用する。
【0065】図10は、横軸は階調データで、縦軸は出
力画像濃度であり、コントラスト電圧を変更した場合の
階調特性の変化を示している。同様に図11は、背景電
圧を変更した場合の階調特性の変化を表している。しか
し、コントラスト電圧と背景電圧の変化は、それぞれ高
濃度部、低濃度部に作用し、また、その作用の仕方には
相互作用がある。
【0066】したがって、高濃度部の偏差と低濃度部の
偏差との関係からコントラスト電圧変更量のテーブル、
高濃度部の偏差と低濃度部の偏差との関係から背景電圧
変更量のテーブルを記憶部61内に用意し、これにより
高濃度部の偏差、低濃度部の偏差からコントラスト電圧
の変更量、背景電圧の変更量を導出する。
【0067】各テーブルの内容はコントラスト電圧と背
景電圧の相互作用を考慮してあり、両偏差の関係から有
効な電圧変更を適切に変更でき、また、両偏差が0のと
き各変更量が0としたため、収束後の定常偏差は、0に
近づく。
【0068】(2)得られたコントラスト電圧の変更
量、背景電圧の変更量とテストパターンの作像時のコン
トラスト電圧、背景電圧から変更すべき新たなコントラ
スト電圧と背景電圧が求められる。
【0069】これらは、あくまでも電圧関係を表すパラ
メータなので、これらの電圧関係を実現する設定すべき
グリッドバイアス電圧値および現像バイアス電圧値を算
出する。
【0070】この算出には、感光体ドラム1の表面電位
特性を表す係数を含むあらかじめ記憶部61に用意して
ある関数(上記式(5)(6)にて説明)により一義的
に求めることができる。 (3)求めた新しいグリッドバイアス電圧値と現像バイ
アス電圧値をそれぞれの高圧電源35、44の出力制御
値に設定変更する。設定変更して再度、テストパターン
を作像する場合、グリッドバイアス電圧値と現像バイア
ス電圧値の変更は、それぞれ所定のタイミングで、設定
変更する。
【0071】所定タイミングとは、少なくともグリッド
バイアスを変更した感光体ドラム1上の位置が現像位置
に到達するのと同期して現像バイアスを変更する。変更
タイミングを適当に行うと変更値によっては、かぶりや
二成分現像ではキャリア付着の感光体ドラム1のよごれ
の原因になる。
【0072】図12に、この実施例におけるグリッドバ
イアスと現像バイアスの変更タイミングを示す。この実
施例では、キャリア付着を防止するためグリッドバイア
ス電圧を下げるときは、グリッドバイアス用の高圧電源
35の遅れ等による帯電電位変化の遅れ時間T4とグリ
ッド電極33から感光体ドラム1の現像位置までの移動
時間T1とを加えた時間より長い時間T2だけグリッド
バイアス値の設定変更時刻t1から経過した時刻t3で
現像バイアス値の設定変更を行う。
【0073】グリッドバイアス電圧を上げるときは、グ
リッド電極33から感光体ドラム1の現像位置までの移
動時間T1から現像バイアス用の高圧電源44の遅れ時
間T5を差し引いた時間より短い時間T3だけグリッド
バイアス電圧値の設定変更時刻t4から経過した時刻t
5で、現像バイアス電圧値の設定変更を行う。すなわ
ち、変更時、感光体ドラム1上の同一位置で背景電圧が
大きくならないようにすることで、キャリアが感光体ド
ラム1に付着しないようにしている。
【0074】ただし、T2、T3とT1との差を大きく
取りすぎると感光体ドラム1のかぶり量が増大する可能
性があるため、実施例では、T4=50msec以下、T5
=50msec以下のときで、T2−T1=200msec以
下、T1−T3=200msec以下としている。
【0075】次に、再度、テストパターンの作像、検
出、判定を行うことにより、変更したグリッドバイアス
電圧で帯電した感光体ドラム1に再び露光により2つの
テストパターン潜像を形成し、変更した現像バイアス電
圧で現像した2つのテストパターンに対し、付着量検出
ステップ、判定ステップを行う。
【0076】判定ステップにおいて、高濃度部の偏差、
低濃度部の偏差が規格値内ならば、変更したグリッドバ
イアス電圧値、現像バイアス電圧値を保持した状態で、
クリーニング動作の後、待機状態になる。少なくても一
方の偏差が規格値内でなければ、バイアス変更、パター
ン作像、検出、判定を繰り返す。次に、前述のテーブル
の内容に関する定性アルゴリズムについて説明する。
【0077】この実施例では、バイアス変更ステップの
高濃度部の偏差と低濃度部の偏差から2つの電位関係の
変更量を導出するステップにおいて、両偏差が共に正の
とき主にコントラスト電圧を減少、両偏差が共に負のと
き主にコントラスト電圧を増加、高濃度部の偏差が0付
近の所定値内で低濃度部の偏差が負のとき背景電圧を減
少、高濃度部の偏差が0付近の所定値内で低濃度部の偏
