JPH06101892A - 空気調和装置の運転制御装置 - Google Patents

空気調和装置の運転制御装置

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JPH06101892A
JPH06101892A JP4247540A JP24754092A JPH06101892A JP H06101892 A JPH06101892 A JP H06101892A JP 4247540 A JP4247540 A JP 4247540A JP 24754092 A JP24754092 A JP 24754092A JP H06101892 A JPH06101892 A JP H06101892A
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area
air
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ceiling surface
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JP4247540A
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Noriyuki Okuda
則之 奥田
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天井側から冷風を供給する空気調和装置にお
いて、直接冷風が当たることによる居住者のドラフト感
を回避する。 【構成】 赤外線センサ4を室内空間R全体に走査し、
各領域からの赤外線入光量を検出する。空気吹出口2
に、吹出空気を水平吹きが可能に、かつ吹出気流の天井
面から下方への離脱位置が変更可能な風向調節機構3を
配設する。赤外線入光量が第1設定値以上になる領域が
あると、当該領域の空気吹出口2に対する位置を演算
し、その位置に天井面から離脱した吹出気流が降下する
よう風向調節機構3を制御する。これにより、負荷領域
手前の領域等の居住者にドラフト感を与えることなく、
冷房を行うことができる。特に、外壁領域については、
第1設定値よりも高い第2設定値を用いて、外壁領域が
否かの判断やその位置の演算を行うことで、頻繁な冷風
の供給時におけるドラフト感の発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内空間の天井側から
下方に風向を変更しながら空調空気を吹出すようにした
空気調和装置の運転制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開昭61―1952
32号公報に開示される如く、赤外線センサを室内空間
の各領域に亘って走査させて赤外線の入光量を検出し、
赤外線入光量から各領域の温度を推定して、この各領域
の温度に応じて吹出空気の風向を制御することにより、
室内空間全体の温度分布を均一化し、空調の快適性の向
上を図ろうとするものは公知の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報のものでは、空調空気の吹出方向と居住者の存在位置
との関係が考慮されていないために、以下のような問題
があった。
【0004】すなわち、例えば冷房運転時、室内空間の
ある領域で赤外線入光量が大きいつまり温度の高い領域
があった場合、その領域に冷風を供給することになる
が、冷風が当該領域に到達する手前の領域等に居住者が
いると、居住者に冷風が直接当たり、ドラフト感を与え
る虞れがある。特に、冷房を行う夏期には室内空間の外
壁は通常熱い状態であるので、赤外線センサがその高温
状態を検出すると、外壁の方向に冷風が供給されるが、
その場合にも、外壁付近よりも内方の居住者に冷風が直
接当たり、ドラフト感を与えてしまうという問題があっ
た。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、風向調節機構に水平吹き機能を設け
るとコアンダ効果により天井面に付着して流れる吹出空
気がその後天井面から離脱して降下する現象を生じる点
に着目し、室内空間の高温部に空調空気を供給する際、
水平吹きを利用して天井側から高温領域に吹出空気を供
給することにより、高温領域の手前の領域等の居住者に
ドラフト感を与えることなく室内空間の温度分布を良好
