JPH06102668B2 - 新規セフアロスポリン誘導体 - Google Patents

新規セフアロスポリン誘導体

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JPH06102668B2
JPH06102668B2 JP60171838A JP17183885A JPH06102668B2 JP H06102668 B2 JPH06102668 B2 JP H06102668B2 JP 60171838 A JP60171838 A JP 60171838A JP 17183885 A JP17183885 A JP 17183885A JP H06102668 B2 JPH06102668 B2 JP H06102668B2
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良輔 牛嶋
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憲一 坂
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  • Cephalosporin Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規セファロスポリン誘導体、その製造法及び
その用途に関する。
従来技術及び発明が解決しようとする課題 β−ラクタム抗生物質は、細菌にのみ選択毒性を示し、
動物細胞に対しては影響を与えないことから、副作用の
少ない抗生物質として細菌による感染症の予防及び治療
に重要な役割を果たしている。特にセファロスポリン誘
導体は一般にペニシリナーゼに対して安定であり、その
抗菌スペクトルが広く、細菌感染症の予防及び治療に供
せられる頻度も高い。しかし一方では、種々の耐性の機
構をもつ耐性のぶどう球菌又は耐性のシュードモナス・
エスギノーサ、アシネトバクター・カルコアセティカス
等のぶどう糖非発酵グラム陰性桿菌による難治性感染症
の治療のために、より強力で広範囲のスペクトルを有す
る新規セファロスポリン誘導体が求められている。
現在、セフォタキシム[アンティマイクロビアル・エイ
ジェント・アンド・ケモテラピー、14巻、749頁(1978
年)]等、第三世代と呼ばれるセファロスポリン誘導体
はグラム陽性菌、グラム陰性菌、特に腸内細菌群に優れ
た抗菌力を示すが、シュードモナス、アシネトバクター
に強力な抗菌作用を示すものは稀である。したがって、
これらの菌、あるいはこれらの菌と他の菌との混合感染
による重篤な感染症の治療に、一層強力で有効な治療薬
が望まれている。またセフタジディム[アンティマイク
ロビアル・エイジェント・アンド・ケモテラピー、17
巻、876頁(1980年)]はシュードモナス、アシネトバ
クターに対して、既存のセファロスポリン化合物の中で
最も優れた化合物であるが、種々の耐性菌が存在し、必
ずしも満足なものではない。
四級アンモニウム塩構造を有するセファロスポリン誘導
体は、例えば特開昭53-53690号、同55-59196号、同58-1
74387号、同58-198490号及び同59-219292号公報等に記
載されているが、セフェム核の3位側鎖として、2−メ
チル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−置換イソキノリニ
ウムメチル基を有する化合物は全く開示されておらず、
一般式[I]の化合物はこれら公知の誘導体とは化学構
造の異なる新規化合物である。
課題を解決するための手段 本発明者らは、セフェム核の3位側鎖として2−メチル
−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−置換イソキノリニウム
メチル基を有する新規セフェム化合物を合成し、研究し
た結果、該化合物が広範囲の強力な抗菌スペクトルを有
することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、一般式 (式中、R1はカルボキシル基により置換されていてもよ
い環状の低級アルキル基、R2は水素原子、水酸基又はア
セトキシ基、R3及びR4は同一であり、隣接する炭素原子
に結合する、水酸基又はアセトキシ基を示す)で表わさ
れる化合物、その塩又は生理的に加水分解可能なそのエ
ステル、その製造法及びその用途に関する。
一般式[I]の化合物は、グラム陽性菌のみならずグラ
ム陰性菌、特にぶどう糖非発酵性のシュードモナス・エ
ルギノーサ、アシネトバクター・カルコアセティカス等
に有効であり、広範囲の抗菌スペクトルを有する。
一般にオキシイミノ基における置換はE又はZの幾何異
性の構造をとりうるが、一般式[I]の化合物の7位の
アシルアミノ部分に含まれるオキシイミノ基の置換はZ
の構造を有している。
次に、本明細書において言及される各種用語および記号
について説明する。
カルボキシル基により置換されていてもよい環状の低級
アルキル基とは、カルボキシル基により置換されていて
もよい炭素数3ないし7個の環状のアルキル基を示し、
例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基、1−カルボキシ−1−シク
ロプロピル基、1−カルボキシ−1−シクロブチル基、
1−カルボキシ−1−シクロペンチル基、1−カルボキ
シ−1−シクロヘキシル基等が挙げられる。
セフェム3位の2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−
置換イソキノリン環とは、隣接する炭素原子に結合す
る、水酸基又はアセトキシ基が置換した2−メチル−1,
2,3,4−テトラヒドロ−置換イソキノリン環を示し、例
えば5,6−ジヒドロキシイソキノリン、6,7−ジヒドロキ
シイソキノリン、7,8−ジヒドロキシイソキノリン、5,6
−ジアセトキシイソキノリン、6,7−ジアセトキシイソ
キノリン、7,8−ジアセトキシイソキノリン、5,6,7−ト
リヒドロキシイソキノリン、5,6,8−トリヒドロキシイ
ソキノリン、5,7,8−トリヒドロキシイソキノリン、6,
7,8−トリヒドロキシイソキノリン、5,6,7−トリアセト
キシイソキノリン、5,6,8−トリアセトキシイソキノリ
ン、5,7,8−トリアセトキシイソキノリン、6,7,8−トリ
アセトキシイソキノリン等が挙げられる。
アミノ保護基としては、例えばトリチル基、ホルミル
基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、tert
−ブトキシカルボニル基、トリメチルシリル基、tert−
ブチルジメチルシリル基等が挙げられ、酸処理によって
容易に除去できるトリチル基が特に好ましい。
カルボキシル保護基としては、例えば下記の基が挙げら
れる。低級アルキル基例えばtert−ブチル基;ハロアル
キル基例えば2,2,2−トリクロロエチル基;アルカノイ
ルオキシアルキル基例えばアセトキシメチル基、プロピ
オニルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、2
−アセトキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル
基;アルカンスルホニルアルキル基例えばメタンスルホ
ニルメチル基、2−メタンスルホニルエチル基;アラル
キル基例えばベンジル基、4−メトキシベンジル基、4
−ニトロベンジル基、フェネチル基、トリチル基、ベン
ズヒドリル基、ビス(4−メトキシフェニル)メチル
基、3,4−ジメトキシベンジル基;アルキルシリル基例
えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル
基等が挙げられ、酸処理よって容易に除去できるベンズ
ヒドリル基又はt−ブチル基が特に好ましい。
水酸基の保護基としては、2−メトシキエトキシメチル
基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、テトラヒ
ドロピラニル基、フェナシル基、イソプロピル基、tert
−ブチル基、ベンジル基、4−ニトロベンジル基、アセ
チル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基、アセトナイド、トリメチル
シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられ
る。
Xのハロゲン原子としては、例えば塩素、臭素、沃素等
が挙げられる。またXの脱離基としては、例えばアセト
キシ基、トリフルオロアセトキシ基、メタンスルホニル
基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンス
ルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、p−
トルエンスルホニルオキシ基等が挙げられ、Xとして
は、特に臭素原子及び沃素原子が好ましい。
の陰イオンとしては、例えば塩素イオン、臭素イオ
ン、沃素イオン等のハロゲンイオン、硫酸イオン、硫酸
水素イオン、硫酸メチルイオン、p−トルエンスルホン
酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸
イオン等の陰イオンが挙げられる。
一般式[I]のR2、R3及びR4、並びに一般式[III]、
一般式[IV]、一般式[V]、一般式[VII]のR8、R9
及びR10の置換位置は、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン骨格の縮合ベンゼン環上であれば、特に限定されな
い。
一般式[I]の化合物は、以下のA法およびB法のいず
れかの方法により製造できる。
A法 一般式 (式中、R5は水素原子又はアミノ保護基、R6は水素原子
又はカルボキシル保護基、R7は保護されたカルボキシル
基により置換されていてもよい環状の低級アルキル基、
Xはハロゲン原子又は脱離基、YはS又はSOを示す)で
表わされる化合物又はその塩と、一般式 (式中、R8は水素原子、保護されていてもよい水酸基又
はアセトキシ基、R9及びR10は同一であり、隣接する炭
素原子に結合する、保護されていてもよい水酸基又はア
セトキシ基、R11は水素原子又はメチル基を示す)で表
わされるアミンとを反応させて、一般式 (式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びYは前記の
意味を有し、X は陰イオンを示す)で表わされる化合
物となし、必要に応じ、メチル化及び/又は還元したの
ち、保護基を除去する。
A法により一般式[I]の化合物を製造するに際して
は、まず溶媒中で一般式[II]の化合物と一般式[II
I]の化合物とを反応させる。溶媒としては、例えば塩
化メチレン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エ
チル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非水有
機溶媒又はこれらの混合物が用いられる。一般式[II
I]の化合物の使用量は、一般式[II]の化合物1モル
に対し、1〜5モル、好ましくは1〜2モルである。反
応温度は−35〜+35℃、好ましくは−20〜+5℃であ
り、反応は0.2〜10時間で終了する。
また置換基R11が水素原子である一般式[III]の化合物
を用いる場合には、生成物[IV]を単離することなく反
応溶液のまま、あるいはその生成物を分離精製して前記
の非水有機溶媒中、沃化メチルと反応させて、R11がメ
チル基であるアンモニオ化合物[IV]とすることができ
る。
反応は生成物[IV]1モルに対して、沃化メチル1〜30
モル、好ましくは3〜15モルを用い、反応温度及び反応
時間は、−30〜+35℃で数時間ないし数日間で終了す
る。またメチル化反応は前記有機溶媒の代わりに過剰の
沃化メチルを用いても行うことができる。生成したR11
がメチル基であるアンモニオ化合物[IV]は単離し、又
は単離することなく次の反応に用いることができる。
基YがSOである一般式[II]の化合物を用いる場合に
は、一般式[IV]の化合物を公知の方法、例えばジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、35巻、2430
頁(1970年)、シンセシス、58頁(1979年)又はジャー
ナル・ケミカル・リサーチ(S)、341頁(1979年)等
に記載の方法により還元する。例えば基YがSOである一
般式[IV]の化合物を不活性有機溶媒、例えばアセト
ン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラ
ン、酢酸エチル等に溶解し、沃化カリウムまたは沃化ナ
トリウムを加え、−40〜0℃でアセチルクロリドを滴下
し、−20〜−10℃で1〜5時間反応させることにより還
元できる。沃化物の使用量は、一般式[IV]の化合物1
モルに対し、3.5〜15モル、好ましくは8〜10モルであ
る。アセチルクロリドの使用量は、1.5〜5モルであ
る。こうして得られた化合物から必要に応じ、保護基を
除去すると一般式[I]の化合物が得られる。
保護基の除去方法はその保護基の種類に応じて常用の方
法を適宜選択して行うことができる。保護基の除去は、
例えば酸による方法が好ましく、酸としては、例えばギ
酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、塩酸等の無機酸又は有機酸等が挙げら
れ、特にトリフルオロ酢酸が好ましい。尚、酸としてト
リフルオロ酢酸を用いる場合には、アニソールを添加す
ることにより反応が促進される。また、この反応は不活
性溶媒、例えば塩化メチレン、塩化エチレン、ベンゼン
等の有機溶媒又はこれらの混合溶媒の中で、特に塩化メ
チレン中で行うことが好ましい。反応温度は特に限定さ
