JPH06101849A - 高周波加熱調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、扉体を外扉体と内扉体と、これら
に挟設された電波遮蔽板から構成してなる周波加熱調理
器において、内扉体と電波遮蔽板が扉体開閉時や加熱時
等に接触することなく異音や傷が生じず、しかも扉体加
工時の作業性を大幅に向上させ、もって製品の商品性の
向上及びコストダウンに寄与する構造の加熱調理器を提
供することを目的とする。 【構成】 本発明に係る高周波加熱調理器は、内部に加
熱室を有する本体と、この本体の開口部を開閉すべく設
けられた扉体とを有し、前記扉体は外扉体と、この外扉
体に対向し前記加熱室側に膨出する形状の内扉体と、前
記外扉体と内扉体との間に挟設される電波遮蔽板とを備
えてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高周波、ヒ−タ等によ
り被調理物を加熱調理する高周波加熱調理器に係り、特
にその扉構造を改善した高周波加熱調理器に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は高周波及びヒ−タにより非調理物
を加熱調理する高周波加熱調理器の外観図を示すもので
ある。１は本体で、加熱室２内の載置台３に被調理物４
を載置し、本体１内に設けられた図示しないマグネトロ
ン及びヒ−タにより被調理物４の加熱調理を行う。本体
１には被調理物４を出入れする為の開口部５が前面に設
けられており、該開口部５にはこれを開閉すべく本体１
側に固定される図示しないヒンジにより本体１に回動自
在に軸支される扉体６が設けられている。

【０００３】図３はこのような加熱調理器の従来の扉体
６の要部横断面図である。扉体６は外側に設けられた平
板状の外扉体７と、これに対向し加熱室２側に設けられ
た平板状の内扉体８と、これらの間に設けられ上記マグ
ネトロンから発生する高周波を遮断する平板状のパンチ
ング板９とを備え、該パンチング板９の端部がシリコン
シ−ル１０によって内扉体８に固着された接触片１１と
外扉体７に固着された扉板１２との間に溶接挟着されて
一体的に扉体６が構成されている。パンチング板９は、
例えば穴径０．７mm、穴ピッチ０．９mmの小穴群からな
るもので、最近では加熱室２内の被調理物４の調理具合
を外部から目視しやすくする為その板厚を例えば０．２
mm程度の薄板としている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように構成された
扉体６において、パンチング板９と内扉体８との間隙Ｈ
１は扉体６の構造上接触片１１の板厚（この場合０．５
mm）程度であり非常に接近している。一方、パンチング
板９は薄板にパンチング加工を施したものであるため腰
が弱く若干加工歪みが残っている。そのため、扉体６の
開閉時にパンチング板９と内扉体８とが接触して傷の原
因になったり、接触により異音が発生する等商品性を著
しく損ねる恐れがあったため、組立精度を高めるなどの
必要があった。特に、ヒータにより被調理物４を加熱す
る場合には、熱による加熱でパンチング板９の特に中央
部の歪みが大きくなり、上述した問題がより深刻なもの
となる。

【０００５】これを改善するため、図４及び図５に示す
ようにパンチング板１３に段部１４を設け、上記と同様
にその端部を接触片１１と扉板１２との間に溶接により
挟着することが考えられる。これによれば、パンチング
板１３と内扉体８との間に比較的大きな間隙Ｈ２を確保
することができる。

【０００６】しかしながら、このパンチング板１３はプ
レス押し出し成形により段部１４を形成するため、成形
時の加工歪が従来の平板状パンチング板９より大きく、
パンチング板１３全体が反り返ってしまう。そのため、
パンチング板１３を接触片１１と扉版１２とに溶接する
際、押さえ治具等の設備が必要となり作業性が悪く、溶
接時の効率低下、ひいては製品のコストアップを招いて
しまう。さらに、溶接後、内扉体８を接触片１１にシー
ル材１０によりシール保持加工する際にも、パンチング
板１３の反り返った部分１５が内扉体８と接触し、シー
ル保持加工を妨げる方向にこれを付勢する。一般に、こ
のシール保持加工ではシール材１０としてシリコンを用
いており、その硬化に約２４時間を要する。そのため、
硬化までの間内扉体８に加重をかけて押さえる必要が生
じ、そのための設備も要することになる。