差が正のとき背景電圧を増加するようになっている。こ
れは、コントラスト電圧と背景電圧の作用で有効性の高
い電圧関係を主に用いるように考慮してある。図10に
コントラスト電圧変化の階調特性への効果が示してあ
る。横軸に階調データ、縦軸に出力画像濃度を示してあ
る。コントラスト電圧が増加すると高濃度側の濃度が上
昇し、勾配が大きくなっていることがわかる。図11に
背景電圧変化の階調特性への効果が示してある。背景電
圧を増加させると低濃度部の現像開始が階調データの高
い方へシフトし、勾配が大きくなっていることがわか
る。
【0078】また、図10、図11からコントラスト電
圧の変化量に比べ、背景電圧の変化量の方が小さくても
階調特性に与える効果が大きいことがわかる。さらに、
感光体ドラム1に対するかぶりや逆帯電トナーの付着、
現像剤が2成分現像剤の場合のキャリア付着の恐れがあ
るため、背景電圧を大きく変更せず、コントラスト電圧
主体で高濃度部を重視して粗調整を行い、低濃度部を含
めコントラスト電圧と背景電圧により微調整するように
考慮してある。これらを考慮した定性的ルールから上記
のような電位関係を変更するような変更量を導出するテ
ーブルを制御回路45内の記憶部61に用意する。
【0079】図13にコントラスト電圧の変更量に関す
るテーブル(記憶部61に記憶されている)の内容を示
した。横軸は高濃度部の偏差、奥行き方向に低濃度部の
偏差、高さ方向にコントラスト電圧を表した。高濃度部
の偏差と低濃度部の偏差軸のなす平面内の枠の中心が高
濃度部の偏差、低濃度部の偏差が共に0、すなわち高濃
度部のトナー付着量と低濃度部のトナー付着量がそれぞ
れの目標値と一致する点である。この例では、コントラ
スト電圧の変更量は、低濃度部の偏差にほとんど依存し
ないようになっている。
【0080】図14には、背景電圧の変更量に関するテ
ーブル(記憶部61に記憶されている)の内容を示して
ある。図13と同様の表現で、高濃度部の偏差が0から
大きく外れている時は背景電圧の変更量は0、すなわち
変更しない。高濃度部の偏差が0付近のときのみ、背景
電圧を変更するような内容にしてある。
【0081】低濃度部の偏差、高濃度部の偏差の関係か
らコントラスト電圧の変更量と背景電圧の変更量とを決
定することで、各偏差に対し独立に操作量変更量を決定
する場合、特に背景電圧の変更量を誤判断する可能性が
ある。これに対して、一方の偏差は同じ値なのに他方が
異なる偏差の場合でも、適正な操作量をその効果に適し
たパラメータ変更量で決定できる。
【0082】図15、図16に2つの異なる階調特性の
変動例をそれぞれに示した。図15と図16は、低濃度
部の偏差が同じ値として検出され、高濃度部の偏差が図
15では、非常に低く、図16では0に近いという場合
を想定してある。この時、図10に示したコントラスト
電圧の効果、図11に示した背景電圧の効果から高濃度
部の偏差の非常に低い図15の場合、主にコントラスト
電圧を上げる変更をするのが効果的で、高濃度部の偏差
が0に近い図16の例の場合では、背景電圧を少しだけ
下げる変更が有効であることが推測できる。
【0083】高濃度部の偏差と低濃度部の偏差からそれ
ぞれ単独に操作量を決定するのではなく、上記例のよう
に高濃度部の偏差と低濃度部の偏差の関係を考慮するこ
とでそれに応じた適正な操作量を導き出すことが可能と
なる。
【0084】また、初回の付着量計測ステップにおい
て、高濃度部の偏差が少しだけ負で、高濃度部の偏差が
大きく負だった時、コントラスト電圧の変更量は正方向
に大きくする。背景電圧の変更量は、0(変更しない)
となる(図17、図18参照)。
【0085】この結果を用いてバイアス値を算出し変更
した後、再度テストパターンの付着量計測を行う。バイ
アス変更の効果として、図10からも予想がつくように
高濃度部の偏差、低濃度部の偏差はいずれも正方向に変
移するはずである。
【0086】ここで規格値内ならば制御終了であるが、
高濃度部の偏差は、規格値内に入っているが、低濃度部
の偏差が負に少しだけ規格値から外れている場合であれ
ば、図19、図20に示すように、コントラスト電圧の
変更量はほんの少しだけ負に、背景電圧の変更量は少し
負にするようになる。
【0087】背景電圧を下げると画像濃度は低濃度部側
ほど大きくなる。高濃度部も多少大きくなるはずである
が、同時にコントラスト電圧をほんの少しだけ下げてい
るため高濃度部はほとんど変化しない。
【0088】上記の例のように付着量の計測、バイアス
変更を繰り返すことで、記憶部61のテーブルの内容
に、高濃度部の偏差、低濃度部の偏差の関係によって、
コントラスト電圧の変更による高濃度部主体の粗調整、
その後、背景電圧とコントラスト電圧とを同時に低濃度