れず、一般式[I]の化合物及び基YがSである一般式
[IV]の化合物の化学的性質、保護基の種類、除去方法
等に応じて適宜選択することができ、反応温度は冷却下
ないし加温程度の緩和な条件で行うのが好ましい。
一般式[III]の化合物はジャーナル・オブ・アメリカ
ン・ケミカル・ソサイエティー、56巻、1769頁(1934
年)、同60巻、2101頁(1938年)、ジャーナル・オブ・
オーガニック・ケミストリー、30巻、2247頁(1965年)
及び同33巻、494頁(1968年)等に記載の方法、又はそ
の方法に準じて合成することができる。
基YがSである一般式[II]の化合物は、一般式 (式中、R6及びXは前記の意味を有し、Zは水素原子又
はアシル基を示す)で表わされる化合物を一般式[IV]
のカルボン酸又はその反応性誘導体を用いてアシル化す
ることにより得られる。また基YがSOである一般式[I
I]の化合物は、基YがSである一般式[II]の化合物
を塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム等の反応
に関与しない有機溶媒中、m−クロロ過安息香酸で酸化
することにより得られる。置換基Xが沃素原子である一
般式[II]の化合物は、Xが塩素原子である一般式[I
I]の化合物を沃化ナトリウムと反応させることにより
製造できる。
一般式[V]の化合物は、Zがアシル基である一般式
[VIII]の化合物を、R11がメチル基である一般式[II
I]の化合物と反応させたのち、脱アシル化することに
より得られる。
一般式[VIII]の化合物は、一般式 (式中、R6及びZは前記の意味を有する)で表わされる
化合物を、例えば特開昭50-76089号公報、同56-86187号
公報記載の方法に準じて処理することにより、容易に製
造することができる。
B法 一般式 (式中、R6、R8、R9、R10及びX は前記の意味を有す
る)で表わされる化合物、その塩又はそのシリル化合物
を、一般式 (式中、R5及びR7は前記の意味を有する)で表わされる
カルボン酸又はその反応性誘導体によりアシル化して、
一般式 (式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びX は前記の意
味を有する)で表わされる化合物となし、次いで必要に
応じ保護基を除去する。
B法により一般式[I]の化合物を製造するに際して
は、一般式[V]の化合物を一般式[VI]のカルボン酸
又はその反応性誘導体によりアシル化してアンモニオ化
合物[VII]を製造するが、特に反応性誘導体を用いる
のが好ましい。反応は不活性溶媒、例えば水、アセト
ン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、酢酸エチ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド等又はこれらの混合溶
媒の中で、一般式[V]の化合物1モルに対し、一般式
[VI]のカルボン酸又はその反応性誘導体1〜1.5モル
を用い、反応温度は−40〜+40℃、好ましくは−20〜+
30℃である。一般式[VI]の化合物の酸クロリドを用い
る場合は、炭酸アルカル金属又は有機アミン、例えばト
リメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホ
リン等の存在下に反応させることが好ましい。
一般式[VII]の化合物から一般式[I]の化合物への
製造法は、前記製造法Aと同様である。
一般式[VI]の化合物の反応性誘導体としては、例えば
酸ハロゲン化物、混合酸無水物、活性エステル等が用い
られる。一般式[VI]の化合物の酸ハロゲン化物は、一
般式[VI]の化合物をハロゲン化剤と反応させることに
より得られる。反応は不活性溶媒、例えば塩化メチレ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエ
ン等又はこれらの混合溶媒中で行われる。ハロゲン化剤
としては、例えば塩化チオニン、三塩化燐、五塩化燐、
オキシ塩化燐、三臭化燐、オキサリルクロリド、ホスゲ
ン等が用いられる。ハロゲン化剤の使用量は、一般式
[VI]の化合物1モルに対し、1〜10モル、好ましくは
1〜1.5モルで、反応温度は−40〜+100℃、好ましくは
−20〜+20℃である。
一般式[VI]の化合物の混合酸無水物は、一般式[VI]
の化合物をクロロ炭酸アルキル、脂肪族カルボン酸クロ
リド等と反応させることにより得られる。反応は不活性
溶媒、例えばアセトン、ジオキサン、アセトニトリル、
テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、ベ
ンゼン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド等又
はこれらの混合溶媒の中で行われる。反応は三級アミ
ン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン等
の存在下に行うことが好ましく、反応温度は−30〜+20
℃、好ましくは−15〜0℃である。
一般式[VI]の化合物の活性エステルは、一般式[VI]
の化合物を好ましくは1〜1.2モルのN−ヒドロキシ化
合物又はフェノール化合物と反応させることにより得ら
れる。反応は不活性溶媒、例えばアセトン、ジオキサ
ン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレ
ン、クロロホルム、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルム
アミド等又はこれらの混合溶媒の中で行われる。N−ヒ
ドロキシ化合物としては、例えばN−ヒドロキシスクシ
ンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール等、フェノール化合物としては、
例えば4−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、ペンタクロロフェ
ノール等が用いられる。反応は縮合剤、例えばN,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下に行うことが
好ましい。反応温度は−30〜+40℃、好ましくは−10〜
+25℃、反応時間は30〜120分である。
一般式[I]の化合物は常法により塩又は生理的に加水
分解可能なエステルとすることができる。
一般式[I]の化合物の塩としては医薬上許容される慣
用的なもの、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ
金属との塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土
類金属との塩;N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、プ