に維持することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明の講じた手段は、図1に示すように、室
内空間(R)の天井側に設置され、空気吹出口(2)か
ら空調空気を下方に吹出すように構成された空気調和装
置を前提とする。
【0007】そして、空気調和装置の運転制御装置とし
て、室内空間(R)の各領域に亘って走査され、室内空
間(R)の各領域からの赤外線入光量を検出する赤外線
検出手段(4)と、上記空気吹出口(2)に配設され、
吹出空気を天井面に沿って吹出す水平吹きが可能に、か
つ吹出気流の天井面から下方への離脱位置が変更可能に
構成された風向調節機構(3)と、冷房運転時、上記赤
外線検出手段(4)の出力を受け、赤外線入光量が第1
設定値以上となる領域の空気吹出口(2)に対する位置
を演算する負荷領域位置演算手段(51)と、該負荷領
域位置演算手段(51)で演算された負荷領域の位置に
天井面から離脱した空調空気が降下するよう上記風向調
節機構(3)を制御する風向制御手段(52)とを設け
る構成としたものである。
【0008】請求項2の発明の講じた手段は、図1の破
線部分に示すように、上記請求項1の発明において、冷
房運転時、上記赤外線検出手段(4)の出力を受け、あ
る領域における赤外線入光量が第1設定値以上で、かつ
当該領域が床領域でないときには、当該領域の赤外線入
光量が上記第1設定値よりも高い第2設定値以上のとき
に当該領域を室内空間(R)の外壁領域として判別する
領域判別手段(53)と、赤外線入光量が上記第2設定
値よりも低い領域と第2設定値以上となる領域との境界
の方向に基づき、外壁領域の空気吹出口(2)に対する
位置を演算する外壁領域位置演算手段(54)と、上記
領域判別手段(53)により当該領域が外壁領域と判別
されたときには、上記外壁領域位置演算手段(54)で
演算された外壁領域の位置に吹出気流が降下するよう上
記風向調節機構(3)を制御する風向変更制御手段(5
5)とを設けたものである。
【0009】請求項3の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、空気吹出口(2)から室内空間
(R)の外壁領域までの距離を入力する入力手段と、冷
房運転時、上記赤外線検出手段の出力を受け、ある領域
における赤外線入光量が第1設定値以上のときには、当
該領域の赤外線入光量が上記第1設定値よりも高い第2
設定値以上のときに当該領域を室内空間の外壁領域とし
て判別する領域判別手段と、上記領域判別手段により当
該領域が外壁領域と判別されたときには、上記入力手段
で入力された外壁領域の位置に吹出空気が降下するよう
上記風向調節機構を制御する風向変更制御手段とを設け
たものである。
【0010】請求項4の発明の講じた手段は、上記請求
項1,2又は3の発明において、風向調節機構(3)
を、空気吹出口(2)の開口部の天井面からの有効高さ
を調節する機構を備え、有効高さの調節により、水平に
吹出された吹出空気の天井面からの離脱位置を調節する
ように構成したものである。
【0011】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、赤外
線検出手段(4)の走査により求められる室内空間
(R)の各領域の赤外線入光量から、冷房負荷の有無が
検知され、赤外線入光量が第1設定値以上となる領域が
あると、負荷領域位置演算手段(51)により、当該領
域の空気吹出口(2)に対する位置が求められる。そし
て、風向制御手段(52)により、当該負荷領域に冷風
を供給するよう制御される。
【0012】その場合、風向調節機構(3)は、水平吹
きが可能に設けられているので、天井面に平行に吹出さ
れた吹出気流はコアンダ効果によって、いったん天井面
に沿って流れるが、その後室内空気との温度差に起因す
る比重の相違で天井面から離脱し、下方に降下する。そ
して、風向調節機構(3)は、天井面に対する空気吹出
口(2)の開口部の有効高さを変更可能に構成されてい
るので、風向制御手段(52)により、当該負荷領域の
位置に吹出気流が降下するよう有効高さを制御すること
が可能になる。
【0013】したがって、負荷領域の直上方から、当該
負荷領域の手前の領域等の居住者にドラフト感を与える
ことなく、冷風が供給され、空調の快適性が向上するこ
とになる。
【0014】請求項2の発明では、ある領域の赤外線入
光量が第1設定値以上で、かつ床領域でないときには、
領域判別手段(53)により、当該領域の赤外線入光量