部まで含めた微調整といったシーケンシャルな制御を実
行することもできる。次に、図21から図24を用い
て、制御過程における計測システムの入力であるトナー
付着量とバイアス値の変化について説明する。
【0089】図21、図22は、たとえば低温低湿環境
などの高濃度トナー付着量QH、低濃度トナー付着量Q
Lが共にそれぞれの目標値QHT、QLTより低いとき
の例である。図21、図22の横軸は、制御回数で、図
21の縦軸はトナー付着量検出値、図22の縦軸はバイ
アス値である。
【0090】制御回数0では、グリッドバイアス電圧値
VG 、現像バイアス電圧値VD は所定の初期値に設定し
て、高濃度と低濃度のテストパターンを形成する。その
テストパターンに対して検出された高濃度部のトナー付
着量値QH、低濃度部のトナー付着量値QLがそれぞれ
目標値QHT、QLTより低く、それぞれの制御規格値
QHP、QLPの範囲外であるため、バイアス変更ステ
ップによる変更量の算出を行う。
【0091】この場合、図17、図18と同様に、高濃
度部がとても小さい(高濃度部の偏差が負に大きい)た
め、コントラスト電圧を大きくするように、グリッドバ
イアス電圧値VG 、現像バイアス電圧値VD を変更する
(制御回数1)。
【0092】そして、変更したバイアス電圧値で、テス
トパターンの形成、トナー付着量の検出を行う。図10
からも分かるように、コントラスト電圧を増加すること
により、トナー付着量値QH、QLが共に増加し、それ
ぞれの目標値に近付く(制御回数1)。高濃度部のトナ
ー付着量値QHは、目標値QHTより低く、低濃度部の
トナー付着量値QLは目標値QLTより大きくなる。
【0093】この時、図13、図14のテーブルから、
コントラスト電圧を少し大きく、背景電圧を大きくする
変更量が抽出され、これらの電圧の変更量にしたがって
グリッドバイアス電圧値VG 、現像バイアス電圧値VD
が算出されて、変更される(制御回数2)。
【0094】再度、変更したバイアス電圧値で、テスト
パターンの形成、トナー付着量の検出を行う。この際、
そのトナー付着量値QH、QLがそれぞれ制御規格値Q
HP、QLPに届かないため(制御回数2)、上記同様
のバイアス変更を繰り返す(制御回数3)。この結果、
トナー付着量値QH、QLが共に制御規格値QHP、Q
LP内に入り制御を終了する。この例では、最大制御回
数は5回に設定されているが、3回の制御回数で収束し
て正常終了している。
【0095】図23、図24は、たとえば高温多湿環境
などの高濃度トナー付着量QH、低濃度トナー付着量Q
Lが共にそれぞれの目標値QHT、QLTより高いとき
の例である。図23、図24の横軸は、制御回数で、図
23の縦軸はトナー付着量検出値、図24の縦軸はバイ
アス値である。
【0096】この例では、初期バイアス値で高濃度部の
トナー付着量値QH、低濃度部のトナー付着量値QLが
それぞれ目標値QHT、QLTより高く(制御回数
0)、コントラスト電圧を減少することにより、グリッ
ドバイアス電圧値VG 、現像バイアス電圧値VD が変更
される(制御回数1)。トナー付着量値QH、低濃度部
のトナー付着量値QLがそれぞれ目標値QHT、QLT
に近付く。その後は、主に背景電圧の変更とコントラス
ト電圧の微小変更を行って、それぞれの制御規格値内に
収束させている。この例では、収束に制御回数4回を要
している。
【0097】このように、高濃度部の偏差、低濃度部の
偏差の関係から、高濃度部、低濃度部に対して有効な変
更量のパラメータを同時に、あるいは単独でテーブルか
ら導出(抽出)し、その変更分を作像条件変更によって
実現し、その効果を再度確認し、規格値範囲外のときに
制御を繰り返すことで、目標値に収束させるものであ
る。
【0098】上記例では、装置電源オン時をきっかけに
制御を行った。この実施例においては、装置ドア(図示
しない)を開閉した時、外部からの制御実行命令が有っ
た時、制御終了後で所定時間超過した時、制御終了後で
所定印字枚数を超過した時、トナーエンプティが解除し
た時に、上記制御を行うことができる。
【0099】すなわち、装置ドアを開閉した時、つまり
給紙系、排紙系等の装置内部でジャムが発生し、紙の排
除のため、あるいは、メンテナンスのため、装置ドアを
開閉した時、感光体ドラム1に外光が入射する恐れがあ
り感光体ドラム1の表面電位特性に影響が出る可能性、
また、機内温湿度が急激に変化する可能性等があるた
め、装置開閉を検知するドアセンサ(図示しない)の検
出結果によりウオームアップ動作など初期動作終了後に
制御を行う。
【0100】また、外部からの制御実行命令が有った
時、つまりメンテナンス時に、サービスマンがコントロ
ールパネル49の操作により、または、装置外部の制御