ロカイン等の有機アミンとの塩;塩酸、硫酸、燐酸、硝
酸、過クロロ酸、臭化水素酸等の無機酸との塩;酢酸、
乳酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマール酸、りんご
酸、酒石酸、くえん酸等の有機酸との塩;メタンスルホ
ン酸、イセチオン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機
スルホン酸との塩;アスパラギン酸、グルタミン酸等の
アミノ酸との塩等が挙げられる。一般式[I]の生理的
に加水分解可能なエステルとしては、例えばアセトキシ
メチルエステル、ピバロイルオキシメチル等のアルカノ
イルオキシアルキルエステル類、1−(エトキシカルボ
ニルオキシ)エチル等のアルコキシカルボニルオキシア
ルキルエステル類、フタリジルエステル、(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル
等の(5−置換−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4
−イル)メチルエステル類等が好ましい。
本発明の化合物の種々の細菌に対する最小発育阻止濃度
(MIC:μg/ml)をセフォタキシム及びセフタジディムを
比較化合物として、センシティビティ・ディスク・アガ
ール(ニッスイ)を用いて寒天平板希釈法で判定した
(菌数:106CFU/ml)。その結果を下記表に示す。
本発明の化合物は感受性並びに耐性のグラム陽性菌及び
グラム陰性菌、特に耐性のシュードモナス・エルギノー
サ、シュードモナス・セパシア、アシネトバクター・カ
ルコアセティカス等に強い抗菌力を示した。例えばシュ
ードモナス・エルギノーサAK109に対して実施例1−
D、実施例2−E及び実施例4の化合物はセフォタキシ
ムの125〜250倍、セフタジディムの7.8〜15.6倍の抗菌
活性を示した。シュードモナス・セパシア23に対しても
実施例1−D、実施例2−E及び実施例4の化合物はセ
フォタキシムの62.4〜250倍の抗菌活性を示した。また
アシネトバクター・カルコアセティカスに対しては実施
例1−D、実施例2−E及び実施例4の化合物はセフォ
タキシムに対して62.4〜250倍の、セフタジディムの7.8
〜31.2倍の抗菌活性を示した。
また、実施例2の化合物を代表化合物として、「GLP基
準および毒性試験法ガイドライン解説書」(厚生省薬務
局審査課監修;薬事日報社)にしたがって、4週令ICR
雌性マウス(n=3)を一群として、中和量の炭酸水素
ナトリウムを含有する注射用蒸留水で薬液濃度が100mg/
mlとなるように希釈し、1ml/minの投与速度で、単回尾
静脈内投与を行った。その結果、当該マウスに実施例2
の化合物を1.5g/kg投与したが、投与日を含み3日間の
マウスの死亡例は認められなかった。
従って本発明の化合物は、一般式[I]の化合物、その
塩又は生理的に加水分解可能なそのエステルを有効成分
として含有する抗菌剤とすることができる。
本発明化合物は、固体又は液体の賦形剤の担体と混合
し、経口投与、非経口投与又は外部投与に適した医薬製
剤の形で使用することができる。医薬製剤としては注射
剤、シロップ剤、乳剤等の液剤、錠剤、カプセル剤、顆
粒剤等の固形剤、軟膏、坐剤等の外用剤等が挙げられ
る。
前記の製剤には助剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤等の通常
使用される添加剤が含まれていてもよい。例えば注射剤
には注射用蒸留水、生理食塩水、リンゲル液等の溶解
液、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プ
ロピル等の保存剤等の添加剤を含有してもよい。シロッ
プ剤、乳剤等の液剤には、ソルビトールシロップ、メチ
ルセルロース、グリコース、しょ糖シロップ、ゼラチ
ン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、食用油、扁
桃油、ココナツ油、油性エステル、ソルビタンモノオレ
エート、プロピレングリコール、グリセリン、エチルア
ルコール、水等のほか、アラビアゴム、ゼラチン、レシ
チン等の乳化剤、ツイーン、スパン等の界面活性剤等を
含有してもよい。固形剤としては乳糖、しょ糖、とうも
ろこし澱粉、燐酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク、珪酸、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビト
ール、トラガント、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等が用いられ
る。軟膏、坐剤の基剤としては、例えばカカオ脂、グリ
セリド類、ポリエチレングリコール類、白色ワセリン等
が用いられる。必要に応じて界面活性剤や吸収促進剤を
含有してもよい。
本発明の化合物[I]は細菌感染症例えば呼吸器感染
症、尿路感染症、産婦人科感染症、化膿性疾患、外科感
染症等の治療及び予防に用いることができる。投与量は
患者の年令及び状態によって異なるが、通常は1日当り
1〜100mg/kgの範囲で使用され、1日当り5〜30mg/kg
で2〜4回に分けて投与することが好ましい。
以下に実施例及び参考例を挙げて、本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
実施例 実施例1 (A)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−シクロペンチ
ルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール
−4−イル)アセトアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキ
シ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)
−3−セフェム−4−カルボキシレート1−オキサイド ベンツヒドリル3−ヨードメチル−7−〔(Z)−2−
シクロペンチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミ
ノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−セフェ
ム−4−カルボキシレート3.5g(3.49ミリモル)をジメ
チルホルムアミド15mlに溶解し6,7−ジヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリン・臭化水素酸塩1.28g
(5.2ミリモル)及びトリエチルアミン0.73ml(5.2ミリ
モル)を室温で加えた。反応溶液を1時間攪拌したの
ち、減圧下にジメチルホルムアミドを留去した。残渣に