が第1設定値よりも高い第2設定値以上か否かが判別さ
れ、第2設定値以上であれば、当該領域が外壁領域と判
別される。一方、外壁領域位置演算手段(54)によっ
て、赤外線入光量が第2設定値以上の領域と第2設定値
よりも低い領域との境界の方向に基づき、室内空間
(R)の外壁領域の位置が求められるので、風向変更制
御手段(55)により、外壁領域の位置に吹出気流が天
井面から離脱して降下するよう風向調節機構(3),
(3)が制御されることで、上記請求項1の発明と同様
の作用が得られる。特に、夏期等においては外壁領域は
高温になるので、外壁領域には頻繁に冷風が供給される
が、かかる場合にも、天井面から降下する吹出流が供給
されるので、その手前の領域等の居住者にドラフト感を
与えることなく、高い冷房効果が得られることになる。
【0015】請求項3の発明では、上記請求項2の発明
のように外壁領域位置演算手段で外壁領域位置を演算す
る代りに、入力手段で入力された外壁領域位置に対し、
上記請求項2と同様の制御が行われるので、制御が簡素
化されることになる。
【0016】請求項4の発明では、水平吹出の場合にお
ける吹出部の有効高さと天井面からの離脱位置について
は、所定の関係があることが知られているので、上記請
求項1,2又は3の発明の作用において、風風向調節機
構(3)の制御により、負荷領域又は外壁領域への冷風
の供給が簡易に行われることになる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図2以下の
図面に基づき説明する。
【0018】まず、本発明の第1実施例について、説明
する。
【0019】図2は、第1実施例に係る空気調和装置
(1)の空気吹出口(2)及び室内空間(R)の一部を
示し、上記空気吹出口(2)には、吹出空気の方向を調
節する風向調節機構である一対のフラップ(3),
(3)が配設されいる。すなわち、空気調和装置(1)
のダクト(1a)を介して供給される空調空気を両側に
分岐させて吹き出すととともに、空気吹出口(2)のフ
ラップ(3),(3)の角度調整により、室内空間
(R)の各領域に吹出方向を変化させるようになされて
いる。
【0020】また、(4)は、室内空間(R)内を走査
して各領域からの赤外線の入光量を検出する赤外線検出
手段としての赤外線センサ(4)である。該赤外線セン
サ(4)は、図3及び図4に示すように、箱状のケーシ
ング(5)内に収納され、赤外線を入光する視野範囲が
レンズ系(6)によって調節可能に構成されており、本
実施例では、正面では約6゜の範囲から、側面では60
゜の範囲から赤外線を入光させるように設定されてい
る。
【0021】図5及び図6は、上記赤外線センサ(4)
のケーシング(5)全体を回動させるステッピングモー
タ(7)を取り付けた状態を示し、このステッピングモ
ータ(7)により、図2における室内空間(R)の奥行
き方向に対しては60゜の視野内に入る領域に対応する
部分から赤外線を入光させ、図2における室内空間
(R)の横方向については6゜視野の中心の鉛直方向か
らの傾き角度θを変化させることにより、図2に示すご
とく赤外線センサ(4)の赤外線検出域が各部に亘るよ
うになされている。
【0022】また、図7及び図8は、空気吹出口(2)
の構造の詳細を示し、天井面(S)に取り付けられた吹
出グリル(2a)に、吹出チャンバ(2b)が取り付け
られ、この吹出チャンバ(2b)の側方に空気調和装置
(1)のダクト(1a)が接続されている。そして、吹
出グリル(2b)の下方に対峙して取り付けられた固定
用部材(2c)により、吹出チャンバ(2b)側から供
給される空調空気が互いに逆となる水平方向に分岐さ
れ、その2か所の開口部に、上記フラップ(3),
(3)の一端が回動自在に支承されている。また、ギア
モータ(M),(M)によって各フラップ(3),
(3)を回動させることにより、各開口部の有効高さH
o を調節させるようにしている。
【0023】ここで、水平吹きにおける吹出空気の天井
面からの離脱位置の調整について説明する。
【0024】空気吹出口(2)から水平に吹出された冷
風が、当初コアンダ効果によって天井面に沿った後、周
囲の空気との温度差により、天井面から離脱して降下す
る位置Xmax は、実験から下記式(1) Xmax /Ho ・K=0.925Ar-2/3 (1) により求められることが知られている(「空気調和衛生
工学便覧 第11版 II巻 P.250」参照)。
【0025】ただし、Ar=β・g・Δto・Ho /v