実行命令を受信した時、制御を行う。
【0101】また、制御終了後、所定時間超過した時、
つまり制御終了してから長時間経過すると装置外の温湿
度の変化に伴う装置内の温湿度の変化、また、感光体ド
ラム1の光疲労の回復による表面電位特性の変化、一度
撹拌された現像剤の放置による暈密度や帯電量の変化な
ど、階調特性に変化が生じる可能性がある。そこで、一
番最後に制御終了してからの時間を計測するタイマ63
により、記憶部61に記憶されている所定経過時間を超
過した時点で制御を行う。
【0102】また、制御終了後、所定印字枚数を超過し
た時、制御終了してから多数枚の印字を行うと感光体ド
ラム1の光疲労による表面電位特性の変化、現像剤の帯
電量の変化など、階調特性に変化が生じる可能性があ
る。
【0103】そこで、一番最後に制御終了してからの印
字した枚数を計測する記憶部62内のカウンタにより、
記憶部61に記憶されている所定印字枚数を超過した時
点で制御を行う。ただし、連続印字の場合は、ユーザに
より設定された印字枚数の印字終了後に制御を行う。
【0104】また、トナーエンプティが解除した時、つ
まりトナーエンプティ後のトナー補給、トナーを含むカ
ートリッジ交換後、トナーまたは感光体ドラム1を含む
プロセスユニットの交換後、記憶部62のトナーエンプ
ティフラグが解除されたとき制御を行う。
【0105】これは、制御効果として、トナーが規定よ
り少なく、濃度が減少してきても、上記バイアス条件内
で、できるだけ濃度を出すようにバイアス値を調整して
いる。しかし、トナー補給され、トナー量が規定値に入
ったときは、より目標値に入れるため、再度制御を行
う。
【0106】上記のいづれの場合も、制御開始から制御
終了まで、制御中であることを明示する表示を行い。外
部入力(コントロールパネル49または、装置外部)に
対しビジー信号を発生し、印字するのを待ってもらうよ
うにする。次に、制御終了条件について説明する。
【0107】すなわち、高濃度部の偏差、低濃度部の偏
差が共に、記憶部61に記憶されている所定の制御規格
値内である時(正常終了)、記憶部61に記憶されてい
る所定回数の制御(バイアス変更)を行った時(最大制
御回数実行)、バイアス変更値の算出結果が記憶部61
に記憶されている所定のバイアス条件値となった時(操
作量限界)、トナー付着量計測部8の出力が記憶部61
に記憶されている所定条件(異常範囲)となった時(セ
ンサ出力異常)が、それぞれ制御終了条件である。
【0108】上記高濃度部の偏差、低濃度部の偏差が共
に所定の制御規格値内である時(正常終了)、つまり判
定ステップにおいて目標の範囲である所定の制御規格値
内に高濃度部の偏差、低濃度部の偏差が共に入った時、
グリッドバイアス電圧値と現像バイアス電圧値を保持し
た状態で装置待機状態に移る。すなわち、目標達成によ
る正常終了となる。
【0109】上記所定回数の制御(バイアス変更)を行
った時(最大制御回数実行)、つまり正常終了でない場
合に、バイアス変更ステップへ進み再びテストパターン
作像、付着量検出、判定と繰り返す。しかし、収束して
いるものの定常偏差がなんらかの原因で所定規格値内に
入らない場合、制御をいつまでも繰り返してしまう。
【0110】また、制御に要する最大の時間も有限に抑
える必要がある。この実施例では、目標からの偏差に対
する操作量に係わるパラメータの変更量を与え、偏差0
に対して変更量を0に対応させたため、定常偏差は0に
近づくはずだが、操作量変化に対する階調特性への効果
が履歴などで変化している場合など、収束に要する繰り
返し回数(制御回数)が増減する可能性がある。
【0111】したがって、許される制御回数で、定性的
に大きな偏差を減少する方向にバイアス値を変更するこ
とでも十分効果がある。そこで、制御に入ってからのバ
イアス変更した回数を記憶部62内のカウンタで計測す
ることにより、所定の制御回数を行った時点のグリッド
バイアス電圧値と現像バイアス電圧値を保持した状態で
装置の待機状態となる。
【0112】上記バイアス変更値の算出結果が所定のバ
イアス条件となった時(操作量限界)、つまり変更すべ
きバイアス値の算出値と実際に設定するバイアス電圧
は、D/A変換器47、48にセットした値に相当する
出力電圧を高圧電源35、44の出力電圧制御信号とし
て、高圧電源35、44に送られる。D/A変換器4
7、48への設定値と高圧電源35、44の出力電圧値
は、あらかじめ調整され、設定したバイアス値が出力さ
れるようになっている。
【0113】しかしながら、算出したバイアス値が高圧
電源35、44の出力可変範囲外になった場合、CPU
64の認識している出力電圧と実際の出力電圧が異なり
誤った制御を行ってしまう可能性がある。