水及びクロロホルムを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで脱水したのち、減圧下に濃
縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(2〜5%メタノール・クロロホルム)に対して、標記
化合物3g(収率82.6%)を得た。
IR(KBr):1810,1730,1660,1620,1530cm−1 NMR(DMSO-d6)δ:1.4〜1.9(8H,m),2.3〜3.4(10H,
m),4.65(1H,m),5.07(1H,d,J=4.5Hz),5.85(1H,d
d,J=4.5及び7Hz),6.31(1H,s),6.42(1H,s),6.77
(1H,s),6.97(1H,s),7.15〜7.5(25H,brs),8.4〜8.
8(3H,m) (B)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−シクロペンチ
ルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール
−4−イル)アセトアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキ
シ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキ
ノリニウム)メチル−3−セフェム−4−カルボキシレ
ート1−オキサイド・ヨード塩 (A)で得た化合物3g(2.3ミリモル)をヨウ化メチル2
0ml(321ミリモル)に溶解し、室温で19時間攪拌した。
反応溶液を減圧下に濃縮して得た残渣にエーテルを加
え、粉末上の標記化合物2.5g(収率73.3%)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:1.4〜1.9(8H,m),2.6〜4.4(13H,
m),4.63(1H,m),5.13(1H,m),5.93(1H,m),6.43(1
H,s),6.60(1H,s),6.78(1H,s),7.12(1H,s),7.3〜
7.5(25H,brs),8.80(2H,m) (C)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−シクロペンチ
ルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール
−4−イル)アセトアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキ
シ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキ
ノリニウム)メチル−3−セフェム−4−カルボキシレ
ート・ヨード塩 (B)で得た化合物2.5g(2.1ミリモル)をアセトン50m
lに溶解し、ヨウ化カリウム3.5g(21ミリモル)を加え
たのち、−20℃でアセチルクロライド0.75ml(10.5ミリ
モル)を滴下した。反応溶液を−10℃で5時間攪拌し
た。反応溶液を2%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液に注
ぎ、析出物を濾取した。析出物をクロロホルムに溶解
し、飽和食塩水で洗浄したのち、有機層を無水硫酸ナト
リウムで脱水した。減圧下に溶媒を留去し、標記化合物
2.2g(89%)を得た。
IR(KBr):1800,1730,1680,1620,1530,1450,1360cm−1 NMR(DMSO-d6)δ:1.2〜2.0(8H,m),5.43(1H,m),5.9
0(1H,m),6.50(1H,s),6.63(1H,s),6.77(1H,s),
6.95(1H,s),7.0〜7.7(25H,brs),9.55(1H,m) (D)7−〔(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)−2−シクロペンチルオキシイミノアセトアミ
ド〕−3−(6,7−ジヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4
−テトラヒドロ−2−イソキノリニウム)メチル−3−
セフェム−4−カルボキシレート (C)で得た化合物2.1g(1.8ミリモル)を塩化メチレ
ン10ml及びアニソール2mlに溶解し、冷却下トリフルオ
ロ酢酸16mlを滴下したのち、同温度で2時間攪拌した。
反応溶液を減圧下濃縮し、残渣にエーテルを加え沈殿物
を集めた。この沈殿物に水200mlを加え不溶物を除去し
たのちその濾液を逆相カラムクロマトグラフィー(Wate
rs PrePack 500/C−18:15〜40%メタノール・水)で精
製し、目的物を含む分画を集め凍結乾燥により標記化合
物220mg(収率19.5%)を得た。
融点:178℃(分解) IR(KBr):1780,1670,1620,1540,1390,1360cm−1 NMR(DMSO-d6)δ:1.3〜1.9(8H,m),2.90(3H,brs),
3.0〜4.8(10H,m),4.65(1H,m),5.17(1H,d,J=4.5H
z),5.65(1H,dd,J=4.5及び9Hz),6.51(1H,s),6.62
(1H,s),6.68(1H,s) 実施例2 (A)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−tert−
ブトキシカルボニル−1−シクロプロポキシイミノ)−
2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセ
トアミド〕−3−ヨードメチル−3−セフェム−4−カ
ルボキシレート1−オキサイド ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−tert−ブトキ
シカルボニル−1−シクロプロキシイミノ)−2−(2
−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミ
ド〕−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボキ
シレート14.2g(14.7ミリモル)を塩化メチレン280mlに
溶解し、氷冷下メタクロル過安息香酸2.98g(14.7ミリ
モル)を加え10分間攪拌した。反応溶液に10%チオ硫酸
ナトリウム水溶液60mlを加えたのち、この溶液を5%炭
酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、塩化メチレンで抽出
し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。減圧濃縮して得た
残渣をアセトン300mlに溶解したのち、0℃でヨウ化ナ
トリウム4.4g(29.4ミリモル)を加え、室温で15分間攪
拌した。反応溶液に酢酸エチル1000mlを加え、チオ硫酸
ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄したのち有機溶媒
層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。減圧濃縮で得た残
渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)に付し、標記化合物
9.52g(収率60%)を得た。
(B)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−tert−
ブトキシカルボニル−1−シクロプロポキシイミノ)−
2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセ
トアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン−2−イル)メチル−3−セフェ
ム−4−カルボキシレート1−オキサイド (A)で得た化合物3.0g(2.8ミリモル)をジメチルホ
ルムアミド30mlに溶解し、6,7−ジヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロイソキノリン・臭化水素酸塩0.85g(3.3
ミリモル)及びトリエチルアミン0.93ml(6.6ミリモ
ル)を加え、室温で2時間攪拌した。減圧下に濃縮し、
残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:n−ヘキサン=3:1)に付し無晶形の標記
化合物3.88g(ジメチルホルムアミドを含む)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:1.40(13H,m),5.08(1H,d,J=4H
Z),5.90(1H,q,J=4.8),6.32(1H,brs),6.42(1H,br
s),6.84(1H,s),6.97(1H,s) (C)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−tert−
ブトキシカルボニル−1−シクロプロポキシイミノ)−
2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセ
トアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキシ−2−メチル−
1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリニウム)メチ
ル−3−セフェム−4−カルボキシレート1−オキサイ
ド・ヨード塩 (B)で得た化合物3.88gをヨウ化メチル38ml(610ミリ
モル)に溶解し、室温で12時間放置した。減圧下、過剰
のヨウ化メチルを留去したのち、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(5%メタノール・塩化メチレ
ン)にて精製し、無晶形の標記化合物3.2g(B工程から
の収率73%)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:1.40(13H,m),2.80(3H,brs),5.18
(1H,brs),6.95(1H,m),6.43(1H,brs),6.58(1H,br
s),6.85(1H,s) (D)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−tert−
ブトキシカルボニル−1−シクロプロポキシイミノ)−
2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセ
トアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキシ−2−メチル−
1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリニウム)メチ
ル−3−セフェム−4−カルボキシレート・ヨード塩 (C)で得た化合物3.2g(2.54ミリモル)をアセトン32
mlに溶解し、ヨウ化カリウム1.68g(10.1ミリモル)を
加え、−5°でアセチルクロライド0.36ml(5.07ミリモ
ル)を滴下し、1時間攪拌した。反応溶液を10%メタ重
亜硫酸ナトリウム水溶液170ml中に注いだのち、酢酸エ
チルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水し
たのち、減圧下に溶媒を留去し、標記化合物を含む残渣
を得、精製することなく次の反応に用いた。
(E)7−〔(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)−2−(1−カルボキシ−1−シクロプロポキ
シイミノ)アセトアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキシ
−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノ
リニウム)メチル−3−セフェム−4−カルボキシレー
ト (D)で得た残渣を塩化メチレン6ml及びアニソール6ml
に溶解したのち、0℃でトリフルオロ酢酸15mlを加え1
時間攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エ
チル及び水を加え、水層を分取したのち、再び有機層を
2回水で抽出した。水層を合わせ濃縮したのち、逆相カ
ラムクロマトグラフィー(ODS;LC-Sorb)により精製
し、標記化合物131mg(ジアステレオマーA,Bの混合物,
(D)からの収率8%)を得た。
融点:156℃(分解) IR(KBr):3420,1780,1620cm−1 NMR(DMSO-d6)δ:1.32(4H,m),2.80(3H,brs),4.95
(1H,m),5.40(1H,m),6.2〜6.3(1H,m),6.35(1H,
s),6.84(1H,s),8.04(1H,m) 実施例3 (A)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−ベンツ
ヒドリルオキシカルボニル−1−シクロペンチルオキシ
イミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−
イル)アセトアミド〕−3−クロロメチル−3−セフェ
ム−4−カルボキシレート (Z)−2−(1−ベンツヒドリルオキシカルボニル−
1−シクロベンチルオキシイミノ)−2−(2−トリチ
ルアミノチアゾール−4−イル)酢酸2.12g(3ミリモ
ル)及びベンツヒドリル7−アミノ−3−クロロメチル
−3−セフェム−4−カルボキシレート1.24g(3ミリ
モル)を塩化メチレン50mlに溶解し、氷冷下N,N−ジメ
チルアニリン1.2ml(9.6ミリモル)を加えたのち、オキ
シ塩化リン0.29ml(3.15ミリモル)を滴下し、同温度で
4時間攪拌した。反応溶液にクロロホルム30ml及び水30