2 であって、Hoはスロット形吹出口の有効高さ、K
は吹出口定数、βは気体熱膨張率(1/℃)、gは重力
加速度(m/s2 )、Δtoは吹出口温度差(℃)、v
oは吹出口流速(m/s)である。
【0026】吹出流量及び吹出口温度が一定の場合、上
記式(1) を変形すると、下記式(2) Xmax =Co ・Q4/3 /Ho (2) となり、吹出気流が天井面から離脱する位置は、吹出部
の有効高さHoに反比例することがわかる。すなわち、
各フラップ(3),(3)の角度を調節して有効高さH
oを変更することにより、吹出気流の天井面からの離脱
位置Xmax を制御することができることになる。
【0027】図9は、開口部の有効高さHoと天井面か
らの離脱位置Xmax との関係を示し、図中の曲線は上記
演算による式(2) の関係(理論値)を示し、図中に有効
高さHo=12(mm)の条件下における実測値を示す。
この実測値では、上記理論値Xmax に対して、+10
%、−24%の幅があることが確認された。
【0028】次に、冷房運転時における風向制御の内容
について、図10のフロ―チャ―トに基づき説明する。
まず、室内空間(R)内の各領域について、ステップS
T1で、赤外線センサ(4)を走査してその入光量を鉛
直線との傾き角θの関数T(θ)として検出し、ステッ
プST2で、その入光量T(θ)が冷房負荷があるか否
かの判断値となる第1設定値Tmax1以上か否かを判別
し、T(θ)≧Tmax1でなければ十分温度が低く、冷風
を供給する必要はないと判断して、ステップST1に戻
る。そして、各領域のうちT(θ)≧Tmax1となる領域
があると、冷風を供給すべく、ステップST3に進み、
その領域に対応する傾き角θが当該吹出口の分担する床
領域の限界θ1 ,θ2 の間にあるか否か、つまりθ1 ≦
θ≦θ2 か否かを判別し、分担する床領域内にあれば下
記制御を実行する。
【0029】まず、ステップST4で、当該領域θの冷
房負荷フラグM(θ)を「1」に設定し、ステップST
5で、M(θ)=1となる領域が連続して所定の広さ以
上か否かを判別し、所定の広さ以上でなければ、冷房の
必要はないと判断して、ステップST1に戻る。一方、
M(θ)=1となる領域がる広さ以上であれば、ステッ
プST6に進み、空気吹出口(2)から当該領域θまで
の距離を高さと角度から幾何学的演算によって演算し、
ステップST7で、空気吹出口(2)に供給される空調
空気の温度,風量,演算距離,室内温度から、上記式
(2) に基づき吹出口(2)のフラップ(10)の傾きつ
まり開口部の有効高さHoを決定する。
【0030】すなわち、図11に示すように、天井面か
らの離脱位置をXmax 、当該負荷領域と空気吹出口
(2)からの距離をXpとすると、下記式(3) Xp=Xmax +ΔX (3) の関係があるが、通常の室内空間(R)ではこのΔXの
値は1m程度であるので、ΔXの分だけ手前の位置で吹
出気流を天井面から離脱させるように有効高さHoを決
定すればよいことになる。
【0031】一方、上記ステップST3の判別で、当該
領域θが当該吹出口(2)の分担する床領域内でないと
きには、ステップST8に移行して、赤外線入光量T
(θ)が外壁領域の冷房負荷の有無を判断する第2設定
値Tmax 以上か否かを判別し、T(θ)≧Tmax2でなけ
れば、外壁領域に冷風を供給する必要はないと判断し
て、ステップST1に戻る。一方、T(θ)≧Tmax2で
あれば、当該外壁領域に冷風を供給する必要があると判
断し、ステップST9に進んで、当該領域θの冷房負荷
フラグK(θ)を「1」に設定した後、ステップST1
0で、K(θ)=1となる領域θが連続してθ3 ≦θ≦
θ4 か否か(ただし、θ3 ,θ4 は外壁となる領域の最
小値及び最大値)を判別し、K(θ)=1となる領域が
連続してθ3≦θ≦θ4 を満足するものでないときに
は、ステップST1に戻り、上記条件を満足するときに
は、ステップST11に進んで、空気吹出口(2)から
K(θ)=1となる領域までの距離を演算する。
【0032】すなわち、図12及び図13に示すよう
に、窓面(Wd)のある壁面では、熱負荷が多く表面温
度が高くなる。このことから、赤外線入光量が第2設定
値Tmax2以上となる位置θ1 とそうでない位置との境界
部を窓面(Wd)と腰壁(W)との境界とし、その境界
の方向から外壁までの距離Xwを判断する。一般の事務
所では、腰壁(Wd)から天井(S)までの高さHw
が、1600〜1900mmであり、壁面までの距離3.