【0114】また、画像欠陥や感光体ドラム1の汚れな
どの不具合の発生する可能性がないバイアス範囲で可変
しなければならない。さらに、グリッドバイアスと現像
バイアスの差電圧は、背景電圧に関連し、背景電圧は、
大きくし過ぎると逆帯電トナーの付着、2成分現像の場
合キャリア付着、小さくし過ぎるとかぶりが増加する等
の不具合を生じる。
【0115】そこで、CPU64は、記憶部61に記憶
されているバイアス条件値としての、グリッドバイア
ス、現像バイアスそれぞれ所定の上限値、下限値の範
囲、かつグリッドバイアスと現像バイアスの差電圧が所
定の範囲内のとき、実際にD/A変換器47、48に設
定を行う。この条件以外の時、バイアス値のD/A変換
器47、48への設定変更は行わず、現設定のグリッド
バイアス電圧値と現像バイアス電圧値を保持した状態で
制御終了し、待機状態となる。
【0116】この実施例では、所定値は以下のように実
験的に求めた値を設定してある。(この実施例はマイナ
ス帯電トナーによる正規現像であるためバイアス電圧値
はマイナスである。以下の数値は絶対値を表してい
る。)グリッドバイアスの上限値を1000V以下の
値、下限値を250V以上の値で設定してある。現像バ
イアスは920V以下の値、下限値を170V以上の値
で設定してある。グリッドバイアスと現像バイアスの差
電圧は、上限値400V以下の値、下限値80V以上の
値に設定してある。
【0117】上記トナー付着量計測部8の出力が所定条
件となった時(センサ出力異常)、つまりCPU64
は、A/D変換器46から供給される感光体ドラム1の
テストパターン領域以外の反射光量、高濃度テストパタ
ーンの反射光量、低濃度テストパターン反射光量を、そ
れぞれ記憶部61に記憶されているトナー付着量計測部
8の異常範囲か否かを調べる。
【0118】このとき、センサ電源の不良、光源51の
劣化、投光・受光光路の汚れ、受光回路、センサ・受信
回路間の不良、感光体ドラム1の傷、フィルミングなど
の反射率の変化、およびテストパターン作像系の不良な
どで検出精度の悪化、制御系の誤動作になることがあ
る。
【0119】そこで、感光体ドラム1のテストパターン
領域以外の反射光量、高濃度テストパターンの反射光
量、低濃度テストパターン反射光量のそれぞれに対応す
るセンサ出力値のそれぞれに対し所定の上限・下限を設
け、いずれか一つの出力が範囲外のときは、その後、計
算、判定を行わず、センサ異常フラグをセットし、コン
トロールパネル49にトナー付着量計測部8が異常であ
ることを表示し、トナー付着量計測部8の異常が発生す
る前のバイアス値を保持した状態で待機状態となる。
【0120】なお、記憶部62内のセンサ異常フラグ
は、装置電源オンした状態で初期処理によりリセットさ
れる。また、メンテナンス時にサービスマンによりコン
トロールパネル49からのリセット命令でもリセットで
きる。また、センサ異常フラグがセットされている時
は、制御は行わない。次に、検出シーケンス(テストパ
ターン作像、現像、付着量検出ステップ)について説明
する。
【0121】テストパターンの作像は、転写ドラムの無
い装置においては、転写、給紙、排紙動作、定着以外の
動作を通常印字動作と同様のタイミングで行う。転写を
オフするのは、転写材(用紙)がない状態で感光体ドラ
ム1上にトナーが飛散しないためである。
【0122】トナー付着量計測部8の光源51は、CP
U64の光源リモート信号によりオン/オフ可能で、オ
ンしてから光量が安定するのに要する時間経過した後、
検出できるようなタイミングでオンする。
【0123】したがって、通常印字動作においては、ト
ナー付着量計測部8の光源51は発光していない。これ
は、転写前に露光されていない表面電位である未露光部
の電位が、光源51からの投光により光除電され、画像
のチリまたはトナー飛散の防止、さらにセンサの投光位
置は、感光体ドラム1の軸方向の同一位置で行われるた
め、長期的にその部分の感光体ドラム1の光疲労による
画質への悪影響の防止を目的としている。
【0124】上記実施例では、転写ドラム9を有してお
り、転写、給紙、排紙動作だけでなく、転写ドラム9に
おける吸着、剥離動作も行わない。転写ドラム9におい
ては、転写材支持体のクリーニングのみ行う。これによ
り、感光体ドラム1上に現像されたテストパターンのト
ナー像は転写材支持体への付着量が極めて減少する。こ
のため、転写ドラム9との位置関係を考慮せずにテスト
パターンの作像、および付着量検出が可能となる。
【0125】上記したように、電子写真プロセスのサブ
・プロセスである帯電、露光、現像、転写、定着の中
で、帯電、露光、現像の環境、経時による作像条件、材
料特性の変動を現像プロセスの下流でトナーの付着量に