mlを加え有機層を水及び飽和食塩水で洗浄したのち、無
水硫酸ナトリウムで脱水、濃縮して標記化合物残渣を
得、精製することなく次の反応に用いた。
(B)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−ベンツ
ヒドリルオキシカルボニル−1−シクロペンチルオキシ
イミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−
イル)アセトアミド〕−3−クロロメチル−3−セフェ
ム−4−カルボキシレート1−オキサイド (A)で得た残渣を塩化メチレン50mlに溶解し、氷冷下
にメタクロロ過安息香酸(純度80%)710mg(3.3ミリモ
ル)加え20分間攪拌した。反応溶液に塩化メチレン30ml
及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液40mlを加えたのち、
有機層を分液し、水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層
を無水硫酸ナトリウムで脱水したのち濃縮して標記化合
物残渣を得、精製することなく次の反応に用いた。
(C)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−ベンツ
ヒドリルオキシカルボニル−1−シクロペンチルオキシ
イミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−
イル)アセトアミド〕−3−ヨードメチル−3−セフェ
ム−4−カルボキシレート1−オキサイド (B)で得た残渣をアセトン40mlに溶解し、ヨウ化ナト
リウム990mg(6.6ミリモル)を加え、室温で30分攪拌し
た。反応溶液に酢酸エチル120ml及び5%チオ硫酸ナト
リウム水溶液20mlを加え分液した。有機層を水及び飽和
食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで脱水し濃
縮した。濃縮残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)に付
し、目的物を含む分画を集め、減圧濃縮し、残渣にイソ
プロピルエーテルを加え粉末状の標記化合物2.92g(A
からの収率80.3%)を得た。
NMR(DMSO-d6):1.80(4H,m),2.1(4H,m),3.9(2H,
m),4.4(2H,m),5.10(1H,d,J=5Hz),5.95(1H,dd,J
=5及び9Hz),6.77(1H,s),6.80(1H,s),7.35(35H,
m),8.5(1H,d,J=9HZ),8.8(1H,brs) (D)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−ベンツ
ヒドリルオキシカルボニル−1−シクロペンチルオキシ
イミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−
イル)アセトアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)メチル
−3−セフェム−4−カルボキシレート1−オキサイド
・ヨード塩 (C)で得た化合物3g(2.47ミリモル)をジメチルホル
ムアミド30mlに溶解し、6,7−ジヒドロキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリン臭化水素酸塩913mg(3.71ミ
リモル)及びトリエチルアミン1ml(7.17ミリモル)を
室温で加えた。反応溶液を40分間攪拌したのち、減圧下
にジメチルホルムアミドを留去した。残渣に塩化メチレ
ン80ml及び水40mlを加え、有機層を無水硫酸ナトリウム
で脱水したのち、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲ
ルフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜30%アセ
トン・塩化メチレン)にて分離精製し、粉末状の標記化
合物3g(若干ジメチルホルムアミドを含む)を得た。
IR(KBr):1800,1730,1670,1530,1500,1450,1390,1280,
1180cm−1。
(E)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−ベンツ
ヒドリルオキシカルボニル−1−シクロペンチルオキシ
イミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−
イル)アセトアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキシ−2
−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリニ
ウム)メチル−3−セフェム−4−カルボキシレート1
−オキサイド・ヨード塩 (D)で得た化合物3gをヨウ化メチル6ml(96.3ミリモ
ル)に溶解し、室温で1晩放置した。反応溶液を減圧下
に濃縮したのち、残渣にクロロホルム40ml加えた。溶解
後濃縮して標記化合物を得、精製することなく次の反応
に用いた。
(F)ベンツヒドリル7−〔(Z)−2−(1−ベンツ
ヒドリルオキシカルボニル−1−シクロペンチルオキシ
イミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−
イル)アセトアミド〕−3−(6,7−ジヒドロキシ−2
−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリニ
ウム)メチル−3−セフェム−4−カルボキシレート・
ヨード塩 (E)で得た残渣をアセトン66mlに溶解し、ヨウ化カリ
ウム2.05g(12.3ミリモル)を加え、−20℃でアセチル
クロライド0.44ml(6.19ミリモル)を滴下し、−10℃で
1時間攪拌した。再び−20℃としたのちヨウ化カリウム
2.05g(12.3ミリモル)及びアセチルクロライド0.44ml
を加え−10℃で1時間攪拌、この操作を2回繰返した。
反応液にクロロホルム240ml及び水60mlを加え、有機層
を水洗したのち、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾
固して標記化合物の残渣を得た(精製することなく次の
反応に用いた)。
(G)7−〔(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)−2−(1−カルボキシ−1−シクロペンチル
オキシイミノ)アセトアミド〕−3−(6,7−ジヒドロ
キシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソ
キノリニウム)メチル−3−セフェム−4−カルボキシ
レート (F)で得た残渣を塩化メチレン15ml及びアニソール1.