2m以内で距離を判断すると、±8.6%の誤差が生じ
る(図13の破線部分参照)。
【0033】その後、上記ステップST7の制御に進ん
で、当該外壁領域θに冷風を供給するよう制御する。
【0034】上記フローにおいて、ステップST6の制
御により、請求項1の発明にいう負荷領域位置演算手段
(51)が構成され、ステップST6からST7を実行
する制御により、請求項1の発明にいう風向制御手段
(52)が構成されている。また、ステップST8の制
御により、請求項2の発明にいう領域判別手段(53)
が構成され、ステップST11の制御により、請求項2
の発明にいう外壁領域位置演算手段(54)が構成さ
れ、ステップST11からST7を実行する制御によ
り、請求項2の発明にいう風向変更制御手段(55)が
構成されている。
【0035】なお、実施例は省略するが、請求項3の発
明では、上記ステップ11の制御を行う代りに、予め空
気調和装置の据付時に入力された外壁領域の位置を利用
することにより、外壁領域に冷風を供給するようにして
いる。
【0036】したがって、上記第1実施例における請求
項1の発明に対応する制御では、赤外線センサ(4)の
走査により求められる室内空間(R)の各領域の赤外線
入光量T(θ)から、冷房負荷の有無が検知され、赤外
線入光量T(θ)が第1設定値Tmax1以上となる領域θ
があると、負荷領域位置演算手段(51)により、当該
領域θの空気吹出口(2)に対する位置が求められる。
そして、風向制御手段(52)により、当該負荷領域θ
に冷風を供給するよう制御される。
【0037】その場合、風向調節機構であるフラップ
(3),(3)は、水平吹きが可能に設けられているの
で、天井面に平行に吹出された吹出気流はコアンダ効果
によって、いったん天井面に沿って流れるが、その後室
内空気との温度差に起因する比重の相違で天井面から離
脱し、下方に降下する。そして、フラップ(3),
(3)の傾きの調節によって天井面に対する空気吹出口
(2)の開口部の有効高さHoが変更可能に構成されて
いるので、風向制御手段(52)により、上記式(2)に
基づいて、当該負荷領域θの位置に吹出気流が降下する
よう有効高さHoを制御することが可能になる。
【0038】したがって、負荷領域θの直上方から冷風
が供給されることになり、当該負荷領域θの手前の領域
等の居住者にドラフト感を与えることがない。よって、
空調の快適性の向上を図ることができるのである。
【0039】また、上記第1実施例における請求項2の
発明に対応する制御では、ある領域θの赤外線入光量T
(θ)が第1設定値以上で、かつ床領域でないときに
は、領域判別手段(53)により、当該領域θの赤外線
入光量T(θ)が第1設定値Tmax1よりも高い第2設定
値Tmax2以上か否かが判別され、第2設定値Tmax2以上
であれば、当該領域θが外壁領域と判別される。一方、
外壁領域位置演算手段(54)によって、赤外線入光量
が第2設定値Tmax2以上となる領域と第2設定値Tmax
よりも低い領域との境界の方向から室内空間(R)の外
壁領域の位置が求められるので、風向変更制御手段(5
5)により、外壁領域の位置に吹出気流が天井面から離
脱して降下するようフラップ(3),(3)が制御され
ることで、上記請求項1の発明と同様の効果が得られ
る。特に、外壁領域は夏期等においては外壁領域は高温
になるので、外壁領域には頻繁に冷風が供給されるが、
かかる場合にも、天井面から降下する吹出流を供給する