関連する量を検出し、その変動を検出するトナー付着量
計測部8を備えている。このトナー付着量計測部8から
の検出結果からCPU64が、変動特性を把握、制御実
施の有無の判断、操作量の決定を行う。操作量は、帯電
プロセスにおいて帯電量を制御している帯電器2のグリ
ッド電極33のバイアス電圧値と、現像プロセスにおけ
る現像器4の現像ローラ43に印加する現像バイアス電
圧値である。
【0126】所定の2つの異なる階調データに対する2
つの濃度のテストパターンを所定の初期基準作像条件で
露光し潜像作成する。これを現像器4により可視像化を
行い、現像ポイントの下流に設けたトナー付着量計測部
8により、感光体ドラム1のトナーの付着していない領
域の反射光量、および2つの濃度のテストパターンのト
ナー像領域の反射光量をトナー付着量計測部8に対向す
るのに同期して検出される。
【0127】この検出結果から、感光体ドラム1の反射
光量を基準とする2つのテストパターンの光学反射率に
関する量をトナー付着量と定義し、2つトナー付着量の
内高濃度のテストパターンに対応する量を高濃度部付着
量、低濃度のテストパターンに対応する量を低濃度部付
着量とし、それぞれの付着量に対する目標値からそれぞ
れの偏差である高濃度部の偏差、低濃度部の偏差を算出
し、その両偏差から現像特性(階調特性)の変化を把握
する。
【0128】ただし、両偏差がそれぞれについての所定
の規格値内に入っている場合、バイアス電圧値の操作は
行わず制御を終了させる。いずれかの偏差が規格値より
大きい場合、把握した現像特性変化から、両偏差を小さ
くするため、露光部電位、未露光部電位と現像バイアス
電圧値の関係を表す電位関係の変更量を推論する。
【0129】この推論は、高濃度部の偏差と低濃度部の
偏差の関係から、露光部電位と現像バイアス電圧値の関
係(以下、コントラスト電圧と記す)の変更量を導出す
る推論と、高濃度部の偏差と低濃度部の偏差の関係か
ら、未露光部電位と現像バイアス電圧値の関係(以下、
背景電圧と記す)の変更量を導出する推論の2つを推論
する。
【0130】また、上記したように、背景電圧をコント
ラスト電圧とともに変更するようにしたので、高温度域
から低温度域の広い階調特性を同時に補正することがで
きる。 また、現像特性を適正化するため、階調だけで
なく文字などの細線の幅を初期と同等に維持できる。ま
た、付着量の偏差から、変更量を決定し、それを繰返す
ことから、収束値の経過時間等による収束値偏差が発生
しないようにできる。
【0131】また、感光体ドラムの表面電位特性を用い
るため、推論結果のコントラスト電圧と背景電圧を実現
するグリッドバイアス、現像バイアスが容易に決定で
き、制御回数を軽減することができる。
【0132】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
環境、経時の変化による画像濃度の変動を、メンテナン
スに頼らず、また、メンテナンスの周期よりも短いサイ
クルで適正化でき、高い画像濃度の安定性が達成でき、
メンテナンスに要するコストが軽減できる画像形成装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るカラーレーザプリン
タの帯電、露光、現像手段とその制御手段に係わるブロ
ック図。
【図2】カラーレーザプリンタの概略構成図。
【図3】感光体ドラム上に現像された高濃度の階調デー
タに対応する高濃度部と低濃度の階調データに対応する
低濃度部と、トナー付着量計測部を示す図。
【図4】帯電器のグリッドバイアス電圧に対する感光体
ドラムの未露光部電位および露光部電位と現像バイアス
電圧を示す図。
【図5】コントラスト電圧に対するベタ部の画像濃度を
示す図。
【図6】感光体ドラム表面の未露光部電位と低濃度パタ
ーンによる電圧および現像バイアス電圧との関係を示す
図。
【図7】背景電圧を増加させたときの階調データに対す
るトナー付着量を示す図。
【図8】トナー付着量計測部の構成を示すブロック図。
【図9】バイアス変更モードの処理動作を説明するため
のフローチャート。
【図10】コントラスト電圧を変更した場合の階調特性
の変化を示を示す図。
【図11】背景電圧を変更した場合の階調特性の変化を
示す図。
【図12】グリッドバイアスと現像バイアスの変更タイ
ミングを示す図。
【図13】コントラスト電圧の変更量に関するテーブル
の内容を示す図。
【図14】背景電圧の変更量に関するテーブルの内容を
示す図。
【図15】階調特性の変動例を示す図。
【図16】階調特性の変動例を示す図。
【図17】高濃度部の偏差が少しだけ負で、高濃度部の
偏差が大きく負だった時の、コントラスト電圧の変更量
を示す図。