5mlに溶解したのち、氷冷下、トリフルオロ酢酸15mlを
滴下した。同温で2時間攪拌したのち、減圧下に溶媒を
留去した。残留液にエーテル80mlを加え沈殿物を濾取し
た。この沈殿物を水300mlに加え30分攪拌したのち、不
溶物を濾別した。濾液を逆相シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ODS,100ml,4%テトラヒドロフラン−水)
にて分離精製し、凍結乾燥して標記化合物290mg(ジア
ステレオマーA,Bの混合物、(D)からの収率17.4%)
を得た。
融点:181℃(分解) IR(KBr):1780,1660,1620,1580,1400,1360cm−1。
NMR(DMSO-d6+TFA)δ:1.75(4H,brs).2.1(4H,br
s),3.0(3H,brs),2.9〜4.8(10H,m),5.4(1H,d,J=5
Hz),5.95(1H,dd.J=5及び8Hz),6.4(1H,brs),6.65
(1H,s),7.17(1H,s) 実施例4 実施例3に記載した方法と同様な方法で7−〔(Z)−
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−
カルボキシ−1−シクロペンチルオキシイミノ)アセト
アミド〕−3−(6,7−ジヒドロキシ−2−メチル−1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリニウム)メチル
−3−セフェム−4−カルボキシレートを得た。
融点:182℃(分解) IR(KBr):1780,1670,1620,1530,1390,1350,1280cm−
1。
NMR(DMSO-d6)δ:1.90(2H,m).2.4(4H,m),2.95(3
H,brs),3.3〜5.2(10H,m),5.25(1H,d,J=5Hz),5.80
(1H,dd.J=5及び8Hz),6.55(1H,brs),6.65(1H,
s),6.8(1H,s),9.7(1H,d,J=8Hz) 発明の効果 本発明の化合物はグラム陰性菌、特にぶどう糖非発酵性
のシュードモナス・エルギノーサ、アシネトバクター・
カルコアセティカス等に有効であり、広範囲の抗菌スベ
クトルを有する。
従って、これらの細菌感染症治療薬として期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−53690(JP,A) 特開 昭58−174387(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1はカルボキシル基により置換されていてもよ
    い環状の低級アルキル基、R2は水素原子、水酸基又はア
    セトキシ基、R3及びR4は同一であり、隣接する炭素原子
    に結合する、水酸基又はアセトキシ基を示す)で表わさ
    れる化合物、その塩又は生理的に加水分解可能なそのエ
    ステル。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、R5は水素原子又はアミノ保護基、R6は水素原子
    又はカルボキシル保護基、R7は保護されたカルボキシル
    基により置換されていてもよい環状の低級アルキル基、
    Xはハロゲン原子又は脱離基、YはS又はSOを示す)で
    表わされる化合物又はその塩と、一般式 (式中、R8は水素原子、保護されていてもよい水酸基又
    はアセトキシ基、R9及びR10は同一であり、隣接する炭
    素原子に結合する、保護されていてもよい水酸基又はア
    セトキシ基、R11は水素原子又はメチル基を示す)で表
    わされるアミンとを反応させて、一般式 (式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びYは前記の
    意味を有し、X は陰イオンを示す)で表わされる化合
    物となし、必要に応じ、メチル化及び/又は還元したの
    ち、保護基を除去することを特徴とする、一般式 (式中、R1はカルボキシル基により置換されていてもよ
    い環状の低級アルキル基、R2は水素原子、水酸基又はア
    セトキシ基、R3及びR4は同一であり、隣接する炭素原子
    に結合する、水酸基又はアセトキシ基を示す)で表わさ
    れる化合物、その塩又は生理的に加水分解可能なそのエ
    ステルの製法。
  3. 【請求項3】一般式 (式中、R6は水素原子又はカルボキシル保護基、R8は水
    素原子、保護されていてもよい水酸基又はアセトキシ
    基、R9及びR10は同一であり、隣接する炭素原子に結合
    する、保護されていてもよい水酸基又はアセトキシ基、
    は陰イオンを示す)で表わされる化合物、その塩又
    はそのシリル化合物を、一般式 (式中、R5は水素原子又はアミノ保護基、R7は保護され
    たカルボキシル基より置換されていてもよい環状の低級
    アルキル基を示す)で表わされるカルボン酸又はその反
    応性誘導体によりアシル化して、一般式 (式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びX は前記の意
    味を有する)で表わされる化合物となし、次いで必要に
    応じ、保護基を除去することを特徴とする、一般式 (式中、R1はカルボキシル基により置換されていてもよ
    い環状の低級アルキル基、R2は水素原子、水酸基又はア
    セトキシ基、R3及びR4は同一であり、隣接する炭素原子
    に結合する、水酸基又はアセトキシ基を示す)で表わさ
    れる化合物、その塩又は生理的に加水分解可能なそのエ
    ステルの製法。
  4. 【請求項4】一般式 (式中、R1はカルボキシル基により置換されていてもよ
    い環状の低級アルキル基、R2は水素原子、水酸基又はア
    セトキシ基、R3及びR4は同一であり、隣接する炭素原子
    に結合する、水酸基又はアセトキシ基を示す)で表わさ
    れる化合物、その塩又は生理的に加水分解可能なそのエ
    ステルを有効成分として含有する抗菌剤。
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