ことにより、その手前の領域の居住者等のドラフト感を
有効に防止することができ、著効を発揮することができ
る。
【0040】なお、実施例は省略するが、上述のよう
に、請求項3の発明に対応して、上記フローのステップ
ST10の制御の代りに、予め入力された外壁領域の位
置に冷風を降下させる制御を行うことで、上記請求項2
の発明の制御と同様の効果を得ることができる。ただ
し、請求項3の発明では、請求項2の発明に比べて、制
御が簡素化される反面、何等かの入力手段が必要となる
不利がある。
【0041】次に、上記第1実施例では、請求項4の発
明に対応し、風向調節機構として、一端が固定されたフ
ラップ(3),(3)の傾き角度の調整によって天井面
からフラップ(3),(3)までの有効高さHoを制御
するようにしたが、本発明の風向調節機構はかかる実施
例に限定されるものではない。
【0042】図14〜図16は、第2実施例に係る空気
吹出口(10)の構造を示し、空気吹出口(10)の吹
出チャンバ(10b)内には、後述のように、ダクト
(1a)の取付部から空気吹出口(10)の開口部に亘
って空調空気が流通する通風路(12)が形成されてい
る。そして、(13)は空調空気の風向を可変に調節す
る風向調節機構としてのフラップ、(M)は該フラップ
(13)を駆動する駆動モータ、(20)は通風路(1
4)の長辺方向に延びて通風路を等分割する通風路分割
部材としてのガイドベーン、(21)は該ガイドベーン
(20)を回動させる回駆動モータである。
【0043】図17は、天井面(S)に設置された状態
における空気吹出口(10)の一断面を示し、吹出グリ
ル(10a)に上記ガイドベーン(20)が取付けられ
いる。ガイドベーン(20)は、その両端に吹出グリル
(10a)の相対峙する2側壁で支承される一対の軸部
材(20a),(20a)を有し、この軸部材(20
a),(20a)を介して気流に直交する回転軸の回り
に回動自在に設けられているとともに、軸部材(20
a),(20a)の略半円筒状の基部(20b)と、該
基部(20b)から空調空気の上流側に向って両側面が
先端で交差するよう楔状に延びる気流案内部(20c)
とからなる。つまり、ガイドベーン(20)の基部(2
0b)で通風路(12)を2等分するとともに、駆動モ
ータ(21)によって回動されたときには、先端におけ
る通風路(12)の分割比を変え、先端から基部に向っ
て通路面積が絞られる絞り側通路と、先端から基部(2
0b)に向って通路面積が拡大する拡大側通路とに分割
し、絞り側通路の気流を気流案内部(20c)で案内し
ながら軸部(20b)で絞り込むようになされている。
【0044】また、上記フラップ(13)は略四分の一
円筒状に形成され、吹出グリル(10a)の一長側壁の
内面に沿って空気吹出口(10)の開口部から出没自在
に設けられ、突出位置(実線図示)では空気吹出口(1
0)の開口を絞りながら図中左方に曲げる一方、埋没位
置では開口面積を最大にし、かつ吹出空気の方向を垂直
下方に向けるようになされている。
【0045】次に、上記ガイドベーン(20)の位置と
気流の到達度Dとの関係について、図18及び図19に
基づき説明する。図18(a)に示すように、ガイドベ
ーン(20)が中央位置から図中左方に傾いたとき、ガ
イドベーン(20)で分割される左右の通路の面積はい
ずれもA/2(Aは前断面積)であるが、右方の風速v
r が左方の風速vl よりも大きくなるので、風速が0.