【図18】高濃度部の偏差が少しだけ負で、高濃度部の
偏差が大きく負だった時の、背景電圧の変更量を示す
図。
【図19】高濃度部の偏差が規格値内で、高濃度部の偏
差が少しだけ負だった時の、コントラスト電圧の変更量
を示す図。
【図20】高濃度部の偏差が規格値内で、高濃度部の偏
差が少しだけ負だった時の、背景電圧の変更量を示す
図。
【図21】制御過程における計測システムの入力である
トナー付着量の変化について説明する図。
【図22】制御過程における計測システムの入力である
バイアス値の変化について説明する図。
【図23】制御過程における計測システムの入力である
トナー付着量の変化について説明する図。
【図24】制御過程における計測システムの入力である
バイアス値の変化について説明する図。
【符号の説明】
1…感光体ドラム(像担持体)、2…帯電器(帯電手
段)、4〜7…現像器(現像手段)、8…トナー付着量
測定部、9…転写ドラム、13…光学系(露光手段)、
14…レーザビーム光、20…転写帯電器、27…定着
器、34…コロナ用高圧電源、35…グリッドバイアス
用高圧電源、36…階調データバッファ、37…レーザ
駆動回路、38…パターン発生回路、39…トナー濃度
計測部、40…トナー補給ローラ、43…現像ローラ、
44…現像バイアス用高圧電源、45…制御回路、46
…A/D変換器、47、48…D/A変換器、49…コ
ントロールパネル、51…光源、52、55…光電変換
部、61、62…記憶部、63…タイマ、64…CP
U。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上に画像データに基づいて高濃
    度部と低濃度部の潜像を形成する潜像形成手段と、 この潜像形成手段で形成された上記像担持体上の高濃度
    部と低濃度部の潜像を現像剤で現像する現像手段と、 この現像手段の現像により上記像担持体上に付着した高
    濃度部と低濃度部の現像剤の付着量を計測する現像剤付
    着量計測手段と、 この現像剤付着量計測手段の高濃度部と低濃度部の計測
    値とあらかじめ設定されるそれぞれの基準値との偏差を
    算出する算出手段と、 高濃度部の偏差と低濃度部の偏差に対応する上記潜像形
    成手段および上記現像手段における像形成条件が記憶さ
    れている記憶手段と、 上記算出手段の算出結果に基づいて上記記憶手段から上
    記潜像形成手段および上記現像手段における像形成条件
    を抽出する抽出手段と、 この抽出手段により抽出された像形成条件で、上記潜像
    形成手段および上記現像手段における像形成条件を変更
    する像形成条件変更手段と、 を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 像担持体をグリッドを用いて帯電する帯
    電手段と、 上記グリッドにグリッドバイアス電圧を印加する第1の
    印加手段と、 高濃度のテストパターンと低濃度のテストパターンとを
    発生する発生手段と、 上記帯電手段により帯電された像担持体上に上記発生手
    段により発生される高濃度のテストパターンと低濃度の
    テストパターンに基づいて潜像を形成する潜像形成手段
    と、 この潜像形成手段で形成された上記像担持体上の潜像を
    現像剤で現像する現像手段と、 この現像手段に現像バイアス電圧を印加する第2の印加
    手段と、 上記テストパターンを上記像担持体上に形成する際の、
    露光部電位と現像バイアス電圧値の関係であるコントラ
    スト電圧と未露光部電位と現像バイアス電圧値の関係で
    ある背景電圧とを保持する保持手段と、 上記現像手段により上記像担持体上に現像された高濃度
    のテストパターンに対する現像剤の付着量と低濃度のテ
    ストパターンに対する現像剤の付着量とを計測する現像
    剤付着量計測手段と、 高濃度部と低濃度部の付着量に対する目標値を設定する
    設定手段と、 この設定手段により設定された高濃度部と低濃度部の付
    着量に対する目標値と現像剤付着量計測手段により得ら
    れる高濃度部と低濃度部の現像剤の付着量とにより、高
    濃度部と低濃度部の偏差を算出する算出手段と、 この算出手段により算出された高濃度部と低濃度部の偏
    差が所定範囲内であるか否かを判定する判定手段と、 高濃度部と低濃度部の偏差に対するコントラスト電圧の
    変更量と背景電圧の変更量を記憶している記憶手段と、 上記判定手段により所定範囲外が判定された場合、上記
    高濃度部と低濃度部の偏差に対応するコントラスト電圧
    の変更量と背景電圧の変更量とを上記記憶手段から抽出