【０００７】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、板厚の薄いパンチング板を採用する高周波加熱調理
器において、内扉体とパンチング板が接触することなく
異音や傷が生じず、しかも扉体加工時の作業性を大幅に
向上させ、もって製品の商品性の向上及びコストダウン
に寄与する構造の高周波加熱調理器を提供することを目
的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る高周波加熱
調理器は、内部に加熱室を有する本体と、この本体の開
口部を開閉すべく設けられた扉体とを有し、前記扉体は
外扉体と、この外扉体に対向し前記加熱室側に膨出する
形状の内扉体と、前記外扉体と内扉体との間に挟設され
る電波遮蔽板とを備えてなることを特徴とする。

【０００９】

【作用】内扉体を加熱室側へ膨出する形状にて構成する
ことにより、内扉体と電波遮蔽板との間に十分な間隙が
確保される。また、電波遮蔽板を平板にて構成でき製作
が容易で加工歪みも少ない。

【００１０】

【実施例】以下、本発明に係る高周波加熱調理器の一実
施例を図面を用いて説明する。なお、先に述べた高周波
加熱調理器の外観と同一部分については同一符号にて説
明する。

【００１１】図１は本発明に係る高周波加熱調理器の扉
体１６の要部横断面図である。扉体１６は、接触片１
１、扉板１２等により本体１のキャビネット２０へ回動
自在に軸支されている。この扉体１６は、外側に設けら
れた外扉体７と、シール材１０により接触片１１に固着
され加熱室２側に設けられた内扉体１８と、接触片１１
と扉板１２への溶接加工によって外扉体７と内扉体１８
との間に挟設された電波遮蔽板としてのパンチング板９
を備えて一体的に構成される。パンチング板９は、例え
ば０．２mm程度の薄板に穴径０．７mm、穴ピッチ０．９
mmの小穴群をパンチング加工して形成した平板である。
内扉体１８は、加熱室２側に膨出湾曲した曲面形状をな
し、扉体１６の中央部Ａにてパンチング板９と最も離反
するようになっている。

【００１２】本実施例によれば、パンチング板９は平板
にパンチング加工しただけのものであり、その加工が極
めて容易であると共に従来のように段部を形成する必要
がなく段部形成時の加工歪が生じない。 また、内扉体
１８を加熱室２側へ湾曲した曲面形状としたので、パン
チング板９とのあいだに十分な間隙を確保することがで
き、パンチング板９のパンチング時の加工歪があっても
扉体１６の開閉時等に内扉体１８とパンチング板９とが
接触することがない。この内扉体１８は扉体１６の中央
部Ａでパンチング板９と最も離反するような形状となっ
ていることから、ヒータ等で加熱した際に最も歪みやす
いパンチング板９の中央部の歪みが大きくも、内扉体１
８とパンチング板９とが接触することがなく、また加熱
室２側への突出を極力少なく保つことができ、加熱室２
内の空間が狭まることがない。さらに、内扉体１８を曲
面形状にて構成したので、内扉体１８そのものの必要と
するを得るのに有利となる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、高周波加熱調理器にお
いて、扉体の内扉体と電波遮蔽板が扉体開閉時や加熱時
等に接触することなく異音や傷が生じず、しかも扉体加
工時の作業性を大幅に向上させ、もって高周波加熱調理
器の商品性の向上及びコストダウンに寄与することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例における扉体の要部横断面図

【図２】従来の高周波加熱調理器の外観図

【図３】従来の高周波加熱調理器の扉体の要部横断面図

【図４】従来の高周波加熱調理器の扉体の要部横断面図

【図５】図４に示すパンチング板１５の横断面図

【符号の説明】

１は本体、２は加熱室、１６は扉体、７は外扉体、１８
は内扉体、９はパンチング板（電波遮蔽板）を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に加熱室を有する本体と、この本体
   の開口部を開閉すべく設けられた扉体とを有し、前記扉
   体は外扉体と、この外扉体に対向し前記加熱室側に膨出
   する形状の内扉体と、前記外扉体と内扉体との間に挟設
   される電波遮蔽板とを備えてなることを特徴とする高周
   波加熱調理器。