25m/sec の当風速線つまり空調に寄与する気流の到
達位置は、図中実線で示すごとく右方に偏ったものとな
る。図18(b)はガイドベーン(20)の回動位置の
変化つまり左右の通路の流量比Rに対する吹出風速v,
気流の運動量j(=Q2 /A(ただし、Qは送風ファン
からの送風量)),気流の到達度D(最大時を「1」と
する)の変化特性を示す。ガイドベーン(20)が図中
右方に傾いたときには、右方の風速vr は「0」まで低
減するが、左方の風速vl が最大2Q/Aまで増大し、
その結果、左方の気流の運動量jl も2Q2 /Aまで増
大する。同様に、ガイドベーン(20)が図中左方に傾
いたときには右方の風速vr が最大2Qまで、右方の気
流の運動量jr が最大2Q2 /Aまで増大する。その結
果、ガイドベーン(20)が中央位置にあるときよりも
左右いずれかに傾いたときの方が気流全体の運動量jt
が増大し、気流の到達度Dが上昇する。
【0046】特に、空気吹出口(10)に吹出空気の風
向を変更するフラップ(13)を設け、その突出位置を
最大付近にして水平吹きを行った場合、図17に示すよ
うに、ガイドベーン(20)を回動させて、その先端に
おける通風路(12)の分割比Rを変化させると、上述
のように気流の運動量が増大するので、上記式(1) かも
わかるように、吹出気流の天井面からの離脱位置Xmax
が変化し、上記第1実施例と同様に、吹出気流の供給位
置を制御することができる。
【0047】ただし、上記第1実施例では、第2実施例
に比較して、フラップ(3),(3)の変更のみで、簡
易に吹出気流の天井面(S)からの離脱位置を調整しう
る利点がある。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、室内空間の天井側に設置され、空気吹出口から
空調空気を下方に吹出すように構成された空気調和装置
の運転制御装置として、空気吹出口に、吹出空気を天井
面に沿って吹出す水平吹きが可能に、かつ天井面から下
方への離脱位置が変更可能に構成された風向調節機構を
設け、室内空間の各領域からの赤外線入光量を検出し、
赤外線入光量が第1設定値以上となる領域の空気吹出口
に対する位置を演算するとともに、演算された負荷領域
の位置に天井面から離脱した空調空気が降下するよう風
向調節機構を制御するようにしたので、負荷領域の直上
方から、当該負荷領域の手前の領域等の居住者にドラフ
ト感を与えることなく、冷風を供給することができ、よ
って、空調の快適性の向上を図ることができる。
【0049】請求項2の発明によれば、上位請求項1の
発明において、ある領域の赤外線入光量が第1設定値以
上で、かつ床領域でないときには、当該領域の赤外線入
光量が第1設定値よりも高い第2設定値以上であれば、
当該領域を外壁領域と判別し、演算された外壁領域の位
置に冷風を供給するようにしたので、夏期等において高
温になり頻繁に冷風が供給される外壁領域の手前の領域
等の居住者にドラフト感を与えることなく、高い冷房効
果を得ることができる。
【0050】請求項3の発明によれば、上記請求項2の
発明における外壁領域位置の演算の代りに、予め入力さ
れた外壁領域位置に対し、上記請求項2と同様の制御を
行うようにしたので、制御の簡素化を図ることができ
る。
【0051】請求項4の発明によれば、上記請求項1,
2又は3の発明において、風向調節機構を、水平吹出に
おける空気吹出口の開口部の有効高さを調節しうる構成
としたので、水平吹出の場合における吹出部の有効高さ
と天井面からの離脱位置について所定の関係があること
を利用して、風風向調節機構の制御により、負荷領域又
は外壁領域への冷風の供給制御の簡易化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例における空気吹出口及び室内空間の
一部を示す縦断面図である。
【図3】赤外線センサ本体部分の縦断面図である。
【図4】赤外線センサ本体の側断面図である。
【図5】赤外線センサ全体の縦断面図である。
【図6】赤外線センサ全体の側断面図である。
【図7】空気吹出口の詳細を示す縦断面図である。
【図8】空気吹出口の詳細を示す側断面図である。
【図9】空気吹出口の開口部の有効高さに対する吹出気
流の天井面からの離脱位置の変化を示す特性図である。
【図10】風向制御の内容を示すフロ―チャ―ト図であ
る。
【図11】負荷領域位置と吹出気流の天井面からの離脱
位置との関係を示す図である。
【図12】外壁における赤外線センサの走査角度と壁面
温度との関係を示す図である。