    する抽出手段と、 この抽出手段により抽出されたコントラスト電圧の変更
    量と背景電圧の変更量と、上記保持手段に保持されてい
    るパターン形成したときのコントラスト電圧と背景電圧
    と、あらかじめ記憶されている表面電位特性を用いて、
    グリッドバイアス値と現像バイアス値を算出する算出手
    段と、 この算出手段により算出されたグリッドバイアス値と現
    像バイアス値とに応じて、上記第1、第2の印加手段に
    よるグリッドバイアス電圧と現像バイアス電圧とを変更
    する変更手段と、 を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 現像剤付着量計測手段が、高濃度部の反
    射光量、低濃度部の反射光量、および像担持体からの反
    射光量を計測するものであることを特徴とする請求項2
    に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 抽出手段が、高濃度部と低濃度部の偏差
    の関係により、コントラスト電圧の変更量を抽出し、高
    濃度部と低濃度部の偏差の関係により、背景電圧の変更
    量を抽出するものであることを特徴とする請求項2に記
    載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 変更手段が、グリッドバイアス電圧を変
    更した後、所定時間経過後に現像バイアス電圧を変更す
    るようにしたものであることを特徴とする請求項2に記
    載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 変更手段が、グリッドバイアス電圧と現
    像バイアス電圧の変更を繰返すものであり、その変更の
    仕方により、グリッドバイアス電圧の変更と現像バイア
    ス電圧の変更のタイミングが切換わるようにしたもので
    あることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 像担持体をグリッドを用いて帯電し、 高濃度のテストパターンと低濃度のテストパターンとを
    発生し、 上記帯電された像担持体上に高濃度のテストパターンと
    低濃度のテストパターンに基づいて潜像を形成し、 この形成された像担持体上の潜像を現像剤で現像し、 この現像された高濃度のテストパターンに対する現像剤
    の付着量と低濃度のテストパターンに対する現像剤の付
    着量とを計測し、 高濃度部と低濃度部の付着量に対する目標値と現像剤の
    付着量の計測により得られる高濃度部と低濃度部の現像
    剤の付着量とにより、高濃度部と低濃度部の偏差を算出
    し、 この算出された高濃度部と低濃度部の偏差が所定範囲内
    であるか否かを判定し、 この判定結果が所定範囲外の場合、上記高濃度部と低濃
    度部の偏差に対応するコントラスト電圧の変更量と背景
    電圧の変更量とに変更し、 この変更されたコントラスト電圧の変更量と背景電圧の
    変更量とに応じたグリッドバイアス値と現像バイアス値
    を算出し、 この算出されたグリッドバイアス値と現像バイアス値と
    に応じて、グリッドバイアス電圧と現像バイアス電圧と
    を変更することを特徴とする画像形成方法。
JP4255009A 1992-09-24 1992-09-24 画像形成装置および画像形成方法 Pending JPH06102734A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7068957B2 (en) 2002-07-19 2006-06-27 Seiko Epson Corporation Image forming apparatus and image forming method involving application of a developing bias to a toner carrier
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KR20110028314A (ko) * 2008-06-12 2011-03-17 애브리 데니슨 코포레이션 재료 및 이를 제조하기 위한 방법
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JP2017072718A (ja) * 2015-10-07 2017-04-13 株式会社東芝 画像形成装置

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