【図13】外壁における窓面と腰壁との位置関係を示す
説明図である。
【図14】第2実施例における空気吹出口の正面図であ
る。
【図15】第2実施例における空気吹出口の右側面図で
ある。
【図16】第2実施例における空気吹出口の左側面図で
ある。
【図17】第2実施例における空気吹出口のガイドベー
ン取付部における詳細構造を示す縦断面図である。
【図18】ガイドベーンの回動位置変化に対する吹出気
流の風速,運動量及び到達度の変化を示す特性図であ
る。
【図19】第2実施例における通風路の分割比調節に対
する天井面からの離脱位置の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
2 空気吹出口 3 フラップ(風向調節機構) 4 赤外線センサ(赤外線検出手段) 51 負荷領域位置演算手段 52 風向制御手段 53 領域判別手段 54 外壁領域位置演算手段 55 風向変更制御手段 R 室内空間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内空間(R)の天井側に設置され、空
    気吹出口(2)から空調空気を下方に吹出すように構成
    された空気調和装置において、 室内空間(R)の各領域に亘って走査され、室内空間
    (R)の各領域からの赤外線入光量を検出する赤外線検
    出手段(4)と、 上記空気吹出口(2)に配設され、吹出空気を天井面に
    沿って吹出す水平吹きが可能に、かつ吹出気流の天井面
    から下方への離脱位置が変更可能に構成された風向調節
    機構(3)と、 冷房運転時、上記赤外線検出手段(4)の出力を受け、
    赤外線入光量が第1設定値以上となる領域の空気吹出口
    (2)に対する位置を演算する負荷領域位置演算手段
    (51)と、 該負荷領域位置演算手段(51)で演算された負荷領域
    の位置に天井面から離脱した空調空気が降下するよう上
    記風向調節機構(3)を制御する風向制御手段(52)
    とを備えたことを特徴とする空気調和装置の運転制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、 冷房運転時、上記赤外線検出手段(4)の出力を受け、
    ある領域における赤外線入光量が第1設定値以上で、か
    つ当該領域が床領域でないときには、当該領域の赤外線
    入光量が上記第1設定値よりも高い第2設定値以上のと
    きに当該領域を室内空間(R)の外壁領域として判別す
    る領域判別手段(53)と、 赤外線入光量が上記第2設定値よりも低い領域と第2設
    定値以上となる領域との境界の方向に基づき、外壁領域
    の空気吹出口(2)に対する位置を演算する外壁領域位
    置演算手段(54)と、 上記領域判別手段(53)により当該領域が外壁領域と
    判別されたときには、上記外壁領域位置演算手段(5
    4)で演算された外壁領域の位置に吹出気流が降下する
    よう上記風向調節機構(3)を制御する風向変更制御手
    段(55)とを備えたことを特徴とする空気調和装置の
    運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、 空気吹出口(2)から室内空間(R)の外壁領域までの
    距離を入力する入力手段と、 冷房運転時、上記赤外線検出手段の出力を受け、ある領
    域における赤外線入光量が第1設定値以上のときには、
    当該領域の赤外線入光量が上記第1設定値よりも高い第
    2設定値以上のときに当該領域を室内空間の外壁領域と
    して判別する領域判別手段と、 上記領域判別手段により当該領域が外壁領域と判別され
    たときには、上記入力手段で入力された外壁領域の位置
    に吹出空気が降下するよう上記風向調節機構を制御する
    風向変更制御手段とを備えたことを特徴とする空気調和
    装置の運転制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の空気調和装置
    の運転制御装置において、 風向調節機構(3)は、空気吹出口(2)の開口部の天
    井面からの有効高さを調節する機構を備え、有効高さの
    調節により、水平に吹出された吹出空気の天井面からの
    離脱位置を調節するように構成されていることを特徴と
    する空気調和装置の運転制御装置。
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